Artist: The Weeknd
Album: Kiss Land
Song Title: Professional
概要
本作「Professional」は、The Weekndが2013年にリリースした記念すべきデビュー・スタジオアルバム『Kiss Land』のオープニングを飾る重要曲である。アンダーグラウンドの無料ミックステープで熱狂的なカルト人気を獲得した『Trilogy』時代から一転、彼が初めて本格的な世界ツアーを経験し、突如として放り込まれた「名声」という名の未知で恐ろしい世界(=Kiss Land)への戸惑いと変容が克明に描かれている。楽曲は大きく2つのパートに分かれており、後半のビートチェンジと共にイギリスのアーティストEmikaの「Professional Loving」(2011年)が大胆にサンプリングされている。愛や肉体を金銭で取引し、一切の感情を交えないストリッパーやコールガールの「プロ意識」を描写しつつ、これは同時に「自身のダークな実体験や感情を音楽という商品にパッケージングして大衆に売り捌く」という、音楽業界におけるThe Weeknd自身の立場への強烈な自己投影とシニカルなメタファーとなっている。愛を売る女と、悲哀を売るスター。両者は巨大な檻の中で生きる「プロフェッショナル」として、このアルバム全体の退廃的で孤独なテーマを提示しているのだ。
和訳
[Part I]
[Verse: The Weeknd]
It's ideal, oh
理想的だろ、oh
You need someone to tell you how to feel
お前は自分の感情の扱い方を教えてくれる誰かを求めてる
※自分の本心すら分からなくなり、他者に感情のコントロールを依存している状態を示唆している。
And you think your happiness is real
そして自分の幸せが本物だと思い込んでる
There's so much more the world has to reveal
世界にはまだ見せてないものが山ほどあるのに
But you choose to be concealed
お前は隠れたままでいることを選ぶんだな
So you're somebody now
これでお前も一端の何者かになれたわけだ
But what's a somebody in a nobody town?
だが、何者でもない奴らの街で「何者か」になったところで何の意味がある?
※地元の狭い世界(例えば特定のストリップクラブなど)でトップに立っても、広い世界から見れば取るに足らない存在であるという皮肉。同時に、地元トロントのアンダーグラウンドシーンからメインストリームへ移行する直前のThe Weeknd自身の状況とも重なるダブルミーニング。
I don't think you even know it
お前はそれに気付いてすらいないんだろう
So you're somebody now
これでお前も一端の何者かになれたわけだ
But what's a somebody in a nobody town?
だが、何者でもない奴らの街で「何者か」になったところで何の意味がある?
You made enough to quit a couple years ago
2、3年前にはもう足を洗えるくらい稼いでただろ
But it consumes you
なのに、その生活がお前を蝕んでいく
It's everywhere you go
どこへ行こうとついて回るんだ
And just the thought alone got you trippin'
考えただけでおかしくなりそうなんだろ
Got you losing your mind
狂ってしまいそうになる
And I don't blame you
責めるつもりはないよ
It's everything you know
それがお前の知る世界のすべてだからな
※大金を手にして引退できるはずなのに、そのライフスタイルに依存しきって抜け出せない女性の悲哀を描写している。
But I own this time, this ain't new
だが、今は俺が支配してる、今に始まったことじゃない
Now I decide when we're through
いつ終わりにするかは俺が決める
※パトロンや客としての支配的なスタンス。また、音楽業界において自身の主導権を握ろうとするアーティストとしての宣戦布告とも解釈できる。
[Part II]
[Chorus: Emika]
I love, you love
私は愛する、あなたも愛する
This love
この愛を
We're professional
私たちはプロフェッショナル
※イギリスのシンガー、Emikaの楽曲「Professional Loving」のサンプリング。肉体関係や愛の模倣をビジネスとして割り切る冷徹さを端的に表現している。
I know, you know
分かってるでしょ、あなたも
We're sophisticated
私たちは洗練されている
At loving...
愛することにおいて...
We're professional
私たちはプロフェッショナル
[Verse 1: The Weeknd]
What does it mean, oh
一体どういう意味があるんだ、oh
When your heart's already numb?
すでに心が麻痺してしまっているのに
You're professional
お前はプロフェッショナルだ
Won't treat it like it's personal
個人的な感情なんか持ち込まない
No, 'cause it's just love
あぁ、だってただの「愛」だからな
It always makes its way back around
愛なんてどうせ巡り巡って戻ってくるものだ
It's dispensable
使い捨てできるものさ
To fall is unacceptable
恋に落ちるなんて許されない
※疑似恋愛を売る夜の商売において、客に本気の感情を抱くことはご法度であるという厳しい掟。The Weekndの楽曲群に頻出する「愛の拒絶」のテーマでもある。
'Cause everything you've been through made you stronger
これまでの経験すべてがお前を強くしてきたんだから
And every day, you learn about yourself
そして毎日、お前は自分自身について学んでいく
And nothing really played out how it's s'posed to
結局、思い描いていた通りに物事が進むことなんてなかっただろ
Depending on somebody else's wealth
誰かの財力に依存する生活ではな
But now you know the value of a dollar
だが今、お前は1ドルの重みを知っている
And girl, I make enough of it to spend
そしてなぁ、俺はそれを好きなだけ使えるくらい稼いでるんだ
I love the way you put yourself together
お前が自分を着飾る姿が好きだ
I love the way you make that body bend
お前がその体を反らせる姿が好きだ
For me again, oh, yeah
俺のためにまたやってくれ、oh, yeah
[Chorus: Emika]
I love, you love
私は愛する、あなたも愛する
This love
この愛を
We're professional
私たちはプロフェッショナル
I know, you know
分かってるでしょ、あなたも
We're sophisticated
私たちは洗練されている
At loving...
愛することにおいて...
[Verse 2: The Weeknd]
All of those nights you were up barely holding your own
ギリギリの状態で一晩中起きていたあの夜
Girl, you've got it made
なぁ、お前はやり遂げたんだ
Had you blaming yourself for when life did you wrong
人生が上手くいかない時、お前は自分を責めてばかりいた
Now, you've got it made
今、お前は成功を手にしたんだ
Getting rich to the drums of your favorite song
お気に入りの曲のドラムに合わせて金持ちになっていく
※ストリップクラブで客のために踊りながらチップを稼ぐ情景。同時に、自分の好きな音楽を大衆に売って莫大な富を得るThe Weeknd自身の自己投影でもある。
Girl, you've got it made
なぁ、お前は成功を手にしたんだ
'Cause your freedom was here in this cage all along
なぜなら、お前の自由はずっとこの「檻」の中にあったんだから
※大金と引き換えにストリップクラブ、あるいは音楽業界というシステムに囚われている状態。富による自由と、職業的拘束というパラドックスの表現。
Oooh, how'd you drain all the soul from your eyes?
Oooh、どうやってその瞳から魂をすっかり抜き取ったんだ?
How'd you teach, teach yourself how to smile
どうやって、どうやって自分に微笑み方を教え込んだんだ?
In a world where your dreams can't be real, no?
夢が絶対に叶わないこの世界で?
Every touch that you sell is a lie
お前が売るその肌の触れ合いは、すべてが嘘っぱちだ
※対象の虚無感を痛烈に突くライン。プロフェッショナルであることの代償として人間性が失われ、すべてがハリボテのパフォーマンスに過ぎないという虚しさを提示している。
[Outro: Emika]
I love, you love
私は愛する、あなたも愛する
This love
この愛を
We're professional
私たちはプロフェッショナル
I know, you know
分かってるでしょ、あなたも
We're sophisticated
私たちは洗練されている
At loving...
愛することにおいて...
We're professional
私たちはプロフェッショナル
We're professional
私たちはプロフェッショナル
