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Bitch, Don’t Kill My Vibe (Remix) - Kendrick Lamar (feat. JAY-Z) 【和訳・解説】

Artist: Kendrick Lamar (feat. JAY-Z)

Album: good kid, m.A.A.d city

Song Title: Bitch, Don’t Kill My Vibe (Remix)

概要

2012年にリリースされ、ヒップホップシーンに多大な衝撃を与えたKendrick Lamarの『good kid, m.A.A.d city』。その象徴的なアンセム「Bitch, Don't Kill My Vibe」の公式リミックスであり、東海岸の絶対的王者であるJAY-Zをフィーチャーした歴史的なコラボレーションである。オリジナル版がKendrickの孤独な芸術的決意や内省をテーマにしていたのに対し、このリミックスでは彼が西海岸から全米へと覇権を拡大し、「神MC」としての地位を確立していく野心とアグレッシブなボースティングが展開されている。一方のJAY-Zは、ホワイトハウスでの特権的な振る舞いや長年のキャリアの重みを誇示し、両者がそれぞれの「バイブス」を害する者を圧倒的なスキルで一蹴する。新旧の王者によるこのマイクリレーは、Kendrick Lamarが名実ともにヒップホップの頂点へと登り詰めたことを決定づける重要なモニュメントとなった。

和訳

[Chorus: Kendrick Lamar & Anna Wise, Kendrick Lamar]

I am a sinner
俺は罪人だ

Who's prob'ly gonna sin again
おそらくまた罪を犯してしまうであろう

Lord, forgive me, Lord, forgive me
主よ、お許しください、主よ、お許しください

Things I don't understand
俺には理解できないことばかりだ

Sometimes I need to be alone
時々、俺は独りになる必要がある

Bitch, don't kill my vibe, bitch, don't kill my vibe
ビッチ、俺のバイブスを台無しにするな、俺のバイブスを台無しにするな

I can feel your energy from two planets away, I got
お前の放つエネルギーは、2つ先の惑星からでも感じ取れるぜ

My drink, I got my music, I would share it, but today I'm yellin'
俺には酒があり、音楽がある、普段なら分かち合うところだが、今日だけは叫ばせてもらう

Bitch, don't kill my vibe, bitch, don't kill my vibe
ビッチ、俺のバイブスを台無しにするな、俺のバイブスを台無しにするな

Bitch, don't kill my vibe, bitch, don't kill my vibe (Uh)
ビッチ、俺のバイブスを台無しにするな、俺のバイブスを台無しにするな (Uh)

[Verse 1: Kendrick Lamar]

Look inside of my soul and you can find
俺の魂の中を覗き込んでみろ

Gold and maybe get rich—hol' up
黄金が見つかって、お前も金持ちになれるかもしれないぜ—待てよ

Trinidad Jame$ in four weeks
トリニダード・ジェームスは4週間でそれをやったがな
※Trinidad Jamesのヒット曲「All Gold Everything」と、彼がデビューからわずか4週間でメジャーレーベルと巨額の契約を結んだことへの言及。

But now my album platinum and shit, so what?
だが今や俺のアルバムはプラチナ(ミリオンセラー)だ、だから何だ?
※一発屋の成金(Gold)ではなく、自分は真の実績(Platinum)を持っているという比較。

Y'all keep the numbers
お前らは数字(売上)でも数えてな

I'm more than another statistic, my nigga
俺はただの統計データの1つなんかじゃないんだよ、ダチよ

This courtesy of Compton (Courtesy of Compton)
これはコンプトンからの贈り物さ(コンプトンからの贈り物)

Brooklyn go hard, motherfucker
ブルックリンが激しくいくぜ、マザーファッカー
※JAY-Zの楽曲「Brooklyn Go Hard」の引用であり、客演の彼に対するシャウトアウト。

Love me on the East like I'm Chuck D
イーストコーストでも俺を愛してくれ、まるでチャックDみたいにな
※Chuck DはNYの伝説的グループPublic Enemyのフロントマン。

Dominicans wish that I was born there
ドミニカ人たちは俺がそこで生まれたらよかったのにと願ってる

I'm lookin' to be the god MC
俺は神MC(ゴッド・MC)になることを目指している
※「God MC」はRakimやNasなど、歴史上のトップリリシストに与えられる称号。

You look at my hat and see thorns there
俺の帽子を見れば、そこにイバラの冠が見えるはずだ
※キリストのイバラの冠。自分がヒップホップの救世主(犠牲者)であるというメタファー。

I look at the game and see porn there
俺がラップゲームを見れば、そこにはポルノが見える
※業界が魂を売り、商業的に搾取されている(ポルノ化している)状態を批判。

I'm fuckin' this industry hard
俺はこの業界を激しくファックしてやる

I'm bagging this money, tea-bagging your honey
俺はこの金をかき集め、お前の女にティーバギングしてやる
※「bagging money(金を稼ぐ)」と「tea-bagging(屈辱的な性行為)」の露骨なワードプレイ。

You thought I was fresh out the yard
俺がムショの庭(ヤード)から出てきたばかりだと思ってたんだろ
※「yard」は刑務所の中庭。俺をただの荒くれ者だと思っていたヤツらへの挑発。

Don't cry to me dummy, you're a lightweight
俺に泣きついてくるなよ、マヌケ、お前は軽量級(ライト級)だ

They tell me you nice and I'm like "wait"
奴らはお前がイケてるって言うが、俺は「待てよ」って感じだ

Go get me a knife, you're looking like steak
ナイフを持ってきてくれ、お前はまるでステーキみたいに見えるからな

And when the stakes are high, I stake out for days
賭け金(ステークス)が高い時、俺は何日も張り込み(ステークアウト)をする
※「steak(肉)」「stakes(賭け金)」「stake out(張り込み)」のトリプルミーニング。

And when the water reside, you're Bobby Boucher
そして水が引いた時、お前はボビー・ブーシェだ
※映画『ウォーターボーイ』の主人公(アダム・サンドラー演じる水汲み係)のこと。自分のような波(津波)が引いた後、お前はただの雑用にすぎないというディス。

But we ain't thirsty nigga, never alert me, nigga
だが俺たちは渇いちゃいないぜ、俺を警戒させるなよ、ダチよ

I got a P89 in a suitcase
俺はスーツケースにP89(拳銃)を隠し持っている

I know you heard me, nigga, this is a burpee, nigga
聞こえただろ、ダチよ、こいつはバーピー(筋トレ)だぜ、ダチよ

Lyrical exercise, right now, homie, I'm in the extra vibe
リリカルなエクササイズさ、今の俺は、相棒、エキストラなバイブスに入ってるんだ

Pipe down on the curb when you heard that I got these words
俺がこの言葉を手に入れたって聞いたら、縁石の隅で黙ってな

To the upper echelon, that's excellent (That's excellent)
上の階級(エシュロン)に向けてな、そいつは素晴らしい(それは素晴らしい)

[Chorus: Kendrick Lamar & Anna Wise, Kendrick Lamar]

I am a sinner
俺は罪人だ

Who's prob'ly gonna sin again
おそらくまた罪を犯してしまうであろう

Lord, forgive me, Lord, forgive me
主よ、お許しください、主よ、お許しください

Things I don't understand
俺には理解できないことばかりだ

Sometimes I need to be alone
時々、俺は独りになる必要がある

Bitch, don't kill my vibe, bitch, don't kill my vibe
ビッチ、俺のバイブスを台無しにするな、俺のバイブスを台無しにするな

I can feel your energy from two planets away, I got
お前の放つエネルギーは、2つ先の惑星からでも感じ取れるぜ

My drink, I got my music, I would share it, but today I'm yellin'
俺には酒があり、音楽がある、普段なら分かち合うところだが、今日だけは叫ばせてもらう

Bitch, don't kill my vibe, bitch, don't kill my vibe
ビッチ、俺のバイブスを台無しにするな、俺のバイブスを台無しにするな

Bitch, don't kill my vibe, bitch, don't kill my vibe
ビッチ、俺のバイブスを台無しにするな、俺のバイブスを台無しにするな

[Verse 2: JAY-Z]

Up in the clouds
雲の上にいる

Me and my spouse
俺と俺の妻(ビヨンセ)だ

Rumors on the ground gettin' too loud
地上での噂話が少しうるさくなってきたな

Please turn them shits down (Down, down)
頼むからそのクソみたいな音を下げてくれ(下げて、下げて)

Can't hear myself think
自分の考えすら聞こえやしない

Turbulence, shit, I almost spilled my drink
乱気流だ、クソ、危うく酒をこぼすところだったぜ
※プライベートジェットで空を飛びながら、地上の下世話な噂話を見下ろしている王者の余裕。

In the White House with a mink, runnin' through that bitch
ミンクのコートを着てホワイトハウスにいる、その中を駆け回ってるぜ

Like it's my house, all up in the hall like a mall
まるでそこが自分の家かのように、ホールをモールみたいに歩き回るんだ
※オバマ大統領時代にホワイトハウスに招かれたJAY-Zの特権階級としてのボースティング。

Told you motherfuckers, all I do is ball
マザーファッカーどもに言っただろ、俺がやるのは豪遊(成功)だけだってな

No, I don't 'member you, I don't intend to
いや、俺はお前のことなんか覚えてないし、覚えるつもりもない

Empty my memory bank
俺の記憶のバンク(銀行/記憶)を空にするんだ

It's a million dollars in it, baby, Hilary Swank
そこには100万ドルが入ってるんだよ、ベイビー、ヒラリー・スワンクさ
※ヒラリー・スワンク主演の映画『ミリオンダラー・ベイビー』の引用。自分の脳内(記憶)は100万ドルの価値があるので、無駄な人間を記憶するスペースはないという比喩。

Sittin' next to Hillary smellin' like dank
ヒラリー(クリントン)の隣に座って、極上のハッパの匂いをさせてるぜ

Presidential pardon, name one nigga out there harder than him
大統領の恩赦だ、あいつ(JAY-Z)よりもハードな黒人を一人でも挙げてみろ

I'll wait
待ってやるよ
※JAY-Zほどの社会的地位とストリートのハードさを両立させたラッパーは存在しないという絶対的な自信。

I've been in my wave like twenty years straight
俺は20年間連続で、自分の波(ウェーブ)に乗り続けている

I've been on my vibe like twenty years straight
俺は20年間連続で、自分のバイブスを保ち続けている

Don't fuck up my high (Fuck up my high)
俺のハイな気分をぶち壊すな(俺のハイをぶち壊すな)

Nights like this, I could fuck up a pie
こんな夜には、パイ(1キロのコカイン)だって台無しにできるぜ
※「pie」はコカインの塊の隠語。過去のドラッグディーラーとしての自分を振り返っている。

Still be straight (Still be straight)
それでも俺は平気さ(それでも平気さ)

Fall back, bitch, I got a lot on my plate
下がれ、ビッチ、俺の皿にはやらなきゃならないことが山積みなんだ

Don't waste my breath
俺の息(時間)を無駄にさせるな

I don't know how many moons a nigga got left
一人の黒人に、あとどれだけの月(時間)が残されているか分からないからな

Back to this joint
このジョイント(曲/マリファナ)に戻ろう

Smokin' this shit like I'm tryna prove a point
何かを証明しようとするかのように、このクソを吸い込んでいる

I'm the highest, the highest title, numero uno
俺は最高位だ、最高のタイトル、ヌメロ・ウノ(No.1)だ

Kill my vibe, that's your motherfuckin' funeral
俺のバイブスを台無しにする、それはお前のマザーファッキンな葬式になるぜ

Hahaha
ハハハ

[Verse 3: Kendrick Lamar]

Between you and me, turn eulogy to urinals
ここだけの話だが、俺は弔辞(ユーロジー)を便器(ユリナル)に変えてやる

Niggas pissed off
ダチどもは小便を漏らして怒り狂っている
※「urinal(便器)」と「pissed off(怒る/小便をする)」のワードプレイ。敵の葬式で小便をひっかけるという強烈なディス。

I ministered this generation by far
俺はこの世代を遥かに導いてきた(牧師として説教した)

Leader of the new school
ニュースクールのリーダーさ

On my toes like a ballerina, who knew I'd be Black Swan?
バレリーナのようにつま先立ちしている、俺がブラックスワンになるなんて誰が知ってた?
※映画『ブラックスワン』の引用。「on my toes(つま先立ち)」は「常に警戒を怠らない、準備ができている」という意味の慣用句。

World in my palms, ironically
世界をこの手のひらに握っている、皮肉なことにな

I am the Globetrotters' best 'cause I didn't drop the ball
俺はグローブトロッターズのベストプレイヤーだ、なぜならボールを落とさなかったからな
※「Harlem Globetrotters(曲芸バスケットボールチーム)」と「drop the ball(ボールを落とす/失敗する)」のワードプレイ。世界(Globe)を股にかけるトップラッパーになったことの宣言。

Told niggas when I was sixteen that I'd write a sixteen
16歳の時、仲間たちに16小節(16 bars)を書くって宣言したんだ

To put a nigga right on the big screen
黒人を真っ直ぐビッグスクリーン(映画館/大舞台)に立たせるためにな
※自分のアルバム『good kid, m.A.A.d city』が「A Short Film by Kendrick Lamar」というサブタイトルを持つ映画的な作品として成功したことの伏線回収。

In the paddy wagon with six teens
6人のティーンエイジャーと一緒に護送車(パディ・ワゴン)に乗っていた頃にな
※「sixteen(16)」と「six teens(6人の若者)」の同音異義語のライミング。

Shoulda been in the pen but now my pen writin' with morphine
刑務所(ペン)にいるはずだったが、今や俺のペン(筆)はモルヒネのように文字を書いている
※「pen(刑務所の略称penitentiary)」と「pen(書くペン)」の言葉遊び。「モルヒネ」は人々の痛みを和らげる(あるいは中毒にさせる)強力なリリックの比喩。

I heal niggas, touch down with more fiends
俺は黒人たちを癒し、さらなる中毒者たち(熱狂的ファン)と共にタッチダウンする

I kill niggas, audio crack, khakis to meal ticket
俺は黒人たちを殺す、オーディオ・クラック(耳から入る麻薬)だ、カーキのパンツからミールチケット(成功の切符)へ

Cardio lap, was running for dear life
カーディオ(有酸素)ラップ、昔は命がけで逃げ走っていた

But now I'm running the map, bitch, I'm here, nigga
だが今や俺がこのマップ(シーン)を走らせてるんだ、ビッチ、俺はここにいるぜ、ダチよ

Picture lil' ole me
昔のちっぽけな俺を想像してみてくれ

Giving a fuck for what a fuck nigga gotta say
クソ野郎の言うことなんて全く気にしちゃいなかった

Nigga, you never be Jay
ダチよ、お前は絶対にジェイ(JAY-Z)にはなれない

Never be Nas, never be Snoop nor Dre
ナズにも、スヌープにも、ドレにもなれない

You ain't get killed in Vegas or in a Suburban
お前はベガス(2Pac)で殺されたわけでも、サバーバン(The Notorious B.I.G.)の中で殺されたわけでもない

Nigga, Puff Daddy wasn't your favorite
ダチよ、パフ・ダディがお前のお気に入りだったわけじゃないだろ
※伝説的なラッパーたちを引き合いに出し、フェイクなラッパーが彼らの悲劇や栄光を真似しようとしていることを痛烈に批判。

So many washed up with detergent
洗剤で洗い流された(終わった)奴らがあまりにも多すぎる

But I don't dry tears, I just aim at them on purpose
だが俺は涙を乾かしたりしない、俺はただわざと奴らを狙い撃ちにするんだ

Like blah, Mini-14 like blah
ブラァ、ミニ14(ライフル)でブラァってな

Empty out another magazine like blah
もう一つのマガジン(弾倉)を空にして、ブラァってな

Let a young nigga get by (Doot!)
若き黒人を通り抜けさせな(ドゥート!)

I kill 'em all when they try to kill my vibe (Doot! Doot!)
奴らが俺のバイブスを殺そうとするなら、俺が全員殺してやる(ドゥート!ドゥート!)

I am the bad, the good god, the last the hood got
俺は悪であり、善良な神であり、フッドが手にした最後の希望だ

The last that would try to pass a good job
良い仕事(Good Job)をパスしようとする最後の存在さ
※「bad」「good god」「good job」などで言葉遊びを展開。自分という存在の多面性(アルバムタイトルのgood kid, m.A.A.d city)を強調している。

If Shawn's a black Beatle then I need a ten-second drum solo
もしショーン(JAY-Z)が黒いビートルズなら、俺には10秒間のドラムソロが必要だ
※「Shawn」はJAY-Zの本名(Shawn Carter)。JAY-Zが自身の曲「Black Effect」などで自分たちを「Black Beatles」と呼んだことを受け、Kendrickは自分がそのバンドのドラマー(ビートを牽引する存在)として見せ場(ドラムソロ)をもらうと宣言している。

Bitch, see you at Woodstock, ah!
ビッチ、ウッドストックで会おうぜ、アー!
※伝説のロックフェス「Woodstock」を引き合いに出し、自分の音楽が歴史的なムーブメントを起こすことを確信したシャウトアウト。