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Player’s Ball - OutKast (feat. Sleepy Brown) 【和訳・解説】

Artist: OutKast (feat. Sleepy Brown)

Album: Southernplayalisticadillacmuzik

Song Title: Player’s Ball

概要

OutKastの記念すべきデビューシングルであり、彼らを一躍スターダムに押し上げた歴史的なマスターピースである。本作は元々、LaFace Recordsが企画した1993年のクリスマス・コンピレーションアルバム『A LaFace Family Christmas』に収録するために制作された。そのため、歌詞の随所に「きよしこの夜」「雪」「煙突」といったクリスマスのモチーフが散りばめられているが、André 3000とBig Boiは白人的で商業的なホリデーの幻想を完全に拒絶し、代わりにアトランタのストリートで日々をサバイブするハスラーやプレイヤーたちのリアルな日常(ドラッグディール、酒、ローライダー)を描き出した。「ゲットーには煙突なんてない」という冷徹なパンチラインに象徴されるように、これはコンシャスなヒップホップとしての強烈なステートメントであった。Organized Noizeによるファンキーでレイドバックしたビートと、Sleepy Brownのソウルフルなコーラスが、西海岸や東海岸とは異なるサウス・ヒップホップの黄金期の幕開けを告げている。

和訳

[Intro: Rico Wade]

Man, let me hit that, man
おい、俺にも吸わせろよ

You gon' pass that?
回してくれるんだろ?

Man, the scene was so thick
なあ、シーンはマジで熱かったぜ

Lowriders, '77 Sevilles, El Dogs
ローライダーに、77年式のセビル、エルドラド
※「'77 Sevilles」「El Dogs(El Dorado)」はキャデラックの代表的な車種。アトランタの南部カーカルチャーを象徴している。

Nothin' but them 'Lacs
あるのはキャデラックばかりだ

All the players, all the hustlers
すべてのプレイヤー、すべてのハスラーたち

I'm talkin' 'bout a Black man Heaven here
ここで黒人の天国について話してるんだ

You know what I'm sayin'?
俺の言ってることが分かるか?

Yeah
(Yeah)

[Verse 1: André 3000]

It's beginnin' to look a lot like, what? Follow my every step
まるで何かに見え始めてきたな、なんだって? 俺の足跡についてきな
※クリスマスの定番曲「It's Beginning to Look a Lot Like Christmas」の引用。LaFaceのクリスマス・コンピ企画に対する皮肉と意趣返し的な始まり。

Take notes on how I crept, I's bout to go in depth
俺がどうやって這い上がってきたかメモしておけ、今からディープな話をするからな

This is the way I creep my season, here's my ghetto rep
これが俺のこの季節の過ごし方だ、これが俺のゲットーのレペゼンだ

I kept, to say the least, no, no, it can't cease
控えめに言っても俺は維持してきた、いや、止まることなんてない

So I begin to piece my two and two together
だから俺は2と2を繋ぎ合わせ始める

Gots no snowy weather, have to find somethin' to do better, bet
雪が降る天気じゃないから、もっとマシな何かを見つけなきゃならないんだ、間違いない
※アトランタの冬はほとんど雪が降らないため、伝統的な「ホワイト・クリスマス」の幻想をストリートの現実で打ち消している。

I sets up trap, so shut up that
俺はトラップを仕掛ける、だからその口を閉じな
※麻薬の密売所を指すスラング「トラップ」と、子供がサンタクロースを捕まえようと仕掛ける「罠」を掛けた巧みなダブルミーニング。

Nonsense about some silent— silent—
サイレントなんとかって戯言はな
※クリスマス・キャロル「Silent Night(きよしこの夜)」の引用を途中で遮ることで、ゲットーの夜は決して静かではない(銃声やサイレンが鳴り響く)ことを示唆している。

I gots it crunk, if it ain't real, ain't right
俺は最高に盛り上げてる、リアルじゃなきゃ、正しくない
※「crunk」は南部特有のスラング(crazy + drunk)。後にクランク・ミュージックとしてジャンル化されるこの言葉の、初期の重要な使用例。

I'm like, no matter what the season, forever chill with Smith, I sip my fifth
俺は季節なんて関係なく、永遠にスミスとチルして、酒のボトルをすするんだ
※「Smith」は銃器メーカーのスミス&ウェッソン(S&W)。「fifth」は酒のボトルサイズ(約750ml)を指す。

I chill with Wesson, got my reasons, so tell me, what did you expect?
ウェッソンとチルしてる、それなりの理由があるんだ、だから教えてくれ、何を期待してたんだ?

You thought I'd break my neck
俺が必死になると思ってたのか

To help y'all deck the— the—
お前らが飾るのを手伝うためにな、その、その
※クリスマス・キャロル「Deck the Halls(ひいらぎかざろう)」の引用。白人的・商業的なクリスマスの祝祭には絶対に参加しないという強いスタンス。

Oh naw, I got other means of celebratin'
いや違うね、俺には別の祝い方がある

I'm gettin' blizzard at HoJo, I gots that hoochie waitin'
ホージョーで大吹雪になってる、あのアバズレが待ってるんだ
※「blizzard(吹雪)」はコカインの隠語。雪の降らないアトランタでの「ホワイト・クリスマス(コカイン・パーティー)」というダークな皮肉。「HoJo」は安モーテルのチェーン、ハワード・ジョンソン。

I made it through another year, can't ask for nothin' much more
また一年を生き延びた、これ以上は何も望めない
※暴力と死が隣り合わせのゲットーにおいて、最大の成果は「死なずに一年を生き抜いたこと」であるという冷酷な現実を描写。

It's OutKast for the books, I thought you knew, so now you know, let's go
歴史に残るアウトキャストだ、分かってると思ってたが、これで分かっただろ、行くぜ

[Chorus: Sleepy Brown]

All the players came from far and wide
すべてのプレイヤーたちが遠くから幅広く集まってきた
※「Player's Ball」は、全米のピンプ(ポン引き)やハスラーが年に一度集まる豪華絢爛な集会・パーティーを指す。クリスマスパーティーの代わりに、ストリートの住人たちのための祝祭を描き出している。

Wearin' afros and braids, kickin' them gangster rides
アフロとブレイズでキメて、あのギャングスターの車を転がして

Now I'm here to tell you there's a better day
今、俺はここでお前らに伝える、より良い日があるってことを

When the player ball is happenin' all day, every day
プレイヤーの舞踏会が一日中、毎日開かれている時にな

[Verse 2: Big Boi]

Hallelujah, hallelujah
ハレルヤ、ハレルヤ

You know, I do some things more different than I used to
分かるだろ、俺は昔とはちょっと違うやり方をしてるんだ

'Cause I'm a player, doin' what the players do
俺はプレイヤーだからな、プレイヤーがやることをやってる

The package store was closed, okay, my day is ruined
酒屋が閉まってる、そうか、俺の一日は台無しだ
※「package store」はジョージア州など南部で酒類を販売する店を指す呼称。クリスマスの祝日で店が閉まっていることへの苛立ち。

This is ridiculous, I'm gettin' serious, I'm gettin' curious
こいつは馬鹿げてる、俺はマジになってる、好奇心が湧いてきた

'Cause the house is smellin' stank, the chitlins old as bitches
家が臭いからな、チトリンズはババアみたいに古い
※「chitlins」は豚の腸を煮込んだ南部のソウルフード。調理時に独特の強い臭いを放つ。

I made no wishes 'cause I'm mobbin' folk niggas in the back
俺は願い事なんてしなかった、後ろの席で地元のダチどもとつるんでるからな
※サンタに願い事をする代わりに、仲間と車に乗り込んでハッスルしている情景。

Gettin' tipsy off the nog and high as hell off the contact smoke
エッグノッグでほろ酔いになって、副流煙で死ぬほどハイになってる
※「nog」はクリスマスの飲み物エッグノッグだが、アルコールをたっぷり混ぜている。「contact smoke」は密閉された車内に充満したマリファナの煙。

They havin' a smoke out in my back seat (Yeah)
奴らは俺の後部座席でスモーク・アウトしてる (Yeah)

They passin' herb, rewindin' verses 'cause it's in the air
奴らはハッパを回し、バースを巻き戻してる、空気に満ちてるからな

I hit the parks, I hit the cuts, I'm hittin' switches
俺は公園に寄り、裏道を抜け、スイッチを叩く
※「hittin' switches」はローライダーのハイドロリクス(車高調整システム)のスイッチを操作して車を弾ませるアクション。

'Cause I'm switchin' from side to side, lookin' for hoes and snitches
左右にスイッチしながら、女たちやスニッチどもを探してるからな

I'm wide open on the freeway, my pager broke my vibe
フリーウェイを全開で走ってる、ポケベルが俺のバイブスをぶち壊した

'Cause a junkie is a junkie three-sixty-five
なぜならジャンキーは365日いつでもジャンキーだからな
※クリスマスであろうとドラッグの顧客(ジャンキー)からの呼び出し(ポケベル)は止まらない。ストリートのハスラーに休日は無いという現実。

It's just another day of work to me, the spirit just ain't in me
俺にとってはただの仕事の日に過ぎない、神聖な精神なんて宿っちゃいない

Grab my pistol and my ounce, see what them junkies gotta give me
ピストルと1オンスのハッパを掴む、あのジャンキーどもが何をくれるか見てやるさ

'Cause it's like that, ha, yeah
そういうことだからな、ハ、イェー

Forever pimpin', never slippin', that's how it is (Check it)
永遠のピンプだ、絶対に隙は見せない、そういうもんだ(チェックしな)

[Chorus: Sleepy Brown]

All the players came from far and wide
すべてのプレイヤーたちが遠くから幅広く集まってきた

Wearin' afros and braids, kickin' them gangster rides
アフロとブレイズでキメて、あのギャングスターの車を転がして

Now I'm here to tell you there's a better day
今、俺はここでお前らに伝える、より良い日があるってことを

When the player ball is happenin' all day, every day
プレイヤーの舞踏会が一日中、毎日開かれている時にな

[Verse 3: Big Boi]

Ain't no chimneys in the ghetto, so I won't be hangin' my socks on no chimney
ゲットーには煙突なんてない、だから俺は煙突に靴下を吊るしたりしない
※貧困層の住宅(プロジェクトなど)には暖炉や煙突が備わっていない。サンタクロースという白人中産階級のファンタジーがゲットーでは物理的にも成立しないことを突いた、ヒップホップ史に残る名パンチライン。

I'm full as a tick, fix me a plate, I got the remedy
ダニみたいに腹いっぱいだ、皿を用意してくれ、俺には解決策がある

Some greens and that ham, not
いくらかのグリーンズとあのハムをくれ、いや違う

Don't need no ham hocks, don't play me like I'm smokin' rocks
ハム・ホックなんていらない、俺がロックを吸ってるみたいに扱うな
※「greens」はカラードグリーン(南部の野菜料理)とマリファナのダブルミーニング。「ham hocks(豚の飛節)」を拒否し、自分はクラック・コカイン(rocks)を吸うような底辺のジャンキーではないというハスラーのプライドを示している。

I got the munchies, we got the Mary Jane in the Dungeon
俺はマンチーになってる、俺たちにはダンジョンにメリー・ジェーンがあるからな
※「munchies」はマリファナ吸引後に起こる強烈な空腹感。「the Dungeon」はOrganized Noizeの伝説的な地下スタジオ。「Mary Jane」はマリファナ。

Just to let you niggas know, in '93, that's how we comin'
お前らに教えといてやる、93年、俺たちはこうやってやって来るんだ
※この楽曲が制作・リリースされた1993年を示している。

So ho-ho-hoes, check my king-ass 'fro
だからホー・ホー・ホーども、俺の王様みたいなアフロをチェックしな
※サンタクロースの定番の笑い声「Ho, Ho, Ho」と、ストリートの「hoes(売春婦/ビッチたち)」を掛けた秀逸なワードプレイ。

The gin and juice has got me tipsy, so, um
ジンとジュースでほろ酔い気分だ、だから、えっと

[Verse 4: André 3000]

It goes, give me ten and I'll serve you then, now we bend
こういうことだ、10ドルよこしな、そしたらさばいてやる、それから俺たちは曲がる

The corner in my Cadillac
俺のキャデラックで角をな

My heart does not go pitty-pat for no rat
俺の心臓はネズミなんかのためにドキドキしたりしない
※「rat」は警察の密告者や裏切り者を指すストリートのスラング。

I'm leaning back, my elbow's out the window
俺は背もたれに深く寄りかかり、窓から肘を出している

Coke, rum and indo fills my body, where's the party?
コーク、ラム、そしてインドが俺の体を満たす、パーティーはどこだ?
※「indo」はインドア(室内)で水耕栽培された上質なマリファナ。

We roll deep, we dip to Underground, sees a lot of hoes around
俺たちは大人数で流す、アンダーグラウンドに潜り込む、周りにはたくさんの女たちがいる

I spit my game while waiting countdown
カウントダウンを待ちながら、俺はナンパの口上を垂れる

A five, four, a three, two, here comes the one
5、4、3、2、ほら1が来たぜ

A new year has begun, P-Funk, spark another one, yeah
新年が始まった、Pファンク、もう一本火をつけな (Yeah)

[Chorus: Sleepy Brown]

All the players came from far and wide
すべてのプレイヤーたちが遠くから幅広く集まってきた

Wearin' afros and braids, kickin' them gangster rides
アフロとブレイズでキメて、あのギャングスターの車を転がして

Now I'm here to tell you there's a better day
今、俺はここでお前らに伝える、より良い日があるってことを

When the player ball is happenin' all day, every day
プレイヤーの舞踏会が一日中、毎日開かれている時にな

[Interlude: Peaches]

Here's a lil' something for the players out there, hustlin'
そこのプレイヤーたち、ハッスルしてる奴らにささやかな贈り物を

Gettin' down for theirs
自分たちのために励んでる奴らにな

From East Point (Yeah), College Park (Check it out)
イースト・ポイントから (Yeah)、カレッジ・パークから(チェックしな)

Decatur (College Park), the 'Briar (Southwest Atlanta)
ディケーター(カレッジ・パーク)、あのブライア(南西アトランタ)
※アトランタ近郊のフッドのネームドロップ。「the 'Briar」はGreenbriar Mallなどがある地域を指す。

You know, niggas worldwide (The 'Briar)
分かるだろ、世界中の黒人たちへ(あのブライア)

Down for theirs (Yeah)
自分たちのために励んでる奴らへ (Yeah)

[Chorus: Sleepy Brown]

All the players came from far and wide
すべてのプレイヤーたちが遠くから幅広く集まってきた

Wearin' afros and braids, kickin' them gangster rides
アフロとブレイズでキメて、あのギャングスターの車を転がして

Now I'm here to tell you there's a better day
今、俺はここでお前らに伝える、より良い日があるってことを

When the player ball is happenin' all day, every day
プレイヤーの舞踏会が一日中、毎日開かれている時にな

All the players came from far and wide
すべてのプレイヤーたちが遠くから幅広く集まってきた