Artist: Juice WRLD
Album: Goodbye & Good Riddance
Song Title: Hurt Me
概要
本作「Hurt Me」は、Juice WRLDのデビューアルバム『Goodbye & Good Riddance』(2018年)に収録された、彼のエモ・ラップ的ペルソナと自己破壊的なメンタリティを象徴する楽曲である。元々はSoundCloud上で「Sticks and Stones」というタイトルで発表され、初期からのコアファンの間で絶大な支持を集めていた。英語圏の有名なことわざ「Sticks and stones may break my bones, but words will never hurt me(棒や石は骨を折るかもしれないが、言葉が私を傷つけることはない)」を巧みに引用し、「言葉」の部分を「ドラッグ」に置き換えることで、薬物依存への逃避を正当化する痛ましいリリシズムが光る。元恋人からの執着を振り切り、孤立とドラッグ、そしてストリートの暴力(銃)をチラつかせる彼の姿は、当時のSad Boyムーブメントが抱えていた虚無感と危険なパラドックスを如実に体現している。
和訳
[Intro]
Enviyon on the mix
エンヴィヨン・オン・ザ・ミックス
※Juice WRLDがキャリア初期にレコーディングを行っていたシカゴのスタジオ/クルー、Enviyon Entertainmentのプロデューサータグ。
[Pre-Chorus]
Turned to a whole different person, drive my whip
全くの別人になっちまった、愛車を飛ばす
Crash my whip, off the drugs, I'm swervin'
車をぶっ壊す、ドラッグでハイになって、蛇行運転してるんだ
※「whip」は車、「swervin'」は薬物や酒の影響でフラフラと蛇行運転する状態を指すスラング。アルバム全体を貫く自己破壊衝動(飲酒・薬物運転での事故)がここでも描写されている。
[Chorus]
Sticks and stones may break my bones
棒や石は俺の骨を折るかもしれない
But the drugs won't hurt me, the drugs won't hurt me
だけどドラッグは俺を傷つけない、ドラッグは俺を傷つけやしないんだ
※英語圏の有名な童謡・ことわざの引用。「言葉」を「ドラッグ」に置き換え、皮肉にも彼を確実に破滅させる薬物を「唯一自分を傷つけない安全な逃げ場所」として錯覚している悲痛なライン。
Ex-girlfriend keeps calling my phone
元カノが俺の電話を何度も鳴らしてくる
But the bitch can't hurt me, so I'm not worried
でもあのビッチに俺は傷つけられない、だから心配なんてしてないさ
All alone, did it on my own
ずっと独りぼっちで、自分の力だけでやってきた
So I show no mercy, I show no mercy
だから一切の慈悲は見せない、誰にも容赦はしない
With my bros, but I got my pole screaming
ダチと一緒にいる時でも、俺の銃は叫んでる
※「pole」は銃(特に拡張マガジンを付けたハンドガンやアサルトライフル)を指すストリートスラング。
"Please don't urge me, please don't urge me," yeah
「頼むから俺を煽らないでくれ、これ以上急かさないでくれ」ってな
※銃そのものを擬人化し、これ以上挑発されたら引き金を引いてしまうという一触即発の精神状態を表現している。
[Verse]
Screaming, "Please don't urge me"
「頼むから俺を煽らないでくれ」って叫んでる
And fuck these hoes, all they do is irk me
ビッチどもなんてクソくらえだ、あいつらは俺を苛立たせることしかしない
I smoke my dope and I pop my Perky
マリファナを吸って、パーコセットをキメる
※「dope」はマリファナ、「Perky」は強力なオピオイド系鎮痛剤パーコセット(Percocet)を指す。
And lock my phone 'cause these hoes be lurking, yeah
そしてスマホをロックするんだ、ビッチどもが嗅ぎ回ってるからな
※「lurking」はSNSを監視したり、ストーキングして隠れて様子をうかがう行為。
Yeah, these hoes be lurking
ああ、あのビッチどもは嗅ぎ回ってる
A bad lil' bitch with her hips so curvy
腰のラインが最高にカービーな、極上のビッチ
I drive my whip, off the drugs, I'm swervin'
俺は愛車を飛ばす、ドラッグでハイになって、蛇行運転してるんだ
She ride my dick, off the drugs, she swervin', woah
あいつは俺の上に跨がる、ドラッグでハイになって、狂ったように腰を振るんだ、woah
※「drive my whip」と「ride my dick(騎乗位)」、車が「swervin'(蛇行する)」ことと女が腰を「swervin'(激しく揺らす)」ことを掛けた、ヒップホップ特有の巧みなワードプレイ。
[Pre-Chorus]
Turned to a whole different person, drive my whip
全くの別人になっちまった、愛車を飛ばす
Crash my whip, off the drugs, I'm swervin'
車をぶっ壊す、ドラッグでハイになって、蛇行運転してるんだ
[Chorus]
Sticks and stones may break my bones
棒や石は俺の骨を折るかもしれない
But the drugs won't hurt me, the drugs won't hurt me
だけどドラッグは俺を傷つけない、ドラッグは俺を傷つけやしないんだ
Ex-girlfriend keeps calling my phone
元カノが俺の電話を何度も鳴らしてくる
But the bitch can't hurt me, so I'm not worried
でもあのビッチに俺は傷つけられない、だから心配なんてしてないさ
All alone, did it on my own
ずっと独りぼっちで、自分の力だけでやってきた
So I show no mercy, I show no mercy
だから一切の慈悲は見せない、誰にも容赦はしない
With my bros, but I got my pole screaming
ダチと一緒にいる時でも、俺の銃は叫んでる
"Please don't urge me, please don't urge me," yeah (Yeah)
「頼むから俺を煽らないでくれ、これ以上急かさないでくれ」ってな (Yeah)
[Outro]
Turned to a whole different person, drive my whip
全くの別人になっちまった、愛車を飛ばす
Crash my whip, off the drugs, I'm swervin'
車をぶっ壊す、ドラッグでハイになって、蛇行運転してるんだ
