Artist: Nicki Minaj
Album: Beam Me Up Scotty
Song Title: Nicki Minaj Speaks
概要
2009年リリースの伝説的ミックステープ『Beam Me Up Scotty』に収録された短いインタールード(語り)である。本作は楽曲ではなく、ニッキー自身によるスポークンワードで構成されており、メインストリームで爆発的なブレイクを果たす直前の彼女が、ストリートや現場においてすでにどれほどのバズと熱狂を生み出していたかをリアルに伝える貴重なドキュメントとなっている。オハイオ州でのイベント出演時に起きたファンによる「暴動のような」狂騒を、ポップスの帝王であるマイケル・ジャクソンが巻き起こすパニックに例え、彼のアイコニックな「手袋」や「顔をベールで隠した子供たち」といった具体的なリファレンスを交えてブラックジョークたっぷりに描写している。アンダーグラウンドの枠を完全に飛び越え、世界的なスーパースターへの階段を駆け上がる自身の圧倒的な勢いと、その状況を冷徹かつユーモラスに俯瞰する彼女のスター性が凝縮されたスキットである。
和訳
[Spoken Word]
You know, when I went out to Ohio, there was like a mini riot
あのね、オハイオに行った時、ちょっとした暴動みたいになったの
※ミックステープ界隈での知名度が爆発し、クラブやショーケースでの出演時にファンが殺到しパニック状態になったエピソードを語っている。
And, you know, we thought it was, like, Michael Jackson, you know?
それで、まるでマイケル・ジャクソンでも来たんじゃないかって思ったくらいなのよ、わかる?
So we was just looking for the gloves and the two little white kids with the silk wrapped around they face
だから私たちは、あの手袋とか、シルクの布で顔をぐるぐる巻きにされた二人の白人の子供たちを探しちゃったわ
※「the gloves」はマイケル・ジャクソンの象徴であるスパンコールの片手袋。「the two little white kids with the silk wrapped around they face」は、マイケルの子供たち(プリンス、パリスなど)がパパラッチから顔を隠すためにベールやマスクを被せられていた当時の有名なゴシップを引き合いに出した、彼女特有のブラックジョーク。
You know, 'cause the people were just going crazy
だって、みんな完全に狂ったように熱狂してたんだから
They was screaming and, you know, yelling
悲鳴を上げて、大声で叫んでて
And I turn around...
それで、私が振り返ってみると...
※マイケルへの歓声だと思って振り返ったところ、実はその熱狂の対象が「自分自身」であったことに気づくというオチの直前でカットアウトされる。ブレイク前夜の彼女が、自身の人気がすでにスーパースター級に達しているという確かな手応えを感じ取った瞬間を切り取っている。
