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Kill da DJ - Nicki Minaj 【和訳・解説】

Artist: Nicki Minaj

Album: Beam Me Up Scotty

Song Title: Kill da DJ

概要

2009年にリリースされた傑作ミックステープ『Beam Me Up Scotty』に収録された本作は、Nicki Minajがストリートの枠を越え、メインストリームのポップアイコンへと飛躍していくポテンシャルを強烈に予感させるダンス/クラブ・チューンである。バウンシーなエレクトロ・ビートの上で、彼女は「自分の曲がかかっているのに素直に踊れないヘイターたちへの嘲笑」と「DJへのアピール」をテーマに、キャッチーなメロディと小気味よいラップをシームレスに行き来する。リリックにおいては「I ain't know...(知らなかった)」というフレーズで無知を装いながら、実際にはヒップホップ・クラシックへのオマージュ、パトワ(ジャマイカ・クレオール語)の借用、さらにポップカルチャーのアイコンたちを巧みにネームドロップしていく。高度な言葉遊びとセレブとしての自意識が交差するこの楽曲は、後に「Starships」や「Super Bass」で世界のチャートを席巻する彼女のポップ・センスの原点とも言える重要な一曲である。

和訳

[Intro]

You know, it just dawned on me
あのね、今ふと気がついたの

I am Nicki Minaj, hahaha, oh
私ってニッキー・ミナージュなのよね、ハハハ、あーあ

[Verse 1]

I ain't know the president live in DC
大統領がDCに住んでるなんて知らなかったわ
※アメリカ大統領がワシントンD.C.のホワイトハウスに住んでいるという常識を「知らなかった」ととぼけることで、次のラインへの壮大なフリを作っている。

And I ain't know they call me Nicki Lewinsky
みんなが私のことをニッキー・ルインスキーって呼んでるなんて知らなかった
※ビル・クリントン元大統領との不倫スキャンダルで知られるモニカ・ルインスキーと自身を掛け合わせた、彼女の有名なオルターエゴ(別人格)。大統領(DC)からルインスキーへと繋ぐ見事な言葉遊び。

I never knew that dude with Jay was Pimp C
ジェイと一緒にいるあの男がピンプ・Cだなんて知らなかった
※Jay-Zの大ヒット曲「Big Pimpin'」で客演したテキサスの伝説的ラップデュオUGKのPimp Cへのシャウトアウト。ヒップホップの歴史に対する深いリスペクトをさりげなくアピールしている。

And I ain't know I be with Paris and Lindsay
私がパリスやリンジーと一緒にいるなんて知らなかった
※パリス・ヒルトンとリンジー・ローハン。当時のポップカルチャーを牽引していたお騒がせセレブたち。ニッキー自身が今やストリートを抜け出し、彼女たちと肩を並べる「イット・ガール」になったという誇示。

I just know that I be on my fly girl shit
ただ私が、最高のイイ女としてのスタイルを貫いてることだけは知ってるわ

I fly girl pop up, and I fly girl dip
イイ女としてひょっこり現れて、イイ女として颯爽と立ち去るの

I fly girl stunt like a fly girl flip
イイ女として見せつけて、イイ女として翻弄してやる

And I don't never guzzle it, I fly girl sip
ガブ飲みなんて絶対にしない、イイ女として上品にすするのよ
※「guzzle(ガブ飲みする)」下品なビッチたちと違い、お酒を「sip(少しずつ飲む)」することで、クラス(品格)の違いを見せつけている。

[Pre-Chorus]

Now get that Rosé, get that, get that Rosé
さあ、そのロゼを持ってきて、そのロゼを

A little Hennessy and Louis the 13th
ヘネシーを少しと、ルイ13世もね
※ロゼ・シャンパン、コニャックのヘネシー、そして最高級コニャックのルイ13世。クラブにおける最高級のボトルのオーダー。

Now everybody look my way, my way
ほら、みんなが私の方を見てる、私の方をね

Excuse all my haters 'cause they looking sideways
私のヘイターたちを許してあげて、あいつら横目でチラチラ見てるから
※直接見つめる度胸はなく、横目(sideways)で嫉妬深く見ているヘイターたちへの痛烈な皮肉。

Let's get it now, c'yeah
さあ、行くわよ、イェー

[Chorus]

You got me wrong
あんたたち、私のことを誤解してるわ

You be sittin' by the bar when it's your song
自分の大好きな曲がかかってるのに、バーのカウンターに座ったままで

You can act like you don't like it but you do
気に入らないフリをしてもいいけど、本当は好きなんでしょ

You do, you do, do, do, do, do
本当は、本当は好きなんでしょ

[Refrain]

I think I'm gonna kill the motherfuckin' DJ
あのクソDJを殺してやろうかと思うわ

If he don't p-p-pull up, let the record replay
もしあいつが曲を止めて、最初からかけ直さないならね
※「pull up(プルアップ)」はジャマイカのダンスホールやサウンドクラッシュ文化に由来する表現。フロアが爆発的に盛り上がった際、DJ(セレクター)がレコードを逆回転させて止め、再び曲の頭からプレイし直す最高級の賛辞の儀式。自分の曲がそれほどヤバいのだから、DJは当然プルアップすべきだという強気な主張。

Record replay, r-r-record replay
レコードをリプレイ、レコードをリプレイして

I think I'm gonna kill the motherfuckin' DJ
あのクソDJを殺してやろうかと思うわ

[Verse 2]

I ain't know the police was the Babylon
警察がバビロンだなんて知らなかったわ
※「Babylon(バビロン)」はラスタファリ運動やパトワにおいて、警察や腐敗した権力・体制側を指すスラング。先ほどの「pull up」に続き、カリビアン・カルチャーの文脈を取り入れている(彼女はトリニダード・トバゴ生まれである)。

I ain't know I'm cold just like an avalanche
私が雪崩みたいに冷酷だなんて知らなかった
※「cold」は冷たいという意味と、ストリートで「カッコいい」「容赦ない」という意味のダブルミーニング。

I never knew my titties was bigger than Pamela
私の胸がパメラより大きいなんて知らなかった
※パメラは90年代のセックスシンボルであり、豊満な胸で知られる女優パメラ・アンダーソンのこと。

So paparazzi flicking, be flicking their camera
だからパパラッチがカメラのシャッターを切りまくってるのね

I just know that I be on my fly girl shit
ただ私が、最高のイイ女としてのスタイルを貫いてることだけは知ってるわ

My fly girl stomach and my fly girl hips
イイ女としてのくびれと、イイ女としてのヒップ

I fly girl ball, with my fly girl mitts
イイ女として遊びまくるの、イイ女のミットをつけてね
※「ball」は豪快にお金を使って遊ぶこと。「mitts(ミット)」は手や手袋を指すスラングで、大金を掴むための手のメタファー。

And I can only kiss another fly girl lips
それに私は、他のイイ女の唇にしかキスできないの
※彼女がキャリア初期から意図的に使っていたバイセクシュアルなアピール。男性ファンを挑発しつつ、女性ファン(Barbz)のコミュニティを強固にするための巧みなギミック。

[Pre-Chorus]

Now get that OJ, get that, get that OJ
さあ、そのOJを持ってきて、そのOJを
※OJはオレンジジュースのこと。

A little cranberry and some Rémy Moné
クランベリーを少しと、レミー・モネもね
※Rémyは高級コニャック「レミーマルタン」、Monéは高級シャンパンの「モエ・エ・シャンドン(Moët)」と掛けた造語、またはそれらをミックスしたカクテル。

Now everybody look my way, my way
ほら、みんなが私の方を見てる、私の方をね

Excuse all the haters cause they looking sideways
私のヘイターたちを許してあげて、あいつら横目でチラチラ見てるから

Let's get it now, c'yeah
さあ、行くわよ、イェー

[Chorus]

You got me wrong
あんたたち、私のことを誤解してるわ

You be sittin' by the bar when it's your song
自分の大好きな曲がかかってるのに、バーのカウンターに座ったままで

You can act like you don't like it, but you do
気に入らないフリをしてもいいけど、本当は好きなんでしょ

You do, you do, do, do, do, do
本当は、本当は好きなんでしょ

[Refrain]

I think I'm gonna kill the motherfuckin' DJ
あのクソDJを殺してやろうかと思うわ

If he don't pull up let the record replay
もしあいつが曲を止めて、最初からかけ直さないならね

Record replay, record replay
レコードをリプレイ、レコードをリプレイして

I think I'm gonna kill the motherfuckin' DJ
あのクソDJを殺してやろうかと思うわ

[Bridge]

Oh, fuck 'em like sexin', why they be flexing
ああ、セックスみたいにヤッてやるわ、あいつらなんで強がってるの?
※「flex(フレックス)」は見栄を張る、強がるというストリート用語。ニッキーの曲でノリたいのに、プライドが邪魔してクールぶっているヘイターへの嘲笑。

When they know that this they song?
これが自分たちのお気に入りの曲だって分かってるくせに

So interesting, fronting like they texting
超ウケる、メールしてるフリしてごまかして
※クラブで気まずい時や、踊りたいのに素直になれない時に、携帯をいじって忙しいフリをするリアルな描写。「fronting」は虚勢を張ること。

Damn, them bitches got me wrong
クソ、あのビッチどもは私のことを誤解してるわ

Got me wrong wrong wrong
誤解してるのよ

Got me wr-wr-wr-wr-wr-wrong
誤解してるの

Got me wr-wr-wr-wr-wr-wr-wr-wr-wr-wr-wrong
誤解してるの

These bitches got me wrong
このビッチどもは私のことを誤解してるわ

[Chorus]

You, you, you, you, you got me wrong
あんたたち、私のことを誤解してるわ

You be sittin' by the bar when it's your song
自分の大好きな曲がかかってるのに、バーのカウンターに座ったままで

You, you, you, you can act like you don't like it, but you do
気に入らないフリをしてもいいけど、本当は好きなんでしょ

You do, y-y-y-y-you do, do, do, do, do
本当は、本当は好きなんでしょ

[Outro]

You got me wrong (Kill the motherfuckin' DJ)
あんたたち、私のことを誤解してるわ(あのクソDJを殺してやる)

You be sittin' by the bar (Pull up, let the record replay) when it's your song (Kill the motherfuckin' DJ)
自分の大好きな曲がかかってるのに、バーのカウンターに座ったままで(止めて最初からかけ直して、あのクソDJを殺してやる)

You can act like you don't like it but you do (Pull up, let the record replay)
気に入らないフリをしてもいいけど、本当は好きなんでしょ(止めて最初からかけ直して)

You do, you do, do, do, do, do (Pull up, let the record replay)
本当は、本当は好きなんでしょ(止めて最初からかけ直して)