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Kumbaya - Kodak Black 【和訳・解説】

Artist: Kodak Black

Album: Kodak The Blessing

Song Title: Kumbaya

概要

本作『Kumbaya』は、Kodak Blackが自身のハイチ系アメリカ人としてのアイデンティティ、ストリートでの過酷なサバイバル、そして深い宗教観やスピリチュアリティを壮大に語り尽くしたコンシャスな一曲だ。タイトルに神の救いを求める黒人霊歌「Kumbaya」を掲げつつ、リリックにはハイチ革命の英雄であるトゥーサン・ルーヴェルチュールやジャン=ジャック・デサリーヌ、さらにはヴードゥー教の司祭デュティ・ブークマンといった歴史的偉人たちが次々とネームドロップされている。彼は自身の出生名「Dieuson(神の息子)」の通り、白人社会の抑圧(警察や司法制度)から仲間を解放する「恐れを知らぬリーダー」として己を位置づけている。幻覚植物であるアヤワスカを用いて亡き祖父と対話し、父親との和解を明かすなど、ハスラーとしての冷酷さの奥底に隠された、彼の精神的な成熟と祖国ハイチへの深い愛が響き渡る傑作である。

和訳

[Intro]

(Domin00)
※プロデューサーであるDomin00のビートタグ。

[Verse]

I wake up ready to kumbaya
目を覚まして、クンバヤを歌う準備はできてるぜ
※「Kumbaya(クンバヤ)」は神の救いや平和を求める黒人霊歌。ストリートの抗争の中で神に祈る、あるいは自らが神聖な裁きを下すという達観したマインドセット。

We came to get it and it was due to one God
俺たちは手に入れるためにやって来た、それは唯一神のおかげだった

Overcame every obstacle, pulled off the impossible
あらゆる障害を乗り越え、不可能を可能にしてきたんだ

Trigger paint like Picasso, I drew my gun
引き金がピカソみたいに色を塗る、俺は銃を抜いたのさ
※「draw」には「絵を描く」と「銃を抜く」の二つの意味がある。銃撃によって血のアート(絵画)を描くという、ヒップホップファンの間で高く評価される極めて詩的で残酷なダブルミーニング。

Need no one to cop out for me, I'll do my jawn
俺のために罪を被ってくれる奴なんて必要ねぇ、俺は自分の落とし前は自分でつける
※「cop out」は司法取引で罪を軽くすること。「jawn」は物や事柄を指すフィラデルフィア発祥のスラング。

You ready to dunk it if I miss when I shoot my shot
俺がシュートを外した時、お前がダンクを叩き込む準備はできてるよな
※銃撃(shoot)を外しても、仲間が確実にトドメを刺す(dunk)という連携と信頼。

Dutty Boukman, I'm a fearless leader
デュティ・ブークマンだ、俺は恐れを知らぬリーダーさ
※「Dutty Boukman」は18世紀末のハイチ革命の口火を切ったヴードゥー教の司祭であり奴隷の指導者。Kodakが自身のハイチ系ルーツに深い誇りを持ち、革命家としてのペルソナを自認していることを示す強力なネームドロップ。

I don't play with death, but it could be death or my freedom
俺は死を弄んだりはしねぇが、死か、それとも俺の自由かのどちらかだ

Everything I love the same, I never could keep it
俺が愛するものはすべて同じだ、決して手元に留めておくことはできなかった

Everything you thought you knew was just the start of somethin' deeper
お前が知っていると思っていたすべては、もっと深い何かの始まりに過ぎなかったのさ

Create a gatеway for my people like [?][1:08]
[?][1:08]みたいに、俺の同胞のためのゲートウェイ(入り口)を作るんだ

Through thе trials and tribulations, I became a warrior
数々の試練と苦難を通り抜け、俺は戦士になった

Last time I saw my grandpa, he came to see me in juvenile
最後にじいちゃんに会ったのは、俺が少年院にいた時に面会に来てくれた時だったな

Ain't make it to school, but I blew with this music shit, I knew that you'd be proud
学校は卒業できなかったが、俺はこの音楽でビッグになった、じいちゃんも誇りに思ってくれてるって分かってたぜ

Every time I drink ayahuasca so you can see me ball
俺がアヤワスカを飲む度に、じいちゃんは俺が成功してる姿を見ることができるんだ
※「ayahuasca」は強い幻覚作用をもたらす南米のスピリチュアルな植物飲料。薬物による幻覚やシャーマニズムの儀式を通して、死んだ祖父の霊と交信しているという描写。

Just so we still could talk and attend his funeral
そうやって俺たちはまだ話すことができるし、俺はあんたの葬式にも参列できたのさ

And say you was player, had a sacred burial
あんたは生粋のプレイヤーだったと言ってやる、神聖な埋葬を受けたんだ

Gave me my birth name Dieuson, in Haitian, mean son of God
俺に出生名のデュソンを与えてくれた、ハイチの言葉で「神の息子」って意味だ
※Kodak Blackの本名は「Dieuson Octave」。「Dieu(神)」と「son(息子)」を組み合わせた名前であり、彼が自身の血筋に神聖な意味を見出していることを示している。

[?][1:30] how I made it out the fire
[?][1:30] どうやって俺が炎の中から抜け出したかをな

My daddy abandoned his family, but lately we had reconciled
俺の親父は家族を捨てたが、最近になって俺たちは和解したんだ

I'm pure, but I ain't perfect, rockin' all-white turbans
俺は純粋だが、完璧じゃない、真っ白なターバンを巻いてるぜ

I'm wiser than a serpent, too much lies
俺は蛇よりも賢いんだ、嘘が多すぎる世の中だからな
※新約聖書マタイによる福音書「蛇のように賢く、鳩のように素直であれ」からの引用。

I read your message, it blew my high
お前のメッセージを読んだら、俺のハイな気分が台無しになっちまったよ

I made it out of poverty, no weapon seem to prosper me
俺は貧困から這い上がった、どんな武器も俺を打ち負かすことはできないみたいだな
※旧約聖書イザヤ書54章17節「あなたを攻めるために作られる武器は、どれも役に立たない(No weapon formed against you shall prosper)」の引用を捩っている。

Black ravens always follow me, look down on the vulture
黒いワタリガラスがいつも俺についてくる、ハゲタカどもを見下ろしてな
※「raven(カラス)」や「vulture(ハゲタカ)」は自身のクルー「Sniper Gang」の象徴や、ストリートの死肉を食らうハイエナ(偽物の仲間や敵)のメタファー。

Put molly in my grabba leaf, to a castle from a colony
グラバリーフにモリーを巻き込む、植民地から城へと成り上がったのさ
※「grabba leaf」はジャマイカ由来の、大麻を巻くためのタバコの葉。「colony(植民地)」はハイチの歴史的な抑圧、あるいは自身の育ったプロジェクト(公営住宅)を指している。

I'm comin' like Dessalines and Toussaint Louverture
デサリーヌとトゥーサン・ルーヴェルチュールのように乗り込むぜ
※「ジャン=ジャック・デサリーヌ」と「トゥーサン・ルーヴェルチュール」は、フランスの植民地支配を打ち破り、世界初の黒人共和国ハイチを建国した革命の指導者たち。Kodakがストリートの抑圧から仲間を解放する黒人のリーダーとしてのスタンスを明確に打ち出した、歴史的に極めて重みのあるライン。

[?]

I'll die a free man right now 'fore I live as a slave
奴隷として生きるくらいなら、俺は今すぐ自由な男として死んでやる
※前行のハイチ革命の文脈を引き継ぎ、白人社会のシステム(警察や刑務所)に屈しないというハスラーの究極の覚悟。

[?]

Every time crackers shackled me, he broke every chain
白人のポリ公共が俺に手錠をかける度に、神がすべての鎖を断ち切ってくれたんだ
※「crackers」は白人(権力者や法執行機関)に対する蔑称。

Everybody laughed at me, played in the back of me
誰もが俺を笑い、俺の背後でコソコソと動き回っていた

Anything, any time, anywhere or place, somethin' bad for me, he reverse it
どんな事でも、どんな時でも、どんな場所でも、俺に降りかかる悪いことはすべて、神が逆転させてくれる

I'm deuce purgin' and I put money in churches, uh
俺は粛清を行い、そして教会に寄付をするのさ、アー
※「purgin'」は敵を排除(粛清)すること。ストリートで殺しを行いながらも神に金を捧げるという、ギャングスタ特有の矛盾した信仰心。

Everything I wish, I've conquered it, uh
俺が望んだものはすべて、この手で征服してきたんだ、アー

Hop out trucks in the Mole Saint-Nicolas
モール・サン・ニコラでトラックから飛び降りる
※「Môle-Saint-Nicolas」はハイチ北西部にある歴史的な町。コロンブスが上陸した場所でもあり、自身のルーツへの帰還を示している。

Bought my grandma a mansion, she'd rather live in a forest
ばあちゃんに大豪邸を買ってやったのに、彼女は森の中に住む方を好むんだよ

[Outro]

I wasn't born rich, but in spirit, I was already spoiled
俺は金持ちとして生まれたわけじゃない、だが精神的には、俺はすでに甘やかされていたんだ
※物質的には貧しかったが、神からの愛やハイチの血筋(魂)において恵まれていたという達観。

Stand on top the mountain, I give seven thousand [?][2:42]
山の頂に立ち、俺は7000の [?][2:42] を与える

Oh yeah
オー、イェー