Artist: Kodak Black & Albee Al
Album: Kodak The Blessing
Song Title: Peter Roll
概要
本作『Peter Roll』は、フロリダのKodak Blackとニュージャージー出身の武闘派ラッパーAlbee Alがタッグを組み、ストリートにおける暴力と暗殺の掟を不気味なトーンで綴ったトラップバンガーである。タイトルの「Peter Roll」は、対象を暗殺する、あるいは死体袋に詰めることを意味する残酷なストリートスラングである。Kodakはイントロから「特定の誰かを名指しする必要すらない」と語り、サブリミナルなディス(暗黙の脅し)によって敵対者を震え上がらせる自身の冷徹なペルソナを披露している。対するAlbee Alは、NFLのスター選手Khalil Mackの名前を用いた秀逸なワードプレイや、マイアミとニュージャージーを結ぶギャングのコネクションをアグレッシブにスピットしている。バーガーキングの「ワッパー」や「タコスとサルサ」など、銃撃によって肉塊や血の海と化す凄惨な現場をファストフードに例えるサイコパス的なリリシズムが、ヒップホップファンの間で高く評価されている一曲だ。
和訳
[Intro: Kodak Black]
And I'll whoopty-whoop
そして俺はあれをこうしてやる
※「whoopty-whoop」は具体的な言葉や名前を伏せる(ピー音で隠すような)スラング。相手に察しをつけさせる不気味な言い回し。
He ain't even— he ain't even notice (Yung Dza)
あいつは—あいつは気づきもしねぇのさ (Yung Dza)
※「Yung Dza」はビートに関わるプロデューサーのタグ。
Whoopty-whoop, whoopty-whoop
あれをこうして、こうしてやる
Say, believe me
なぁ、俺を信じろよ
Long as I get 'em
俺が奴らを捕まえる限りはな
Fuck wrong with lil' buddy? You ain't even gotta know who I'm talkin' 'bout
あのチビの何が問題なんだ? 俺が誰の話をしてるのか、お前は知る必要すらないぜ
Whoopty-whoop, that's all you gotta know
あれがこうなる、お前が知るべきなのはそれだけだ
And uh, and it's right now, tomorrow
そして、あぁ、それは今すぐだ、明日にはな
[Verse 1: Kodak Black]
That's how I roll, I be throwin' subliminals
それが俺のやり方だ、サブリミナルを放ってやるのさ
※「subliminals」は名前を出さずに相手を攻撃する暗黙のディス(サブリミナル・ディス)のこと。
You ain't gon' know if I'm feeling like killing you
俺がお前を殺したい気分かどうかなんて、お前には分かりはしねぇよ
I'm on the road, do a show for a mill' or two
俺はツアー中だ、100万か200万ドルでショーをやる
I be so low, I ain't doin' no interview
俺は身を潜めてる、インタビューなんか受けねぇよ
Cuffin' a ho, me and bro like to switcheroo
娼婦を囲い込む、俺と兄弟で交換するのが好きなんだ
※「switcheroo」は仲間内で女性を交換(シェア)するという下品なフレックス。
Diamonds on froze like I snow, it's a igloo
ダイヤモンドが凍りついてる、雪みたいにな、イグルーのようだ
All of my niggas, we killers, we serial
俺のダチは全員キラーだ、俺たちはシリアルなんだ
※「serial killers(連続殺人鬼)」であることを自称している。
Trix are for kids, I be feeding her silly food
トリックスは子供の食い物だ、俺はあいつにバカなエサを食わせてるのさ
※「Trix are for kids」はアメリカの子供向けシリアル「Trix」の有名なCMのキャッチコピー。前行の「serial」と朝食の「cereal(シリアル)」を掛けた高度なワードプレイ。
I'm on a goose and I turn to an animal
グースを飲んで、俺は動物に変わる
※「goose」は高級ウォッカのグレイグース(Grey Goose)。
I'm smoking deuce, I got high off the chemicals
デュースを吸って、化学物質でガンギマリになってるぜ
※「deuce」は2グラムの大麻、あるいは2オンスのリーン(咳止めシロップ)。
Yellow Benz, my lil' boy think I'm Pikachu
黄色のベンツだ、俺の幼い息子は俺をピカチュウだと思ってるぜ
Richard Millie, that lil' watch you got pitiful
リシャール・ミルだ、お前のその小さな時計は哀れだな
Shopping sprees, what you need? Baby, pick a shoe
爆買いだ、何が欲しい? ベイビー、靴を選びな
Every time I hear you sneeze, you get Jimmy Choo
君のくしゃみを聞く度に、ジミー・チュウを買ってやるよ
※くしゃみの音(Ahchoo)と高級靴ブランド「Jimmy Choo(ジミー・チュウ)」、そしてくしゃみをした人にかける言葉「Bless you(神のご加護を)」を掛け合わせた、ファンの間で人気のパンチライン。
Every time a nigga play, they get hit
ふざけた真似をする奴は、その度に撃ち抜かれる
We be throwing niggas straight off the bridge
俺たちは奴らを橋からそのまま投げ落としてやるんだ
We be walking niggas straight to the trunk
俺たちは奴らをそのまま車のトランクへと歩かせる
※敵を拉致し、トランクに押し込んで橋から捨てるというマフィア顔負けの暗殺の描写。
Project baby, made it straight out the funk
プロジェクト・ベイビー、どん底の悪臭の中からそのまま抜け出したのさ
I don't have sex, baby, I fuck
俺はセックスなんかしねぇ、ベイビー、ヤるんだよ
I don't half-step, nigga, I stomp
俺は中途半端なステップは踏まねぇ、踏み潰すんだ
Walk on me, I mean step, I mean jump
俺の上を歩く、いやステップする、いやジャンプするって意味だ
Cross on me, these niggas deaf, not an unc
俺を裏切るなんて、こいつらは耳が聞こえねぇんだな、おじさんじゃないぜ
※「deaf(耳が聞こえない)」と「death(死)」の言葉遊び。警告を無視する奴は死ぬ運命にある。
Fuck, I put that pump to your rump
クソ、お前のケツにポンプを押し当ててやるよ
※「pump」はポンプアクション式ショットガン。「rump」は尻。
Might skunk, sharpen my knife on the bunk
スカンクみたいに臭うかもな、バンクでナイフを研いでるからな
※「bunk」は刑務所の二段ベッド。刑務所内で密かにシャンク(手製の刃物)を研ぐという、投獄経験者ならではの生々しいサバイバル描写。
[Chorus: Kodak Black & Albee Al]
Sniper Gang, if you play, you get peter-rolled
スナイパー・ギャングだ、ふざけた真似をすれば、ピーター・ロールされるぜ
※「peter-roll」は殺害される、死体袋に入れられるというストリートの隠語。
Peter-rolled, peter-rolled, peter-rolled, peter-rolled
ピーター・ロール、ピーター・ロール、ピーター・ロール、ピーター・ロール
Peter-rolled, peter-rolled, peter-rolled, peter-rolled, peter-rolled
ピーター・ロール、ピーター・ロール、ピーター・ロール、ピーター・ロール、ピーター・ロール
You know how we rockin', nigga
俺たちがどうやって暴れてるか分かってるだろ
Peter-rolled, peter-rolled, peter-rolled (They won't do shit, they don't shoot shit)
ピーター・ロール、ピーター・ロール、ピーター・ロール (あいつらは何もしねぇ、撃ちやしねぇよ)
Get peter-rolled (Outta here, let's go)
ピーター・ロールされるぜ (ここから出るぞ、行くぜ)
You get peter-rolled
お前はピーター・ロールされる
[Verse 2: Albee Al]
I left the trap and I went to the trap
トラップを出て、また別のトラップに行ったのさ
※「trap」はドラッグの密売所。一つの取引を終えてすぐに次のハッスルに向かう姿。
I'm throwing racks and she throwin' it back
俺が札束を投げると、あの女はケツを振りやがる
If I want 'em dead, ain't no holding me back
俺があいつらの死を望むなら、誰も俺を止められねぇ
Used to wear skippies, now I'm up at Saks
昔は安物の靴を履いてたが、今じゃサックスで買い物だ
※「skippies」は貧困層が履く安物のキャンバススニーカー。「Saks」は高級デパートのSaks Fifth Avenue。
Feel like Khalil 'cause I keep me a MAC (Grrt)
カリールになった気分だ、だって俺はMACを持ってるからな (Grrt)
Feel like Khalil 'cause I'm chasing a sack
カリールになった気分だ、だって俺はサックを追いかけてるからな
※「Khalil」はNFLの強豪ディフェンダー、カリール・マック(Khalil Mack)。自身の持つ機関銃の「MAC-10」と、大金の入った袋(sack)とアメフトのタックル(sack)を掛けた、ヒップホップファンを唸らせる完璧なワードプレイ。
My biggest opp, I want him in a pack
俺の最大の敵、あいつをパックの中に詰めてやりたいぜ
※「in a pack」は死んだ敵をマリファナのパックに見立てて吸う(opp pack)という、現代のドリル・ヒップホップで多用される残虐なディス表現。
Switchy shoot fifty, yeah, just with a tac' (Grrt, grrt)
スイッチで50発撃ち込む、イェー、タクティカル装備だけでな (Grrt, grrt)
※「Switchy」はハンドガンをフルオート連射可能にする違法改造パーツ(グロック・スイッチ)。「tac'」はタクティカル・アタッチメント。
I'm in the Yams and I'm hittin' up Yak (Yeah)
俺はヤムズにいて、ヤックに連絡してるぜ (Yeah)
※「Yams」はマイアミ(Miamiの俗称)。「Yak」はKodak Blackの愛称。ニュージャージーからフロリダへ飛び、Kodakと合流している情景。
When Yak up top, he hittin' up me
ヤックがこっちの上の方に来た時は、あいつが俺に連絡してくる
I hit the club 'bout a quarter to three
俺は3時15分前くらいにクラブに乗り込むぜ
Instagram bitch want a daughter with me
インスタのビッチが俺との娘を欲しがってる
That Reposado shit like water to me
あのレポサドなんて、俺にとっちゃ水みたいなもんだ
※「Reposado」はテキーラの一種(熟成期間が短いもの)。度数の高い酒も水のように飲み干すというフレックス。
Just know that we fuckin', you saw her with me (Huh, yeah, yeah)
俺たちがヤッてるってことだけは分かっとけ、お前は彼女が俺と一緒にいるのを見たんだからな (Huh, yeah, yeah)
Peter-roll, peter-roll, peter-roll
ピーター・ロール、ピーター・ロール、ピーター・ロール
Peter-roll, peter-roll, guess how many bullets my heater hold (Grrt, bah)
ピーター・ロール、ピーター・ロール、俺のヒーターに何発の弾が入ってるか当ててみな (Grrt, bah)
※「heater」は銃器。
They want me dead, I can't leave the home (Peter-roll, peter-roll)
奴らは俺の死を望んでる、だから俺は家を出られねぇ (ピーター・ロール、ピーター・ロール)
Don't want no problems, then leave alone (Peter-roll, peter-roll)
揉め事を起こしたくないなら、放っておいてくれ (ピーター・ロール、ピーター・ロール)
I cut her off 'fore I leave the home (Peter-roll, peter-roll)
家を出る前にあの女を切り捨てたぜ (ピーター・ロール、ピーター・ロール)
Plus, I get circled, at least at home
それに、少なくとも地元じゃ俺は囲まれてるからな
Peter-roll, peter-roll, peter-roll (Peter-roll)
ピーター・ロール、ピーター・ロール、ピーター・ロール (ピーター・ロール)
Peter-roll, peter-roll, peter-roll
ピーター・ロール、ピーター・ロール、ピーター・ロール
[Verse 3: Kodak Black & Albee Al]
The heater cold, mean your block ain't hot?
ヒーターが冷たいってことは、お前のブロックは熱くない(危険じゃない)ってことか?
※銃(heater)を撃つ必要がないほど、敵の縄張り(block)は平和で甘いという煽り。
Waka Flocka, ridin' with the chopper
ワカ・フロッカだ、チョッパーを乗せて走ってるぜ
※アトランタのラッパー「Waka Flocka Flame」と、彼の曲の攻撃的なスタイルにちなんで、アサルトライフル(chopper)を持ち歩く自身を重ね合わせたネームドロップ。
If peter-roll don't pop, then I got you
もしピーター・ロールが火を吹かなくても、俺がお前を仕留めてやる
50 turn the beef into a whopper
50がお前のビーフをワッパーに変えてやるよ
※「50」は50発のドラムマガジン、または50口径の銃弾。「beef(揉め事・牛肉)」を撃ちまくって、バーガーキングの巨大なハンバーガー「Whopper(肉塊)」に変えるという、凄惨かつユーモアのあるパンチライン。
Shut your mouth, I open up your māthā
口を閉じろ、お前のマサをかち割ってやる
※「māthā」は俗語で「頭」。頭部を銃撃して物理的に「開く」というゴア表現。
Jump out, tote, crack his taco, salsa
飛び出して、銃を構え、あいつのタコスを割ってサルサを流してやる
※前の行のバーガーキングに続き、今度はメキシコ料理の「タコス(頭蓋骨)」を割り、「サルサソース(血)」を飛び散らせるという、恐ろしくも詩的なワードプレイ。
Blocka, blocka, blocka, soon I spot ya
ブラッカ、ブラッカ、ブラッカ、お前を見つけたらすぐにな
※「Blocka」は銃の乱射音。
No one lookin', whoop him like my step-child
誰も見てねぇところで、継子を扱うようにあいつをボコボコにしてやる
※「step-child(継子)」のように容赦なく、愛情のカケラもなく暴行を加えるというストリートの非情な表現。
Hope my oppers broke and don't accomplish
俺の敵どもが文無しになって、何も成し遂げられないことを祈ってるぜ
I want problems, call the coppers
俺は揉め事が欲しいんだ、ポリ公でも呼んでみろよ
But he fold, when I see him, that's obvious, bitch
でもあいつはビビって折れるんだ、俺の顔を見りゃ一目瞭然だろ、ビッチ
Y'all will never be none, don't amount to shit
お前らは永遠に何者にもなれねぇ、何の価値もねぇのさ
I'ma get higher than a mountain get (Yeah)
俺は山の頂よりも高く登りつめてやる (Yeah)
Teacher always said I won't amount to shit (What?)
先生はいつも俺に、クズにしかならないって言ってたな (What?)
Proved her wrong when I dialed my wrist
俺の腕にダイヤを輝かせた時、あの女が間違ってたって証明してやったのさ
※「dialed/diamoned my wrist」は手首の時計に大量のダイヤモンドを散りばめること。
When I done up whip, blind man with a stick (Grrt)
俺が車を仕上げたら、杖を持った盲目男みたいになるぜ (Grrt)
※高級車に乗った自分を狙うなら、無差別に杖(stick=銃)を振り回す盲目男のように容赦なく撃ちまくる、または手首のダイヤが眩しすぎて相手の目が見えなくなる(盲目になる)というダブルミーニング。
