Artist: Kodak Black
Album: Kodak The Blessing
Song Title: Ima Be Cool
概要
本作『Ima Be Cool』は、フロリダのゲットーをサバイブし、莫大な富と名声を手に入れたKodak Blackが、かつてのメンターや親友からの裏切りに対する愛憎と苦悩を赤裸々に綴った、極めて内省的なトラックである。かつて自分が憧れ、「背中を追っていた」存在が、自身の成功(マクラーレンに乗るほどの富)を機に嫉妬に狂い、手のひらを返したというストリート特有の悲哀が描かれている。リリックの端々には、「強盗(lick)に連れて行ったら泣き出した仲間」や「ついさっきまで家にいたのに殺されてしまったダチ」など、過酷なフッドのリアルが血生臭い情景とともに散りばめられている。裏切り者を「今すぐ殺してやりたい」という強烈な殺意と、成功者として「冷静でいる(Be Cool)」べきだという理性が交錯する様は、Kodakが抱えるトラウマとSad Boyとしてのペルソナを痛々しいほど浮き彫りにしている。フロリダのストリートの残酷な掟と、人間関係の崩壊を歌い上げた名曲だ。
和訳
[Chorus]
I was lookin' out for you, but you wasn't lookin' out for me too
俺はあんたの世話を焼いてたのに、あんたは俺のことを気にかけてもくれなかった
Remember back then, I used to wanna be you
思い出すぜ、あの頃はあんたみたいになりたかったんだ
※かつては地元の先輩や兄貴分として憧憬の対象であったことを示している。
I can't wait to kill that boy, but I'ma be cool
あいつを殺したくてたまらねぇが、俺は冷静でいるつもりだ
※「cool」には「冷静でいる」と「イケてる状態を保つ」の両方の意味がある。衝動的な暴力(報復)を抑え、成功者としての余裕を見せようとする葛藤。
You were smilin' when you're 'round me, I wasn't happy too
あんたは俺の周りで笑っていたが、俺も幸せじゃなかった
※表面上の笑顔の裏に隠された嫉妬や不和を感じ取っていた描写。
Look at me slidin' on a nigga, but they blast at you
敵に乗り込む俺を見てみろよ、でも奴らがあんたを撃つんだ
※「slidin'」は敵陣への襲撃。自分が報復に出ることで、身近な人間(あんた)が巻き添えになるストリートの不条理。
Remember back then, I used to wanna be you
思い出すぜ、あの頃はあんたみたいになりたかったんだ
I can't wait to kill that boy, but I'ma be cool
あいつを殺したくてたまらねぇが、俺は冷静でいるつもりだ
[Verse 1]
I let it off broad day, it had to be noon
真昼間にぶっ放してやった、正午じゃなきゃダメだったんだ
※「let it off」は発砲すること。人目の多い真昼間(broad day)に銃撃を行うという、手段を選ばない狂気とストリートの残虐性。
They say I wasn't comin' home, but I'ma be soon
奴らは俺が家に帰れないと言ってたが、もうすぐ帰るぜ
※警察に捕まり長期刑になる(家に帰れない)と噂されていたが、すぐに保釈される、あるいは生き延びて帰還するというハスラーのタフなスタンス。
Tried to take my nigga on a lick, he went to cryin' on me
ダチを強盗に連れて行こうとしたら、あいつは俺の前で泣き出しやがった
※「lick」は強盗や犯罪で手っ取り早く金を稼ぐこと。ストリートの過酷さに耐えられない仲間の弱さを露呈させたエピソード。
Ain't fucked with niggas ever since he went to lyin' on me
あいつが俺に嘘をつき始めてから、俺はあいつらとは一切関わっちゃいねぇ
This shit done dragged me through thе rain and I got plenty M's
このクソみたいな生活が俺を雨の中へ引きずり込み、今じゃ腐るほどのミリオンを持ってる
※「rain」は苦難や悲劇の暗喩。「M's」は数百万ドル(Millions)の財産。苦痛の代償として莫大な富を得たという成功者のパラドックス。
I'm tryna find another thing to put my feelings in
俺は自分の感情を注ぎ込める別の何かを見つけようとしてるんだ
I'm tryna find another way to go a diffеrent route
俺は別のルートへ進むための別の方法を見つけようとしてる
But I be runnin' with the gang, it ain't no in and out
でも俺はギャングと一緒に走ってる、出入り自由な場所じゃねぇんだ
※「in and out」は気まぐれに出入りすること。一度ギャングの世界に入れば、大金を稼いだとしても簡単には抜け出せないという絶望的な現実。
They sent my nigga to the grave and he was just at my house
奴らは俺のダチを墓場に送っちまった、あいつはついさっきまで俺の家にいたのに
※仲間の突然の死。ストリートでは日常と死が常に隣り合わせであることの生々しい描写。
Got me runnin' with the K, don't make me spell it out
Kを持って走る羽目になったぜ、これ以上俺に言わせるなよ
※「K」はAK-47アサルトライフル。仲間の死に対する報復(殺し)に向かっていることを暗に示している。
Tried the good boy road, that shit don't match my fly
いい子ちゃんの道を試してみたが、あのクソは俺のスタイルには合わなかった
※「match my fly」は自分のイケてるライフスタイルや本質と合致すること。更生しようとしたが、結局はストリートの流儀に引き戻されるという宿命。
All I see is blood, so, baby, you can't catch my eye
俺の目には血しか見えねぇ、だからベイビー、君の姿は俺の目には留まらないんだ
※復讐と殺意(blood)に完全に囚われており、女性の誘惑や愛(baby)すら目に入らないというパラノイアックな状態。
[Chorus]
I was lookin' out for you, but you wasn't lookin' out for me too
俺はあんたの世話を焼いてたのに、あんたは俺のことを気にかけてもくれなかった
Remember back then, I used to wanna be you
思い出すぜ、あの頃はあんたみたいになりたかったんだ
I can't wait to kill that boy, but I'ma be cool
あいつを殺したくてたまらねぇが、俺は冷静でいるつもりだ
You were smilin' when you're 'round me, I wasn't happy too
あんたは俺の周りで笑っていたが、俺も幸せじゃなかった
Look at me slidin' on a nigga, but they blast at you
敵に乗り込む俺を見てみろよ、でも奴らがあんたを撃つんだ
Remember back then, I used to wanna be you
思い出すぜ、あの頃はあんたみたいになりたかったんだ
I can't wait to kill that boy, but I'ma be cool
あいつを殺したくてたまらねぇが、俺は冷静でいるつもりだ
[Verse 2]
Told you I was ready to make a scene if a nigga dare me
誰かが俺に挑んでくるなら、ひと騒動起こす準備はできてるってあんたに言ったよな
※「make a scene」は公衆の面前で暴れる、銃撃戦を起こすこと。
You tried to keep me under your wings, you ain't wanna share me
あんたは俺を自分の羽の下に閉じ込めておきたがった、俺を誰かとシェアしたくなかったんだ
※かつての兄貴分が、才能あるKodakを自身の支配下に置き、彼の成長や独立を阻害しようとした(囲い込んだ)ことへの不満。
When I pulled up in a McLaren and everybody was starin'
俺がマクラーレンで乗り付けて、みんながジロジロ見てた時
※「McLaren」は数千万する超高級スーパーカー。Kodakがストリートで圧倒的な成功を収めた瞬間。
You stopped carin', you got jealous and that hurt me dearly
あんたは気にかけるのをやめた、嫉妬しやがって、それが俺を深く傷つけたんだ
※教え子が自分を超えた途端に態度を硬化させる、身内の嫉妬(Envy)というストリートで最も恐れられる感情のリアル。
I just need you to respect me, you ain't gotta fear me
俺はただあんたにリスペクトしてほしかっただけだ、俺を恐れる必要なんてねぇのに
I got it on my lonely, but I kept you right near me
俺は自分の力だけで手に入れたが、それでもあんたをずっとすぐそばに置いてた
When I was sick, I ain't have shit, you ain't try to cure me
俺が病んで何も持ってなかった時、あんたは俺を治そうともしなかった
※金も名声もない底辺の時期には助けてくれなかったという恨み。
Before my money started talkin', you wasn't tryna hear me
俺の金がものを言うようになるまで、あんたは俺の話を聞こうともしなかった
※「money talk」は金が力を持つこと。成功して金を持つまで、まともに相手にされなかったという皮肉。
Every time I got on, I kept you with me, close
俺がのし上がる度に、俺はあんたをすぐそばに置いていたのに
My love for you was so strong, you were my nearest hope
あんたへの愛はすごく強かった、あんたは俺の最も身近な希望だったんだ
Even though I needed you the most, you thuggin' all alone
俺があんたを一番必要としていたのに、あんたは一人でギャングのフリをしてた
※「thuggin'」はタフに振る舞う、ストリートでハッスルすること。真の絆を拒絶し、孤立していった相手への失望。
Said my house is not a home, I knew it all along
俺の家は安らげる場所じゃないって言ったな、最初から分かってたことさ
※「house is not a home」は、物理的な建物(house)であっても、愛や絆がなければ真の家庭(home)ではないという有名な英語のフレーズ。
[Chorus]
I was lookin' out for you, but you wasn't lookin' out for me too
俺はあんたの世話を焼いてたのに、あんたは俺のことを気にかけてもくれなかった
Remember back then, I used to wanna be you
思い出すぜ、あの頃はあんたみたいになりたかったんだ
I can't wait to kill that boy, but I'ma be cool
あいつを殺したくてたまらねぇが、俺は冷静でいるつもりだ
You were smilin' when you're 'round me, I wasn't happy too
あんたは俺の周りで笑っていたが、俺も幸せじゃなかった
Look at me slidin' on a nigga, but they blast at you
敵に乗り込む俺を見てみろよ、でも奴らがあんたを撃つんだ
Remember back then, I used to wanna be you
思い出すぜ、あの頃はあんたみたいになりたかったんだ
I can't wait to kill that boy, but I'ma be cool
あいつを殺したくてたまらねぇが、俺は冷静でいるつもりだ
