Artist: Rakim
Album: The 18th Letter
Song Title: Outro
概要
1997年にリリースされたRakimのソロデビューアルバム『The 18th Letter』の最後を締めくくるアウトロ。本トラックは、著名なヒップホップ・ジャーナリストであるハリー・アレン(Harry Allen)と思われる人物とのインタビュー音源で構成されている。5年のブランクを経て「The God MC」としての絶対的な地位を再証明したRakimに対し、自身のレガシー(遺産)について問う内容だ。Rakimは流行(トレンド)を追うことを否定し、自らを永遠にするものは「言葉(Words)」であると静かに語る。ファイブ・パーセンターズの教義を交えながら、20年後のヘッズたちが自分のラップを語り継ぐ未来を想像する姿には、リリシズムの開祖としての揺るぎない自信と誇りが満ちている。自身の子供たち、そして後進のMCたちへと託されるヒップホップの哲学が凝縮された、アルバムの終幕にふさわしい深い余韻を残すトラックである。
和訳
[Interviewer, possibly Harry Allen]
What is, the one, main thing that you have
あなたが持っているものの中で、たった一つ、最も重要なものは何ですか?
That you would want people to remember you by?
人々からどう記憶されたいと思っていますか?
Or not one but the, those things that are dear to you
あるいは一つではなく、あなたにとって大切で
That you would, want to be remembered as
こういう存在として記憶されたいと思うものは何ですか?
[Rakim]
I guess I guess it's my words man, yaknahmean?
そうだな、おそらく俺の言葉だろうな、言ってる意味わかるか?
※「yaknahmean」は「You know what I mean(言ってる意味わかるだろ?)」のストリート特有の短縮発音。
Just my words, and, if people remember my words they'll remember me forever
ただ俺の言葉だ、人々が俺の言葉を覚えていてくれるなら、俺は永遠に記憶されることになる。
Y'know? God by nature mind raised in Asia, y'know?
分かるだろ? 本質的に神であり、アジアで育まれた精神だ、分かるか?
※「God by nature mind raised in Asia」は、Rakimが深く傾倒するファイブ・パーセンターズ(5 Percent Nation)の教義に基づく表現。「God」は目覚めた黒人男性自身を指し、「Asia」は地球全体の起源、または黒人のルーツとしてのアフロ・アジアを意味する。自らの言葉が神聖なルーツから来ていることを示している。
But umm... it's like y'know to live forever you you you gotta
だが、ええと...永遠に生きるためには、こうしなきゃならないんだ。
Set y'know, not not set trends but you gotta
分かるだろ、トレンドを作るんじゃなく、ある種の...
Apply yourself a certain way and you gotta do certain things y'know?
自分自身を確かな方法で適応させ、確かなことを成し遂げなきゃならないんだ、分かるだろ?
※一過性の流行(トレンド)を追うのではなく、時代を超えて残る本質的なクラシックを創り出すことの重要性を説いている。
Maybe, maybe when I'm gone twenty years from now
おそらく、俺がここから去って20年後くらいに
Somebody might be tellin, tellin they little son
誰かが自分の小さな息子にこう語り聞かせているかもしれない。
"Oh yo you think Shorty bad? Yo I 'member this cat way back
「おや、あいつがヤバいと思うか? ヨォ、俺はずっと昔にこんなヤツを覚えてるぜ。
In like nineteen-ninety. Kid named Rakim, bananas."
1990年くらいにな。ラキムって名前のキッドさ、マジでイカれてた」ってな。
※「bad」はここでは「ヤバい、最高だ」の意。「bananas」は「クレイジー、規格外」を意味するスラング。未来のヘッズたちが、当時の若手ラッパーを見て「昔のラキムの方がもっとヤバかったぜ」と語り継ぐ情景を想像している。実際に彼の言葉通り、Rakimは世代を超えて神格化されている。
YouknowhatI'msayin? If that can happen man, I'm aight man, y'know?
俺の言ってること分かるか? もしそんなことが起きるなら、俺はそれで十分なんだよ。
I got I got I got kids y'know? They gonna umm, finish this for
俺には子供たちがいるからな、分かるだろ? あいつらが、ええと、俺の代わりにこれを完成させてくれるさ。
Me anyway yknahmsayin so regardless, y'know the legacy lives
どのみちにな、だからとにかく、レガシーは生き続けるんだ。
But umm as far as the masses just remember my words
だが、大衆に関しては、ただ俺の言葉を覚えていてくれればいい。
Straight up
マジでな。
※「Straight up」は「本当に、嘘偽りなく」を意味する、ストリートの決まり文句。
