Artist: Rakim
Album: The 18th Letter
Song Title: Skit #3 (The 18th Letter)
概要
1997年にリリースされたRakimのソロ・デビューアルバム『The 18th Letter』に収録されている3つ目のスキット(語り)である。彼がシーンから遠ざかっていた5年間、NasやThe Notorious B.I.G.、Jay-Zといった次世代のスターたちが次々と台頭したが、コアなヘッズやメディアは常に彼らを「Rakimと比較」して語っていた。本スキットは、Rakimがいかにヒップホップにおける「MCの絶対的基準」であり続けていたかを示す彼自身の肉声である。ストリートを歩けば、人々からまるで「火星人」を見るかのような畏敬の念を持たれ、「The God(神)」と崇められることに対する率直な思いが語られている。商業的な成功や業界の派手なギミックではなく、ストリートからの純粋なプロップス(リスペクト)こそが彼がマイクを握り続ける唯一の理由であり、ヒップホップというカルチャーへの深い愛と結びつきがにじみ出た、短くもエモーショナルなトラックである。
和訳
So just knowing that people, um...
だから、人々が、ええと...
Compare me with every hot kid that come out and...
新しく出てくるイケてる若手たち全員と俺を比較しているって知ること、そして...
※Rakimのブランク期間中(92年〜97年)にデビューしたNasやSnoop Dogg、Wu-Tang Clanなどの新世代の天才MCたちが、常に「Rakimの再来か?」「Rakimを超えられるか?」という基準で語られていた事実を指している。
You know, the expressions people give me when I see 'em in the streets sometimes
分かるだろ、時々ストリートで出会った時に人々が俺に向けるあの表情
You know, people be looking at me like I'm a martian
分かるか、連中は俺をまるで火星人でも見るかのように見つめてくるんだ
※Rakimの存在があまりにも伝説的であり、もはや生身の人間ではなく、宇宙人や神話上の生き物のような畏敬の対象としてストリートから見られていることを表現している。
Like, "Yo, it's the god", you know'm'sayin'
「ヨォ、神だ」ってな感じでさ、俺の言ってること分かるか?
※「the god」は、Rakimの愛称である「The God MC」に由来する。ヒップホップにおいて彼が頂点に立つ絶対的な存在であることをストリートのヘッズたちが自発的に認めている証明であり、同時にファイブ・パーセンターズ(5 Percent Nation)の「黒人男性=神(God)」という教義にもかかっている。
But that alone, man, keep me lovin' this, man, lovin' this
でもな、ただそれだけで、俺はこれを愛し続けられるんだ、本当に、これを愛し続けられるんだ
※「this」はヒップホップそのもの、あるいはMCとしての生き方を指す。複雑な契約トラブルや業界のしがらみを乗り越え、ストリートのファンからの純粋な愛とリスペクトこそが自身の最大の原動力であることを、飾らない言葉で静かに宣言している。
