Artist: Rakim
Album: The 18th Letter
Song Title: Stay a While
概要
1997年にリリースされたRakimのソロデビューアルバム『The 18th Letter』に収録された本作は、ストリートのタフさやリリカルなコンシャスネスで知られる「The God MC」が見せる、非常に洗練されたロマンチックな一面を切り取った楽曲である。UKのR&Bグループ、Loose Endsの「Stay a Little While, Child」をサンプリング・補作したフックを中心に、Rakimはクラブでの出会いから知的な大人の恋愛への発展を非常にスムースに描き出している。特筆すべきは、90年代後半に蔓延していた物質主義的で露骨な女性蔑視(ミソジニー)のトーンとは一線を画し、ファイブ・パーセンターズ(5 Percent Nation)の用語である「math(知性)」や「wiz(妻・女性)」、そしてマルコムXの妻「Betty Shabazz」を引き合いに出し、内面的な知性と自立を兼ね備えた女性を求めている点だ。ハードコアなヒップホップ美学を一切損なうことなく、極めて高度なライミングで大人の色気を表現できるRakimの圧倒的な器の大きさを証明する、隠れた名曲である。
和訳
[Intro]
What you wanna say to make me stay awhile
僕をもう少し長くとどまらせるために、君は何を言いたいんだ
What you wanna say to make me wanna stay
僕がとどまりたくなるように、君は何を言いたいんだ
[Verse 1]
Just me and my peeps — we gettin' buzzed, lookin' for clubs
俺と仲間たちだけ — 軽く酔っ払いながら、クラブを探している
Missus with kisses and hugs, lookin' for love
キスとハグをしてくれる女たち、愛を探している
She gotta be nice with hers, even with cookin' some grub
彼女は魅力的じゃなきゃならない、ちょっとした飯を作る時でさえも
Once I'm in, I meet her friends then I'm hookin' my thugs
一度入り込めば、彼女の友達に会い、そして俺のダチたちをくっつける
We'll be blowin' hundreds, always knowin' where the fun is
俺たちは100ドル札を飛ばしまくる、どこに楽しみがあるか常に分かっているんだ
Roadrunners findin' more spots than Columbus
ロードランナーたち、コロンブスよりも多くの場所を見つけ出す
Pocket full of phone numbers from some of the world wonders
ポケットには世界の不思議かと思うほどの美女たちからの電話番号が詰まっている
I take my time, and find where the right one is
俺は時間をかけ、相応しい女がどこにいるかを見極める
Smooth as jazz but more than a half, ready for math
ジャズのように滑らかだが、中途半端な存在じゃない、数学の準備はできている
※「math(数学)」はファイブ・パーセンターズの教義「Supreme Mathematics」を指し、深い知性や宇宙の真理への理解力を意味する。外見だけでなく、知的な対話ができる女性を探しているというライン。
And on a steady path, like Betty Shabazz
そして確固たる道を歩んでいる、ベティ・シャバズのようにな
※「Betty Shabazz」は黒人解放運動の指導者マルコムXの妻。自立した強く知的な黒人女性の究極の象徴としてのネームドロップ。
And when I see the wiz, I'mma step to my biz
そしてウィズを見つけたら、俺は自分のビジネスに踏み出す
※「wiz (Wisdom)」もファイブ・パーセンターズのスラングで、女性や妻を意味する。
And there she is, let's see if she pass the quiz
ほら、彼女がいた、俺のクイズに合格するか見てみよう
It's appropriate we go get soakin' wet
俺たちがずぶ濡れになるのは妥当なことだ
Toast, we met, become close associates
乾杯しよう、俺たちは出会い、親密な関係になった
The place is ours, by now I can embrace your style
この場所は俺たちのもの、今なら君のスタイルを受け入れることができる
So much flavor I can taste your smile, stay awhile
溢れんばかりのフレイバー、君の笑顔を味わうことができる、もう少しいてくれ
[Chorus]
Why don't you, stay a little while, child?
ねえ、もう少しだけいてくれないか、ベイビー
Stay, stay a little while, child
いてくれ、もう少しだけいてくれ、ベイビー
Baby, why don't you stay a little while?
ベイビー、もう少しだけいてくれないか?
Stay, ayyyayyy, stay a little while, child
いてくれ、もう少しだけいてくれ、ベイビー
Baby, why don't you
ベイビー、どうだい?
[Verse 2]
We on the low matin', infiltratin', negotiatin'
俺たちは密かに交わり、入り込み、交渉している
We both be makin' moves and dough, M.O.'s relatin'
俺たちは二人とも行動を起こして金を稼ぐ、手口が似ているんだ
※「M.O.」はModus Operandi(犯罪の手口、やり方)の略。お互いにストリートのハスラーとしての気質や行動原理が合致していること。
She ain't takin', I want it, but yo I know she waitin'
彼女は簡単には手を出さない、俺は欲しいが、ヨォ、彼女が待っているのは分かっている
I throw the bait in, and before you know we datin'
俺は餌を投げ込む、そして気づけば俺たちはデートしている
I want the format, to the doormat
ドアマットまでのフォーマットが欲しい
Contacts, fast callbacks and all that
連絡先、素早い折り返しの電話、その他もろもろだ
Your deepest ecstasy suit your rare accessory
君の最も深いエクスタシーが、君の希少なアクセサリーに似合う
Your secret recipes to your bear necessities
君の最低限の必需品への、君の秘密のレシピ
She real exotic, body feel like Lucile Roberts
彼女は本当にエキゾチックだ、体つきはルシール・ロバーツのようだ
※「Lucile Roberts」はニューヨークを中心に展開する女性専用のフィットネスクラブ。彼女の体がジムで完璧に鍛え上げられていることの比喩。
Name-brand closets, culturized products
有名ブランドのクローゼット、文化的な産物
Claws like a scorpion caught me in deeper
サソリのような爪が、俺をさらに深く捕らえた
But juice sweeter, enough to buy a two seater
だがジュースはより甘く、2シーターを買うのに十分なほどだ
Every mile I plan to have your mind beguiled
1マイルごとに、君の心を魅了する計画だ
'Til it informs me more than you would normally allow
普段なら君が許す以上のことを、俺に教えてくれるまで
Raised more than a eyebrow with a flagrant style
その目に余るほどのスタイルで、眉をひそめさせる以上の驚きを与えた
By now I can taste your smile, stay awhile
今なら君の笑顔を味わうことができる、もう少しいてくれ
[Chorus]
Why don't you, stay a little while
ねえ、もう少しだけいてくれないか
Stay, stay a little while, child
いてくれ、もう少しだけいてくれ、ベイビー
Baby, why don't you, stay a little while
ベイビー、もう少しだけいてくれないか
Stay, ayyyayyy, stay a little while, child
いてくれ、もう少しだけいてくれ、ベイビー
Baby, why don't you
ベイビー、どうだい?
[Verse 3]
Sometimes it's hard to fight it and not let her see me get excited
時にはそれに抗い、俺が興奮しているのを彼女に見せないようにするのが難しい
But she know I like it, she know the deal like a psychic
だが彼女は俺が好きなのを知っている、超能力者のように状況を分かっているんだ
Mind is haunted because I always find her on it
いつも彼女のことで頭がいっぱいだから、心は取り憑かれている
She know what I want, where I want, when I want it
彼女は俺が何を、どこで、いつ欲しいかを知っている
Blowin' up my Motorola, "Daddy, you comin' over?"
俺のモトローラを鳴らしまくる、「ダディ、こっちに来る?」
※「Motorola」は90年代当時、ストリートのステータスシンボルでもあったポケベルや携帯電話のブランド。当時のアーバンライフのリアルな描写。
She on the sofa, holdin' a remote controller
彼女はソファに座り、リモコンを握っている
Candles burnin' lower, favorite dish gettin' colder
キャンドルは短く燃え、お気に入りの料理は冷めていく
She hot as solar 'cause I told her I wanna hold her
彼女は太陽のように熱くなっている、俺が抱きしめたいと言ったからだ
But her mission — she sittin' in one position like Yoga
だが彼女のミッション — 彼女はヨガのように一つの体勢で座っている
A TV show is on, to top it off, she dead sober
テレビ番組がついていて、おまけに彼女は完全にシラフだ
Then I open the door up and kiss her on the shoulder
そして俺はドアを開け、彼女の肩にキスをする
She say I'm rollin' like Mr. Lover Lover
彼女は俺がミスター・ラヴァー・ラヴァーのように振る舞っていると言う
※「Mr. Lover Lover」はジャマイカのダンスホール・レゲエのスター、シャバ・ランクス(Shabba Ranks)の異名。絶倫でセクシーな男の代名詞として当時のヒップホップやR&Bでよく引用された。
We had a hard day, ready to parlay
俺たちはハードな一日を過ごした、リラックスして楽しむ準備はできている
My thirst they obey, everythin' that God say
俺の渇きに彼女たちは従う、神が言うことすべてにな
※ここでの「God」はRakim自身(The God MC)を指している。
Okay, let's play awhile and I'll embrace your style
オーケー、少しの間遊ぼう、君のスタイルを受け入れてやる
So much flavor I can taste your smile, stay awhile
溢れんばかりのフレイバー、君の笑顔を味わうことができる、もう少しいてくれ
[Chorus]
Why don't you, stay a little while
ねえ、もう少しだけいてくれないか
Stay, stay a little while, child
いてくれ、もう少しだけいてくれ、ベイビー
Baby, why don't you, stay a little while
ベイビー、もう少しだけいてくれないか
Stay, ayyyayyy, stay a little while, child
いてくれ、もう少しだけいてくれ、ベイビー
Baby, why don't you
ベイビー、どうだい?
