Artist: DJ Khaled (feat. Birdman & Lil Wayne)
Album: We The Best
Song Title: S On My Chest
概要
2007年にリリースされたDJ Khaledの2ndアルバム『We The Best』に収録された本作「S On My Chest」は、Cash Money Recordsの総帥Birdman(Baby)と、当時のヒップホップ・シーンで「生ける最高のラッパー(Best Rapper Alive)」として無双状態にあったLil Wayneという、疑似親子デュオによる強烈なハードコア・アンセムである。タイトルの「S On My Chest(胸にSのマーク)」とは、スーパーマンのような無敵の存在であることを誇示するフレーズであり、同時にCash Moneyのシンボルであるドルマーク($)を「S」に見立てたダブルミーニングでもある。2006年のコラボアルバム『Like Father, Like Son』の熱気をそのまま引き継ぎ、ニューオーリンズのストリート・カルチャー、ブラッズ(Bloods)の血盟、そして圧倒的な富と暴力をテーマにしている。特にLil Wayneのヴァースに見られる、マクドナルドやバーガーキングのメニューを用いた天才的なワードプレイや、自由奔放なフロウは、彼がシーンの頂点に君臨していた絶頂期ならではの輝きを放っている。
和訳
[Intro: Lil Wayne]
That be that Cash Money piece, go restin' the dead
あれがキャッシュ・マネーのチェーンさ、死人を安らかに眠らせてやれ
※「piece」は分厚いゴールドチェーン(ジュエリー)。圧倒的な財力を見せつけ、敵(死人)を葬り去るという冷酷な宣言。
(Alright, alright)
(オーライ、オーライ)
[Chorus: Lil Wayne & Birdman]
I walk around like I got a "S" on my chest (Uh-huh)
俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ(アーハン)
※スーパーマンのように無敵であるというフレックス。また、Cash Moneyの象徴であるドルマーク($)のチェーンを胸に下げている状態も表している。
I walk, I walk around like I got a "S" on my chest (Yeah)
俺は、俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ(イェー)
I walk, I walk around like I got a "S" on my chest (Yeah)
俺は、俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ(イェー)
That be that Cash Money piece, go restin' the dead, that be that (Uh)
あれがキャッシュ・マネーのチェーンさ、死人を安らかに眠らせてやれ、そういうことさ(アー)
Cash Money, Ca— Cash Money (If stunna say the nigga dead, then the nigga dead, that be that)
キャッシュ・マネー、キャ、キャッシュ・マネー(もしスタナが奴は死ぬと言えば、奴は死ぬ、そういうことさ)
※「Stunna」はBirdmanの別名(Cash Moneyの絶対的なボス)。
Cash Money, Ca— Cash Money (If stunna say the nigga dead, then the nigga dead)
キャッシュ・マネー、キャ、キャッシュ・マネー(もしスタナが奴は死ぬと言えば、奴は死ぬ)
I walk around like I got a "S" on my chest (If youngin' say the nigga dead, then the nigga dead, I'm in bitch)
俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ(もしヤンギンが奴は死ぬと言えば、奴は死ぬ、俺も加わるぜ、ビッチ)
※「Youngin」はLil Wayneのこと。ボスだけでなく、エースであるWayneの言葉もストリートでは絶対的な死の宣告となる。
That be that Cash Money piece, go restin' the dead (If youngin' say the nigga dead, then the nigga dead, [You dig?])
あれがキャッシュ・マネーのチェーンさ、死人を安らかに眠らせてやれ(もしヤンギンが奴は死ぬと言えば、奴は死ぬ、[分かるか?])
[Verse 1: Lil Wayne]
Reporting from Kim's corner store
キムズ・コーナーストアからレポートだ
※Lil Wayneの故郷ニューオーリンズのホリーグローブ(Hollygrove)に実在した地元のコンビニエンスストア。
Hollygrove, 17th carnivore
ホリーグローブ、第17区の肉食獣さ
※「17th」はニューオーリンズの第17区(17th Ward)。「carnivore(肉食動物)」は、ストリートの弱肉強食の世界における頂点の捕食者であることを示している。
Ridin' through the city in a Tonka toy
トンカ・トイに乗って街を走り抜ける
※「Tonka toy」はアメリカの有名な巨大トラックのおもちゃ。ここではメルセデス・ベンツのGクラスなどの巨大な高級SUVを比喩している。
I got old money, coulda bought a dinosaur, huh
俺は古い金を持ってるから、恐竜だって買えたかもな、ハン
※「old money」は代々受け継がれてきた莫大な資産のこと。金が「古すぎる」ゆえに、大昔の恐竜すら買えるというLil Wayne特有のユーモアに満ちた誇張表現。
Only ride Chevy, never drive a Ford
シボレーにしか乗らない、フォードは絶対に運転しない
And my Coupe doors open like plaza doors, yup
俺のクーペのドアは、プラザのドアみたいに開くんだ、イェップ
※高級ホテル(プラザ)の観音開きのドアのように開く、ロールス・ロイスのスーサイド・ドアやランボルギーニのシザードアの描写。
Red thick women (Uhh), I's adore
赤みのあるグラマラスな女たち(アー)、俺は大好きなんだ
※「Red」はライトスキン(明るい肌色)の黒人女性を指すスラングであり、同時にギャングの「ブラッズ(赤)」のカラーコードも掛けている。
I'm a whore, you know that I'm a whore, yup
俺は売春婦みたいなもんさ、お前も俺が売春婦だって知ってるだろ、イェップ
※誰とでも寝るような女好きであるという自虐的なフレックス。
Cash Money, Cash Money, monster boys
キャッシュ・マネー、キャッシュ・マネー、怪物のような野郎ども
Mafia bitch, even the cops avoid
マフィアだぜビッチ、サツでさえ避けて通るのさ
And you say you want beef, then I got you, boy, uh
お前がビーフ(揉め事/牛肉)を望むなら、俺が用意してやるよ、坊や、アー
I'll just let the Big Mac, whop' a boy
俺はただビッグマックに、お前をボコボコに(ワッパー)させるだけさ
※この楽曲のハイライト。「beef(牛肉)」からの連想で、「Big Mac(マクドナルドの看板メニュー/MAC-11などの重機関銃)」を使って「whop(ボコボコにする/バーガーキングの看板メニューのワッパー:Whopper)」という、ファストフード・チェーンを網羅した天才的なトリプル・ミーニングのワードプレイ。
See my dreads hangin' lookin' like a rasta, boy
垂れ下がる俺のドレッドを見てみろ、ラスタファリアンみたいだろ、坊や
Fuck with my roster and I turn into Mufasa, boy, haha
俺のロースターに手を出せば、俺はムファサに変わるぜ、坊や、ハハ
※「roster」はレーベルの所属アーティスト(仲間)。「Mufasa」は映画『ライオン・キング』の威厳ある王。仲間に手を出せば、ライオンのように獰猛に噛み殺すという警告。
We run up in your casa, boy
俺たちはお前のカサに押し入るぜ、坊や
※「casa」はスペイン語で家。
And blast off like NASA, boy, haha
そしてNASAみたいに発射(銃撃)するのさ、坊や、ハハ
※「blast off」はロケットの打ち上げと、銃の乱射を掛けた言葉遊び。
[Chorus: Lil Wayne & Birdman]
I walk around like I got a "S" on my chest (Yeah)
俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ(イェー)
I walk, I walk around like I got a "S" on my chest
俺は、俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ
I walk, I walk around like I got a "S" on my chest
俺は、俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ
That be that Cash Money piece, go restin' the dead, that be that (Uh)
あれがキャッシュ・マネーのチェーンさ、死人を安らかに眠らせてやれ、そういうことさ(アー)
Cash Money, Ca— Cash Money (If stunna say the nigga dead then the nigga dead, that be that)
キャッシュ・マネー、キャ、キャッシュ・マネー(もしスタナが奴は死ぬと言えば、奴は死ぬ、そういうことさ)
Cash Money, Ca— Cash Money
キャッシュ・マネー、キャ、キャッシュ・マネー
I walk around like I got a "S" on my chest
俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ
That be that Cash Money piece, go restin' the dead (Yeah)
あれがキャッシュ・マネーのチェーンさ、死人を安らかに眠らせてやれ(イェー)
[Verse 2: Birdman]
Cash Money is an army nigga, better know it's gravy
キャッシュ・マネーは軍隊だぜ、美味しい汁(グレイビー)を吸ってるって知っておけ
If you ever fuck with Young and if you ever fuck with Baby
もしお前がヤングに喧嘩を売るなら、もしお前がベイビーに喧嘩を売るなら
Shit gon' be crazy, nigga doin it like the 80's
ヤバいことになるぜ、80年代みたいにやってやるからな
※1980年代のマイアミやニューオーリンズを席巻した、コカイン・カルテルによる血みどろの抗争のような暴力性を指している。
Buncha young nigga poppin' off and they sprayin'
大勢の若い野郎どもがブチ切れて、銃弾をバラ撒くのさ
Up in the early, we thank Him for the sunshine
朝早く起きて、太陽の光を神に感謝する
Got to get my bling on, reach for my chrome nine
ブリンブリン(宝石)を身につけて、クロームメッキの9ミリ銃に手を伸ばす
Kiss mama cause we goin' out and get mines
ママにキスをする、俺たちは外に出て自分の獲物を狩りに行くからな
Next nigga in line, seventeen on the grind
列に並ぶ次の野郎、第17区がグラインド(シノギ)してるぜ
Shoot first, nigga not seeing mines
先に撃つんだ、俺の仲間には手出しさせない
Big purses, million-dollar headlines
デカい財布、ミリオンダラーの見出し
Five drops, O.G., the last Big Tyme'
5台のオープンカー、O.G.、最後のビッグ・タイマーさ
※「Big Tyme」はBirdmanがかつてMannie Freshと組んでいた伝説のデュオ「Big Tymers」であり、Cash Moneyの初期のレーベル名「Big Tymers Entertainment」にも由来する誇り高き称号。
Lord to the game, nigga, 'til it's my time
このゲームの君主だ、俺の時間が終わるまでな
"Like Father Like Son," nigga, this time
今回は『ライク・ファーザー・ライク・サン(父の如く、子の如く)』だぜ
※2006年にリリースされたBirdmanとLil Wayneのジョイント・アルバムのタイトル。血の繋がりはないが、ストリートの父と息子としての絶対的な絆。
Junior got the fame and the game, mastermind
ジュニアが名声とこのゲームを手に入れた、マスターマインドさ
※「Junior」はLil Wayneのこと。彼をスターダムに押し上げたBirdmanの手腕(黒幕)。
Two hundred on the dash, nigga, watch me mash
ダッシュボード(スピードメーター)は200マイル、俺がぶっ飛ばすのを見てな
Doing doughnuts in my hood gettin' paper bags
フッドでドーナツスピンをキメて、紙袋を手に入れるのさ
※「paper bags」は現金(札束)が詰め込まれた茶色い紙袋のこと。
[Chorus: Lil Wayne]
I walk around like I got a "S" on my chest
俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ
I walk, I walk around like I got a "S" on my chest
俺は、俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ
I walk, I walk around like I got a "S" on my chest
俺は、俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ
That be that Cash Money piece, go restin' the dead, that be that
あれがキャッシュ・マネーのチェーンさ、死人を安らかに眠らせてやれ、そういうことさ
Cash Money, Ca— Cash Money (That be that)
キャッシュ・マネー、キャ、キャッシュ・マネー(そういうことさ)
Cash Money, Ca— Cash Money
キャッシュ・マネー、キャ、キャッシュ・マネー
I walk around like I got a "S" on my chest (If stunna say the nigga dead, then the nigga dead)
俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ(もしスタナが奴は死ぬと言えば、奴は死ぬ)
That be that Cash Money piece, go restin' the dead (If stunna say the nigga dead, then the nigga dead)
あれがキャッシュ・マネーのチェーンさ、死人を安らかに眠らせてやれ(もしスタナが奴は死ぬと言えば、奴は死ぬ)
[Verse 3: Birdman]
Ribbon is red, that how we pledge
リボンは赤、それが俺たちの誓い方さ
An Uptown C.M.B. blood 'til I'm dead
アップタウンのC.M.B.、死ぬまでブラッド(血族)だ
※「赤(red)」はロサンゼルス発祥のギャング「Bloods(ブラッズ)」のシンボルカラー。ニューオーリンズのアップタウンを拠点とするCash Money Billionaires(C.M.B.)が、血の掟(blood)で結ばれていることを宣言している。
That's what I said, I'll put some change on your head
俺が言った通りだ、お前の首に小銭(懸賞金)を掛けてやる
If you ever cross a line nigga, it's nothin' but bread
もしお前が一線を超えるなら、こんなのただのパン(はした金)に過ぎないんだぜ
※「bread」は金(現金)のスラング。邪魔者を消すためのヒットマンへの報酬など、Birdmanにとっては痛くも痒くもない額であるという富と権力の誇示。
Fifty shots I'm hot, nigga we won't stop
50発の銃弾、俺は熱くなってる、俺たちは止まらないぜ
From putting candy on the slab nigga stirring them pots
スラブにキャンディ・ペイントを施し、鍋をかき混ぜるのをな
※「slab」は南部仕様のカスタムカー。「stirring them pots」はキッチンでコカインを熱してクラックを精製すること。
Put the hammer on the jam nigga pull it and pops
ジャム(トラブル)にハンマー(銃の撃鉄)を合わせ、引き金を引いて弾けさせる
And put the rubber on the bands, nigga stacking his knots
そして輪ゴムを札束に巻いて、結び目(大金)を積み上げるのさ
※「knots」は輪ゴムで束ねた分厚い札束のこと。
[Verse 4: Lil Wayne]
Bitch I'm the boss, bih-bitch I'm the boss
ビッチ、俺がボスだ、ビ、ビッチ、俺がボスだ
And bury me like my father on the cross
そして十字架の上の俺の親父のように、俺を埋葬してくれ
And carry thy teen, I shall over a cross
この10代(若き才能)を背負い、俺は十字架を越えてゆく
※Birdman(父)への絶対的な忠誠と、自分がCash Moneyの十字架(運命)を背負って進むという宗教的かつ悲壮な決意表明。
Shorty got that game on lock, like a vault
ショーティがこのゲームを完全にロックした、金庫のようにな
Weezy Baby, cayenne pepper, no salt
ウィージー・ベイビー、カイエンペッパーだ、塩はなしだぜ
※Lil Wayneのラップは激辛(ハードコア・刺激的)であり、塩(弱さ、あるいは純度の低いコカイン)は一切混じっていないというスパイスのメタファー。ポルシェ・カイエン(Cayenne)との響きも掛けている。
Windows down on the hog in the winter, it's yo' fault
冬なのにホッグの窓を開け放つ、それはお前のせいさ
※「hog」はハーレーダビッドソンなどの大型バイク、または大型の高級車。冬でも窓を開けてジュエリーや自分の姿を見せびらかす(フレックスする)のは、ヘイター(お前)を嫉妬させるためだという皮肉。
Hehehe, I don't jump on the track, I pole vault
ヘヘヘ、俺はトラック(ビート)の上をジャンプするんじゃない、棒高跳び(ポール・ヴォルト)をするんだ
※「jump on the track」はビートに乗ってラップを始めること。他のラッパーのように普通にビートに乗るのではなく、ポールを使って遥か高みへと一気に飛び越える(次元が違う)という秀逸なパンチライン。
I got that "S" on my chest, man I'm supposed to ball
俺は胸に「S」のマークをつけてるんだ、なぁ、俺は成功する運命にあるのさ
※スーパーマンの「S」の強さと、バスケットボールで得点する(ball=大金持ちになる)という、圧倒的なウィニング・ランの締めくくり。
[Chorus: Lil Wayne]
I walk around like I got a "S" on my chest
俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ
I walk, I walk around like I got a "S" on my chest
俺は、俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ
I walk, I walk around like I got a "S" on my chest
俺は、俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ
That be that Cash Money piece, go restin' the dead, that be that
あれがキャッシュ・マネーのチェーンさ、死人を安らかに眠らせてやれ、そういうことさ
Cash Money, Ca— Cash Money (That be that)
キャッシュ・マネー、キャ、キャッシュ・マネー(そういうことさ)
Cash Money, Ca— Cash Money
キャッシュ・マネー、キャ、キャッシュ・マネー
I walk around like I got a "S" on my chest (If stunna say the nigga dead, then the nigga dead)
俺は胸に「S」のマークをつけてるみたいに歩き回るのさ(もしスタナが奴は死ぬと言えば、奴は死ぬ)
That be that Cash Money piece, go restin' the dead
あれがキャッシュ・マネーのチェーンさ、死人を安らかに眠らせてやれ
