Artist: Laufey
Album: Typical of Me
Song Title: Best Friend
概要
2021年のデビューEP『Typical of Me』に収録された本作は、Z世代のジャズ・アイコンであるレイヴェイ(Laufey)が、彼女の双子の姉妹であり親友、そしてクリエイティブ面のパートナーでもあるジュニア(Junia)に向けて書き下ろした心温まるプラトニックなラブソングである。表向きは「恋人になり得る親友への愛」を歌った古き良きジャズ・スタンダードの体裁をとっているが、随所に散りばめられた容赦ないイジりや家族ならではの内輪ネタが、姉妹特有のリアルで親密な空気感を見事に演出している。TikTok世代にジャズの魅力を再発見させた彼女のアコースティックでレトロなサウンドスケープと、日常の些細な瞬間をユーモラスに切り取る等身大のリリシズムが完璧に融合した一曲だ。恋愛至上主義になりがちなポップミュージックシーンにおいて、家族や親友との不変の愛を極めてロマンチックに昇華させた本作は、ファンの間でも非常に愛されているアンセムである。
和訳
[Verse 1]
It's come to my attention
最近気づいたの
That I don't show enough
私が十分に態度で示せていないってことに
Of what I think
自分が何を考えているのかを
It's only when I drink I open up
お酒を飲んだ時にしか心を開かないから
But I promise that I love you
でも約束する、あなたのことを愛しているわ
Even with that hairdo
その変な髪型だとしてもね
I'm sorry I made fun of it
からかってごめんなさい
It's not your fault it looks like shit (like shit)
クソみたいな見た目なのは、あなたのせいじゃないわ(クソみたいな)
※「hairdo(髪型)」をからかい、「クソみたいな見た目(looks like shit)」と痛烈にいじるユーモア。これは単なる恋人へのからかいではなく、双子の姉妹であるジュニアに対する家族特有の容赦ない言葉のプロレスであることがファンの間で広く知られている。
[Pre-Chorus]
I have never tolerated someone for so long
誰かのことをこんなに長く我慢できたことはないわ
※直訳すると「我慢する(tolerate)」という皮肉めいた言葉選びだが、生まれた時からずっと一緒にいる双子の姉妹だからこそ言える究極の愛情表現である。
I've never laughed so much
こんなにたくさん笑ったこともない
I haven't written a sad song
悲しい歌を書いたこともないわ
[Chorus]
There's no one else I'd rather fall asleep with
一緒に眠りに落ちたい人は、他にはいない
And dream with
そして一緒に夢を見たい人も
You're my best friend in the world
あなたは世界で一番の親友よ
[Instrumental Bridge]
[Verse 3]
When we're ninety-eight and ninety-nine (ninety-nine)
私たちが98歳と99歳になっても(99歳)
※双子であるにもかかわらず「98と99」と年齢がずれている点について、ファンの間では「time」と美しく韻を踏むための言葉遊びであると同時に、2人が15分差で生まれたことに起因する「片方が数分だけ先に歳を取る」という内輪のジョークだと考察されている。
Tumbling down the stairs
階段から転げ落ちそうになっても
You'll barely catch me in time (tumbling down)
あなたは間一髪で私を捕まえてくれる(転げ落ちて)
We'll argue about what to watch on TV
テレビで何を観るかで言い争って
Finally pick a movie then we'll fall asleep (asleep)
ようやく映画を決めたと思ったら、結局眠りに落ちてしまうの(眠りに落ちて)
We'll still be a little bit strange
私たちはきっと、まだ少し変わったままで
Some things never change
変わらないものもあるのよ
[Pre-Chorus]
It's funny 'cause you drive me half-insane
笑っちゃうわよね、あなたは私を半分狂わせるような存在なのに
A universe without you would be thoroughly mundane
あなた抜きの宇宙なんて、徹底的につまらないものになってしまうから
※相手へのイラ立ちと深い依存が同居する複雑な感情。「half-insane」と「mundane」の洗練された押韻が、彼女のソングライティングにおける高い文学性を示している。
[Chorus]
There's no one else I'd rather fall in love with
恋に落ちたいと思える人は、他にはいない
※姉妹に向けた曲でありながら、最後に突然「fall in love with(恋に落ちる)」という恋愛的なフレーズが登場する。これは、楽曲自体を「クラシックなジャズのラブソング」の型にはめるためのダブルミーニング(二重の意味)のギミックであると同時に、親友(姉妹)と過ごす人生そのものに恋をしているというプラトニックな愛の極致として解釈されている。
And that is my best friend in the world
そしてそれが、私の世界で一番の親友なの
[Outro]
You're my best friend in the world
あなたは世界で一番の親友よ
