Artist: Dreamville, J. Cole & Lute (feat. DaBaby)
Album: Revenge of the Dreamers III
Song Title: Under the Sun
概要
2019年にリリースされたDreamvilleの歴史的コンピレーションアルバム『Revenge of the Dreamers III』の幕開けを飾る本作は、ノースカロライナ州(NC)のヒップホップパワーをシーンに見せつけた大傑作である。主宰のJ. Cole(フェイエットビル出身)、レーベル所属のLute(シャーロット出身)、そして当時破竹の勢いでブレイクしていた客演のDaBaby(シャーロット出身)という、NCを代表する3人が強烈なマイクリレーを展開する。ビートはThe Argo Singersの1961年のゴスペル「I'll Be Waiting For You」を早回し(チップマンク・ソウル)でサンプリングしており、クラシックでありながら極めてバンギングな仕上がりとなっている。さらに、クレジットこそされていないものの、フックのボーカルを担当しているのはあのKendrick Lamarであり、TDEとDreamvilleの深い絆を感じさせるシークレットな演出もヒップホップヘッズを熱狂させた。聖書の引用からストリートの生々しい銃撃戦まで、三者三様のペルソナが完璧に交差する、現代屈指のポッセカットである。
和訳
[Intro: The Argo Singers & J. Cole]
If you miss me
もし私がいなくて
And you can't find
見つけられないなら
Me nowhere
どこを探しても
※The Argo Singersのゴスペル曲「I'll Be Waiting For You」をサンプリング。
I done seen it all, oh my God
俺はすべてを見てきた、ああ神よ
(Uh)
I done seen it all, oh my God, I swear
俺はすべてを見てきた、ああ神よ、誓うぜ
(Uh, uh)
[Verse 1: J. Cole]
Nothing new under the sun, nobody fucking with son
太陽の下に新しいものは何もない、誰も俺の邪魔はできねえ
※旧約聖書の伝道の書にある有名な言葉「Nothing new under the sun」の引用。ヒップホップシーンで繰り返される流行り廃りへの達観と、「son(自分自身、若者)」には誰も敵わないという絶対的な自信。
I got a couple of sons, a couple of guns
俺には数人の息子と、数丁の銃がある
A couple of niggas that bust up the party and fuck up the fun
パーティーをぶち壊して楽しみを台無しにするダチが数人いる
She digging me and I’m cuffing her friend
彼女は俺に夢中で、俺は彼女の友達をモノにする
※「cuffing」は手錠をかけることから、恋人にすることや独占することを意味するスラング。
She ig'-ing you while we fucking for fun
俺らが遊びでヤッてる間、彼女はお前をシカトしてるぜ
※「ig'-ing」はignoring(無視する)、あるいはInstagram(IG)を見ないことの略語。
I got her suckin' her thumb, that’s my lil' baby
彼女に親指をしゃぶらせてる、それが俺の可愛いベイビーさ
※赤ん坊のように完全服従させているという性的なメタファー。
She call me daddy like grandmama baby
彼女は俺をダディと呼ぶ、おばあちゃんのベイビーのようにな
If this Sunday dinner, my hand on her gravy
これが日曜のディナーなら、俺の手は彼女のグレイビーソースの上だ
※黒人家庭の伝統的なサンデーディナーと、女性の濡れた身体(gravy)を掛けた言葉遊び。
I been on the craziest wave, if I'm on the stage
俺は最高にクレイジーな波に乗ってる、ステージに立てばな
An M is my minimum wage
1ミリオンが俺の最低賃金だ
※「M」はMillion(100万ドル)。1回のライブや客演のギャラが最低でも約1億円以上であるという圧倒的なフレックス。
This ain't no kennel, behave
ここは犬小屋じゃねえんだ、おとなしくしろ
Niggas is with all that barking, we send 'em a stray
奴らが吠えまくってるなら、流れ弾を送り込んでやる
※「barking」は口先だけで威嚇するフェイクラッパーたち。「stray」は野良犬と流れ弾(stray bullet)を掛けた秀逸なダブルミーニング。
So in a way we the dogcatchers
だからある意味、俺らは野良犬捕獲業者ってわけさ
How many bullets your dawg catchin'?
お前のダチは何発の弾丸を食らうんだ?
※「dawg(仲間)」と「dog(犬)」、「catch(捕獲する/弾を食らう)」を連続して掛けた高度なワードプレイ。
Sawed-off, raw dog fashion
ソードオフ・ショットガンで、生々しいドッグスタイルでな
※「raw dog」はコンドーム無しで性行為をすること、転じて無防備で生々しい暴力のメタファー。
Hauled off, hope God catch him, damn
連れ去られたぜ、神が奴を受け止めてくれるといいがな、クソ
[Chorus: Kendrick Lamar]
I woke up for some money, ayy, lil' bitch
金を稼ぐために起きたんだ、エイ、リトル・ビッチ
※この印象的なフックはクレジットされていないものの、Kendrick Lamarによるもの。TDEとDreamvilleの結束を象徴している。
Too many opps in here, tell me who you with, ayy
ここに敵が多すぎる、お前は誰の味方か教えな、エイ
[Verse 2: Lute]
Potato over my gun
銃口にポテトを被せる
※ジャガイモを銃のサイレンサー代わりにするというストリートの有名な都市伝説(トロープ)。
I move in silence 'cause niggas be clocking my funds
俺は静かに動く、奴らが俺の金を監視してるからな
When they should keep eye on they bitch ’cause baby girl coming with son
奴らは自分のビッチから目を離すべきじゃないのにな、ベイビーガールが俺について来るんだから
Niggas be judging my moves, but please tell me, what have you done?
奴らは俺の行動をジャッジするが、教えてくれよ、お前らは何を成し遂げたんだ?
My cousin might air out the party for fun
俺の従兄弟は遊び半分でパーティーをハチの巣にするかもしれないぜ
※「air out」は銃を乱射して風通しを良くする(穴だらけにする)というスラング。
Pistol grips get to squeezing
ピストルのグリップを握りしめる
Wish a nigga would like Liam Neeson
どいつもこいつもリーアム・ニーソンみたいにやってみろよ
※「Wish a nigga would」は「(やれるもんなら)やってみろ」という挑発。映画『96時間(Taken)』で容赦なく敵を殲滅するリーアム・ニーソンを引き合いに出している。
I don’t even need a reason, loyalty over treason
理由なんて必要ねえ、裏切りよりも忠誠心だ
Bitch nigga, come and see me
ビッチな野郎ども、俺に会いに来いよ
Put some respect on my name
俺の名前にリスペクトを払いな
What side of my city I claim
俺がこの街のどのエリアをレペゼンしてるか
I try to stay in my lane
俺は自分の道を外れないようにしてる
Took my advance and put a Caprice on them thangs
前払い金を受け取って、カプリスにデカいホイールを履かせたぜ
※「advance」はレーベルからの契約金。「Caprice」はシボレーのクラシックカー。「them thangs」は巨大なカスタムホイール(24インチ以上のリムなど)を指す南部特有のカーカルチャー。
I'm Beatties Ford ’til the wheels fall
タイヤが外れるまで、俺はビーティーズ・フォードだ
※「Beatties Ford」はLuteの地元であるノースカロライナ州シャーロットの有名な通り。最後まで地元をレペゼンし続けるという宣言。
Know some niggas probably pissed off
ムカついてる奴らがいるのも分かってる
Who would thought I made it this far?
俺がここまで来れるなんて誰が想像した?
Gold Mouf, bitch, fuck 'em all
ゴールド・マウスだ、ビッチ、奴らなんてクソくらえだ
※「Gold Mouf」はLuteのトレードマークである金歯、および彼のクリエイティブ集団の名称。
[Chorus: Kendrick Lamar]
I woke up for some money, ayy, lil' bitch
金を稼ぐために起きたんだ、エイ、リトル・ビッチ
Too many opps in here, tell me who you with
ここに敵が多すぎる、お前は誰の味方か教えな
[Verse 3: DaBaby]
I just put diamonds on all of my teeth, now they probably think I ain't intelligent
俺は全部の歯にダイヤモンドを入れたばかりだ、今頃奴らは俺のことを頭が悪いと思ってるだろうな
In the homicide unit interrogation, asking questions, you know I ain’t tell 'em shit
殺人課の尋問室で質問されても、俺が何も喋らないのは分かってるだろ
※2018年、DaBabyが地元のウォルマートで武装した男に襲われ、正当防衛で相手を射殺した実際の事件への言及。警察の取り調べでもストリートの掟(No Snitching)を貫き通した事実を明かしている。
Bitches call me a jock, all-American
ビッチどもは俺をジョックと呼ぶ、オールアメリカンさ
※「jock」は学校でスポーツ万能な人気者のこと。
I'm at the top of my class with my lettermen
レターマンジャケットを着て、クラスのトップに君臨してるんだ
※「letterman」は学校の代表選手に与えられるスタジャン。ラップゲームにおいて自分が特待生(トップランカー)であるという比喩。
I remember back in college, bitches knocking on my dorm door
大学時代を思い出すぜ、ビッチどもが俺の寮のドアをノックしてた
I ain't never let 'em in
俺は絶対中に入れてやらなかったけどな
Now you know that that's cap, know I hit a few
あれが嘘だって分かるだろ、何人かとはヤッたぜ
※「cap」は嘘やハッタリを意味するスラング。直前の「入れてやらなかった」という堅物アピールを自ら即座に否定する、DaBaby特有のコミカルなギミック。
Ain't no job, I'm selling gas like I'm Jiffy Lube
仕事なんてねえ、俺はジフィー・ルブみたいにガスを売ってるんだ
※「gas」は上質なマリファナのこと。Jiffy Lubeはアメリカの自動車オイル交換や給油を行うチェーン店。
I had a freak, used to fuck while her boyfriend in class
イカれた女がいたな、彼氏が授業に出てる間にヤりまくってた
I hit her from the back from like 10 to 2
10時から2時まで、後ろから突きまくってやったぜ
No back and forth with these rappers
他のラッパーたちと言い争う気はねえ
They mention me, dissin' me
奴らは俺の名前を出してディスってくるが
No talkin' back, I won't mention you
口答えはしねえ、お前らの名前なんて出さないよ
Watch, when I come put that iron on your ass and I dip
見とけよ、俺がお前のケツに銃をぶち込んで逃げる時
※「iron」は鉄、すなわち銃のこと。SNSや曲の中で言い争うのではなく、直接物理的な報復をするというリアルなストリートの警告。
They gon' want me to snitch in my interviews
奴らは俺のインタビューで密告させようとするだろうな
I'm on fire, bitch, I'm lit, but I'm really cool
俺は燃え上がってる、ビッチ、最高にキマってるが、マジでクールなんだ
※「fire」「lit」と「cool」という温度感の対比。
Don't acknowledge the shrimps when they ridicule
小エビどもが嘲笑ってきても相手にすんじゃねえ
They don't come out after dark, bitch, I swim with the sharks
奴らは暗くなったら出てこない、ビッチ、俺はサメと一緒に泳いでるんだ
※「shrimps(ちっぽけな奴ら)」と「sharks(危険な大物)」という海の生物の対比。ストリートの過酷な環境で生き残ってきた自負。
You ain't got enough heart, get a bigger pool
お前には十分な度胸がねえ、もっとデカいプールに行きな
Wanna fight but he bigger, I ain't really trippin'
喧嘩したいが相手の方がデカい、でも俺は全く気にしてねえ
Reach under my shirt, grab a bigger tool
シャツの下に手を伸ばして、もっとデカい道具を掴むだけさ
※「tool」は銃のメタファー。体格差があっても銃があれば関係ないというハードなマインドセット。
I got a Glock with a dick, let's get physical
ディック付きのグロックを持ってるぜ、肉弾戦といこうか
※「Glock with a dick」は拡張マガジン(ロングマガジン)を装着したグロック拳銃のこと。その形状が男性器に似ていることから使われるストリートスラング。
They gon' be hollerin' out, "RIP" and they missin' you
奴らは「RIP」と叫んでお前を恋しがるだろうな
They got me started, I might as well finish it (Talk your shit)
奴らが俺を怒らせたんだ、俺が最後まで片付けてやるよ(言いたいこと言ってやれ)
I'm from Charlotte, you know how these niggas do
俺はシャーロット出身だ、こっちの奴らのやり方は分かってるだろ
※J. Cole(フェイエットビル)、Lute(シャーロット)と同じく、ノースカロライナ州のフッドのタフさをアピールしてバースを締める。
(Baby)
※DaBabyのシグネチャートレードマーク。
[Chorus: Kendrick Lamar]
I woke up for some money, ayy, lil' bitch
金を稼ぐために起きたんだ、エイ、リトル・ビッチ
Too many opps in here, tell me who you with
ここに敵が多すぎる、お前は誰の味方か教えな
