Artist: 21 Savage & Metro Boomin
Album: SAVAGE MODE II
Song Title: Said N Done
概要
2020年にリリースされた21 SavageとMetro Boominの歴史的コラボアルバム『SAVAGE MODE II』を締めくくる、極めて内省的でエモーショナルなアウトロ・トラックである。プロデューサーのMetro Boominは、Stephanie Millsの1983年のR&Bクラシック「Touch Me Now」のメロディをサンプリングし、アルバム全体を覆っていた血生臭いトラップ・サウンドから一転、ソウルフルで哀愁漂うビートを構築した。曲のタイトル「Said N Done(すべてが語られ、終わった時)」が示す通り、21 Savageはどん底のゲットーから現在の成功に至るまでの過程で失った親友たちへの追悼や、恋人・仲間の裏切りによる心の傷を赤裸々に吐露している。そして楽曲の最後には、アルバムのナビゲーターを務めた名優モーガン・フリーマンが「サヴェージ・モード(野蛮な状態)に留まれ」と哲学的なメッセージを残し、この壮大なヒップホップ・シネマは完璧な幕引きを迎える。
和訳
[Intro: Young Thug]
(Metro Boomin want some more, nigga)
[Chorus]
When it's all said and done, who you gon' ride for?
すべてが終わった時、お前は誰のために乗り込むんだ?
Who you gon' slide for? Who you down to die for?
誰のために襲撃するんだ? 誰のためなら死ねるんだ?
※「slide」は敵のテリトリーへ車で乗り込むこと。成功を手にした後でも、ストリートの絆(誰に忠誠を誓うか)を自問自答している。
I gave her my heart, she was tellin' lies, though
俺はあいつに心を捧げたが、あいつは嘘をついていた
Sleepin' with my guys, though, that shit turned my heart cold
俺のダチと寝てたんだ、そのせいで俺の心は冷え切っちまった
I came from the bottom, I didn't have a dime, bro
俺はどん底からやってきた、1ダイムすら持ってなかったぜ、兄弟
※「dime」は10セント硬貨。全く金がなかった過去。
Apartments with the blinds, bro, still got on my grind, though
ブラインドが閉まったアパートで、それでも俺はハスリングを続けたんだ
I know my mama proud, everybody fine, bro
母さんが誇りに思ってくれてるのは分かってる、みんな元気にしてるぜ、兄弟
This shit took some time, bro, finally get my shine on
かなり時間はかかったが、ようやく俺が輝く時が来たんだ
[Verse 1]
I done been betrayed, yeah, I done been backstabbed
俺は裏切られてきた、ああ、背中から刺されてきた
Now I got my bands up and they who I laugh at
今じゃ俺は札束を積み上げ、そいつらを笑い飛ばしてやってる
Riding in the Demon, no, this ain't no Scatpack
デーモンに乗っている、いや、スキャットパックなんかじゃないぜ
※ダッジ・チャレンジャーのモデル名。「Scatpack」も高性能だが、それよりさらに上位の800馬力超えのモンスターマシン「Demon」に乗っているという車のフレックス。
And we carry big straps, I suggest you back back
俺たちはデカい銃を持ち歩いてる、お前は下がってた方がいいぜ
I just speak the truth, I'm not with thе rap cap
俺は真実を語るだけだ、ラップでの嘘とは無縁さ
※「cap」は嘘やハッタリ。
Can't wait 'til they free Turk, Mr. Push-Your-Shit-Back
奴らがタークを釈放する日が待ちきれない、ミスター・お前の頭を吹き飛ばす男さ
※「Turk」は投獄されている彼の仲間。
Rest in peacе to Larry, Johnny B, and Tay, man
ラリー、ジョニーB、そしてテイ、安らかに眠ってくれ
※アトランタでのストリートの抗争で命を落とした、21 Savageの親友たちへの追悼。
Swear I had a rough past, feel like I grew up fast
誓って言うが、俺の過去は過酷だった、急いで大人にならざるを得なかった気分だ
Go to war about my dawgs
俺のダチのためなら戦争にだって行く
Yeah, the ones who pick me up whenever I fall
ああ、俺が倒れた時にはいつでも引き上げてくれる奴らのためにな
All the pain I endured just to ball
この成功を掴むためだけに、あらゆる苦痛に耐えてきた
I'd give this shit away to be with y'all
お前らと一緒にいられるなら、こんな成功なんて手放してもいい
Standin' with you, throwin' gang signs, do it matter?
お前と一緒に立って、ギャングサインを掲げることに意味があるのか?
When them bullets start flyin', have fun, scatter
銃弾が飛び交い始めたら、楽しんでくれよ、お前らは蜘蛛の子を散らすように逃げるんだからな
※普段はギャングスタぶってサインを出している連中も、本物の銃撃戦になれば一目散に逃げ出すという、フェイクな人間への皮肉。
He ain't have no business in that car, now he ready to tattle
あいつはあの車に乗るべきじゃなかった、今じゃチクる気満々だ
Just got shipped the diagnostics and he on a platter
診断結果が送られてきた、あいつは皿の上に乗せられてる
※裏切り者(スニッチ)に関する証拠書類(diagnostics)が届き、その男が暗殺の標的として「銀の皿に乗せられた(on a silver platter)」状態であること。
Got on long sleeves, but I still bear arms
長袖を着ているが、それでも俺は武装している
※「長袖で腕を隠すこと」と「bear arms(武器を携行する)」と「bare arms(腕を露出する)」の同音異義語を掛けた秀逸な言葉遊び。
Rockin' Christian Dior, nigga, I'm in rare form
クリスチャン・ディオールを着こなす、俺は類まれな姿だ
Savage ball like '97, '98 Jordan
サヴェージは97年、98年のジョーダンみたいにプレイするぜ
※マイケル・ジョーダンがシカゴ・ブルズで2度目のスリーピート(3連覇)を達成し、絶頂期にあった時代。自分が今まさにその領域にいるというボースト。
Step back, shoot you in your face like I'm James Harden
ステップバックして、ジェームズ・ハーデンのようにお前の顔面を撃ち抜く
※NBAスター選手であるジェームズ・ハーデンの代名詞「ステップバック・スリーポイントシュート」と、実際に敵から一歩引いて「銃を撃つ」ことを掛けている。
[Chorus]
When it's all said and done, who you gon' ride for?
すべてが終わった時、お前は誰のために乗り込むんだ?
Who you gon' slide for? Who you down to die for?
誰のために襲撃するんだ? 誰のためなら死ねるんだ?
I gave her my heart, she was tellin' lies, though
俺はあいつに心を捧げたが、あいつは嘘をついていた
Sleepin' with my guys, though, that shit turned my heart cold
俺のダチと寝てたんだ、そのせいで俺の心は冷え切っちまった
I came from the bottom, I didn't have a dime, bro
俺はどん底からやってきた、1ダイムすら持ってなかったぜ、兄弟
Apartments with the blinds, bro, still got on my grind, though
ブラインドが閉まったアパートで、それでも俺はハスリングを続けたんだ
I know my mama proud, everybody fine, bro
母さんが誇りに思ってくれてるのは分かってる、みんな元気にしてるぜ、兄弟
This shit took some time, bro, finally get my shine on
かなり時間はかかったが、ようやく俺が輝く時が来たんだ
[Verse 2]
Right hand on my Glock, left hand on her coochie
右手はグロックに、左手は彼女のプッシーに
Cock the chop, hit your top, nigga, Bruce Lee
チョッパーをコックして、お前の頭頂部を打つ、ブルース・リーさ
※「Cock the chop」はアサルトライフルの撃鉄を引くこと。ブルース・リーの空手チョップとお前の頭(top)を撃ち抜くことを掛けている。
I'm the boogeyman, pussies can't spook me
俺はブギーマンだ、臆病者どもが俺をビビらせることはできない
※ブギーマンは子供をさらう架空の怪物。自らが恐怖を与える側であるため、誰も脅かすことはできない。
Got your BM on my line talkin' 'bout, "Scoop me"
お前のベイビーママから俺の回線に「迎えに来て」って連絡が来てるぜ
You know I got a soft spot for the hoochies
俺が尻軽女に弱いってことは知ってるだろ
I don't talk to bitches, bitches talk the bullshit
俺はビッチと口は利かない、ビッチどもはデタラメばかり喋るからな
I bought every pair of Amiris in the boutique
ブティックにあるアミリのジーンズを全部買い占めてやった
You know we want all the smoke, nigga, Lucy
俺たちがすべてのスモークを求めてるって知ってるだろ、ルーシーみたいにな
※「smoke」は抗争。「Lucy」はタバコ(煙=smoke)のスラング(Loose cigarette / loosie)のこと。
I'll never fall off, I might take a break
俺が落ちぶれることは決してない、休息をとることはあるかもしれないが
You know either way it go, my family gon' be straight
どっちに転ぼうが、俺の家族は安泰だってことさ
Still in debt from all the losses that I had to take
背負わなきゃならなかったすべての喪失から、俺はまだ借金を抱えている
※亡くなった親友たちへの精神的な負債や喪失感。
When you out here tryna evolve, they gon' call you fake
ここで進化しようとすると、奴らはお前をフェイクだと呼ぶんだ
※ストリートから抜け出し、アーティストとして成長しようとする(合法的に生きる)と、「ストリートのリアルを失った」と批判されるヒップホップ特有のジレンマ。
I can't turn my back on the gang no matter what I make
どれだけ稼ごうとも、俺はギャングに背を向けることはできない
I done took a lot of risks to make sure niggas ate
仲間たちに確実に飯を食わせるために、俺は多くのリスクを背負ってきた
Superhero in my hood, I don't need a cape
俺のフッドではスーパーヒーローだ、マントなんて必要ない
I be lost sometimes, feelin' like I'm runnin' in place
時々道を見失い、同じ場所を走り続けているような気分になるんだ
※どれだけ金と名声を得ても、ストリートのパラノイアや喪失感から逃れられず、前進できていないように感じるSad Boy的な内省。
[Chorus]
When it's all said and done, who you gon' ride for?
すべてが終わった時、お前は誰のために乗り込むんだ?
Who you gon' slide for? Who you down to die for?
誰のために襲撃するんだ? 誰のためなら死ねるんだ?
I gave her my heart, she was tellin' lies, though
俺はあいつに心を捧げたが、あいつは嘘をついていた
Sleepin' with my guys, though, that shit turned my heart cold
俺のダチと寝てたんだ、そのせいで俺の心は冷え切っちまった
I came from the bottom, I didn't have a dime, bro
俺はどん底からやってきた、1ダイムすら持ってなかったぜ、兄弟
Apartments with the blinds, bro, still got on my grind, though
ブラインドが閉まったアパートで、それでも俺はハスリングを続けたんだ
I know my mama proud, everybody fine, bro
母さんが誇りに思ってくれてるのは分かってる、みんな元気にしてるぜ、兄弟
This shit took some time, bro, finally get my shine on
かなり時間はかかったが、ようやく俺が輝く時が来たんだ
[Outro: Morgan Freeman & Young Thug]
(Metro)
※Metro Boominのタグ。
When all is said and done
すべてが語られ、終わった時
We can only judge, punish, reward, enslave, and free ourselves
我々はただ、自分自身を裁き、罰し、報い、奴隷にし、そして解放することしかできない
There will always be doubters and haters, but they only have the power you give them
疑う者や憎む者は常に存在する、しかし彼らが持つのは、君が彼らに与えた力だけだ
Remain focused, move forward, and never lose faith in yourself
集中を保ち、前に進み、決して自分自身への信念を失ってはならない
Until next time, stay in Savage Mode
次の時まで、サヴェージ・モードに留まり続けるのだ
Because anything else would be too damn civilized
なぜなら、それ以外の生き方はあまりにも文明化されすぎている(つまらない)からだ
※モーガン・フリーマンによる最後のアウトロ。他人の評価や憎しみに振り回されず、自分自身をコントロールし、野性的でハングリーな精神状態(Savage Mode)を保ち続けろという、アルバム全体を総括する完璧なメッセージ。
Peace
ピース
