Artist: JPEGMAFIA
Album: EXPERIMENTAL RAP
Song Title: War Over Land
概要
JPEGMAFIA(通称ペギー)の「War Over Land」は、彼の破壊的なエネルギーと深い内省が交錯するトラックである。タイトルの通り、領土や権力、ストリートの覇権を巡る「戦争」をテーマにしつつ、彼自身の心の中に潜む闘争本能への疑問(なぜ俺の心は常に戦争にフォーカスしているのか)を投げかけている。リリックでは、R. Kellyの不祥事を揶揄するブラックジョークや、マイケル・ジャクソン、マイク・タイソンといった偉大な「Mike」たちへのリファレンス、さらにはサイバートラックをレンタルして金持ちぶるフェイクなラッパーへの痛烈なディスが展開される。過激な銃器のメタファーを駆使し、血生臭い暴力を描き出しながらも、アウトロでは「ハレルヤ」と神に祈りを捧げるというアンビバレントな構成が特徴的である。コンシャスな問題意識とゲットーの残酷な現実を冷徹な視点から切り取る、ペギー独自の哲学と過激なペルソナが濃縮された一曲だ。
和訳
[Intro]
Know what I'm sayin'
言ってること分かるか
Even the ho' you don't care about that much is
そこまで気にかけてないビッチでさえも
Still yours
依然としてお前のものなんだ
I get possessive
俺は独占欲が強くなる
Shit
クソ
Dawg
なぁ
[Verse]
I'm in your face, I'm at your gate
お前の目の前にいる、お前の門の前にいるぞ
Tickets to funerals, tickets to wakes
葬式のチケット、通夜のチケットだ
Ship him right down to Guantanamo Bay
あいつをグアンタナモ湾へ直行で送り飛ばせ
※「Guantanamo Bay」はキューバにあるアメリカ海軍基地のテロリスト収容所。一度送られれば二度と戻れないような極限の拷問施設へ敵を追放するという強烈な脅し。
I took my brrt out on a date
俺のbrrtをデートに連れ出した
※「brrt」は銃の連射音。銃を恋人のように持ち歩き、いつでも発砲できる状態にしているというストリートのメタファー。
Shootin' at has-beens, ready for, hey
過去の遺物どもを撃ち抜く、準備はいいか、おい
※「has-beens」は過去の栄光にしがみつく落ち目のアーティストたち。
You're not a boss, I heard your bars
お前はボスじゃねえ、お前のラップを聞いたぜ
Don't really fuck with, I know who you are
全く関わる気にならねえよ、お前が何者かは知ってるからな
I see the green and your forest is gone
俺には緑が見えるが、お前の森は消え失せてる
※「green」は金(札束)や大麻の隠語。「木を見て森を見ず」のことわざにかけ、目先の金に目が眩んで全体像やキャリア(森)を失っているフェイクな同業者への痛烈なディス。
In your prime, you was off, what you on?
全盛期の頃でさえお前はイケてなかった、今は何をキメてるんだ?
※「off」は調子が悪いこと、「on」はドラッグでハイになっている状態を指す。
R.I.P. Mike, R.I.P. Mike
安らかに眠れマイク、安らかに眠れマイク
Jackson, Johnson, shoutout to Tys'
ジャクソン、ジョンソン、タイソンにシャウトアウトだ
※偉大な功績を残した「マイク(Mike)」たちへの敬意。キング・オブ・ポップのマイケル・ジャクソン、陸上競技の伝説マイケル・ジョンソン、そしてボクシングの元ヘビー級王者マイク・タイソンのネームドロップ。
Praise to Allah, knees on the floor
アラーを讃えよ、膝を床につけてな
Prayin' for peace, I really want war
平和を祈りながらも、俺は本当は戦争を望んでるんだ
※信仰心や平穏を求める一方で、ストリートで培われた闘争本能を抑えきれないというハスラー特有の矛盾と葛藤。
Shit, I'm fuckin' with the Benelli, I'm bored
クソ、ベネリをいじってるぜ、退屈なんだ
※「Benelli」はイタリアの有名なショットガン(散弾銃)メーカー。
Two .16s, R. Kelly his door
2つの.16、R.ケリーがあいつのドアに
※「.16s」はM16アサルトライフルと、16歳(未成年)のダブルミーニング。未成年への性的虐待などの罪で服役中のR. Kellyを引き合いに出し、ドアを破壊する銃撃の暴力と、不祥事を掛け合わせた極めてブラックなパンチライン。
Why is my mind always focused on war?
なぜ俺の心は常に戦争にばかり向かっているんだ?
Every light ain't worth discussin', my Lord
すべての光が議論する価値があるわけじゃない、我が主よ
Every light that you meet ain't a god
お前が出会うすべての光が神であるわけじゃねえ
Some lights don't pick up, not a car
迎えに来ない光もある、車じゃねえんだ
Other lights never rеachin' the bar
基準にすら達しない光もある
Some lights ain't really been touchеd, like at all
全く触れられたことすらない光もあるんだ、マジで
※ここで繰り返される「light」は、才能、名声、希望、あるいはシーンで注目を浴びるアーティストたちを指す。光り輝いているように見えても、実態が伴わないフェイクな存在が多いという悟り。
Dracos be kickin' back just like a horse
ドラコは馬みたいに後ろ足で蹴り上げてきやがる
※「Draco」はAK-47系のピストル。その強烈な反動(キックバック)を馬の蹴りに例えている。
That Cybertruck rented, you dent it, you poor
そのサイバートラックはレンタルだろ、へこませたら終わりだ、お前は貧乏人だからな
※テスラのサイバートラックを借りてSNSで金持ちぶるフェイクな連中を嘲笑している。傷つけたら弁償できないような底辺の暮らしぶり。
Beat your ass up, you was kickin' the door
お前をボコボコにしてやる、お前はドアを蹴り飛ばしていたな
Then beat that goth out of him, he really a corpse
そしてあいつからそのゴスを叩き出してやる、あいつはマジで死体だ
※「goth」は死や闇を好むゴス・カルチャー。ゴスぶっている奴を本当に死体(corpse)にしてやるという容赦ない暴力の表現。
Bitch, I'm nasty as fuck, sloppy seconds, this Heaven
ビッチ、俺は最高にゲスだ、お下がりでも、ここは天国だぜ
※「sloppy seconds」は他の男とヤッた直後の女と性行為をすること。自らの変態的でゲスなペルソナを誇示している。
Don't tell my niggas or my bitch or the reverend
俺の仲間にも、俺のビッチにも、牧師にも言うなよ
Chopper bleed, it's givin' out C sections
チョッパーが血を流させる、まるで帝王切開をしてるみたいにな
※「Chopper」はアサルトライフル。「C sections(帝王切開)」のように、銃弾で敵の腹を無惨に切り裂くという残虐なメタファー。
You get D effort
お前の努力はD判定だ
※学校の成績評価で「D(落第寸前)」をつけ、相手の実力不足を見下している。
One bitch, I don't need heifers
一人のビッチがいればいい、雌牛どもは必要ねえ
※「heifers」は本来は未経産の雌牛を指すが、スラングで太った女ややかましい厄介な女たちを蔑む言葉。
'Cause you're not a real stepper
お前は本物のステッパーじゃねえからな
※「stepper」はストリートで躊躇なく引き金を引き、前線で行動を起こす本物のギャングやハスラーのこと。
Told my bitch, "Look, bitch, this shit right here forever"
俺のビッチに言ってやった「見ろよビッチ、こいつは永遠だ」ってな
Real
本物だ
[Outro]
Hallelujah
ハレルヤ
Hallelujah
ハレルヤ
Hallelujah
ハレルヤ
Hallelujah
ハレルヤ
Hallelujah
ハレルヤ
Hallelujah
ハレルヤ
Hallelujah
ハレルヤ
