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TSOD - Blu & Exile (feat. Black Thought & Mach-Hommy) 【和訳・解説】

Artist: Blu & Exile (feat. Black Thought & Mach-Hommy)

Album: Time Heals Everything

Song Title: TSOD

概要

西海岸アンダーグラウンドの至宝Blu & Exileが、The Rootsの伝説的MCであるBlack Thoughtと、現行アングラ・シーンのカルト的アイコンMach-Hommyという超弩級のゲストを迎えたスピリチュアルなポッセカット。タイトル「TSOD」の真意は明言されていないが(The Son Of Godなどの略と推測される)、リリック全体を通してFive-Percent Nation(五パーセント国民)の思想である「Supreme Mathematics(至高の数学)」や「黒人男性こそが神(God)である」という教義が色濃く反映されている。Bluが自身の精神的成長と神性を宣言し、Black Thoughtが圧倒的な語彙力でストリートの過酷な現実と偽りの啓蒙主義(Hotep)を切り裂く。Exileの静謐でソウルフルなループが各MCのリリシズムを際立たせており、知識(Knowledge)と知恵(Wisdom)を探求する真のヒップホップ求道者たちに向けた神聖な説法(サイファー)として高く評価されている。

和訳

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【※本歌詞はDMCAテイクダウン要請により意図的に一部がロック・削除されています。削除されたセクションを含めるための編集は行わないでください。】

[Verse 1: Blu]

I'm the god and the son
俺は神であり、その息子だ
※五パーセント国民(Five-Percent Nation)の教義「黒人男性こそが神である」に基づく力強い宣言。

Gained the moon, all my stars
月を手に入れ、俺のすべての星々を
※イスラム教や五パーセント国民のシンボルである「月と星(知識と知恵)」のメタファー。

All my life I've been trife, but I switched up for God
これまでの人生、俺は荒んでいたが、神のために心を入れ替えた
※「trife」はtriflingの略で、ストリートでの不誠実で荒んだ生き方を指す。

Seven is my lesson, do the math with the brethren
7が俺の教えだ、兄弟たちと一緒に計算(数学)をするのさ
※五パーセント国民の「Supreme Mathematics(至高の数学)」において「7」は「God(神)」を意味する。

Master teachers and a reverend, all the leaders in my section
マスターティーチャーたちや牧師、俺のセクションにいるすべての指導者たち

I'm the blessing of life universal, in my circle
俺はこのサークル(円)の中における、普遍的な生命の祝福だ

Wisdom cypher, wisdom cypher, cycle
知恵のサイファー、知恵のサイファー、そのサイクル
※Supreme Mathematicsにおいて「Wisdom(知恵)」は「2」、「Cypher(サイファー/円)」は「0」を意味し、「2020(アルバムのリリース年)」を示す高度な暗号となっている。

I'm giving revivals, water to wine, just by reading the Bible
俺は聖書を読むだけで、水をワインに変えるような復活の奇跡を起こす

Looking out for the Anti, that's my arch rival
アンチ(反キリスト)には警戒している、奴が俺の最大の宿敵だからな

I spark minds though outside of religion
俺は宗教の枠を超えて、人々の心に火を灯す

It's a whole new world with a brand new composition
真新しい構成を持った、全く新しい世界さ

My ritual is to reach the pinnacle within the individual
俺の儀式は、個人の内面における頂点に到達すること

Until the day I do not need the physical
肉体を必要としなくなる、その日までな

I'm here with you, through your stereo what's the scenario
俺はお前のステレオを通して、お前と共にここにいる、どんなシナリオであれ
※A Tribe Called Questのクラシック「Scenario」へのオマージュ。

Trust the imperial LL no matter where you go
どこへ行こうとも、絶対的なLLを信じろ
※「LL」はヒップホップ・レジェンドのLL Cool Jを指しつつ、「Lord Lord」や至高の存在を意味するダブルミーニング。

The most merciful, out here churchin' folk
最も慈悲深き者、ここで人々を教導している

Servin' soul, so universal though
魂を提供している、これほどまでに普遍的にな

My verses go vertical, so versatile
俺のヴァースは垂直に昇っていく、これほどまでに多才で

Flow like a convertible when I converse with folk
人々と語り合う時、俺のフロウはコンバーチブル(オープンカー)のようになめらかだ

Come work it though, yo
さあ、かましてみな、yo

I only got two bars left
俺に残された小節はあと2つだけだ

And eighty-five percent of y'all is either mute of deaf
そしてお前らの85%は、口がきけないか、耳が聞こえないかのどちらかだ
※五パーセント国民の教義において、世界の人口の「85%」は真理を知らない無知な大衆(盲目で耳が聞こえない者)であるとされている。残り「10%」が彼らを搾取する権力者、最後の「5%」が真理を伝える者(Poor Righteous Teachers)とされる。

[Verse 2: Black Thought]

They either mute or deaf, they either dumb or blind
奴らは口がきけないか耳が聞こえないか、無知か盲目かのどちらかだ
※Bluのヴァースの「85%の大衆」の概念をそのまま引き継ぎ、鮮やかにマイクパスを受けている。

I come in the name of Allah, the greatest of all time
俺はアラーの名の下にやって来た、史上最高の存在としてな

They be like, if you the lord, give me one more sign
奴らはこう言う、「お前が主(神)なら、もう一つ兆しを見せてくれよ」と

Just make my skin lighter, help my hair become more fine
「俺の肌をもっと明るくして、髪をもっと細くサラサラにしてくれ」ってな
※白人的な美の基準に洗脳され、己の黒人としてのルーツやアイデンティティを否定している同胞への痛烈な皮肉。

You know you're outta pocket, stop it, you too pompous
お前が限度を越えてるって分かってるだろ、やめとけ、お前は傲慢すぎる

You need a new direction in life, a new compass
お前には人生における新たな方向、新しいコンパスが必要なんだ

Your toes keep touchin' the line with true monsters
お前のつま先は、本物のモンスターたちとの境界線にずっと触れ続けている

I'm always gon' illuminate the nuances
俺は常に、そのニュアンス(真理の機微)を照らし出してやる

Look, no new nonsense, my new conscious
見な、新しい戯言なんかない、俺の新たな意識は

Is scouring the face of the Earth for new content
新しいコンテンツを求めて、地球の表面を這いずり回って探し尽くしている

From the new negro to the new gen pro
ニュー・ネグロから、新世代のプロフェッショナルまで
※「ニュー・ネグロ」は1920年代のハーレム・ルネサンス期に提唱された、自立し誇りを持つ新しい黒人像。

To a new tempo where the kinfolk seek new info
同胞たちが新たな情報を探し求める、新しいテンポへと

And a crew ten toes, and it been so from the men intro
そして10本のつま先で大地に立つクルー、奴らが登場した時からずっとそうだ
※「ten toes down」はストリートで地に足をつけている、何事にも完全にコミットしている状態。

How the shit went though was long like an extendo
だが物事の顛末は、エクステンド・マガジンのように長かった
※「extendo」は銃の拡張弾倉。ストリートの暴力の連鎖の長さと掛けた言葉遊び。

That hit the target and still shatter the next window
それが標的を撃ち抜き、さらに隣の窓ガラスまで粉々に砕くのさ

A killer's wish is a trigger finger that's less sinful
殺し屋の願いは、引き金を引く指の罪が少しでも軽くなることだ

That shit'll pull a thousand reps, then do more sets
その指は1000回のレップ数をこなし、さらにセットを重ねる
※筋トレの比喩(レップ数とセット数)を用いて、終わりのない殺戮と報復の連鎖を描写している。

Pushing itself a few more steps to shoot more or less
多少なりとも撃つために、自分自身をさらに数歩前へと押し上げるんだ

The lord won't bless a sneeze from the nose of the tec
主(神)は、TEC-9の鼻先からのくしゃみを祝福したりはしない
※「tec」はTEC-9(半自動拳銃)、「鼻先(nose)」は銃口、「くしゃみ(sneeze)」は発砲のメタファー。人を殺す行為に神の御加護などないという残酷な事実。

If it's at your neck, you'll freeze if you're too hotep
銃口が首元に向けられたら、ホテプすぎたお前は凍りついちまうだろうよ
※「hotep(ホテプ)」は古代エジプト語に由来し、現代では極端なアフロセントリズム(アフリカ中心主義)や疑似科学的なスピリチュアルに傾倒する人々を揶揄するスラング。現実のストリートの暴力の前では、頭でっかちな思想や机上の空論など無力であるというBlack Thoughtの痛烈なパンチライン。

The streets is hotter than a sauna, every day a episode
ストリートはサウナよりも熱く、毎日が一つのエピソードだ

The path seem crowded, let me take a separate road
道は混み合っているようだな、俺は別の道を行かせてもらうぜ

Set the tone, you sowing a seed that never grows
トーンを決めろ、お前は決して育つことのない種を蒔いている

It shows a whole half of the tale was never told
それは、物語の半分がまだ語られていないってことを示しているのさ
※ジャマイカのことわざでもあり、ボブ・マーリーのリリックなどでも有名な「The half has never been told(真実の半分も語られていない)」への言及。

[Verse 3: Mach-Hommy]

[Outro]

And the man hasn't changed his methods
そして、男はそのやり方を変えてはいない

He still waves a violent fist
彼は未だに暴力的な拳を振り回している

And as far as he's concerned, as a man among men
そして彼に関する限り、男の中の男として

You don't even exist
お前なんて存在すらしていないんだ

He created a dream way up in the sky
神は空高くに夢を創り出し

And said...
そして言った…
※Blu & Exileの同じアルバムに収録されている別の楽曲(「Soul Unusual」など)へと直接繋がっていく、コンセプト・アルバムならではの映画的なナレーション・アウトロ。