Artist: Awich & RZA (feat. Joey Bada$$)
Album: Okinawan Wuman
Song Title: Fear Us
概要
本作『Fear Us』は、日本のヒップホップクイーンAwichが、NYブルックリン出身のコンシャス・ラッパーJoey Bada$$と、Wu-Tang Clanの頭脳RZAを迎えた、国境と世代を超越した歴史的なコラボレーション楽曲である。Awichの地元である沖縄の悲惨な戦争の記憶と現在進行形の基地問題、そしてJoey Bada$$が直面するアメリカの構造的な黒人差別や貧困問題。全く異なるフッドの歴史的トラウマが、「自分たちを苦しめる国家のために、なぜ命を懸けて戦わなければならないのか」という痛切な問いのもとに見事に交差している。さらにRZAが、NYの黒人層に根付くFive-Percent Nation(ファイブ・パーセンターズ)の教義に基づいた自己解放と精神的覚醒のメッセージを投下することで、この楽曲は単なる社会批判を超えたスピリチュアルなアンセムへと昇華されている。抑圧する側が最も恐れているのは、搾取される側が真実に気づき、知性を持って連帯することであるというヒップホップの真髄を突く強烈なステートメントだ。
和訳
[Chorus: Awich]
Feels like the world's watching you
世界中があんたを見つめているような気がするね
Wanna make a change, what's stopping you?
変化を起こしたいんだろ、何が引き止めているんだ?
What are you scared of?
何を恐れている?
What are you scared of?
何を恐れているんだ?
The future's in front of you
未来はあんたの目の前にある
I won't tell the youth nothing but the truth. No
若者たちには真実以外は語らない、絶対に
Truth is they fear us
真実は、奴らが私たちを恐れているということ
Truth is they fear us
真実は、奴らが私たちを恐れているということ
※「they(奴ら)」は国家権力や白人至上主義的なシステムなどの抑圧者を指す。マイノリティが知識を得て立ち上がることを権力側が恐れているという構図を提示している。
[Verse 1: Awich]
They aim the red dot on the heart of a lion
奴らはライオンの心臓に赤い照準を合わせる
Been through the fire and back check my bio
地獄の業火を潜り抜けてきた、私の経歴を見てみな
God used to test me “define the defiance”
神はかつて私を試した、「反抗を定義せよ」と
“Black, brown, yellow earth, how you see the science?”
「黒、茶、黄色の地球、お前はこの真理をどう見る?」
※「science」はFive-Percent Nationの思想における「真理・探求・人生の理解」を意味するスラング。人種(黒人、ヒスパニック、アジア人)と地球の結びつきという壮大な問いを投げかけている。
You can come to butcher shop
精肉店に来ればいい
We can really chop it up
うちらはマジで切り刻んでやれる
I'm just trying to make it out
私はただここから抜け出そうとしてるだけ
They keep us on a chopping block
奴らは私たちを処刑台に乗せたままにする
※「butcher shop」「chop it up」は同アルバム収録の楽曲のリファレンス。「chopping block」はまな板や断頭台を意味し、マイノリティが常にシステムによって搾取され、切り捨てられる側に置かれていることを示唆している。
Grandpa told me war stories
おじいが戦争の話を聞かせてくれた
How they gave up on Oki
奴らがどうやって沖縄を見捨てたかって
※「Oki」は沖縄。第二次世界大戦における沖縄戦や、戦後の米軍統治下における日本政府からの扱い(捨て石にされた歴史)を指している。
Now them GIs my homies
今じゃその米兵たちもうちらのホーミーだ
And trust me, I seen them cry like
信じてよ、彼らがこう言って泣くのを見たことがある
How we gonna fight a war for a country that brings us hell?
私たちに地獄をもたらす国のために、どうやって戦争を戦えばいいんだ?
※マイノリティや貧困層が米兵として最前線に送られ、自らを差別する国家(アメリカ)のために命を懸けさせられるという、ヒップホップにおける反戦・反国家主義の核心を突くパンチライン。
How we gonna change the world when we can't even change ourselves?
自分自身さえ変えられないのに、どうやって世界を変えればいいんだ?
What do we fear the most?
私たちが一番恐れているものは何だ?
To be blinded and lost, so we hurt each other
盲目になり迷子になること、だからお互いを傷つけ合う
Freedom is at our cost
自由は私たちの犠牲の上に成り立っている
Who the fuck think you are? I had to ask my heart, so much weight on my shoulder
自分を何様だと思ってる? 私は自分の心に問わなきゃならなかった、両肩にあまりにも重いものを背負って
I can never sleep, no, no
眠ることなんて絶対にできない
[Chorus: Joey Bada$$]
Feels like the world's watching you
世界中がお前を見つめているような気がするぜ
Wanna make a change, what's stopping you?
変化を起こしたいんだろ、何が引き止めているんだ?
What are you scared of?
何を恐れている?
What are you scared of?
何を恐れているんだ?
The future's in front of you
未来はお前の目の前にある
I won't tell the youth nothing but the truth. No
若者たちには真実以外は語らない、絶対に
Truth is they fear us
真実は、奴らが俺たちを恐れているということ
Truth is they fear us
真実は、奴らが俺たちを恐れているということ
[Verse 2: Joey Bada$$]
Got me on my fight the power shit
俺は権力と戦うモードに入ってるぜ
※ヒップホップの歴史を変えたPublic Enemyの政治的アンセム『Fight the Power』へのシャウトアウト。コンシャスラッパーとしてのJoeyの揺るぎないスタンス。
What are we supposed to fight the power with?
じゃあ俺たちは何を使って権力と戦えばいいんだ?
I ain't equipped to go to war with politics
政治と戦争するための装備なんて持っちゃいない
And I really can't afford a scholarship
それに奨学金をもらう余裕すらマジでないんだ
Mama thought I'd never see colleges
母さんは俺が大学に行くことなんてないと思ってた
Now I'm giving lectures for all the kids
今じゃ俺がすべての子供たちのために講義をしてる
Use my mind like a weapon, it's all it is
自分の心を武器として使う、ただそれだけのことだ
※銃や暴力ではなく、知性(Mind)こそがシステムに対抗する最大の武器であるというヒップホップの黄金律。
Just trying to spread the message, it's all legit
ただメッセージを広めようとしてるだけさ、すべて本物だ
Tell me how we gon to change the world when we can't even change ourselves?
教えてくれ、自分自身さえ変えられないのに、どうやって世界を変えればいい?
And how are we going to fight a war for a country that bring us hell?
俺たちに地獄をもたらす国のために、どうやって戦争を戦えばいいんだ?
I think we need some help
俺たちには助けが必要だと思う
Pray to God I won't fail
失敗しないように神に祈る
Might as well feel my brothers in the jail
刑務所にいる兄弟たちの思いを感じるのも当然だ
Living in the cell
独房の中で生きている
Only time will tell
時だけが教えてくれるさ
[Chorus: Awich & Joey Bada$$ & RZA]
Feels like the world's watching you
世界中が見つめているような気がする
Wanna make a change, what's stopping you?
変化を起こしたいんだろ、何が引き止めているんだ?
What are you scared of?
何を恐れている?
What are you scared of?
何を恐れているんだ?
The future's in front of you
未来は目の前にある
I won't tell the youth nothing but the truth. No
若者たちには真実以外は語らない、絶対に
Truth is they fear us
真実は、奴らが我々を恐れているということ
Truth is they fear us
真実は、奴らが我々を恐れているということ
(What’s the science, GOD?)
(真理は何だ、神よ?)
※ファイブ・パーセンターズ同士の典型的な挨拶。「GOD」は彼ら自身(至高の存在としての黒人男性)を指し、「science」は人生の真理や状況の深い理解を求める言葉。RZAの精神的なヴァースへの完璧な導入となっている。
[Verse 3: RZA]
Let your light shine through the trials of time
時の試練を通して、お前の光を輝かせよ
Until you illuminate the darkest space inside your mind
お前の心の中にある最も暗い場所を照らし出すまで
Without a dimmer
調光器など使うな
We shimmer so the world can see the splendor
我々は世界がその壮麗さを見ることができるよう、眩く光るのだ
And the glimmer of our glory from the outer to the inner being
そして外側から内なる存在に至るまで、我々の栄光が煌めくのを
Seeing is believing
百聞は一見に如かずだ
Giving and receiving
与え、そして受け取る
The life that guides the human beings
人類を導く命よ
Does free yourself-bondage from carnal carnage
肉体的な大虐殺から、己の束縛を解放せよ
※物質主義や身体的な暴力(carnal carnage)に囚われることなく、精神的な自由を手に入れろという哲学的なメッセージ。
Let your light shine, give God the homage
お前の光を輝かせ、神に敬意を払え
A circle in a circle, a wheel within a wheel
円の中の円、車輪の中の車輪
※旧約聖書のエゼキエル書における幻視(車輪の中の車輪)の引用であり、同時に宇宙の永遠のサイクルや、ファイブ・パーセンターズにおける「Supreme Mathematics(至高の数学)」の完璧な真理を表現している。物事はすべて繋がり、循環しているというWu-Tangイズムの根幹。
Always shining, always spinning, enlightening all that's real
常に輝き、常に回り、すべての真実を啓蒙する
Draw it up to a fine mist and let it distill
それを細かい霧にまで引き上げ、蒸留させるのだ
I see the future from a lighthouse over the hill
丘の上の灯台から未来が見える
※高次元の精神状態に到達し、人々を導く光(灯台)となったRZAの超越的な視点。
[Pre-Chorus]
Tell me how we gon to change the world
教えてくれ、どうやって世界を変えればいい?
When we can't even change ourselves?
自分自身さえ変えられないのに
And how are we going to fight a war for a country that bring us hell?
俺たちに地獄をもたらす国のために、どうやって戦争を戦えばいいんだ?
Think we need some help
俺たちには助けが必要だと思う
Pray to God I won't fail
失敗しないように神に祈る
Might as well feel my brothers in the jail
刑務所にいる兄弟たちの思いを感じるのも当然だ
Living in the cell
独房の中で生きている
Only time will tell
時だけが教えてくれるさ
[Chorus]
Feels like the world's watching you
世界中が見つめているような気がする
Wanna make a change, what's stopping you?
変化を起こしたいんだろ、何が引き止めているんだ?
What are you scared of?
何を恐れている?
What are you scared of?
何を恐れているんだ?
The future's in front of you
未来は目の前にある
I won't tell the youth nothing but the truth. No
若者たちには真実以外は語らない、絶対に
Truth is they fear us
真実は、奴らが我々を恐れているということ
Truth is they fear us
真実は、奴らが我々を恐れているということ
