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Little Child - The Beatles 【和訳・解説】

Artist: The Beatles

Album: With the Beatles

Song Title: Little Child

概要

ビートルズのセカンド・アルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』(1963年)に収録された、レノン=マッカートニーの共作によるストレートなロックンロール・ナンバーである。当初は他のアーティストへの楽曲提供、あるいはドラマーのリンゴ・スターのボーカル曲として構想されていたが、最終的にはジョン・レノンとポール・マッカートニーのツイン・ボーカルによる荒削りな仕上がりのままバンドのレパートリーとなった。録音は1963年9月から10月にかけてアビイ・ロード・スタジオで行われ、ジョンが吹き鳴らす強烈なブルース・ハープ(ハーモニカ)と、ポールが叩きつけるようなタッチで弾く即興のピアノが楽曲のスピード感を決定づけている。歌詞やメロディは初期のR&Bやフォーク・ブルースからの定型句を並べたシンプルなものだが、当時のイギリスの商業ポップスにはない黒人音楽の土着的なパッションが、若い4人の強靭なグルーヴによって完璧に表現された佳作である。

和訳

[Verse 1: John Lennon & Paul McCartney]

Little child, little child
可愛いお嬢さん、ねえお嬢さん
※「Little child」という表現は、直訳すると子供を指すが、1950〜60年代のアメリカのR&Bやブルースの文脈においては、若い女性や恋人に対する気さくな愛称として頻繁に用いられていた。当時のリバプールの若者たちが好んだアメリカン・ミュージックの語彙がそのまま反映されている。

Little child, won't you dance with me?
可愛いお嬢さん、俺と踊ってくれないかい?

I'm so sad and lonely
俺はひどく悲しくて、孤独なんだ

Baby, take a chance with me
ベイビー、俺に賭けてみてくれよ
※「take a chance」は、思い切ってやってみる、一か八か乗ってみるという意味のスラング。ダンスフロアで孤独を囲う男が、意中の女の子に「試しに俺と付き合ってみなよ」とワイルドに誘うティーンのリアルな心理描写である。

[Verse 1: John Lennon & Paul McCartney]

Little child, little child
可愛いお嬢さん、ねえお嬢さん

Little child, won't you dance with me?
可愛いお嬢さん、俺と踊ってくれないかい?

I'm so sad and lonely
俺はひどく悲しくて、孤独なんだ

Baby, take a chance with me
ベイビー、俺に賭けてみてくれよ

[Bridge 1: John Lennon & Paul McCartney]

If you want someone
もし誰かを求めているなら

To make you feel so fine
君を最高の気分にさせてくれるような誰かをね

Then we'll have some fun
それなら俺たち、きっと楽しくやれるさ

When you're mine, all mine
君が俺のもの、完全に俺だけのものになったらね
※ジョンがメロディをリードし、ポールがその上を並走する初期ビートルズ独特のタイトなツイン・ボーカルが炸裂する。独占欲を隠さないストレートな歌詞は、後の洗練された詞世界とは異なる、若さゆえの荒々しいエネルギーに満ちている。

So come, come on, come on
だからおいでよ、さあ、さあこっちへ

[Verse 1: John Lennon & Paul McCartney, Paul McCartney]

Little child, little child
可愛いお嬢さん、ねえお嬢さん

Little child, won't you dance with me?
可愛いお嬢さん、俺と踊ってくれないかい?

I'm so sad and lonely
俺はひどく悲しくて、孤独なんだ

Baby, take a chance with me
ベイビー、俺に賭けてみてくれよ

(Yeah)

[Harmonica Solo]

※ジョン・レノンによる激しいハーモニカ・ソロ。この録音では、ジョンがボーカル・トラックとは別にハーモニカをダビング(重ね録り)しており、アビイ・ロードでの多重録音技術が徐々にバンドの表現の幅を広げつつあった時期のセッションであることを物語っている。背後で激しく鳴り響くポールのパウンディング・ピアノが、間奏の躍動感をさらに増幅させている。

[Bridge 2: John Lennon & Paul McCartney]

When you're by my side
君が俺のそばにいてくれるなら

You're the only one
君だけが唯一の存在さ

Don't you run and hide
逃げたり隠れたりしないでくれ

Just come on, come on
ただこっちへおいでよ、さあ

Yeah, come on, come on, come on
そうさ、おいでよ、さあ、さあさあ

[Verse 1: John Lennon & Paul McCartney, Paul McCartney]

Little child, little child
可愛いお嬢さん、ねえお嬢さん

Little child, won't you dance with me?
可愛いお嬢さん、俺と踊ってくれないかい?

I'm so sad and lonely
俺はひどく悲しくて、孤独んだ

Baby, take a chance with me (Oh yeah)
ベイビー、俺に賭けてみてくれよ (Oh yeah)

Baby, take a chance with me (Oh yeah)
ベイビー、俺に賭けてみてくれよ (Oh yeah)

Baby, take a chance with me (Oh yeah)
ベイビー、俺に賭けてみてくれよ (Oh yeah)

Baby, take a chance with me (Oh yeah)
ベイビー、俺に賭けてみてくれよ (Oh yeah)
※アウトロで「take a chance with me」を執拗に連呼しながら、ジョンの狂気的なハーモニカが絡みつきフェードアウトしていく。一説によれば、この楽曲の拙速なまでの勢いとシンプルなループ構成は、次なる歴史的傑作シングル「抱きしめたい(I Want to Hold Your Hand)」の驚異的な完成度へと向かうための、バンドの過渡期における貴重な推進力となったと解釈されている。