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All My Loving - The Beatles 【和訳・解説】

Artist: The Beatles

Album: With the Beatles

Song Title: All My Loving

概要

ビートルズの2作目のアルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』(1963年)に収録された、ポール・マッカートニーによる初期の最高傑作の一つである。特筆すべきは、ポールが「曲よりも先に歌詞を書き上げた」初めての楽曲であるという点だ。巡業中のバスの中、あるいは髭剃り中に着想を得たとされ、当時の恋人ジェーン・アッシャーへの想いが込められている。シングルカットされなかったにもかかわらず絶大な人気を誇り、1964年の歴史的な「エド・サリヴァン・ショー」初出演時において1曲目に演奏された。音楽的には、ジョン・レノンによる極めて高速かつ正確な三連符のピッキングによるリズムギターが楽曲に圧倒的な推進力を与えており、後にジョン自身も「俺の最高のギタープレイの一つ」と絶賛している。ジョージ・ハリスンのチェット・アトキンス風のギターソロやポールの流麗なウォーキング・ベースなど、バンドとしての高度なアンサンブルが堪能できる歴史的ポップ・チューンである。

和訳

[Verse 1: Paul McCartney]

Close your eyes and I'll kiss you
目を閉じて、君にキスをするよ

Tomorrow, I'll miss you
明日になれば、君が恋しくなるだろう

Remember I'll always be true
忘れないで、僕はいつだって誠実だから
※「I'll always be true」という直球の愛情表現は、当時のポールの恋人であった女優ジェーン・アッシャーに向けられたものとされている。過酷なツアーでロンドンを離れる日々が続いていた彼の、切実な私小説的メッセージとして響く。

And then while I'm away
そして、僕が離れている間は

I'll write home every day
毎日、家へ手紙を書くよ

And I'll send all my lovin' to you
そして、僕のありったけの愛を君に送るよ
※ジョン・レノンが弾く狂気的とも言える三連符のコード・カッティングが、この甘いメロディの裏で鳴り続けている。一見優等生的なラブソングに、ロックバンドとしての異常なまでの熱量と推進力を付加しているのは間違いなくジョンの功績である。

[Verse 2: Paul McCartney]

I'll pretend that I'm kissing
キスをしているフリをするんだ

The lips I am missing
恋しくてたまらない、その唇にね

And hope that my dreams will come true
そして、僕の夢が叶うことを願っているよ

And then while I'm away
そして、僕が離れている間は

I'll write home every day
毎日、家へ手紙を書くよ

And I'll send all my lovin' to you
そして、僕のありったけの愛を君に送るよ

[Chorus: Paul McCartney, George Harrison & John Lennon]

All my lovin' (Ooh), I will send to you
僕の愛のすべてを (Ooh)、君に送るよ

All my lovin' (Ooh), darlin', I'll be true
僕の愛のすべてさ (Ooh)、ダーリン、僕は誠実でいるよ
※ジョンとジョージによる完璧なバック・コーラス。当時のライブ映像でも確認できるように、1本のマイクをジョンとポール(またはジョージ)が分け合って歌う姿は、初期ビートルズを象徴する視覚的・聴覚的アイコンとなった。

[Guitar Solo]

※ジョージ・ハリスンによる、カントリー・ミュージックの巨匠チェット・アトキンスの影響を色濃く受けた流麗なギターソロ。カール・パーキンスなどのロカビリー要素も混ざり合っており、ジョージの卓越したピッキング技術と独自の音楽的ルーツが如実に表れているセクションである。

[Verse 1: Paul McCartney & George Harrison]

Close your eyes and I'll kiss you
目を閉じて、君にキスをするよ
※間奏明けのこのヴァースから、ジョージ・ハリスンがポールの主旋律に対して3度下のハーモニーを重ねてくる。アルバムを通して聴くと、こうしたボーカル・アレンジの細かな変化が楽曲を立体的かつドラマチックに演出していることがわかる。

Tomorrow, I'll miss you
明日になれば、君が恋しくなるだろう

Remember I'll always be true
忘れないで、僕はいつだって誠実だから

And then while I'm away
そして、僕が離れている間は

I'll write home every day
毎日、家へ手紙を書くよ

And I'll send all my lovin' to you
そして、僕のありったけの愛を君に送るよ

[Chorus: Paul McCartney, George Harrison & John Lennon]

All my lovin' (Ooh), I will send to you
僕の愛のすべてを (Ooh)、君に送るよ

All my lovin' (Ooh), darlin', I'll be true, huh
僕の愛のすべてさ (Ooh)、ダーリン、僕は誠実でいるよ、huh

[Outro: Paul McCartney, George Harrison & John Lennon]

All my lovin' (Ooh), huh, all my lovin', ooh
僕の愛のすべてを (Ooh)、huh、僕の愛のすべてを、ooh

All my lovin' (Ooh), huh, I will send to you
僕の愛のすべてを (Ooh)、huh、君に送るよ
※ポールのベースラインがメロディアスに動き回る中、美しい余韻と共に曲は終了する。ジョンは生前のインタビューで「『オール・マイ・ラヴィング』はポールの本当に素晴らしい作品だ。俺があの曲で弾いているギターもすごくいいだろ?」と語っており、レノン=マッカートニーの互いへの深いリスペクトと健全なライバル関係を象徴する歴史的名曲として現在も愛され続けている。