Artist: JPEGMAFIA
Album: EP!
Song Title: BODYGUARD!
概要
2020年リリースの『EP!』に収録されている「BODYGUARD!」は、JPEGMAFIA(ペギー)が普段見せる攻撃的でノイジーなインダストリアル・ヒップホップのアプローチから一転し、メロウで官能的なR&Bサウンドを展開した異色のトラックである。タイトルの「Bodyguard」が示す通り、自身を精神的・肉体的に守ってくれる存在への渇望と、同時に名声や金銭目当てで近づいてくる人々への強い警戒心という、相反する複雑な心境をピッチシフトされた独特のボーカルで歌い上げている。常にシニカルで反逆的なペルソナを纏う彼の奥底にある、生々しい傷つきやすさ(ヴァルネラビリティ)や孤独感が浮き彫りになっており、コアなファンの間ではペギーの表現の奥深さを象徴する隠れた名曲として高く評価されている。
和訳
[Intro]
Called me on the phone
電話をかけてきたな
Step it up
もっと本気を見せな
[Verse 1]
Yo, who gon' hold me down?
Yo、誰が俺を支えてくれるんだ?
※「hold down」はヒップホップにおいて、どんな困難な状況でもそばにいてサポートし続ける(忠誠を誓う)ことを意味する重要なスラング。
Who gon' work my body?
誰が俺の体を満足させてくれる?
Who gon' touch me up?
誰が俺に触れてくれるんだ?
Who gon' fuck me in?
誰が俺を深く愛してくれるんだ?
Who gon' stick around?
誰が俺のそばに居続けてくれるんだ?
Who is worth it? Yeah, yeah
誰にその価値がある? Yeah, yeah
Two things that I learned is I'm worth all the price
俺が学んだ2つのこと、それは俺にはそれだけの価値があるってことだ
Sugar and spice, everything nice
砂糖とスパイス、素敵なものすべて
※イギリスの有名なマザーグースの童謡「What Are Little Boys Made Of?」からの引用。「女の子は砂糖とスパイス、素敵なものでできている」という有名なフレーズ。普段は過激でハードコアなラップをする彼が、あえて極めてフェミニンで可愛らしい表現を用いることで、この曲における無防備さや繊細さを際立たせている。
Who's gonna turn me? Bitches gotta earn me
誰が俺をその気にさせる? ビッチどもは俺を勝ち取らなきゃならないぜ
I'm too hard, huh, huh
俺はハードすぎるからな (huh, huh)
[Chorus]
She, he, can't be, can't be
彼女、彼、あり得ない、あり得ない
I don't want no war
争いなんて望んじゃいない
I don't want it with nobody but you
君以外の誰ともそんなことしたくないんだ
No protection with nobody but you, you, you
君以外の誰にも守られたくないんだ
I don't want, bodyguard (I don't want no)
ボディーガードなんていらない(そんなものは欲しくない)
※富や名声を得て物理的な「ボディーガード」を雇うことはできても、彼が本当に求めているのは精神的な繋がりと保護(プロテクション)であり、それは特定の「君」でなければ意味がないという強いメッセージ。
[Verse 2]
Why you wanna? (Why?)
なんでそうしたいんだ? (Why?)
Why you wanna hurt me, babe? (Why?)
なんで俺を傷つけようとするんだ、ベイビー? (Why?)
How you see through my act? (Why?)
どうやって俺の演技を見破ったんだ? (Why?)
※ヒップホップファンの間で最も深く考察されるライン。JPEGMAFIAが普段見せている「ネットトロール的で好戦的、誰にでも噛み付く無敵のラッパー」という姿が実は自己防衛のための「演技(act)」であり、愛する相手にはその脆い本性を見透かされていることを告白している。
Please, hit me back (Why?)
頼むから、返事をしてくれ (Why?)
Girl, don't do me like that, you know I want it
ガール、そんな風に俺を扱わないでくれ、俺が求めてるって知ってるだろ
I know you want the credit cards, the fancy cars
君がクレジットカードや高級車を目当てにしてるのは分かってる
I know you want the world, why?
君が世界中のすべてを欲しがっているのも分かってる、どうしてだ?
※相手の女性が自分自身ではなく、ラッパーとしての成功(金や車)を求めている典型的なゴールドディガーであることを理解しつつも、見放すことができずに縋ってしまうSad Boy的な悲哀が表現されている。
I told your momma I'm comin', I got no refunds
お前のママには今から行くって伝えたぜ、払い戻しはなしだ
I told your baby it's rented tonight
お前の子供には、今夜は貸し切りだって伝えておいた
Who's gonna turn me? Bitches gotta earn me
誰が俺をその気にさせる? ビッチどもは俺を勝ち取らなきゃならないぜ
It's too hard, oh, huh, uh, ha-heh
ハードすぎるんだ (oh, huh, uh, ha-heh)
[Chorus]
She, yeah, he, can't be
彼女、(yeah)、彼、あり得ない
I don't want no war
争いなんて望んじゃいない
I don't want it with nobody but you
君以外の誰ともそんなことしたくないんだ
No protection with nobody but you, you, you
君以外の誰にも守られたくないんだ
Bodyguard
ボディーガード
