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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Biscuits - Method Man 【和訳・解説】

Artist: Method Man

Album: Tical

Song Title: Biscuits

概要

Wu-Tang Clanのブレイクアウト・スター、Method Manのソロデビューアルバム『Tical』(1994年)に収録された、極めて生々しくユーモラスなハードコア・トラック。プロデューサーのRZAによる、ザラついたドラムと不気味なシンセ音がループするミニマルでダークなビートの上で、Method Manがストリートのダーティなジョークと圧倒的なラップスキルを見せつける。フックで歌われる「お前の母ちゃん」ジョーク(Dozens)や、童謡のパロディ、カンフー映画の引用など、黒人コミュニティの伝統的な言葉遊びを駆使しながらも、ライムの切れ味は鋭く危険だ。タイトルの「Biscuits」は「銃」を意味するスラングであり、遊び心の中にも常に暴力の気配を漂わせる、90年代のスタテンアイランド(少林)の空気をそのまま真空パックしたような一曲である。

和訳

[Intro]

What? What you want?
何だ? 何が欲しいんだ?

Represent, represent, represent!
レペゼンしろ、レペゼンしろ、レペゼンしろ!

Yeah, represent, check it out, check it out
ああ、レペゼンだ、チェックしな、聞いてくれ

[Chorus]

Your mama don't wear no drawers!
お前の母ちゃん、パンツ履いてねえぞ!
※アメリカ黒人文化に古くからある「The Dozens(相手の家族、特に母親を侮辱し合う言葉遊び)」の典型的なフレーズ。童謡のようなメロディで歌うことで、相手を完全に小馬鹿にしている。

I saw her when she took them off!
脱ぐところをこの目で見たからな!

Standin' on the welfare line, eatin' swine
生活保護の列に並んで、豚肉を食いながら

Tryna look fine with her stank behind
臭えケツを振り回して、イイ女ぶろうとしてやがったぜ

You can ask the bitch and she'll tell you fast
そのビッチに聞いてみりゃ、すぐに答えてくれるだろうよ

Meth-Tical got style with his nasty ass
メス・ティカルのヤバいスタイルは最高だってな
※「Meth-Tical」はMethod ManとTical(上質なマリファナ)を合わせた彼の別名。

[Verse 1]

Are you ready to face the consequences and suffer?
結果を受け入れて、苦しむ覚悟はできてるか?

I even tell your momma you ain't shit, motherfucker!
お前の母ちゃんにだって言ってやるよ、お前はただのクソ野郎だってな!

Bring it, and let that Killa Bee kid sting it
かかってこい、このキラー・ビーのガキに刺させてやるぜ

And represent, it's like heads up a brick when I swing it
レペゼンしろ、俺がこいつを振り回せば、レンガで頭をカチ割られるようなもんだ

Get lost, I break you off somethin'
失せな、お前をバラバラにしてやるよ

I'm pumpin' like a Reebok with a pump
俺はポンプフューリー(リーボック)みたいにパンプアップしてるぜ

From the jump and you was nothin'
最初からお前なんて何者でもなかったんだ

Bet you thought your fuckin' clan had your back, but they was frontin'
お前のクソみたいな仲間が背中を守ってくれると思ってただろうが、あいつらはただのハッタリだったな

Smokin' dirt blunts and fuckin' nasty sluts and
クズみたいなブラントを吸って、汚えビッチどもとヤッて

You just a Naked Gun without the bullet, what you bustin'?
お前は弾の入ってない『裸の銃を持つ男(コメディ映画)』さ、一体何を撃つってんだ?
※映画『The Naked Gun』を引き合いに出し、銃(力)を持っているように見えて実は中身がない滑稽なラッパーをディスしている。

Get your ship sunken, fuckin' with a Drunken
お前の船を沈めてやる、酔拳(ドランケン)の使い手を怒らせたらな

Master, disaster at any rap functions
マスター(達人)だ、どんなラップのイベントでも大惨事を引き起こしてやる
※ジャッキー・チェンのカンフー映画『酔拳(Drunken Master)』へのリファレンス。Method Manの予測不能なフロウを酔拳の動きに例えている。

[Chorus]

Just an echo, yoo-hoo!
ただのこだまさ、ヤッホー!
※ここからしばらく、1950年代のR&BグループThe Valiantsの「This Is The Nite」や古いドゥーワップのフレーズを不気味にパロディ化したメロディが続く。

We be livin' in the valley, yoo-hoo!
俺たちは谷に住んでるんだ、ヤッホー!
※「valley(谷)」はスタテンアイランド(Shaolin)の低地にあるゲットーを指す。

It may be difficult to bring back
取り戻すのは難しいかもしれないぜ

Sweet memories of you
お前との甘い思い出をな

And you can even ask your crew
お前のクルーに聞いてみてもいいぜ

Bet your bottom dollar, let me tell you fast
全財産賭けてもいい、すぐに教えてやるよ

Meth-Tical got style with his nasty ass
メス・ティカルのヤバいスタイルは最高だってことをな

[Verse 2]

Who said the Wu-Tang Clan? Was it you or your man?
誰がウータン・クランの名前を出した? お前か、それともお前のダチか?

You wanna point the finger? I'll bring ya
指でも差してみるか? 俺がお前を連れて行ってやるよ

36 Chambers, be out, you's in danger
36のチェンバー(少林三十六房)へな、逃げな、お前は危険な状態だぜ

Let me pull your brain out your ass with a hanger
お前の脳みそを、ケツの穴からハンガーで引っ張り出してやろうか

Didn't momma tell you not to talk to a stranger?
見知らぬ人とは話しちゃダメだって、ママに教わらなかったのか?

Now you got your neck in the noose of the strangler
今じゃお前は、絞殺魔の投げ縄に首を突っ込んじまってるぜ

Just recline, keep the Meth in mind
まあくつろいでな、メスのことを頭に刻み込んでおけ

I'll even test the knuckle check on the hands of time
俺は「時の手(時計の針)」相手にだって、拳の強さを試してやるぜ

What?! And I'll be more than glad to bust that ass
何だと?! お前のケツを蹴り上げられるなら大喜びさ

All up and down the block, the street, that Ave
ブロック中、ストリート中、あの交差点までな

Whatever, smokin' on a Spike Lee joint
何でもいい、スパイク・リーのジョイント(映画/マリファナ)を吸いながら

Hey, I'm Mo' Better, I'm hopin' niggas get the point
おい、俺は『モゥ・ベター』だぜ、野郎どもがこの意味を分かってくれるといいがな
※スパイク・リー監督の映画『Mo' Better Blues』と、映画のクレジットに使われる「A Spike Lee Joint」というフレーズを「マリファナのジョイント」に掛けた言葉遊び。

'Cause they could never stop the veteran, word to God
なぜなら奴らは決してベテランを止めることはできねえからな、神に誓って

When I'm severin' the head of a mental vegetarian
俺が精神的ベジタリアンどもの首を切り落としてる時にな
※「mental vegetarian」は、ハードコアな現実(肉=ビーフ)を避けて、耳障りの良いことしか受け付けない軟弱なラッパーたちを皮肉った表現。

The Method at the weed gate with a long line of credit
メソッドがウィード(マリファナ)の門の前に立ち、長い信用の列をなしている

If you desire fire, I be the first to set it
もしお前が火(最高のシット)を望むなら、俺が最初に火をつけてやるよ

Off, flame on like the Human Torch
ヒューマン・トーチみたいに炎を纏ってな
※マーベル・コミック『ファンタスティック・フォー』のキャラクター。炎を操るミュータント。

Fantastic Four for all the fans in the store
店にいるすべてのファンのための、ファンタスティック・フォーさ

You can eat it all and it'll tell you fast
全部食ってみな、すぐに分かるはずだ

Meth-Tical got style for your nasty ass
メス・ティカルのヤバいスタイルは最高だってな

[Outro]

'94, baby, word up
94年だ、ベイビー、間違いない

Recognize, recognize
よく認識しておけ、認識しておけ

Wu-Tang Killa Bee
ウータン・キラー・ビーだ

The RZA and the Method MZA
RZAと、メソッド・MZAだ
※Method Manの名前をRZAの命名規則(R-Z-A)に合わせて「M-Z-A」と呼んでいる。

Raider Ruckus, where you at?
レイダー・ラッカス、どこにいる?
※Wu-Tangの初期のアフィリエイト(取り巻き)へのシャウトアウト。