Artist: A$AP Rocky (feat. Joey Bada$$, Action Bronson, Danny Brown, Kendrick Lamar, Big K.R.I.T. & Yelawolf)
Album: LONG.LIVE.A$AP
Song Title: 1Train
概要
本作「1Train」は、A$AP Rockyの2013年のデビューアルバム『LONG.LIVE.A$AP』に収録された、2010年代のヒップホップ史に燦然と輝く伝説的なマイクリレー(ポッセカット)である。プロデューサーのHit-Boyが手掛けた、90年代のイーストコースト・ブーンバップを彷彿とさせる重厚なオーケストラ調のビートの上で、Kendrick Lamar、Joey Bada$$、Yelawolf、Danny Brown、Action Bronson、Big K.R.I.T.という、当時のシーンを牽引し始めた若き天才MCたちが各々の圧倒的なスキルと個性をぶつけ合う。タイトルの「1 Train」はRockyがブレイク前に乗っていたニューヨークの地下鉄1系統(ブロンクスからマンハッタンを縦断する路線)を指しており、どん底から這い上がった彼が同世代の最高峰の才能たちを招集し、純粋なリリシズムとヒップホップへの愛を証明した記念碑的な一曲だ。
和訳
[Verse 1: A$AP Rocky]
Uh, feelin' like a vigilante or a missionary
自警団か宣教師にでもなった気分だぜ
※ストリートの秩序を守る者、あるいはヒップホップの新たな教えを広める者としてのスタンス。
Tell my A$AP killers, get they pistols ready
A$APの殺し屋どもに伝えな、拳銃の準備をしろと
Send 'em to the cemetery with obituaries
死亡記事と一緒に奴らを墓場へ送ってやる
Don't be scared, nigga, is you ready?
ビビるんじゃねえぞ、準備はいいか?
I've been thinkin' 'bout all the O's in my bank account (What?)
銀行口座に並んだO(ゼロ)の数について考えてたんだ
X the hoes in my bed is 'round the same amount (What?)
俺のベッドにいる女たちにX(掛ける)すれば、だいたい同じ数になるぜ
※Tic-Tac-Toe(マルバツゲーム)の「X」と「O」を用いた高度なワードプレイ。口座のゼロの数と抱いた女の数を掛け合わせるという富とモテぶりのフレックス。
Ever since this new star fame came about
この新しいスターとしての名声を手に入れてからな
Or ever since me and Drizzy started hangin' out, huh
いや、俺とドレイクがツルみ始めてからってことか
※「Drizzy」はDrakeの愛称。彼とのツアーに参加し「Fuckin' Problems」で共演したことでメインストリームでの地位を確立した事実への言及。
Young boy, let his gun bang, let his nuts hang
若造は銃をぶっ放し、金玉をぶら下げて強気でいく
Transition to a Lamborghini from a Mustang
マスタングからランボルギーニへと乗り換えるんだ
Drugs slang in the drug game with the hustling
ドラッグゲームの中でハッスルしながら隠語を飛び交わす
(I know one thing) Anything is better than that 1 Train
これだけは分かってる、あの1トレインよりはマシだってことさ
※タイトルの回収。ブレイク前に乗っていたニューヨークの地下鉄1系統を、かつての貧しい生活の象徴として引き合いに出し、どれだけ過酷なストリートのゲームであろうとあの貧困時代よりはマシだと語っている。
Bag made of Goyard, cheffin' like I'm Boyar—
バッグはゴヤール製、ボーイ・アルみたいに料理するぜ
Dee, probably sellin' D in your local courtyard
ディ、おそらくお前の地元の広場でDを売りさばいてたんだよ
※「Boyardee」は有名な缶詰パスタのブランド(Chef Boyardee)。単語を「Boyar-」と「Dee」でまたぎ、「D(Dope=ドラッグ)」を売るというストリートのコンテクストに接続する極めてテクニカルなライム。
Braids like I'm O-Dog, my la familia go hard
O-Dogみたいなブレイズヘア、俺のファミリーは最高にハードだ
※映画『Menace II Society(ポケットいっぱいの涙)』の狂気的なキャラクター、O-Dogのこと。
Down to my inlaws, they outlaws with no laws
義理の家族に至るまでな、あいつらは法を持たないアウトローさ
[Verse 2: Kendrick Lamar]
We outlawed, then I bogart, any pros that got 'proached at
俺たちは非合法化された、それから俺は無理やり奪い取る、近づいてくるプロ連中からもな
※「bogart」は強引に独占する、奪い取ること。
With a toe-tag, get broke off in the projects with a skateboard
つま先に死体用のタグをつけられ、プロジェクトでスケボーごと叩き折られるのさ
※Lupe FiascoやPharrell Williamsらを中心とした当時の「スケートボード・ラップ」カルチャーに言及しつつ、コンプトン(プロジェクト)ではそんなお遊びは通用せず死体が転がるだけだという冷酷な対比。
I roll past and I blaze y'all like, "Doo, doo," I hate y'all
通り過ぎざまにお前らを蜂の巣にしてやるよ「ダダッ」ってな、お前ら全員大嫌いだ
When the beef cooked, I ate y'all like, "Mmm, mmm!"
ビーフが焼けたら、お前らを残さず食ってやる「んー、美味い!」ってな
※「Beef(抗争)」と焼肉を掛けた残酷なユーモア。
Let's play ball in a ballpark with all sharks and a blindfold
サメだらけの球場で、目隠ししたまま野球をしようぜ
※コンプトンという危険極まりない環境で生き残るスリルと、圧倒的な実力への自信。
I rhyme cold, my K hot, your 9 cold, that bark like K9s on
俺のライムは冷徹だ、俺のKは熱く、お前の9ミリは冷え切ってる、警察犬みたいに吠えやがる
※「K」はAK-47突撃銃(Kendrickのイニシャルとの掛詞)、「9」は9ミリ拳銃。「K9」は警察犬部隊。敵の武器は火を噴くこともなく、ただ犬のように吠える(威嚇する)だけだという挑発。
That banana clip, straight from the rip
バナナクリップを装着し、最初から全開でいくぜ
※「banana clip」は湾曲した大容量の弾倉。
I'll make that shirt say R.I.P., I'm on some shit
お前のそのシャツにR.I.P.(安らかに眠れ)って刻んでやる、俺はヤバい状態なんだ
If I'm not the hottest then Hell must have froze over
もし俺が一番イケてないとしたら、地獄が凍りついたってことだ
※「Hell froze over」は絶対にありえないことを指すイディオム。自分が最高であることは揺るぎない事実だという宣言。
You thought it was safe then forgot what the code was
お前は安全だと思ってたんだろ、ストリートの掟を忘れたままな
I carry traits of a traumatized soldier
俺はトラウマを抱えた兵士の特性を持ち合わせている
※Kendrickが一貫して描き続ける、ギャングの暴力が渦巻くコンプトンで育ったことによるPTSD(心的外傷)のテーマ。
Don't look in my face, I might snap, I might choke ya
俺の顔を見るな、ブチ切れてお前の首を絞めるかもしれないぞ
Spine right out of place, give me dap like you 'posed to
背骨を完全にへし折ってやる、言われた通りにダップスで挨拶しな
※「dap」は拳を合わせる挨拶。
Darts at your posters, dark nights like this
お前のポスターにダーツを投げる、こんな暗い夜にはな
I metamorph like I'm 'posed to, I might slice my wrist
俺は変態する、そうすべきであるように、自分の手首を切るかもしれない
※圧倒的な才能の進化(Metamorph)の裏にある、狂気や自己破壊的な衝動。
Or pretend like a vulture and drop off this cliff
それともハゲタカの真似をして、この崖から飛び降りるかもな
[Verse 3: Joey Bada$$]
Barely even conscious, talkin' to my conscience
意識も朦朧としながら、自分の良心と語り合っている
Gettin' deeper in these flows like conches
巻き貝のように、このフロウの奥深くへと潜っていく
※「conches(巻き貝)」の螺旋状の構造と、深く入り組んだフロウの構造を掛けた詩的な表現。
I'm on my convict, don't drop bars, I drop prisons
俺は囚人のようにリリックを書く、ただの「バー(鉄格子/小節)」じゃない、「監獄」そのものを落とすんだ
※「bars」はラップの小節と鉄格子のダブルミーニング。他のラッパーが小節(鉄格子)を歌うなら、自分は曲全体で巨大な監獄を作り上げるほど圧倒的だという宣言。
Don't sell rocks, seen the spectrum through the prisms
石(クラック)は売らねえ、プリズムを通してスペクトルを見たからな
※「rocks」は麻薬のクラック・コカインと鉱石のダブルミーニング。ストリートで麻薬を売るような近視眼的な生き方ではなく、プリズムのように光(知識)を通して世界の多様な真理(スペクトル)を見たというJoeyの「Conscious(意識高い)」なスタンス。
Somehow bypassed the bias and the -isms
どうにかして偏見やあらゆる「イズム(主義)」を回避してきた
The violence and the killin', so given
当たり前のようにある暴力や殺人もな
They seen my pigment and thought that was the ign'ance
奴らは俺の肌の色を見て、それが無知の証だと思ったんだ
Unfortunately, I am not that type of niglet
あいにくだが、俺はその手の無知な黒人のガキじゃねえよ
※「niglet」は黒人の子供への侮蔑語。ステレオタイプに当てはめようとする社会への痛烈な皮肉と知性の誇示。
But pass the pot, let me skillet
だがその鍋(マリファナ)を回しな、俺に料理(スキルを披露)させてくれ
※「pot」は鍋とマリファナ。「skillet」はフライパンとスキル(Skill-et)のダブルミーニング。
Just got back to the block from a 6 o'clock with Jigga
ジガとの6時のミーティングからブロックに戻ってきたところだ
※「Jigga」はJay-Z。当時、若干17歳だったJoeyがJay-Zのレーベル「Roc Nation」から直接オファーを受けた事実への言及。
And I'm thinkin' 'bout signin' to the Roc
それでロック(Roc Nation)とサインしようか考えてるんだ
But my niggas on the block still assigned to the rocks
だがブロックのダチどもは未だにロック(クラック)から離れられない
※Roc Nationの「Roc」と、地元の仲間たちが売るCrack Rockの「rocks」を見事に踏んだ、ヒップホップファンの間で語り草となっている歴史的名ライン。
And I swear it hurt me soul
それが俺の魂を激しく痛めつけるんだ
I try to prevail but when I preach I only hurt their sales
勝利を掴もうと努力し、正しいことを説くが、それは奴らのドラッグの売上を邪魔するだけさ
Like you're only gon' end up either dead or in jail
「お前ら、最後は死ぬか刑務所行きのどっちかだぞ」なんて言ってもな
But you my nigga, wish you the best for real
だけどお前は俺のダチだ、マジで無事を祈ってるよ
[Verse 4: Yelawolf]
When you mention my name amongst other white rappers
他の白人ラッパーたちの中に俺の名前を混ぜたり
Or for that matter any fuckin' rapper, fuck it
あるいは他のどんなクソラッパーと比較しても、ふざけんじゃねえよ
※「白人ラッパー=Eminemの後追い」という安易なカテゴライズに対するアラバマ出身のYelawolfの強い拒絶。
Painter, skater, musician, trailer park, dirt-ditch-diggin'
ペンキ塗り、スケーター、ミュージシャン、トレーラーパーク育ちの、泥溝掘り
Burger-flippin', eat, sleep, shittin' human bein', you would be in
ハンバーガーを焼き、食って、寝て、クソをする一人の人間さ、お前らは痛い目を見るぜ
Trouble to body-double or couple me to these others
俺の影武者を立てたり、俺を他の奴らと一括りにしようとすればな
'Cause comparatively speakin', my reach is beyond the bubble
なぜなら比較して言えば、俺の射程距離はお前らが俺を閉じ込めている
That they put me in, my vision's beyond the Hubble's
その小さなシャボン玉(枠)を遥かに超え、俺の視界はハッブル宇宙望遠鏡すら超えてるからだ
I huddle with Nubians, new beginnin' again
俺はヌビア人たちとハドルを組み、また新たな始まりを迎える
※「Nubians」は黒人(アフリカ系)の誇り高いルーツを示す言葉。人種の壁を越え、他の才能ある黒人ラッパーたち(この曲の共演者など)と円陣(ハドル)を組んで音楽を作る姿勢。
You in school at 10, late, Radioactive's goin' gold
お前らは10時に学校だが、遅刻だぜ、『Radioactive』はゴールドディスクを獲得する勢いさ
※『Radioactive』はYelawolfの2011年のメジャーデビューアルバム。
And so? Great! Do I give a flying duck
それで? 素晴らしいね! だが俺がそんなこと気にすると思うか?
If I'm applyin' love to my rhymin' plus alignin' us?
俺が自分のライムに愛を注ぎ込み、俺たちを一つにまとめ上げることの方が大事だろ?
Alabama's climbin' up—wait! No, I don't give a
アラバマがのし上がってきたぞ、いや待て! 俺はやっぱり気にしてねえ
Flying duck nothin' but a buckshot; ch-pow!
飛んでるアヒル(Flying duck)なんて気にならねえ、バックショット弾で撃ち落とすだけだ、バキューン!
※「I don't give a fuck(気にも留めない)」を「flying duck」と言い換え、それを南部名物の鴨撃ち(散弾銃)に繋げるユニークなワードプレイ。
Motherfuck your life, pussy blood-clot
お前の人生なんてクソくらえだ、この血の塊のカス野郎
※「blood-clot」はジャマイカのパトワ語由来の強烈な罵倒表現(bumboclaatと同義)。
Ain't never been no rapper this cold since 2Pac was froze
2Pacが冷凍保存されてから、ここまで冷酷なラッパーは現れなかっただろ
And thawed out for a spot date at a Coachella show—Yelawolf
そしてコーチェラのショウの日のために解凍されたんだ、俺がイェラウルフさ
※2012年のコーチェラ・フェスティバルで話題を席巻した「2Pacのホログラムライブ」を引用。自分自身のフロウの冷酷さ(Cold/Froze)とホログラム(凍結からの解凍)を見事に掛けた、ヴァースの締めくくりにふさわしいパンチライン。
[Verse 5: Danny Brown]
Weed a different color like a hoodrat bra and panties
ウィードの色はバラバラだ、フッドの尻軽女のブラとパンティーが揃ってないみたいにな
※極彩色の上質なマリファナを、下着の上下を揃える金や余裕のないゲットーの女性(hoodrat)のチグハグな下着に例える、Danny Brown特有の生々しく下品なユーモア。
And my flow be overhead like pots and pans in pantries
そして俺のフロウはお前らの頭上を飛び越える、パントリーの上の棚にある鍋やフライパンのようにな
※「go overhead」は理解されない(難解すぎる)ことと、物理的に頭上の戸棚にあることを掛けている。
Antsy 'cause I'm high like Michael Jackson, penny loafers
落ち着かないぜ、マイケル・ジャクソンみたいにハイになってるからな、ペニーローファーを履いて
Moonwalkin' on the sun, barefoot, with shades on
太陽の上でムーンウォークしてやるよ、裸足で、サングラスをかけてな
※強烈なドラッグ体験による常軌を逸した全能感の描写。
Bitch pussy smell like a penguin
ビッチのアソコがペンギンみたいな匂いがするぜ
※魚臭いという意味。前後の文脈を無視していきなり放り込まれる狂気的なリリック。
Wouldn't hit that shit with my worst enemy's penis
俺の最大の敵のイチモツを使ってでも、あんなもんとはヤりたくねえよ
Bitch, when I say this, I mean this
ビッチ、俺がこう言う時は、本気で言ってるんだ
Ho, I'm the meanest
ビッチ、俺が一番ヤバいんだよ
Dick so big, it's like from Earth to Venus
俺のイチモツはデカすぎる、地球から金星まで届くくらいにな
That molly got me nauseous, aw, shit, no off switch
あのMDMAのせいで吐き気がするぜ、クソ、オフにするスイッチがねえ
Lawless, obnoxious, on that "suck my cock" shit
無法で、不快で、「俺のイチモツをしゃぶれ」って態度のままさ
That is my synopsis, ostrich's posh shit
これが俺のあらすじだ、ダチョウの革の超高級品だぜ
※「ostrich(ダチョウ革)」は高級なスニーカーやブーツの素材。
Hoes on some goth shit, stop it! You not this!
女どもはゴスっぽい格好をしてやがる、やめとけ! お前らには似合わねえよ!
Novice, regardless, heartless and awkward
素人どもめ、どのみち俺は冷酷で不器用なんだ
Cryin' tears of vodka, prima donna at the concert
ウォッカの涙を流す、コンサートのプリマドンナさ
Adonis smokin' chronic, 'bout to vomit gin and tonic
極上のウィードを吸う美青年(アドニス)、ジントニックを吐き散らしそうだ
Just bein' honest, tell me, isn't that ironic?
ただ正直に生きてるだけさ、教えてくれ、皮肉な話だと思わないか?
[Verse 6: Action Bronson]
Swiftly, I shift the Bimmer 860
鮮やかにBMWの860のギアをシフトする
A heavy smoker, so you know I brought the Blake with me
俺はヘビースモーカーだからな、当然ブレイク(マリファナ)も持ってきてるぜ
The moon's reflection off the lake hit me
湖に反射した月の光が俺を照らす
You should have stayed with me
お前は俺と一緒にいるべきだったのさ
Now many Asian bitches lay with me
今じゃたくさんのアジア系のビッチが俺とベッドを共にしてる
The face is silky like a tablecloth
顔面はテーブルクロスみたいにシルキーだぜ
※元シェフであるBronsonならではの、高級レストランのテーブルクロスに女性の肌を例える独特の比喩。
My shorty gallop in the mornin' on the beach like a Chilean horse
俺の女は朝のビーチをチリ産の馬みたいに優雅にギャロップするんだ
Red roses dropped from boxes very often
赤いバラが箱からこぼれ落ちる、よくあることさ
※まるでマフィア映画のワンシーンのような優雅でドラマチックな描写。
Confetti torchin', drinkin' Henny like I'm Kenny Lofton
紙吹雪に火をつける、ケニー・ロフトンみたいにヘネシーを煽るぜ
※MLBのレジェンド外野手、ケニー・ロフトンの名前を使ったライム。
Outstandin', I fixed the game between Georgia Southern and Gramblin'
見事な手腕さ、ジョージアサザン大とグランブリング大の試合で八百長を仕組んだぜ
※カレッジフットボールの試合を対象にしたスポーツ賭博で裏工作をする、裏社会のフィクサーとしてのペルソナ。
You see us scramblin', sellin' Susan Sarandon
俺たちが奔走してるのが見えるだろ、スーザン・サランドンを売りさばいてるんだ
※名女優スーザン・サランドンの名前を、麻薬(コカインなどの白い粉)の隠語として使用。
The cloud of smoke like the phantom
煙の雲はまるでファントム(亡霊/ロールスロイス)のようだ
Damn, this shit tastes like fantastic, uh
クソ、こいつはファンタスティックな味がするぜ
You see me comin' through in each state
俺が各州を股にかけて現れるのが分かるはずだ
Just so the lord could put the fork inside the cheesecake
すべてはこの神(俺)が、極上のチーズケーキにフォークを突き立てるためさ
※大金を手にして贅沢の限りを尽くすことを、デザートを食べる行為に例える美食家ラッパーの真骨頂。
Cuffed to my wrist, I've got the briefcase
手首に手錠で固定された、大金の入ったブリーフケースを持ってる
The gavel slam, I'm a free man, try not to eat ham
裁判官の木槌が叩かれる、俺は無罪放免の自由の身だ、なるべく豚肉(ハム)は食わないようにしてるぜ
※アルバニア系でムスリムの背景を持つ自身のルーツと、「Pig(警察)」を食わない(関わらない)というストリートのスラングのダブルミーニング。
[Verse 7: Big K.R.I.T.]
Big K.R.I.T., shawty
ビッグ・クリットだ、嬢ちゃん
Spit like my last breath: casket rap, six deep
これが最後の呼吸であるかのように言葉を吐き出す、棺桶ラップ、地下6フィートの深ささ
Eyes closed, the black is back, out come the 'lac with flats
目を閉じろ、黒の復活だ、パンクしたキャデラックの登場さ
After that, bottles I can't pronounce, like, "How you ask for that?"
その後は、発音もできないような高級な酒のボトルだ、「これ、どうやって注文するんだ?」ってな
Why you ask for crack and all you had was scratch?
小銭(スクラッチ)しか持ってないのに、なんでクラックを欲しがるんだ?
All I had was rap, when all they had was wack
奴らが持ってるのがワックなものばかりだった時、俺にあったのはラップだけだった
All I wanted was love and all they had was dap
俺が欲しかったのは本物の愛だったのに、奴らがくれたのは上辺だけのダップス(挨拶)だけだった
Fuck them haters and fuck them hoes, a championship win is
ヘイターもビッチもクソくらえだ、チャンピオンシップでの勝利ってのは
The aftermath, ask LeBron, open palm, slap a bitch
その結果(アフターマス)がすべてだ、レブロンに聞いてみな、平手でビッチにビンタを食らわすようなもんさ
※LeBron Jamesがマイアミ・ヒートに移籍し批判を浴びながらも、2012年に悲願の初優勝を果たした事実を引き合いに出し、結果を出せばすべてのアンチを黙らせることができるという強いメッセージ。
Walk the plank or break a bank, I've been in the business of sinkin' ships
板の上を歩かされるか、銀行をぶっ壊すかだ、俺はずっと船を沈めるビジネス(業界)に身を置いてきた
※他のラッパー(船)を撃沈し、シーンで生き残ってきたという誇り。
Chokin' niggas out with the anchors that they anchor with
奴らが船を固定するためのそのイカリの鎖で、奴ら自身の首を絞め上げてやる
Resuscitations cost the label, I'm taxin' if you want a hit
蘇生させるにはレーベルから金を巻き上げるぞ、ヒット曲が欲しいならたっぷり税金(見返り)を取るからな
Clear, fuck your career, bitch, I was born here
道を開けろ、お前のキャリアなんて知るか、俺はここで生まれたんだ
Been a killer, '86er nigga, that's my born year
ずっと生粋のキラーさ、86年式の黒人、それが俺の生まれた年だ
Get the fuck from 'round here, that's just my country ways
この辺りから失せな、これが俺の田舎の流儀さ
Suckin' on your momma's titty, bitchin' while I was choppin' blade
お前がママのおっぱいを吸って文句を垂れてる間、俺はブレード(チョッパーホイール)を回転させて走ってたぜ
※南部のカーカルチャー(スライサースポークのホイール)を象徴する表現。
Grippin' grain, fuckin' hoes, candy paint like Everglades
木目のハンドルを握り、ビッチとヤり、エバーグレーズ国立公園の湿地みたいな色のキャンディーペイントだ
Miss me with that rapper chatter, take that shit up with my bass
ラッパーどもの戯言なんてご免だ、俺の極太のベースラインにでも話しかけな
※K.R.I.T.は自身で重低音の効いたトラックをプロデュースすることでも知られる。
I put that on my soul, how could you ever doubt me?
俺の魂に誓うぜ、どうして俺の実力を疑うことができる?
Most rappers hopin' the world end so they won't have to drop another album
大半のラッパーは世界が終わることを祈ってるさ、そうすりゃもう次のアルバムを出して恥をかかずに済むからな
※2012年の「マヤ暦の地球滅亡説」を皮肉り、プレッシャーに潰されている他のラッパーたちを一蹴している。
B.B. King saw the king in me, so why can't you?
B.B.キングは俺の中に王(キング)を見た、なのになぜお前らには見えない?
In order to come up close, you'll have to dig up Cash and Elvis, too
俺に近づきたいなら、ジョニー・キャッシュとエルヴィスの墓でも掘り起こすんだな
※ミシシッピが生んだブルースの王様B.B. Kingと自身の名前(K.R.I.T. = King Remembered In Time)を掛け、ロック/カントリーの伝説たちを引き合いに出すことで、南部音楽の正統な後継者としての絶大なプライドを示している。
(That wasn't no sample, nigga!)
(あれはサンプリングなんかじゃねえぞ、クソ野郎!)
※曲中の重厚なストリングスビートが既存の曲のサンプリングではなく、プロデューサーのHit-Boyによる生演奏(オリジナル構築)であることを強調するアドリブ。
Muddy water flow, Dixie rebel past
マディ・ウォーターズのような泥臭いフロウ、南部の反逆者としての過去
※シカゴ・ブルースの父Muddy Watersと「泥水」を掛けた表現。「Dixie」はアメリカ南部のこと。
Fuck your Louis flag, poppin' benji tags on your wifey's ass (on your wifey's ass)
お前のルイ・ヴィトンの旗(バンダナ)なんてクソくらえだ、お前の嫁のケツにベンジャミン(100ドル札)のタグを貼ってやるよ
That's out of line, but in livin' color?
それはやりすぎ(一線を越えている)だって? だが鮮やかな総天然色(イン・リビング・カラー)でやってるだろ?
※90年代の伝説的コメディ番組『In Living Color』と、枠線(line)をはみ出して色を塗ることを掛けたワードプレイ。
I'm more like Miya Bailey on you rap motherfuckers: a true artist
俺はお前らクソラッパーどもにとっての、マイヤ・ベイリーみたいな存在さ。本物のアーティストってことだ
※Miya Baileyはアトランタ(南部)を拠点とする超有名タトゥー・アーティスト。体に消えない芸術を刻み込むように、ヒップホップシーンに永遠に残る本物のアート(名曲)を刻み込むという、楽曲のラストを飾るにふさわしいパーフェクトなパンチライン。
