UGMKM

Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

W0ah - North West 【和訳・解説】

Artist: North West

Album: N0rth4evr

Song Title: W0ah

概要

父カニエ・ウェストの特異な美学と、インターネット上のミーム・カルチャーを呼吸するように吸収してきたアルファ世代の申し子、ノース・ウェストによるアヴァンギャルドな一曲だ。最大の衝撃は、イントロで2000年代後半にネット界隈を席巻したスウェーデンの楽曲「Caramelldansen(通称:ウッーウッーウマウマ)」を大胆にサンプリングしている点である。Kawaiiカルチャーやボーカロイド(初音ミク)への傾倒を隠さない彼女のオタク的な側面と、BalenciagaやChrome Heartsといったハイエンドなストリート・フレックスが、歪なトラップ・ビート上で見事に共存している。リリックには、同世代のインフルエンサーである友人たちとの交友や、小学生にしてサインを求められる異常な日常が描かれており、親の七光りという次元を超えた「生まれながらのポップアイコン」としての堂々たるペルソナが確立されている。

和訳

[Intro: Caramell & North West]

Dansa med oss, klappa era händer
私たちと一緒に踊って、手を叩いて
※2001年にリリースされたCaramellの「Caramelldansen」からのサンプリング(スウェーデン語)。日本では「ウッーウッーウマウマ(゚∀゚)」としてネットミーム化した伝説的なオタク・アンセム。これを最先端のUSヒップホップに引用する異常なセンスがヘッズの間で話題を呼んだ。

Gör som vi gör, ta några steg åt vänster
私たちの真似をして、左へ数歩ステップを踏んで

Lyssna och lär, missa inte chansen
聞いて学んで、このチャンスを逃さないで

Nu är vi här med caramelldansen
さあ、キャラメルダンセンの始まりよ

W-w-woah

W-w-woah

W-w-woah

W-w-woah

(ノースちゃん)

[Chorus: North West]

'Round the world, I'm with Leah and Everleigh (Yeah)
世界中を飛び回る、私はリアとエヴァーリーと一緒
※LeahとEverleighは、ノースの親友であり同世代の超人気キッズ・インフルエンサー/ダンサーたち。Z世代・アルファ世代における圧倒的なフォロワー数を持つ彼女たちの交友関係をフレックスしている。

Out the store, went Balenciaga everythin' (Everythin')
店を出る、全身バレンシアガでキメて
※父カニエや母キム・カーダシアンとも関係が深く、現代のダークで前衛的なストリートモードを牽引するBalenciagaを小学生にして着こなすという究極の贅沢。

Lot of things 'bout me that you never seen (Never seen)
私について、あんたたちがまだ見たことない一面がたくさんあるの

Signin' autographs in elementary
小学校でサインを書いてるの
※普通の子供が休み時間に遊んでいる間、彼女は同級生や周囲の人間からサインを求められている。特権階級のキッズならではの狂気的な日常風景。

[Verse: North West]

With the trio goals of the century (Oh)
今世紀誰もが憧れる3人組でね
※「goals」は「relationship goals(理想のカップル)」のように、「誰もが羨む理想の姿」を意味するネットスラング。ここでは前述のLeah、Everleighとの3人組を指す。

Lookin' out, all we see is the jealousy (Oh)
見渡せば、嫉妬の視線ばかり

You look a mess, yeah, you can't even mess with me (Yeah)
あんたの身なりはボロボロね、私にちょっかい出すことすら無理でしょ
※「a mess(だらしない、ダサい)」と「mess with(ちょっかいを出す、敵対する)」をかけた言葉遊び。

I got the black on my teeth, ain't no cavities (Oh)
歯に黒い色を入れてるの、虫歯じゃないわよ
※コアなファンの間では、単なるファッションやグリルズの言及ではなく、父カニエ・ウェストのアルバム『BULLY』のカバーアートに見られる「前歯の中央だけを黒く塗る」という特定のダークな美学への直接的なオマージュであると指摘されている。血脈を受け継ぐ彼女ならではのディープなリファレンスだ。

Who are you, though? Don't get too close (What?)
てか、あんた誰? あまり近づかないで
※パパラッチや馴れ馴れしく近づいてくる一般人に対する冷たい拒絶。

Put Chrome on the coat 'cause I'm too cold (Huh?)
コートにクロムハーツをつける、私がクールすぎるから
※「Chrome」は高級シルバージュエリーブランドのChrome Hearts。「cold」はストリートスラングで「ヤバい、クール」を意味すると同時に、物理的な「寒さ」をかけて「だからコート(coat)を着る」という高度なダブルミーニング。

Miku hair, you could call me a Vocaloid (Miku, Miku)
ミクのヘアスタイル、私のことボーカロイドって呼んでもいいよ
※彼女が好むティールブルーの髪色やツインテールを、日本のバーチャルシンガー「初音ミク」に例えている。イントロのCaramelldansenとも見事にコンテクストが繋がっている。

Takin' pics, chain flash like a polaroid ('Roid)
写真を撮りまくる、チェーンがポラロイドみたいにフラッシュする
※首から下げた大量のダイヤモンドが、カメラのフラッシュのように強烈な光を放つ様。

I got fans everywhere that I can't avoid (Can't avoid)
どこに行ってもファンがいて、避けられないの

I was born a star, I ain't ever had a choice (Had a choice)
生まれながらのスター、私に選択肢なんてなかった
※ヒップホップにおける「泥水から這い上がった」という定番のストーリーテリングを完全に破壊する、「生まれた瞬間から頂点にいる」という宿命の受け入れ。

Gettin' bread, even though I'm just a kid (Just a kid)
まだただの子供なのに、大金を稼いでる
※「bread」はお金を意味するスラング。

Piercing on my fist, piercing on my wrist (Woah)
拳にピアス、手首にもピアス
※極端な身体装飾(ボディモディフィケーション)を並べ立て、自身のダークでエッジの効いたペルソナを強調している。

[Chorus: North West]

'Round the world, I'm with Leah and Everleigh (Everleigh)
世界中を飛び回る、私はリアとエヴァーリーと一緒

Out the store, went Balenciaga everythin' (Everythin')
店を出る、全身バレンシアガでキメて

Lot of things 'bout me that you never seen (Never seen)
私について、あんたたちがまだ見たことない一面がたくさんあるの

Signin' autographs in elementary (Elementary)
小学校でサインを書いてるの

[Outro: North West]

Yeah

Woah

Woah

'Round the world
世界中を

(ノースちゃん)