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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

MOTH BALLS - PARTYNEXTDOOR & Drake 【和訳・解説】

Artist: PARTYNEXTDOOR & Drake

Album: $ome $exy $ongs 4 U

Song Title: MOTH BALLS

概要

本作「MOTH BALLS」は、OVO Soundを牽引するPARTYNEXTDOORとDrakeによる、初期のノスタルジーと現在の成功への葛藤が交錯する内省的なR&Bトラックだ。タイトルにある「防虫剤(Mothballs)」の匂いは、過去の記憶や、押し入れにしまっていた古い服(=無名時代の自分)の象徴として機能している。Drakeのヴァースでは、カナダの俳優「Aubrey Graham」から世界的ラッパー「Drake」へと変貌を遂げる過程での苦悩や、地元トロントからアメリカへ飛び立つ際の元恋人への未練といった「Sad Boy」全開の感傷が綴られる。一方で、フックを担うPNDは特有の官能的かつ毒気のあるリリックで楽曲にコントラストを生み出している。トロントのローカルなスーパーマーケットやNFLチームに引っかけた秀逸なダブルミーニングなど、初期のハングリー精神と現在のスーパースターとしての孤独(薬物やアルコールへの依存)という二面性が生々しく描かれた、コアなファンコミュニティの考察意欲を掻き立てる一曲である。

和訳

[Verse 1: Drake]

Mothballs, I can't get the smell out my clothes
防虫剤の匂いが服から取れないんだ
※「Mothballs(防虫剤)」は長期間保管していた古い服の匂いを指す。無名時代から抜け出しきれていない初期の感覚や、過去の記憶への強い執着を暗示している。

YYZ, racing 'cause the gate 'bout to close
YYZ空港、搭乗口が閉まりそうだから走ってる
※「YYZ」はトロント・ピアソン国際空港の空港コード。地元トロントからアメリカへと飛び立ち、名声を掴もうとする情景。

New York is callin' up on me and the bros
ニューヨークが俺と仲間たちを呼んでいる

I left Candice, now my heart might explode
キャンディスを置いてきた、今にも心臓が破裂しそうだ
※「Candice」はDrakeの無名時代の元恋人。過去の楽曲でも度々言及されており、名声を得る前に別れた女性への強烈な未練が描かれている。

Three months it's been since we even said hello
まともに挨拶すら交わさなくなってから3ヶ月が経つ

She wasn't good to me anyway and I know
どっちみち俺には合わない女だった、そんなこと分かってる

I just can't picture leaving nobody home
誰もいない家に残して去っていくなんて想像もできないんだ

This has to work so I get Neeks off that stove
絶対に成功させなきゃならない、ニークスをあのコンロから引き離すためにも
※「Neeks」はDrakeの長年の親友でありOVOの初期メンバーであるNikoのこと。「stove(コンロ)」はコカインを調理するストリートの隠語であり、仲間をフッドの危険な生活から抜け出させるという固い決意の表れ。

I need security 'cause niggas is hoes
セキュリティが必要だ、あいつらはビッチだからな
※成功に伴うストリートの嫉妬や裏切りに対する警戒心。

I need a girl that's on the cover of Vogue
ヴォーグの表紙を飾るような女が俺には必要なんだ
※元恋人への未練を振り切るために、さらに高嶺の花であるスーパーモデルを求める強がり。

[Interlude]

I just hoped that someday, someone would love me
いつの日か、誰かが俺を愛してくれることだけを願っていたんだ

[Chorus: PARTYNEXTDOOR]

Ooh, oh

You're doing that thing, you're doing that thing
君はまたあれをしてる、いつものあれを

You're doing that thing, you're doing that thing again
またあのテクニックを使ってるんだな

Moving that tongue with that ring again
そのリングのついた舌をまた動かして
※舌ピアスを使ったオーラルセックスの生々しい描写。

Treat her stomach to Michelin
彼女の腹をミシュラン星付きの料理で満たしてやる
※性的な意味合い(精液を飲み込ませること)と、高級な食事を振る舞うことをかけたPND特有のダブルミーニングと解釈されている。

She from Michigan, but she taste like water
ミシガン出身の女だけど、まるで水みたいな味がする
※ミシガン州フリントで起きた深刻な「水道水汚染問題(Flint water crisis)」を背景にしたブラックジョーク。汚染されたミシガンの水に反して、彼女の愛液は無味無臭で綺麗だという際どい表現。

The cleanest water, ooh, yeah
最高に透き通った水の味だ

Clean as this cup
俺が持ってるこのカップみたいにクリアだ
※「cup」はリーン(咳止めシロップとスプライトなどを混ぜたドラッグ)を飲むためのダブルカップ。リーン自体は濁っているが、ここでは純度の高さを誇張している。

[Verse 2: Drake]

I been peakin' off that Addy every day
毎日アデロールでハイになりっぱなしだ
※「Addy」はADHD治療薬アデロールのことで、集中力を高めるための乱用がヒップホップ界で問題になっている。スーパースターとしてのプレッシャーによる薬物依存を示唆している。

It's been hard for me to put that shit away
あのクスリを手放すのは至難の業だよ

Drinkin' four or five bottles of the wine
ワインのボトルを4本も5本も空けて

Got a glass in my hand every time
いつだってグラスを片手に持っている

I got the worst reputation in our town
この街での俺の評判は最悪だ
※「our town」は地元トロント。数々の浮名やゴシップにより地元でのヘイトも買っている、傲慢なペルソナ(Mob Boss)の告白。

I been seen with all the baddest hoes around
イカしたビッチたちを全員引き連れてるのを目撃されてるからな

On God, swimmin' in the cat 'til I drown
神に誓って、溺れるまで女の股ぐらを泳ぎ回ってるぜ
※「cat」は女性器を指すスラング。

Bitches wanna take a dip in my account
ビッチどもは俺の銀行口座に浸かりたくて必死さ

Ayy, what?

It come to me tonight, baby, humble me tonight, are you still around?
今夜俺のところへ来てくれ、俺を謙虚にさせてくれよ、まだこの辺りにいるのか?

Are you still around?
まだ近くにいるのか?

Are you still around?
まだ俺のそばにいるのか?

Yorkville thrills, baby-blue pills, slop-top skills
ヨークヴィルの刺激、水色の錠剤、極上のフェラチオのテクニック
※「Yorkville」はトロントの高級ショッピング街。「baby-blue pills」はバイアグラ、あるいは鎮痛剤オキシコドンの隠語。

I remember baggin' up at No Frills
ノー・フリルズで袋詰めしてた頃を思い出すよ
※「No Frills」はカナダの庶民的なディスカウントスーパー。かつての貧しい生活と現在の富豪生活との激しい対比。

'Sauga City kid, got you blushin' on cam
ミシサガのキッズが、カメラの前で君を赤面させている
※「'Sauga City」はトロント郊外のミシサガ市。PNDの出身地でもある。

What?

I remember stressin' over bills like a Buffalo fan, uh
バッファローのファンみたいに、請求書に頭を抱えていたのを思い出すぜ
※「bills(請求書・支払い)」とNFLのチーム「Buffalo Bills」をかけた、Drakeお得意のスポーツリファレンス。トロントから地理的に近いバッファロー・ビルズのファンが長年スーパーボウルで優勝できずストレスを抱えていることにもかけている。

Now shorties call me Drake, not Aubrey Graham, damn
今じゃ女たちは俺をオーブリー・グラハムじゃなく、ドレイクって呼ぶんだ
※本名である「Aubrey Graham」(かつての俳優・一般人)から、世界的スター「Drake」へと完全に移行したことへの感慨と一抹の寂しさ。

And you're doin' well for yourself just like you planned
君も計画通りにうまくやっているみたいだな

Let me help you expand
君のビジネスを拡大する手伝いをさせてくれ

I'm the only one that understand
君のことを本当に理解しているのは俺だけだ

[Chorus: PARTYNEXTDOOR]

You're doing that thing, you're doing that thing
君はまたあれをしてる、いつものあれを

You're doing that thing, you're doing that thing again
またあのテクニックを使ってるんだな

Moving that tongue with that ring again
そのリングのついた舌をまた動かして

Treat her stomach to Michelin
彼女の腹をミシュラン星付きの料理で満たしてやる

She from Michigan, but she taste like water
ミシガン出身の女だけど、まるで水みたいな味がする

The cleanest water, ooh, yeah
最高に透き通った水の味だ

Clean as this cup
俺が持ってるこのカップみたいにクリアだ

[Outro: PARTYNEXTDOOR]

Ooh

Ooh