Artist: Drake (feat. 21 Savage)
Album: For All The Dogs
Song Title: Calling For You
概要
「Calling For You」は、2023年のアルバム『For All The Dogs』に収録された、Drakeと21 Savageのコラボレーショントラックである。前作『Her Loss』で強固なケミストリーを見せた二人が再びタッグを組み、前半のDrakeはメロウなR&Bテイストのトラップビートに乗せて、21歳の女性に対する執着と傲慢な「Mob Boss」のペルソナを披露する。楽曲の中盤には、ある女性(Mirna Habib)がSNSで発信した長尺の不平不満(エコノミークラスに乗らされたことや、毎晩ジャークチキンを食べさせられたことへの愚痴)の音声がそのままサンプリングされている。これは、SNSで承認欲求を満たそうとする現代の女性や、安っぽい金持ちアピールをする男性たちへの皮肉として機能している。そして後半、ビートがダークに切り替わると共に21 Savageが登場し、冷徹で暴力的なストリートのラップで楽曲を締めくくる構成となっている。
和訳
[Intro: Drake]
Grr
グルルル(※犬の唸り声。アルバムタイトル『For All The Dogs』にかけたオノマトペ)
[Verse 1: Drake]
I was in the club 'fore she even had it
彼女がまだ「それ」を持つ前から、俺はクラブにいたぜ
※「it」は身分証(ID)や年齢(21歳)のこと。彼女が合法的にクラブに入れる年齢になるずっと前から、俺はシーンで遊びまわっていたというベテランとしてのマウント。
She was twenty-one, I don't see a savage
彼女は21歳だったが、そこにサヴェージの姿はなかったな
※年齢の「21」と客演の「21 Savage」、そして「savage(野蛮な、荒々しい)」をかけた秀逸なワードプレイ。
She wanna be the one, she know I come with static
彼女は俺の特別な存在(the one)になりたがってる、俺と付き合えば面倒(static)がついてくるって分かってるくせにな
She wanna hold the gun, if you want it, you can have it
彼女は銃を握りたがってる、お望みなら、持たせてやるよ
Shawty still young, so she don't know the classics
あの子はまだ若いから、クラシック(昔の名曲や名作)を知らないんだ
I see her body, one-of-one, yeah
彼女の体を見たが、唯一無二(ワン・オブ・ワン)だぜ
I see her body, one-of-one
彼女の体を見たが、唯一無二だ
Get to the crib, make you cum
家(クリブ)に連れ込んで、君をイカせてやる
Pussy sweet, call you my honeybun (Tss)
甘いプッシーだ、君を俺のハニーバン(甘いお菓子/愛しい人)って呼んでやるよ
I know your nigga was a bum
君の元カレがクズ(bum)だったのは知ってるぜ
Fuck on the crodie, have some fun
クローディ(兄弟/俺)とヤって、楽しもうぜ
※「crodie」はトロントで多用される「兄弟、仲間」を意味するスラング。
Girl, I'm the king of my city, I'm the one (Tss)
ガール、俺はこの街の王だ、俺こそがナンバーワンさ
Swear you can have me, you really one-of-one (Tss)
誓うよ、君は俺を手に入れられる、君は本当に唯一無二だ
How you so nasty? You really one-of-one (Tss)
どうしてそんなに淫らになれるんだ? 君は本当に唯一無二だ
How you so flashy? You really one-of-one (Tss)
どうしてそんなに派手なんだ? 君は本当に唯一無二だ
Out in Miami, you still a one-of-one (Tss)
マイアミに行っても、君は変わらず唯一無二だぜ
I wanna beat on the pussy 'til the sun come up
太陽が昇るまで、そのプッシーを叩き潰したい(激しくヤリたい)
You fucked on a nigga I see as my son, so what?
君は俺が「息子」だと思ってるような格下の野郎とヤッたらしいが、だから何だ?
※自分を真似ているような若手や格下のラッパー(息子)と関係を持った女性に対しても、余裕を見せる傲慢さ。
Yeah, I was in the club, but I was in the cut
ああ、俺はクラブにいたが、奥のVIP席(イン・ザ・カット)に引っ込んでた
Had liquor in my cup, had passion in my cup
カップには酒が入ってた、カップにはパッション(情熱)が満ちてた
And Addy in my system, see a opp, I'ma hit 'em up
そして体の中にはアデロール(Addy)だ、敵を見つけたら撃ちのめしてやる
※アデロール(集中力を高める処方薬)でハイになり、いつでも戦闘態勢である状態。
Yeah, he gon' be a victim, I was tryna dance with the bitch
ああ、そいつは犠牲者になるだろうな、俺はこのビッチと踊ろうとしていたんだ
Couldn't keep my hands off her hips
彼女の腰から手が離せなかった
Know she spent some bands on her 'fit
彼女がその服に相当な札束(bands)をつぎ込んだのは分かってる
Know I told you that she really one-of-one
彼女が本当に唯一無二だって言っただろ
Chro', yeah, she advanced with the shit
クローディ、ああ、彼女はその手のプレイスキルが高いんだ
And I got a chance with the bitch
そして俺はそのビッチとヤるチャンスを手に入れた
Loverboy, romance with the bitch
ラバーボーイだ、このビッチとロマンスを楽しむのさ
Couldn't even put my mans on a bitch
ダチにお下がり(紹介)することすらできなかった
※普段なら仲間と共有する(回す)ような女性でも、独り占めしたくなるほど魅力的だったという下品なマウント。
Like, damn
マジでヤバいね
[Chorus: Fridayy]
Callin', callin' for you
呼んでいる、君を呼んでいるんだ
Callin' for you, callin' for you
君を呼んでいる、君を呼んでいる
Callin' for you
君を呼んでいるんだ
Need you to guide my eyes, feel it on me
俺の目を導いてくれ、俺の上で感じてくれ
Needin' you to hold me
君に抱きしめてほしいんだ
'Til the inevitable
避けられない終わりが来るまで
It was on my mind, felt it on me
ずっと頭から離れなかった、俺の上で感じたんだ
[Interlude: Mirna Habib]
Ah, he lied to me
あーあ、彼、私に嘘をついたのよ
Yo, he lied to me
ねえ、彼が嘘をついたの
Like I didn't even give a fuck that we sat in economy
私たちがエコノミークラスに座ったことなんて、どうでもよかったのよ
I gave a fuck 'cause he said the economy was full
私がキレたのは、彼が「エコノミーは満席だ」って言ったからなの
It was not full
満席なんかじゃなかったわ
He said, "Economy was—"
彼、「エコノミーは—」って言って
He said, "There was no first class, so we're sitting in economy"
彼、「ファーストクラスが空いてなかったから、エコノミーに座るんだ」って言ったの
I get up on that plane
私、その飛行機に乗ったわ
I see so many seats in first class
ファーストクラスには空席が山ほどあったのよ
Twelve, like, twelve, fourteen seats
12席、そうね、12席か14席くらい空いてたわ
Right
でしょ
I sat in the back of the plane
私は飛行機の一番後ろに座らされたの
Fucking crazy
マジでイカれてるわ
And then, I go on that wack-ass vacation
それから、そのクソみたいなバカンスに行ったのよ
The chef is feeding us the same meal every day like I was, like, in jail still or something
専属のシェフは毎日同じ食事を出してきて、まるで私がまだ刑務所にでもいるみたいだったわ
I'm like, "Why are we eating jerk chicken and oxtail every single day, can we switch it up?"
私、「なんで毎日ジャークチキンとオックステール(ジャマイカ料理)ばかり食べてなきゃいけないの? メニューを変えられないの?」って感じだったわ
No, the oxtail was fire though, but can we switch it up?
いや、オックステールは最高に美味しかったけど、それでも変えられないの?
I can't eat that shit every day, what?
毎日あんなもん食べられないわよ、何なの?
And then you proceed to go through my phone
それなのに、あなたは私のスマホを勝手に見始めたのよ
You wanted to cry
あなたは泣きたくなったんでしょ
You were lookin' for something
何かを探していたのよね
That's on you, it's on you
それはあなたの自業自得よ、あなたのせい
Sorry for your loss
ご愁傷様ね(私を失って残念だったわね)
※Drakeが意図的にサンプリングした、ある女性のSNSでの愚痴。金持ちの男とバカンスに行ったものの、ケチられてエコノミーに乗らされ、不満を漏らしている。SNS時代の安っぽい男女の諍いと、前作のタイトル「Her Loss(君の損失だ)」に対する「Sorry for your loss(あなたこそ私を失って残念ね)」という言葉尻を嘲笑的に利用している。
[Verse 2: 21 Savage]
Woah, woah
ああ、ああ
Fuck nigga wanna get fired on (21)
クソ野郎どもは撃ち殺されたいらしいな(21)
Starch a nigga up, put the iron on him (21)
野郎をのりで固めて、アイロン(銃)を当ててやるよ
※服にスプレーのりをかけてアイロンをかけることと、「iron(アイアン=銃)」を当てて撃ち殺す(死後硬直=starch upさせる)ことをかけたストリートの冷酷な言葉遊び。
Fah-fah-fah-fah-fah-fah-fah-fah
ファ、ファ、ファ…(銃声のオノマトペ)
Fah-fah-fah-fah-fah-fah-fah-fah
ファ、ファ、ファ…
Plenty niggas dyin' over that way (Yeah)
あっち側(敵陣営)じゃ、大勢の野郎どもが死んでるぜ
Quick to leave a opp in the ashtray (Pussy)
敵を素早く灰皿に捨ててやる(腰抜け)
※敵を燃やして灰(死体)にする、あるいは殺した敵をマリファナとして吸う(Smoking on opps)というドリルの定番表現。
Keep a .19 like I'm Mac Dre (21)
マック・ドレみたいに19(グロック19)を持ってるぜ
※ベイエリアの伝説的ラッパーMac Dreと銃の口径をかけている。
Make a nigga mama have a bad day (21)
野郎の母親に最悪な一日(息子の死)を味あわせてやる
21 gang 4L, these niggas gon' tell
21ギャング、4L、この野郎どもは密告(tell)するだろうな
I ain't goin' back and forth on deals (On God)
俺は取引(deals)で何度も交渉したりはしない(神にかけて)
I ain't goin' back and forth, send shells (On God)
俺は言い争ったりしない、弾薬(shells)を送り込むだけだ(神にかけて)
I ain't goin' back and forth, nigga, spin (Fah)
俺は言い争ったりしない、なあ、襲撃(spin)するだけさ(ファ)
※DrakeのVerse同様、SNSやネットでの言い争い(back and forth)を否定し、直接的な暴力で解決するという意志表示。
Put a college bitch in a Benz (21)
女子大生のビッチをベンツに乗せてやる
Put her in the Benz, no note (21)
ローン(note)なしの、一括払いのベンツにな
Hit 'em from the car, no scope (21)
車の中から奴らを撃ち抜く、スコープ(照準器)なんていらねえ
We don't never tie, we score (On God)
俺たちは絶対に同点(引き分け)にはならない、俺たちがスコア(得点/殺害)するんだ(神にかけて)
She suck on my neck like she Dracula (Yeah)
彼女はドラキュラみたいに俺の首を吸う
Hit from the back, I might tackle her (Yeah)
後ろからヤる、俺は彼女にタックルするかもな
Don't ask 'bout my opps 'cause we smackin' 'em (Yeah)
俺の敵のことは聞くな、俺たちがぶっ叩いて(始末して)るんだから
Fuck my opps, they haters (Pussy)
敵なんてクソくらえだ、奴らはただのヘイターさ(腰抜け)
Fuck my opps, they hoes (Pussy)
敵なんてクソくらえだ、奴らはただのビッチさ(腰抜け)
The bitches that come around suck dick and don't pull they phone out, dem ones pros (On God)
やって来て、しゃぶって、スマホを取り出さないビッチ、そういう女がプロ(一流)なんだ(神にかけて)
※有名人と遊んでいることをSNSでひけらかさない(秘密を守れる)女性への称賛。先ほどのInterludeの女性との鮮やかな対比。
Bitch, if you love me, then spoil me (21)
ビッチ、俺を愛してるなら、俺を甘やかして(貢いで)みろよ
I treat the rap game like a toilet (On God)
俺はラップゲームをトイレみたいに扱ってる(神にかけて)
※音楽業界にクソ(Shit/最高のもの)を投下し続ける、あるいは業界を汚物のように見下しているというフレックス。
All of my kids get left in her mouth, she say she don't believe in abortions (21)
俺の子供たち(精液)はすべて彼女の口の中に残された、彼女は中絶を信じない(反対派だ)って言うからな
※中絶(abortions)とオーラルセックスをかけた、極めて下品でブラックな21 Savageらしいジョーク。
Oh, you went got you a boyfriend? (21)
おや、新しい彼氏を見つけたのか?
I see he be on his dork shit (21)
あいつはどうやら、オタク(dork)みたいな真似をしてるようだな
Nah, I ain't judgin', but they in the nosebleeds
いや、批判する気はないが、奴らは天井席(ノーズブリード)に座ってるじゃないか
You know I be on my court shit (Facts)
俺がコートサイド(最前列)にいるって、お前も分かってるだろ(事実だ)
※スポーツ観戦において、最上階の安い席(ノーズブリード)にいる元カノの新しい男を見下し、自分はコートサイドの特等席にいるという絶対的な勝者(Mob Boss)のマウントで曲を終える。
