Artist: Drake (feat. Future)
Album: Certified Lover Boy
Song Title: N 2 Deep
概要
「N 2 Deep」は、2021年のアルバム『Certified Lover Boy』に収録された、Drakeの二面性が完璧なコントラストで描かれた壮大な2部構成のトラックだ。彼が「第二の故郷」と公言してはばからないテキサス州ヒューストンを舞台に、前半(Part I)ではメランコリックで内省的な「Sad Boy」として、かつて愛した女性との純粋な関係を取り戻そうと苦悩する。しかし中盤のビートスイッチを経て、後半(Part II)ではアトランタの盟友Futureが登場し、一転してドラッグ、ストリップクラブ、金で買える愛に溺れる「Toxic」で退廃的なトラップ・バンガーへと変貌する。名声(Drakeとしての自分)を捨てて一人の男(Aubrey)として愛されたいと願いながらも、結局は深く底なしの欲望の沼(In too deep)へと沈んでいく、ヒップホップにおける最高峰のストーリーテリングとサウンド・メイキングが堪能できる一曲である。
和訳
[Part I]
[Verse 1: Drake]
Oh yeah, yeah
Kept the Galleria open 'til ten for you and your friends
君と君の友達のために、ガレリアを夜の10時まで貸し切ったんだ
※ヒューストンにある巨大な高級ショッピングモール「The Galleria」。閉店後も彼女たちのために開けさせておくという、スーパースターとしての桁違いの財力と権力(Mob Boss的要素)のアピール。
You know how I spend in H-O-U-S-T-O-N
俺がヒューストンでどんな金の使い手か、君も知ってるだろ
I get too crazy, had a little baddina
俺は少し狂いすぎちまった、ちょっとしたイケてる女もいたしな
※「baddina」は、イケてる女性(bad bitch)を意味するUK/トロント特有のスラング(browning等から派生)。
We stay good friends, we get too wavy
俺たちは良き友達のままでいる、俺たちは酔っ払いすぎちまうんだ
※「wavy」は酒やドラッグ(特にリーン)でハイになり、波のように揺らいでいる状態。
All I know is that when this cup ends, the next one begins
俺に分かるのは、このカップを飲み干せば、また次のカップが始まるってことだけさ
※終わりのないパーティと、プロメタジン・シロップ(リーン)への依存。
My bae, you know me and you knew me back then
マイ・ベイビー、君は俺を知ってるし、あの頃の俺も知ってるよな
And you know how it goes when I see you again
そして、俺がまた君に会ったらどうなるか、分かってるはずだ
You know I'm making my way to your ends
俺が君の地元に向かってるってことさ
※「ends」はUKドリルやトロントで頻繁に使われる「地元、フッド」を意味するスラング。
And you know I need you to be there for me
俺のために君にそこにいてほしいんだ、分かってるだろ
[Verse 2: Drake]
You a little Post Oak baby
君はポスト・オークのベイビーだ
※Post Oak Boulevardは、ガレリア・モールがあるヒューストンの高級エリア。
You a little forty-eight baby
君は48のベイビーさ
Got a little candy in her pocket
ポケットに少しのキャンディを忍ばせてる
※「candy」は文字通りのキャンディ(リーンを甘くするためのジョリーランチャーなど)と、エクスタシーなどのドラッグのダブルミーニング。
She gon' take off like a—
彼女はそのまま飛び立つ、まるで—
You already know (Know, know, know, know)
言わなくても分かってるだろ
Dirtied up a cup, I'm on the Northside
カップを汚して、俺はノースサイドにいる
※「Dirty a cup」はスプライトに紫色のシロップ(リーン)を混ぜて汚すこと。ノースサイドはヒューストンの北部。
Text you but I know you probably courtside
メールしたけど、どうせ君はコートサイドにいるんだろうな
※ヒューストン・ロケッツの試合を最前列(コートサイド)で観戦している、つまり他のリッチな男(パトロン)と一緒にいるという推測と嫉妬。
No, I got to come and check the whole man, baby, hold tight
いや、俺が行ってそいつら全員をチェックしなきゃな、ベイビー、そこで待ってろ
I just touched the city with the G-block stainers
Gブロックのステイナーたちと一緒に、この街に降り立ったばかりだ
※「stainers」は強盗や襲撃者(stain=汚す、強奪する)を意味するストリート・スラング。危険な取り巻きを連れて動いているという威嚇。
And we got it adopted by some fifth ward strangers
そして、フィフス・ウォードの見知らぬ奴らにそれを認めさせたんだ
※「Fifth Ward」はヒューストンの歴史的でタフなフッド(貧困街)。よそ者であるDrakeが、現地の危険な連中からもプロップス(承認)を得ているという誇示。
You know what it means when I twist these fingers
俺がこの指を曲げるのがどういう意味か、君なら分かるだろ
※ヒューストン特有のギャングサインや、街をレペゼンするハンドサインを作ること。
Me and you been on a first name basis
俺と君は、ずっとファーストネームで呼び合う仲だったじゃないか
Why you think I hate it when you talk that Drake shit?
君が「ドレイク」みたいな扱いをしてくるのを、俺がどれほど嫌がってるか分かるか?
※自分を世界的な大スター「Drake」として扱うのではなく、本名「Aubrey(オーブリー)」として接してほしいという、トップスターゆえの切実な孤独と渇望。
Same reason that you never left me hangin'
君が俺を一度も見捨てなかったのと同じ理由さ
Same reason that I tried to make you famous
俺が君を有名にしてやろうとしたのと同じ理由さ
Same reason that I tried to show you just who I was
俺が君に、自分の本当の姿を見せようとしたのと同じ理由さ
[Chorus: Drake]
Outside of the club, outside the things that a man like me does
クラブの外で、俺みたいな男がやるようなクソみたいな事の外側で
Outside of the things that would cause you to judge
君が俺を批判するような原因の外側で
Outside of the club
クラブという虚飾の外側で
Show you just who I was
君に俺の本当の姿を見せようとしたんだ
Outside of the club, outside the things that a man like me does
クラブの外で、俺みたいな男がやるような事の外側で
Outside of the things that would cause you to judge
君が俺を批判するような原因の外側で
Outside of the club
クラブの外でな
[Interlude]
Some OVO shit, let's go— have some fun, enjoy the show
OVOのノリだ、行こうぜ、楽しんで、ショーを満喫しろよ
※ここからビートが不穏に切り替わり、純粋な愛を求めていた「Aubrey」から、ドラッグと欲望にまみれたスーパースター「Drake」の狂乱の夜へとシフトする。
You know, we in Houston celebrating
ほら、俺たちはヒューストンで祝杯をあげてる
We goin' to Houston, Atlanta, Vegas
俺たちはヒューストン、アトランタ、ベガスへ行くんだ
Y'all are going to Vegas? Now we in Houston
お前らベガスに行くのか? いや、俺たちは今ヒューストンにいるぜ
We definitely goin' down
俺たちは間違いなく、底なしに落ちていくのさ
Goddamn it—
クソったれ—
[Part II]
[Chorus: Drake]
Pop that shit, pop that shit
弾けさせな、そのケツを振れ
Baby, that pussy was so worth the wait
ベイビー、あの体は待った甲斐があるほどの最高なものだったよ
I wasn't in love with none of them anyway
どうせ、他の女たちなんて誰も愛してなかったんだ
Yeah, pop that shit, pop that shit
ああ、弾けさせな、ケツを振れ
Baby, that pussy was so worth the wait
ベイビー、あの体は待った甲斐があるほどの最高なものだったよ
I wasn't in love with none of them anyway
どうせ、他の女たちなんて誰も愛してなかったんだ
Now I'm in too deep, I'm in too deep, oh
今じゃ俺は、あまりにも深くハマりすぎちまった
In too deep, in too deep, oh
深く、深すぎる沼にな
In too deep, in too deep, oh
深く、深すぎる沼にな
I'm in too deep, oh, in too deep
もう手遅れなほど、深くハマっちまったよ
[Verse: Future]
Got some bad bitches
何人かのイケてるビッチどもがいる
That's gon' fuck me for that AP
あいつら、このAP目当てで俺とヤるんだ
※「AP」は高級時計オーデマ・ピゲ(Audemars Piguet)。金と物欲で繋がるストリップクラブのリアル。
Fuck me for that AP, fuck me for that AP
APのために俺に股を開く、APのために俺とヤるのさ
If I wasn't rappin', baby, I would still be trappin', baby
もし俺がラップしてなかったとしても、ベイビー、俺は今でもトラップ(密売)をしてただろうな
Comin' down on sippin' techs, boppers on me, hella crazy
ハイテックをすすりながら乗り込む、ボッパーが俺に群がって、マジでクレイジーだ
※「techs」はHi-Tech社のプロメタジン・コデインシロップ。「boppers」はヒューストン特有のスラングで、ラッパーの取り巻きやフェラチオをする女(グループティー)を指す。
New Mercedes for my baby, 2022, updated
俺のベイビーに新しいメルセデスを、2022年の最新モデルだ
Shorty met a sponsor in the club
あの女はクラブでスポンサー(パトロン)を見つけたのさ
Shock's spend a hundred like dubs
ショックは100ドル札を20ドル札(ダブ)みたいにポンポン使うんだ
※「dubs」は20ドルのこと。100ドル札の束をまるで少額紙幣のようにクラブでばら撒く描写。
I'm lovin' droppin' bands on her
彼女に札束(バンド)を落とすのがたまらないぜ
Emilio Pucci curvin' her up
エミリオ・プッチが彼女の体のラインを際立たせる
※イタリアの高級ファッションブランド、Emilio Pucci。
We turn the studio into a strip club
俺たちはスタジオをストリップクラブに変えちまう
Got the strippers goin' way up
ストリッパーたちを最高にブチ上げさせるんだ
Drankin' on Texas and I pop two pills
テキサスの酒(リーン)を飲んで、錠剤を2つキメる
That's gon' make a nigga stay up
それで俺は朝まで起きてられるのさ
※ダウナー系のリーンと、アッパー系(またはMDMAなど)の錠剤を混ぜて夜を徹して遊ぶ危険なライフスタイル。
In too, in too deep (Pop them freaks)
深く、あまりにも深くハマっていく(あのフリークどもを弾けさせろ)
Bitch on demon time, she don't get sleep
悪魔の時間(デーモン・タイム)のビッチ、あいつは眠りになんてつかない
※「demon time」は深夜帯にSNSの裏アカウントやOnlyFansなどで性的に過激な振る舞いをすること。
You get She Nay Nay, number five five, one, two, three, woah
お前はシェネイネイみたいに騒ぎ立てる、ナンバー55、1、2、3、ウォウ
※「She Nay Nay (Sheneneh)」は、90年代のコメディ番組『Martin』でマーティン・ローレンスが演じた、ステレオタイプなゲットーの騒がしい黒人女性のキャラクター。女たちがハイになって下品に騒ぎ立てる様子を例えている。
[Chorus: Drake]
Pop that shit, pop that shit
弾けさせな、そのケツを振れ
Baby, that pussy was so worth the wait
ベイビー、あの体は待った甲斐があるほどの最高なものだったよ
I wasn't in love with none of them anyway
どうせ、他の女たちなんて誰も愛してなかったんだ
Yeah, pop that shit, pop that shit
ああ、弾けさせな、ケツを振れ
Baby, that pussy was so worth the wait
ベイビー、あの体は待った甲斐があるほどの最高なものだったよ
I wasn't in love with none of them anyway
どうせ、他の女たちなんて誰も愛してなかったんだ
Now I'm in too deep, I'm in too deep, oh
今じゃ俺は、あまりにも深くハマりすぎちまった
In too deep, in too deep, oh
深く、深すぎる沼にな
In too deep, in too deep, oh
深く、深すぎる沼にな
I'm in too deep, oh, in too deep
もう手遅れなほど、深くハマっちまったよ
