Artist: Drake
Album: Care Package
Song Title: My Side
概要
「My Side」は、2015年にサプライズリリースされシーンに衝撃を与えたミックステープ『If You're Reading This It's Too Late』のフィジカルCD版ボーナストラックとして初収録され、のちに2019年のコンピレーション作『Care Package』に再録された楽曲である。Boi-1daと40(Noah Shebib)のプロデュースによる、The 6ix特有の重苦しくもメランコリックなビートに乗せ、Drakeはニューヨークに住む自立した女性との遠距離恋愛の苦悩を吐露している。お互いに多忙を極め、「結婚や子供」といった一般的な幸せを築けない現状に対するフラストレーションと、相手の心が離れていく不安から別の女性に走ってしまうという自身のToxic(有害)な一面を赤裸々に告白している。「Sad Boy」としての女々しさと、大物スター同士の恋愛におけるリアルなパワーバランスの喪失を見事に描いた、内省的なOVOサウンドの隠れた名曲だ。
和訳
[Intro]
Yeah, that's about it
ああ、そんなところだ
This shit sound like what being rich feel like, fo real
このビートは、金持ちになるってのがどんな気分かを表してるみたいだ、マジで
※曲の冒頭から、富と成功を手に入れた自身のステータス(Mob Boss的要素)を誇示しつつも、どこか空虚な響きを持たせている。
This life shit is everywhere, you can't control it
人生ってやつは至る所に転がってて、全くコントロールできない
Too much going on
色々なことが起きすぎているんだ
Too much, too much, too much
起きすぎてる、多すぎるんだよ
Too much, too much, too much
多すぎる、抱えきれないくらいに
You, you, you
君、君、君のことばかりだ
Make me wanna take you down through there
君をあそこへ連れ込みたくなる
Make me wanna take you down through there
君をあそこへ連れて行きたくなるんだ
I'll take it there
俺がそこへ連れて行くよ
[Chorus 1]
Why you never come to where I stay?
なんで君は俺のいる場所へ来ないんだ?
Always hiding out in your New York condo
いつもニューヨークのコンドミニアムに引きこもってばかりで
※相手の女性がニューヨークに拠点を置く、自立した成功者であることを示唆。ファンの間では、当時関係が噂されていたRihannaや、特定のトップモデルを指していると考察されている。
Why you never come to where I stay?
なんで君は俺のいる場所へ一度も来ないんだ?
If anybody knows, girl, you know, I know
もし誰かがその理由を知ってるとしたら、君も俺も分かってるはずだ
Why are we wasting our relationship on a relationship?
なんで俺たちは、「関係」を築くこと自体に「俺たちの関係」を浪費してるんだ?
※「恋人同士であること」の体裁や定義に縛られすぎて、本来の愛や二人の時間を無駄にしていることへの哲学的な問いかけ。
Why are we rushing and forcing it?—this isn't making sense
なんで急いで無理やり進めようとしてるんだ? こんなの理にかなってない
Why are we focused on things
なんで俺たちは
That don't even mean nothing, girl?
何の意味もないことばかりに気を取られてるんだ?
Why can we not find the time
なんで時間を作って
And sit down and discuss it, girl?
座って話し合うことすらできないんだ?
Let me at least tell you my side of things, man
せめて俺側の言い分だけでも伝えさせてくれよ
Aw, man, aw, man, aw, man
ああ、まったく、どうなってるんだ
[Verse]
Me and you are playing house
俺と君は「おままごと」をしてるみたいだ
※真剣な恋愛関係ではなく、恋人のふりをしているだけの実体のない関係(playing house)への自嘲。
Start thinking that I'm losing touch
俺は感覚を失い始めてるんじゃないかって思い始めた
Got a tight grip on you now
今は君をきつく束縛してしまってる
Maybe I should loosen up
少し緩めた方がいいのかもしれないな
When I leave you and I go home
君のもとを離れて自分の家に帰ると
I start forgetting what it is
俺たちの関係が何だったのか忘れ始めるんだ
Start to think I got to get it how I live
自分の生き方に合わせていくしかないんだって思い始める
We too busy for a wedding or a kid
俺たちは結婚や子供を持つには忙しすぎる
※スーパースター同士の残酷な現実。お互いのキャリアが頂点にあるため、一般的な家庭を築くという選択肢が取れないことへのSad Boy的な諦観。
If I'm working then I know you working
俺が仕事してる時、君も仕事してるって分かってる
Keep in touch with other women
他の女たちとも連絡を取り続けてる
'Cause you make me nervous
だって君が俺を不安にさせるから
※Drakeの「Toxic(有害)」な一面を象徴するライン。本命の女性の心が離れていく不安を埋めるため、あえて他の女性たちをキープして保険をかけるという自己中心的な防衛本能。
I empower girls that don't deserve it
価値のない女たちに自信を与えちまってる
I don't mean to do that shit on purpose
わざとそんなことをするつもりはないんだ
It's just that when I go home
ただ、家に帰ると
I start forgetting what it is
俺たちの関係が何だったのか忘れ始めるんだ
The dream is over, I get lost up in the 6
夢は終わり、俺は「The 6」の中で迷子になる
※「The 6」はトロントの市外局番(416/437)に由来するDrake特有の呼称。ニューヨークにいる彼女との華やかな時間(夢)から現実(トロントの孤独な夜)に引き戻される虚無感を表現している。
[Chorus 2]
And you don't ever come to where I stay at
それに君は絶対に俺のいる場所へ来ない
You just rather stay up in your New York condo
君はただ、ニューヨークのコンドミニアムに引きこもっていたいだけ
You don't ever come to where I stay at
君は絶対に俺のいる場所へ来ない
If anybody knows, girl you know, I know
もし誰かがその理由を知ってるとしたら、君も俺も分かってるはずだ
Why are we wasting our relationship on a relationship?
なんで俺たちは、「関係」を築くこと自体に「俺たちの関係」を浪費してるんだ?
You know how sticky these situations get
こういう状況がどれだけ厄介になるか、君も分かってるだろ
You go up higher than me some days
日によっては、君は俺より高いところへ行ってしまう
※相手の女性がDrakeと同等、あるいはそれ以上の名声や成功を収めている「トップスター」であることを裏付ける決定的なライン。恋愛におけるパワーバランスの喪失と、男としてのプライドの揺らぎを示している。
You know what I think we could be some day
いつか俺たちがどうなれるか、俺がどう思ってるか君は知ってるだろ
Let me at least show you my side of things, man
せめて俺側の言い分だけでも見させてくれよ
Aw, man, aw, man, aw, man
ああ、まったく、どうなってるんだ
