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Talk Up - Drake (feat. JAY-Z) 【和訳・解説】

Artist: Drake (feat. JAY-Z)

Album: Scorpion

Song Title: Talk Up

概要

2018年の2枚組メガアルバム『Scorpion』のA面(ラップ・サイド)に収録された「Talk Up」は、ヒップホップ界の生ける伝説JAY-Zを客演に迎え、Three 6 MafiaのDJ Paulが手掛けたメンフィス由来のダークなトラップ・ビートが響くハードコアな一曲である。Drakeのバースでは、Pusha TやKanye Westとの歴史的ビーフの真っ只中にありながら、SNS上のノイズを無視し、自分がいかに商業的・音楽的な頂点(Mob Boss)に君臨しているかを冷酷に誇示している。そしてこの楽曲を伝説的なものにしているのが、JAY-Zの客演バースである。彼は自身のドラッグ・ディーラー時代からビリオネアへの軌跡を語りつつ、アルバムリリース直前に凶弾に倒れた若きラッパーXXXTentacionの死と、トレイボン・マーティン射殺事件の犯人ジョージ・ジマーマンが未だに野放しになっている理不尽な現実を引き合いに出し、「ストリートは終わっている」と痛烈に批判した。王座を守るDrakeと、シーンを俯瞰するゴッドファーザーJAY-Zの、恐るべきカリスマ性が交差するマスターピースだ。

和訳

[Intro: Drake]

Ayy, nigga, get the—
おい、野郎、アレを取れ—

DJ Paul
DJ・ポール
※プロデューサーであるThree 6 MafiaのDJ Paulへのシャウトアウト。

TWhy
T・ワイ

Ayy, ayy

Lot of sixs in here tonight
今夜はここにシックス(トロント)の連中が大勢いるぜ

Yeah, yeah, ayy

(Dopeman!)
(ドープマン!)

[Verse 1: Drake]

Ten of us, we movin' as one
俺たち10人は、まるで1つの生き物のように動く

I'm so proud of who I've become
自分が今の自分になったことを、心から誇りに思うよ

You might think I've taken some lumps
俺がひどい打撃(コブ)を食らったと、お前らは思ってるかもしれないが
※「Take lumps」は打撃を受ける、敗北を味わうというイディオム。Pusha Tからの痛烈なディス(隠し子の暴露など)によるダメージを指している。

Only if we talkin' 'bout sums (Yeah)
「大金(サムズ)」の話をしてるなら、確かにそうかもな
※「Lump sums(一括払いの大金)」という言葉遊び。打撃(Lumps)を受けたのではなく、一括(Lump)で巨額の金(Sums)を受け取っただけだというMob Bossとしての見事な切り返し。

Intentions are pure, they cannot tell me "relax"
俺の意図は純粋だ、誰も俺に「落ち着け」なんて言えやしない

My mentions are jokes, but they never give me the facts
俺のメンション(通知)は冗談みたいな悪口ばかりだが、奴らは決して事実を突きつけてこない

This isn't that, can't be ignorin' the stats
これはそんな次元の話じゃない、この圧倒的なスタッツ(数字)を無視することはできないはずだ

Based off of that, they gotta run me the max
その実績を踏まえれば、奴らは俺に上限(マックス)の額を支払わなきゃならない

They gotta run me the max, they gotta double the racks
俺に上限額を払い、その札束をさらに倍にふくらませる必要がある

They had it set up for real, but they didn't come with the slaps
奴らは本気で罠を仕掛けてきたが、結局ヤバい曲(スラップ)は一つも出せなかったな
※Drakeを潰すためにKanye West陣営が立て続けにアルバムをリリースしたが、商業的にも音楽的にもDrakeを脅かすようなバンガー(Slaps)はなかったという皮肉。

When I heard the shit I was skippin' through that
そのクソみたいな曲を聴いた時、俺は全部スキップしてやったよ

If I get it trippin', it's no comin' back
もし俺が本気でブチ切れたら、もう後戻りはできないぜ

I don't understand, these niggas gotta adapt
理解できないね、こいつらは現状に適応しなきゃならないんだ

You know where I'm at, I put the six on the map
俺がどこにいるか分かるだろ、俺がシックス(トロント)を地図に載せた(有名にした)んだ

Your shorty was bent, she wanted to vent, I promise it fell in my lap
お前の女は酔っ払って、愚痴をこぼしたがっていた、誓って言うが勝手に俺の膝の上に転がり込んできたんだ

My money is young, my problems are old
俺の金は新しく入り続けるが、俺が抱える問題は昔のままだ

I promise I'm bridgin' the gap
約束するよ、俺がそのギャップを埋めてやるってな

[Chorus: Drake]

Woo! You know what I'm sayin'?
ウー! 俺の言ってること分かるか?

Woo! Ayy, ayy, yeah, you know what I'm sayin'?
ウー! エイ、エイ、イェー、俺の言ってること分かるか?

(Gyeah, gyeah, gyeah, gyeah!)
(ギャー、ギャー、ギャー、ギャー!)

Niggas provoke, this shit ain't a joke, man, nobody playin'
野郎どもは挑発してくるが、これは冗談じゃない、なあ、誰も遊びでやってるわけじゃないんだ

"He's at the top," and "he's at the top," but nobody stayin'
「あいつが頂点だ」「いや、あいつが頂点だ」って騒ぐが、誰もそこに居続けられはしない

These niggas around, but they ain't around, you know what I'm sayin'?
こいつらは周りにいるように見えて、実際には側にいない、俺の言ってること分かるか?

Say that they down, when they shit is down, you know what I'm sayin'?
奴らは自分たちの調子が悪い時だけ「俺たちは仲間だ」と言い寄ってくる、言ってること分かるか?

Yeah, you know what I'm sayin'?
ああ、俺の言ってること分かるだろ?

Ayy, ayy, yeah, you know what I'm sayin'?
エイ、エイ、ああ、分かるだろ?

[Verse 2: JAY-Z]

Yo, get close enough to Hov, smell like a kilo still (Still)
ヨー、ホヴィ(俺)に近づいてみろ、未だにキロ単位のコカインの匂いがするぜ
※JAY-Zの愛称Hov(Jay-Hova)。ビリオネアになった今でも、ドラッグディーラー時代のストリートの匂いを纏っているという貫禄のフレックス。

First album at twenty six, I ain't need no deal (Real)
ファーストアルバムを出したのは26歳の時、俺にレコード契約なんて必要なかった
※JAY-Zが1996年に『Reasonable Doubt』をリリースした際、メジャーと契約せず自らRoc-A-Fella Recordsを立ち上げた歴史。

Already a hood legend, I ain't need no Shyne (Woo)
すでにフッドの伝説だった俺には、シャイン(輝き)なんて必要なかったのさ
※「Shine(輝き)」と、Bad Boy Recordsに所属していたラッパー「Shyne」を掛けたワードプレイ。クラブでの銃撃事件でPuff Daddyの身代わりとなって服役したShyneを引き合いに出し、自分には誰かの庇護や身代わりは不要だったと語る。

First Rollie flooded out, I ain't see no time, woah
最初のロレックスはダイヤで埋め尽くされていて、時間なんて見えやしなかった

Stand-up niggas, we only duckin' indictments
俺たちは義理堅い本物の男たちだ、俺たちが逃げるのは警察の起訴状からだけさ

Dope boys, Off-White, lookin' like soft white on 'em
ドープ・ボーイズたちがオフホワイトを着ている、まるでソフト・ホワイト(コカイン)を纏っているようにな
※Virgil Ablohのブランド「Off-White」と、コカインの隠語である「Soft white」を掛けた鮮やかなライン。

Heh, you know what I'm sayin'?
ヘッ、俺の言ってること分かるか?

We in the buildin', we came for a billion, ain't nobody playin'
俺たちがこのビルに乗り込んだのは、10億ドル(ビリオネア)のためだ、誰も遊びなんかじゃねえ

Live every word that I'm rappin', say I lost ninety bricks and it happened
自分がラップする言葉のすべてを体現して生きている、「90個のレンガ(薬物)を失った」と言えば、それは実際に起きたことなんだ

You probably wouldn't believe everything that you seein' right now if it wasn't live action
もしこれが実写(ライブアクション)じゃなかったら、今お前が見ているこの現実を信じられないだろうな

I ain't on the 'Gram, they record who I am
俺はインスタグラム(グラム)なんてやらない、奴らが俺という存在を勝手に記録していくんだ
※「Gram」はInstagramと、グラム単位のドラッグのダブルミーニング。SNSで自己顕示しなくても歴史に名が刻まれる真のボスとしての風格。

God to these dope boys, how do you not be a Hov fan?
このドープ・ボーイズたちにとっての神だぜ、どうやったらホヴのファンにならずにいられるんだ?

I'm what Meech shoulda been, I'm what Supreme didn't become
俺はミーチがなるべきだった姿であり、シュプリームがなれなかった姿だ
※Big Meech(BMFの創設者)とKenneth "Supreme" McGriff(Supreme Teamのボス)。どちらも伝説的な麻薬王だが、最終的に終身刑などで刑務所行きとなった。彼らと違い、裏社会から合法的なビリオネアへと転身できた唯一無二の成功者であるという宣言。

If Alpo didn't snitch, niggas'd be like Young
もしアルポが密告(スニッチ)しなかったら、奴らも俺(ヤング)みたいになれていたかもしれないな
※Alpo Martinezはハーレムの伝説的麻薬王だが、警察に寝返って密告者(スニッチ)となったことでストリートの尊敬を失った。「Young」はJAY-Zの別名(Young Hov)。

I got your President tweetin', I won't even meet with him
お前らの大統領が俺についてツイートしているが、俺はあんな奴と会う気すらねえよ
※2018年、ドナルド・トランプ大統領がJAY-ZをTwitterで名指しで批判したことに対するアンサー。

Y'all killed X and let Zimmerman live, shhh, s-streets is done
お前らはXを殺しておきながら、ジマーマンは生かしておくんだな、シーッ、ストリートはもう終わってるぜ
※ヒップホップ史に残る衝撃的なパンチライン。このバースが録音された直前の2018年6月18日、若き天才ラッパーXXXTentacion(X)が強盗に射殺された。その一方で、2012年に無抵抗の黒人少年トレイボン・マーティンを射殺しながら無罪放免となったジョージ・ジマーマンは未だに生きながらえている。ストリートの掟が完全に崩壊し、才能ある若者を奪う社会の理不尽さを、ゴッドファーザーとして痛烈に嘆き、非難している。

[Chorus: Drake]

You know what I'm sayin'?
俺の言ってること分かるか?

Ayy, ayy, yeah, you know what I'm sayin'?
エイ、エイ、イェー、俺の言ってること分かるか?

(Gyeah, gyeah, gyeah, gyeah!)
(ギャー、ギャー、ギャー、ギャー!)

Niggas provoke, this shit ain't a joke, man, nobody playin'
野郎どもは挑発してくるが、これは冗談じゃない、なあ、誰も遊びでやってるわけじゃないんだ

"He's at the top," and "he's at the top," but nobody stayin'
「あいつが頂点だ」「いや、あいつが頂点だ」って騒ぐが、誰もそこに居続けられはしない

These niggas around, but they ain't around, you know what I'm sayin'?
こいつらは周りにいるように見えて、実際には側にいない、俺の言ってること分かるか?

Say that they down, when they shit is down, you know what I'm sayin'?
奴らは自分たちの調子が悪い時だけ「俺たちは仲間だ」と言い寄ってくる、言ってること分かるか?

Yeah, you know what I'm sayin'?
ああ、俺の言ってること分かるだろ?

Ayy, ayy, yeah, you know what I'm sayin'?
エイ、エイ、ああ、分かるだろ?