Artist: Drake (feat. JAY-Z)
Album: Thank Me Later
Song Title: Light Up
概要
「Light Up」は、2010年のデビューアルバム『Thank Me Later』に収録された、ヒップホップ界の帝王JAY-Zを客演に迎えた重要曲である。突如としてシーンの頂点に立ち、過酷なスケジュールと周囲の嫉妬に晒される若きDrakeの「成功者の孤独と傲慢さ」を描くVerse 1に対し、Verse 2ではJAY-Zがメンターとして「名声に伴う裏切りと罠」について映画『ゴッドファーザー』を引用しながら冷酷なアドバイスを送るという、マフィア映画のような師弟関係の構図となっている。Tone Masonと40による荘厳で哀愁漂うビートの上で、純粋だった青年がスターダムの強烈な光(Light)を浴びて「モンスター」へと変わっていく過程を記録した、OVO史に残るクラシックである。
和訳
[Verse 1: Drake]
Uh, I've been up for four days, gettin' money both ways
あぁ、もう4日間も寝ずに起きっぱなしで、両方のやり方で金を稼いでる
Dirty and clean, I could use a glass of cold Spades
汚い金と綺麗な金さ。冷えたスペーズのグラスが一杯欲しいところだ
※「Spades」は高級シャンパンのAce of Spades(JAY-Zが所有するブランド)のこと。客演のJAY-Zへの敬意とMob Boss的なフレックス。
Rolexes, chauffers and low fades
ロレックスに、お抱え運転手に、低めのフェードカット
I keep thinkin', how young can you die from old age?
ずっと考えてるんだ、人はどれくらい若くして「老衰」で死ねるんだろうなって
※若くしてあまりにも過酷な労働と濃密な人生を送っているため、精神と肉体が老成しきっている(Sad Boy的な疲弊)ことを表す見事なパンチライン。
They always tell me: "Nobody's workin' as hard as you"
周りはいつも俺に「お前ほどハードに働いてる奴はいない」って言う
And even though I laugh it off, man, it's probably true
笑い飛ばしてはいるが、なぁ、たぶんそれは本当のことだ
'Cause while all of my closest friends out partyin'
だって、俺の親友たちが外でパーティーして遊び歩いてる間
I'm just here makin' all the music that they party to
俺はここで、あいつらがパーティーで盛り上がるための音楽をひたすら作ってるんだからな
But party on, party on all night, nigga
でもせいぜいパーティーを続けな、一晩中やってろよ
I got these new rappers nervous: prom night, nigga
俺は新人ラッパーどもをビビらせてるんだ、プロムの夜みたいにな
※「プロム(高校のダンスパーティー)の夜の童貞」のように、Drakeの圧倒的な存在感を前にして同業者が緊張している様を皮肉っている。
I grow tired of these fuckin' grown man liars
いい歳して嘘ばかりつく大人の男どもにはウンザリだ
Storytellers, they ain't even need a campfire
見事なストーリーテラー(ホラ吹き)どもめ、キャンプファイヤーすら必要ないな
Uh, but I just want to tell the truth
あぁ、でも俺はただ真実を語りたいだけなんだ
Before one of these haters load a couple shells and shoot
ヘイターの誰かがショットガンに弾を込めて撃ってくる前にな
The shit feel like when Fredro Starr
今の気分はまるで、フレドロ・スターが
Was in Sunset Park stuntin' hard in his yellow goose - yeah!
『サンセット・パーク』で黄色いダウンを着て、イキり散らしてた時みたいな感じだ、イェー!
※1996年の映画『Sunset Park』に出演したラッパーFredro Starrの役柄へのリファレンス。派手な格好(yellow goose)で目立ち、標的にされる状況を自分と重ねている。
And I'm a motherfuckin' missed target
俺は弾を避け続けるクソみたいな標的さ
But a target nonetheless, and I just started
でも標的であることには変わりないし、俺の快進撃はまだ始まったばかりだ
Was that directed at moi? Can't be
今のディスは俺(モワ)に向けたものか?まさかな
※"moi" はフランス語で「私」。
They must be talkin' to themselves, Hov: hands free
連中は独り言を言ってるに違いないぜ、Hov、ハンズフリーでな
※Bluetoothのハンズフリーイヤホンで通話している人が独り言を言っているように見えることと、Drakeに直接ディスを向ける度胸がない連中の陰口を重ねている。「Hov」はJAY-Zの愛称。
Yeah, and I'm just fillin' up this daily planner
あぁ、俺はこのデイリープランナー(手帳)の予定を埋めるだけだ
Gettin' busy 'cause I'm a star: no spangled banner
忙しくしてるよ、俺はスターだからな。星条旗(スパンクル・バナー)じゃなくね
※アメリカ国歌『The Star-Spangled Banner』と自分がスターであることを掛けた言葉遊び。
Jealous dudes get to talkin' in they music
嫉妬深い野郎どもは、自分たちの曲の中で俺の陰口を叩き始める
And I just say I wrote it for your girlfriends: Kelsey Grammer
俺はただ「お前らの彼女のために曲を書いたのさ」って言うだけだ、ケルシー・グラマーのようにな
※俳優Kelsey Grammerが女性ファンを多く惹きつけるキャラクターを演じていたことや、彼の番組『Frasier』のテーマ曲に絡めたリファレンス。お前らの彼女は俺の曲に夢中だという皮肉。
Yeah, that's what life becomes when you're doin' you
あぁ、自分らしく生きていると、人生はこういう風になっちまうんだ
Welcome to Hollywood, don't let this town ruin you
ハリウッドへようこそ、この街に自分を壊されないように気をつけな
And if you pillow-talkin' with the women that are screwin' you
もし自分とヤッてる女たちとピロートーク(ベッドでの秘密の話)をしてるなら
Just know that she gon' tell another nigga
これだけは知っておけ、彼女は必ず別の男にその話をペラペラ喋る
When she through with you
君に用が済んだ後にな
Don't get impatient when it takes too long
時間がかかりすぎても焦るな
Drink it all, even when it tastes too strong
味が濃すぎた(辛い経験の)としても、すべて飲み干せ
Yeah, I got to feel alive, even if it kills me
あぁ、俺は生きていると実感しなきゃならない、たとえそれが原因で死ぬとしても
Promise to always give you me, the real me
いつだって「俺自身」、リアルな俺をお前らに届けると誓うよ
[Chorus: Drake & Jay-Z]
Who would've thought I'd be caught in this life?
俺がこんな人生に囚われるなんて、誰が想像しただろう?
Let's celebrate with a toast and get lost in tonight
祝杯を挙げて、今夜という時間に迷い込もう
And make it all light up
そして、すべてを明るく照らし出そう(Light up)
(Ay Guru tell, tell homegirl to open that Ace right there...)
(おいGuru、そこの彼女にあのAce of Spadesを開けるように言ってくれ…)
※GuruはJAY-Zの長年のレコーディングエンジニア。
Wait until the sun goes down
太陽が沈むまで待つんだ
We gon' make this bitch light up
俺たちがこの場所を明るく照らしてやる
Even when the sun goes down I'ma make it go
太陽が沈んだ後でも、俺が光を放ち続けるさ
[Verse 2: Jay-Z]
Oww, hoes turn they heads like owls
オゥ、女どもがフクロウみたいに首を回してこっちを見るぜ
I'm the man of the hour
俺は「時の人」だからな
※"hour"(時間)と"owl"(フクロウ=OVOのシンボル)の言葉遊び。
Triple entendre, don't even ask me how
トリプル・ミーニング(3重の意味)だ、どうやったかなんて聞くなよ
Con Edison flow, I'm connected to a higher power
コン・エジソンのフロウ、俺はさらに高い力(権力/高圧電流)と繋がってるんだ
※「Con Edison」はニューヨークの巨大電力会社。ラッパーとしての自身の圧倒的なパワーと、電力をかけている。
Bright lights'll make your whole city light up
眩い光が、お前の街全体を明るく照らす
A trillion-watt light bulb when I'm in the night club
俺がナイトクラブにいる時は、1兆ワットの電球みたいな輝きさ
I just landed in that G450
ガルフストリームG450(プライベートジェット)から降り立ったばかりだ
Caught the Mayweather fight 'cause the satellite was crispy, uhh
上空の衛星放送の画質が最高だったから、メイウェザーの試合もバッチリ観れたぜ
Y'all can miss me with the money talk
お前らのちっぽけな金の話なんて、俺には一切関係ないね
The smart money's on Hov', fuck what the dummies talk, uhh
賢い投資家はHov(俺)に賭ける。馬鹿どもの戯言なんてクソ食らえだ
I don't do too much bloggin'
俺はブログ(ネットでの小競り合い)なんて大してやらない
I just run the town, I don't do too much joggin'
俺はこの街を仕切ってる(run the town)んだ、ジョギング(run)なんて大してしないのさ
Mm, I ain't got a scar yet
あぁ、俺にはまだ傷一つついてない
'Cause you fuckin' around with me and my dogs is far-fetched
お前らが俺や俺の仲間(dogs)に手を出そうなんて、現実離れした(far-fetched=犬が遠くの物を取ってくることとのダブルミーニング)話だからな
Drake, here's how they gon' come at you
Drake、よく聞け。奴らはお前にこうやって近づいてくる
With silly rap feuds, tryin' to distract you
くだらないラップのビーフを仕掛けて、お前の気を散らそうとする
In disguise, in the form of a favor
好意(親切)を装って、変装して近づいてくるんだ
The Barzini meeting, watch for the traitors, uhh
「バルジーニとの会合」だ、裏切り者には気をつけろよ
※映画『ゴッドファーザー』からの強烈な引用。マフィアのドン・コルレオーネが息子のマイケルに「敵対するバルジーニとの会合をセッティングしてくる奴が、お前を裏切る身内だ」と忠告した名シーン。JAY-Zが若きボスであるDrakeに対し、業界の狡猾な裏切りを警告している。
I done seen it all, done it all
俺はすべてを見てきたし、すべてを経験してきた
That's why none of these dum-dums could done him off
だからこそ、あの馬鹿どもの誰一人として彼(俺)を消すことができなかったのさ
The summer's ours, the winter too
夏は俺たちのものだ、そして冬もな
Top down in the winter, that's what winners do
冬でもオープンカーの屋根を開けて走る、それが勝者のすることだ
And to these niggas I'm like Windows 7
そしてこいつらから見れば、俺はまるでWindows 7みたいなものだ
You let them tell it, they swear that they invented you
奴らに言わせりゃ、自分たちが俺(というOS/スタイル)を発明したって本気で誓うだろうよ
※後進のラッパーたちが、さも自分が起源であるかのように主張することを皮肉っている。
And since no good deed go unpunished
そして、「善い行いは必ず罰を受ける(恩を仇で返される)」から
I'm not as cool with niggas as I once was
俺はもう、昔ほど連中に対してクール(親切)には接しない
I once was cool as the Fonz was
昔は「フォンズ」みたいに最高にクールな男だったがな
※70年代のTVドラマ『Happy Days』の主人公Arthur "Fonzie" Fonzarelliのこと。クールさの象徴。
But these bright lights turned me to a monster
でも、この強烈な名声の光が、俺を冷酷な「モンスター」に変えちまったんだ
Sorry, mama, I promised it wouldn't change me
ごめんよ、ママ。自分は絶対に変わらないって約束したのに
But I would have went insane had I remained the same me
でも、もし昔のままの俺でいたら、狂っちまってたはずさ
Fuck niggas! Bitches, too!
野郎どもはクソ食らえだ!ビッチどももな!
All I got is this money—this'll do
俺に残されたのはこの金だけだ—でも、これで十分やっていける
[Chorus: Drake]
Who would've thought I'd be caught in this life?
俺がこんな人生に囚われるなんて、誰が想像しただろう?
Let's celebrate with a toast and get lost in tonight
祝杯を挙げて、今夜という時間に迷い込もう
And make it all light up
そして、すべてを明るく照らし出そう
Wait until the sun goes down
太陽が沈むまで待つんだ
We gon' make this bitch light up
俺たちがこの場所を明るく照らしてやる
Even when the sun goes down I'ma make it go
太陽が沈んだ後でも、俺が光を放ち続けるさ
