Artist: Travis Scott (feat. Kid Cudi)
Album: UTOPIA
Song Title: LOOOVE
概要
トラヴィス・スコットの4thアルバム『UTOPIA』(2023年)に収録された、ダークでサイケデリックなバウンス・トラック。特筆すべきは、この楽曲のオリジナル・デモが2014年頃(彼のデビューアルバム『Rodeo』以前)にPharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)のプロデュースによって制作されていたという歴史的背景である。約9年の時を経て、トラヴィス自身のメンターであり最大のインスピレーション源であるKid Cudi(キッド・カディ)のヴァースを新たに追加し、完成形として世に放たれた(通称"The Scotts"の再結集)。下積み時代の飢え(ラマダン)から、パリのファッションウィークの最前列へと上り詰めた二人のカリスマが、周囲からの異常な「愛(LOOOVE)」と狂騒、そしてファッションとストリートの交差をアヴァンギャルドに歌い上げる、初期トラヴィスの凶暴な熱量と現在の洗練が見事に融合した一曲である。
和訳
[Chorus: Travis Scott]
I get it, I get it, I get it, love
分かってる、分かってるぜ、愛ってやつさ
They love me, they love me, love me long time
奴らは俺を愛してる、愛してるんだ、ずっと長く愛してくれる
※「Love me long time」は、映画『フルメタル・ジャケット』に登場するベトナム人娼婦のセリフに由来し、2 Live Crewなどを経てヒップホップ界隈で「長く愛する(激しく愛し合う)」という意味で定着したクラシックなフレーズ。
I get it, I get it, I get it, love
分かってる、分かってるぜ、愛ってやつさ
They love me, they love me, love me long time
奴らは俺を愛してる、愛してるんだ、ずっと長く愛してくれる
I get it, I get it, I get it, love
分かってる、分かってるぜ、愛ってやつさ
They love me, they love me, love me long time (Long time, long time)
奴らは俺を愛してる、愛してるんだ、ずっと長く愛してくれる(ずっと長くな)
I get it, I get it, I get it, love
分かってる、分かってるぜ、愛ってやつさ
They love me, they love me, love me long time (Long time, long time)
奴らは俺を愛してる、愛してるんだ、ずっと長く愛してくれる(ずっと長くな)
[Refrain: Travis Scott]
Y'all feel, y'all feel like that?
お前らも、そんな風に感じるか?
Y'all feel, y'all feel like that?
お前らも、そんな風に感じるか?
[Verse 1: Travis Scott]
They give me, they give me love, they love the Scott
奴らは俺に愛をくれる、スコット(俺)を愛してるんだ
They love how the disc rock, they lovin' the Jac'
奴らはディスク(レコード/音楽)の揺らし方を愛し、ジャックを愛してる
※「Jac'」はトラヴィスの本名(Jacques)であり、彼のレーベル「Cactus Jack」のこと。
No Wi-Fi, we hot spottin', connected the block
Wi-Fiじゃねえ、俺たちがホットスポットになって、ブロック(地元)を繋いでるのさ
※ネット回線のホットスポットではなく、自分たち自身がストリートを熱狂させる「ホットな震源地」として機能しているというワードプレイ。
Rollin' through the club, we feelin' the love
クラブを流す、愛を感じてるぜ
Iller than my trees, they jockin' my steeze, please
俺のハッパ(ツリー)よりもヤバい(イル)ぜ、奴らは俺のスタイル(スティーズ)をパクりたがる、勘弁してくれ
Five hundred degrees, nigga, who hotter than me? (Bitches, yeah)
500度(ディグリーズ)だぜ、なぁ、俺より熱い(ホットな)奴がどこにいる?(ビッチ共、イェー)
※Cash Money RecordsのLil Wayneの2002年のアルバム『500 Degreez』(さらにその元ネタであるJuvenileの『400 Degreez』)へのシャウトアウト。サウス・ヒップホップの血統としての自負。
[Refrain: Travis Scott]
Y'all feel, y'all feel like that?
お前らも、そんな風に感じるか?
Y'all feel, y'all feel like that?
お前らも、そんな風に感じるか?
[Chorus: Travis Scott]
They love me, love me, love me, yeah, they love me long time
奴らは俺を愛してる、愛してるんだ、イェー、ずっと長く愛してくれる
They love me, they love me, love to show me love (Love)
俺を愛してる、愛してるのさ、俺に愛を示すのが大好きなんだ(愛をな)
They love me, love me, love me, yeah, they love me long time
奴らは俺を愛してる、愛してるんだ、イェー、ずっと長く愛してくれる
They love me, they love me, love to show me love (Love)
俺を愛してる、愛してるのさ、俺に愛を示すのが大好きなんだ(愛をな)
[Refrain: Travis Scott]
Y'all feel, y'all feel like that?
お前らも、そんな風に感じるか?
Y'all feel, y'all feel like that?
お前らも、そんな風に感じるか?
[Verse 2: Travis Scott]
Come and kick back with us
こっちに来て、俺たちとくつろごうぜ
This a new religion, come and have mass with us
これは新しい宗教(リリジョン)だ、俺たちと一緒にミサ(マス)を受けな
Tell me, have you made love to a bachelor-turned-ambassador?
教えてくれ、ただの独身男(バチェラー)からアンバサダー(大使)に成り上がった男とメイク・ラブしたことはあるか?
※何者でもなかった男から、世界的ラグジュアリーブランド(Dior)やNikeのグローバル・アンバサダーへと飛躍した圧倒的なフレックス。
Used to grow up in the backwoods
昔はバックウッズ(田舎/ハッパの巻紙)で育ったもんさ
Come take a ride with the real, it's the last of us
本物(リアル)と一緒にドライブしようぜ、俺たちみたいな存在はもう最後(ラスト・オブ・アス)だからな
We gon' make them Vogue bitches turn racheter
Vogueに載るような気取ったビッチ共も、俺たちが下品(ラチェット)に変えてやるよ
※「racheter」はフランス語起源の「ratchet(下品な/ゲットーな)」という意味のスラング。ハイエンドなファッション界の女性たちでさえ、トラヴィスの前ではストリートの享楽的な本性を現すという表現。
First task, 'nihilate, you used to laugh at us
最初のタスクは「完全破壊(アナイアレイト)」だ、お前らは昔、俺たちを笑ってたよな
Pass the Actavis 'cause a nigga past passivist
アクタヴィス(咳止めシロップ)を回せ、俺はもう平和主義者(パシビスト)の段階は過ぎた(パスト)んだ
※「Actavis(現在は製造中止の最高級コデインシロップ)」「past(過ぎた)」「passivist(平和主義者/受け身)」で踏んだ高度な言葉遊び。
Imagine my world of misogyny
俺のミソジニー(女性蔑視)の世界を想像してみな
Nigga, fuck a, fuck a monogamy
なぁ、一夫一婦制(モノガミー)なんてクソくらえだ
Got her head tipped over the driver's seat
彼女の頭を運転席のシート越しに傾けさせる
Meet me, don't go tell my mama 'bout this, baby
俺に会いに来な、でもうちのママにはこのこと内緒にしてくれよ、ベイビー
※過激な性生活や複数の女性との関係を、母親には知られたくないという人間臭いライン。
Hold up, we gon' own the summer
待てよ、俺たちがこの夏を支配(オウン)するんだ
Never, never stressin', no, we always hit the numbers
絶対に、絶対にストレスなんて感じねえ、いや、俺たちはいつだって数字(ナンバーズ)を叩き出すからな
Cuzzo always stressin', always cuffin' different numbers
従兄弟(カゾ)はいつもストレス抱えてる、いつも違う番号(手錠/女の電話番号)を掛けられてるからな
※「cuffing」は手錠をかけられる(逮捕される)ことと、女性を独占する(cuffing season)ことのダブルミーニング。
Know he tired of makin' shit, you know the streets don't make diplomas
あいつもシット(違法なビジネス)を作るのにウンザリしてるんだ、ストリートじゃ卒業証書(ディプロマ)なんか発行されねえからな
Drunk somethin', tryna find my keys
何か酒を飲んで、鍵を探そうとしてる
I find myself lookin' down at the stars, the bees
気がつけば、星たちや蜂(ビーズ)を見下ろしている自分に気づくんだ
※ロールス・ロイスのスターライトヘッドライナー(星空の天井)、あるいはスターダムの頂点から下界を見下ろしているというメタファー。
The stars align, remember when it was Ramadan
星々が一直線に並ぶ、ラマダン(断食月)だった頃を思い出すぜ
※「Ramadan(イスラム教の断食月)」を、金がなくて飯が食えず、飢えていた下積み時代の暗喩として用いている。
Might try a line, might try some crime, might try to dime
ライン(コカイン)を試すかもしれない、犯罪に手を染めるかもしれない、密告(ダイム)しようとするかもしれない
But now it's time
だが、今がその時(ブレイクする時)だ
Baby, now it's time, na-na-na-na-na
ベイビー、今がその時さ、ナ・ナ・ナ…
Na-na-na-na-na, na-na-na-na-na
ナ・ナ・ナ・ナ・ナ…
I get the love and they givin' it up like
俺は愛を手に入れ、奴らはそれを捧げてくれるのさ、こんな風にな
[Chorus: Travis Scott]
I get it, I get it, I get it, love
分かってる、分かってるぜ、愛ってやつさ
They love me, they love me, love me long time
奴らは俺を愛してる、愛してるんだ、ずっと長く愛してくれる
I get it, I get it, I get it, love
分かってる、分かってるぜ、愛ってやつさ
They love me, they love me, love me long time (Time, time)
奴らは俺を愛してる、愛してるんだ、ずっと長く愛してくれる(ずっと、ずっと)
I get it, I get it, I get it, love
分かってる、分かってるぜ、愛ってやつさ
They love me, they love me, love me long time (Long time, long time)
奴らは俺を愛してる、愛してるんだ、ずっと長く愛してくれる(ずっと長くな)
I get it, I get it, I get it, love
分かってる、分かってるぜ、愛ってやつさ
They love me, they love me, love me long time (Long time, long time)
奴らは俺を愛してる、愛してるんだ、ずっと長く愛してくれる(ずっと長くな)
[Refrain: Travis Scott]
Y'all feel, y'all feel like that?
お前らも、そんな風に感じるか?
Y'all feel, y'all feel like that?
お前らも、そんな風に感じるか?
[Interlude: Travis Scott]
It's on fire toni—
今夜は燃え上がってるぜ…
[Verse 3: Kid Cudi]
The night is too young and the love in the air, it hit me
夜はまだ始まったばかりで、空気中の愛が俺を打ちのめす
※ここから、トラヴィスに多大な影響を与えたメンターであるKid Cudi(キッド・カディ)のヴァース。
Follow all the vibes, I'm in every city
あらゆるバイブスに従い、俺はすべての都市を飛び回る
Gamble with your life, thinkin' 'bout it woday
命を懸けてギャンブルしろ、そのことを考えな、ウォディ(相棒)
※「woday/woadie」はニューオーリンズ発祥のスラングで「仲間/兄弟」のこと。
Tell ya homie chill tonight, you don't want it with him
お前のホーミーに今夜は大人しくしてろって伝えな、あいつと揉めたくはないはずだぜ
We raise our glasses, the madness
俺たちはグラスを掲げる、この狂気(マッドネス)にな
The tiny waist, the asses, dancin' in trances
細いウエスト、デカいケツ、トランス状態で踊り狂う
Baby say she ready and we 'bout to find out
ベイビーは準備できてるって言うから、これから俺たちが確かめてやるのさ
Don't be mad that your girl done found 'bout
お前の彼女が気づいちまったからって、怒るなよ
And we get it
俺たちは手に入れるんだ
Never lied, rager-fied, on a mission
嘘はつかない、レイジャー化(狂熱化)して、ミッションを遂行中さ
※「rager-fied」はCudiの代表的なペルソナである「Mr. Rager」に由来。これがトラヴィスに受け継がれ、現在の彼のファンベース「Ragers」の語源となっている。
And they lookin' like they know, but they didn't
奴らは分かってるような顔をしてるが、何も分かっちゃいない
Let me slip into my mode, I slip round the notes
俺のモードに入らせてくれ、音符(ノート)の間を滑るように乗っていくのさ
Smokin' plenty with tequila, baby
テキーラと一緒に、ハッパを大量に吸ってるぜ、ベイビー
Members of The Rage runway with it
「The Rage」のメンバーたちが、こいつと一緒にランウェイを歩く
Fashion week in Paris, front row with it
パリのファッション・ウィーク、その最前列(フロントロウ)にな
※CudiとTravisは、共に故Virgil Abloh(ヴァージル・アブロー)と深い親交があり、彼が就任したLouis Vuittonのパリでの初コレクション(2018年)において、Cudiはランウェイモデルとして歩き、Travisは最前列でそれを見守っていたという歴史的かつエモーショナルな背景へのオマージュ。
Diamonds always dancin', no bullshittin'
ダイヤモンドはいつだって踊ってる(輝いてる)、嘘偽りなくな
See a Black god on the job, yeah, I'm so winnin'
仕事中の「黒い神(ブラック・ゴッド)」を見てみろよ、あぁ、俺の完全な勝利(ウィニン)さ
※黒人アーティストとして、音楽だけでなくハイファッションの領域(パリ)でも頂点に立ったという誇りと宣言。
