Artist: Travis Scott (feat. 21 Savage)
Album: ASTROWORLD
Song Title: NC-17
概要
トラヴィス・スコットの3rdアルバム『ASTROWORLD』(2018年)に収録された、アルバム内で最もダークかつ過激な表現に満ちたトラップ・バンガーである。タイトルの「NC-17」は、アメリカ映画協会(MPAA)のレイティングシステムにおいて最も厳しい「17歳以下鑑賞不可(成人向け)」を意味する。その名の通り、歌詞はハードコアな性描写、暴力、そしてドラッグのメタファーで埋め尽くされている。Boi-1da、Cubeatz、Mike Deanといった豪華プロデューサー陣による不気味なベルのループと重厚なベースラインの上で、トラヴィスのメロディアスなオートチューンと、客演に迎えられた21 Savageの冷徹で無表情なラップが絶妙なコントラストを生み出している。特に21 Savageのヴァースに登場する「Kid Cudi」と「Ye(Kanye West)」を絡めた高度なワードプレイは、ヒップホップ・コミュニティ(GeniusやReddit)で絶賛され、本作をカルト的な人気曲へと押し上げる要因となった。
和訳
[Intro: Travis Scott]
Woo
ウー
[Chorus: Travis Scott]
Me and my bitch, I swear we like the same sex (Woo)
俺と俺の女は、同じ性別が好きだって誓うぜ(ウー)
※「同じ性別が好き」つまりトラヴィスも彼女(カイリー・ジェンナー)も女性が好きだという意味。スリーサム(3P)やバイセクシャル的な性的嗜好を仄めかしている。
Fuck with all my chains on, let's have chain sex (Serve, yeah)
チェーンを全部着けたままヤるんだ、チェーン・セックスをしようぜ(サーブ、イェー)
※冷たく重いダイヤモンドのチェーンを首に何本もジャラジャラとぶら下げたまま行うセックス。金と権力のフレックスと、BDSM的なフェティシズムの融合。
Hangin' with the gang, you get your fangs wet (Wet)
ギャングとつるめば、お前の牙が濡れることになるぜ(ウェット)
※「fangs wet(牙が濡れる)」は、吸血鬼が血を吸うように「血生臭い暴力に染まる」こと。または女性視点でギャングスタとのオーラルセックスを暗示するダブルミーニング。
Wanna kick with the gang? You gotta bang it (It's lit)
ギャングと遊びたいか? なら引き金を引かなきゃな(最高だぜ)
※「kick it(遊ぶ)」と「bang(銃を撃つ/ギャングの抗争に参加する)」の対比。ストリートの遊びは常に命懸けであるという警告。
If you gon' throw ice on, gotta swang it (Ice)
アイスを身に着けるなら、スワングしなきゃな(アイス)
※「swang」はテキサス州ヒューストンのカーカルチャー(Swangas=飛び出したワイヤーホイールを装着した車で蛇行運転すること)。光り輝くジュエリー(アイス)を揺らすことと、地元特有の車の運転スタイルを掛けている。
Holes in the wall, I cannot hang it (Nah)
壁に穴が開いてるが、俺はそれを掛けられない(ノー)
※銃撃戦で壁に開いた弾痕の比喩。額縁を掛けるような平和な家ではないというストリートの現実。
Pour different colors, sippin' tainted (Ooh)
いろんな色を注ぎ込んで、ヤバい酒をすするのさ(ウー)
※コデイン・シロップ(紫色など)をソーダに混ぜて作る「リーン」のこと。化学物質で「汚染(tainted)」されたドラッグの描写。
Woah, think the vibe just start vibratin' (Vibe)
ウォウ、このバイブスが振動し始めたみたいだぜ(バイブス)
[Verse 1: Travis Scott]
Don't do playgrounds, we do not swing sets (Swing)
遊び場には行かない、俺たちはブランコには乗らねえよ(スウィング)
※「swing」は銃を振り回す、またはパートナーを交換する(スウィンガー)こと。子供の遊び(ブランコ)はしないが、大人の危険な「スウィング」はするという言葉遊び。
Shawty got the 'K, don't entertain threats (Pew, pew)
あの子はAKを持ってる、脅し文句なんて真に受けねえよ(ピュン、ピュン)
※「'K」はAK-47(アサルトライフル)。
Shawty came my way, she brought the same sex (Same)
あの子が俺のところへ来た、彼女は同じ性別の女を連れてきたぜ(同じ)
※コーラスの「like the same sex」の伏線回収。女性が女友達を連れてきて3Pに発展する様子。
Bust it down, she talkin' body language (It's lit)
脚を開け、彼女はボディランゲージで語りかけてくる(最高だぜ)
※「Bust it down」は性的な意味で脚を開くこと、または高級時計にダイヤモンドを敷き詰めること。
Eatin' that punane, got my bangs wet (Eat it up)
プナニを食って、俺の前髪が濡れちまったぜ(食い尽くせ)
※「punane」はジャマイカのパトワ語由来の女性器を指すスラング。コーラスの「fangs wet」と「bangs wet」で韻を踏んでいる。
We gon' have to change for the banquet (Drippin')
晩餐会のために、着替えなきゃならないな(滴ってるぜ)
Solo with Mulsanne, it's not the same specs (Skrrt, skrrt)
ミュルザンヌに一人で乗る、スペックが全く違うんだよ(スキール音)
※「Mulsanne」はベントレーの最高級セダン。他のラッパーの車とは次元(スペック)が違うというフレックス。
Pull up, left with somethin' I ain't came with (Alright)
車で乗り付けて、持ってこなかったモノと一緒に帰るのさ(オーライ)
※クラブやパーティーに手ぶらで現れ、帰る時には金や女を手に入れているという状況。
[Bridge: Travis Scott]
Woah, woah, woah, woah, woah
ウォウ、ウォウ…
Woah, woah, woah, woah
ウォウ、ウォウ…
Ice froze, glow
アイスが凍りつき、輝く
It glow, it glow (Yeah, yeah)
輝く、輝くのさ(イェー、イェー)
[Verse 2: 21 Savage & Travis Scott]
Three main bitches thinkin' they my main bitch (21, 21)
3人の本命の女たちが、それぞれ自分が本命だと思い込んでやがる(21、21)
※ここから21 Savageのヴァース。無表情で冷酷なラップスタイルが、過激な歌詞と絶妙なコントラストを生む。
Hit the club and swap the hoes I came with (Straight up, straight up)
クラブに乗り込んで、一緒に来た女たちを交換するのさ(間違いないぜ)
Don't you come outside, we on that gang shit (Straight up, straight up)
外に出てくるなよ、俺たちはギャングのシットをやってるんだからな(間違いないぜ)
Had to switch my T-shirt 'cause she stained it (On God)
Tシャツを着替えなきゃならなかった、あの子が汚したからな(神に誓って)
※オーラルセックスによるヨダレ、または抗争による血の汚れの隠喩。
Had to buy a visa, she from Moscow (21)
ビザを買わなきゃならなかった、彼女はモスクワ出身だからな(21)
※ロシア人の女性をアメリカに呼び寄せるほどの権力と金の誇示。
Fuckin' 'round with Travis, you get crossed out (Crossed out)
トラヴィスにちょっかいを出してみろ、お前は消されることになるぜ(消される)
※「crossed out」はリストから名前を消される=殺されること。
He used to be on, that nigga off now (He off now)
あいつはかつてはイケてたが、今じゃ完全に終わってる(終わってるぜ)
I done got so rich, I Saint Laurent my dawgs now (Straight up, straight up)
俺はあまりにも金持ちになっちまったから、今じゃダチたちにサンローランを着せてるのさ(間違いないぜ)
※自分だけでなく、仲間に高級ブランド「Saint Laurent」を買い与えるほどの富の余裕。
Earrings cost a quarter, certified by G.I.A. (21)
ピアスの値段は25万ドル、G.I.A.のお墨付きだぜ(21)
※「quarter」は25万ドル(100万ドルの4分の1)。「G.I.A.」は米国宝石学会。品質が本物であるという証明。
If it's 'bout my bae or 'bout some smoke, I'm on my way (Skrrt-skrrt)
俺の女のことか、それとも揉め事のことなら、すぐに向かうぜ(スキール音)
Your bitch gave the Kid Cudi, but I'm not signed to Ye (On God)
お前の女はキッド・カディをしてくれたが、俺はイェーと契約してるわけじゃねえよ(神に誓って)
※本作で最も高く評価されているパンチライン。「Kid Cudi」を「cuddy(フェラチオ/女性器を意味するスラング)」と掛けている。Kid Cudi本人はKanye West(Ye)のレーベルに所属していたが、21 SavageはYeと契約していない(=女にはしゃぶらせたが、お前らの傘下に入る気はない)という強烈なワードプレイ。
I nutted on her cheek, her new nickname is Babyface (21, woo)
彼女の頬に発射してやった、彼女の新しいあだ名はベイビーフェイスさ(21、ウー)
※大御所R&Bシンガー/プロデューサーの「Babyface」の名前を、顔射(精液によって顔がベイビーのように濡れる/若返るという下品なジョーク)に掛けたライン。
[Chorus: Travis Scott & 21 Savage]
Me and my bitch, I swear we like the same sex (Woo)
俺と俺の女は、同じ性別が好きだって誓うぜ(ウー)
Fuck with all my chains on, let's have chain sex (Serve, yeah)
チェーンを全部着けたままヤるんだ、チェーン・セックスをしようぜ(サーブ、イェー)
Hangin' with the gang, you get your fangs wet (Wet)
ギャングとつるめば、お前の牙が濡れることになるぜ(ウェット)
Wanna kick with the gang? You gotta bang it (It's lit, yah, yah, yah, bang, yah, yah, yah)
ギャングと遊びたいか? なら引き金を引かなきゃな(最高だぜ、バン)
If you gon' throw ice on, gotta swang it (Ice)
アイスを身に着けるなら、スワングしなきゃな(アイス)
Holes in the wall, I cannot hang it (Nah)
壁に穴が開いてるが、俺はそれを掛けられない(ノー)
Pour different colors, sippin' tainted (Ooh)
いろんな色を注ぎ込んで、ヤバい酒をすするのさ(ウー)
Woah, think the vibe just start vibratin' (Vibe)
ウォウ、このバイブスが振動し始めたみたいだぜ(バイブス)
