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5% TINT - Travis Scott 【和訳・解説】

Artist: Travis Scott

Album: ASTROWORLD

Song Title: 5% TINT

概要

トラヴィス・スコットの3rdアルバム『ASTROWORLD』(2018年)に収録された、極度のパラノイア(被害妄想)と南部ヒップホップへの敬意が交錯するダークな一曲。タイトルの「5% TINT」とは、外から車内が全く見えない透過率5%の真っ黒なカーフィルムを指す。フックではアトランタの伝説的グループGoodie Mobが1995年に発表したクラシック「Cell Therapy」におけるBig Gippのアイコニックな一節「Who's that creeping through my window?」を大胆にサンプリング。圧倒的な名声を得たことで深まる人間不信やストリートの脅威を、FKi 1stによる重厚なトラップビートと、アウトロでの美しくも不気味な鍵盤の旋律に乗せて描き出した傑作である。

和訳

[Chorus]

Who's that creeping through my window?
俺の窓から忍び込もうとしてる奴は誰だ?
※アトランタのレジェンド・グループGoodie Mobの1995年の楽曲「Cell Therapy」からのサンプリング。原曲の持つ「監視されている」というゲットーのパラノイアを、世界的スターとなったトラヴィスが抱えるパパラッチやヘイターへの恐怖と重ね合わせている。

'Fore you come outside, I got the M4
お前が外に出てくる前に、俺はM4を構えてるぜ
※「M4」は軍用アサルトライフル(M4カービン)、あるいは愛車であるBMW・M4のこと。いずれにせよ、敵に対する完全な迎撃態勢が整っていることを示している。

Took her to the endzone from the Enzo
エンツォから連れ出して、彼女をエンドゾーンまで連れて行く
※「Enzo」は超高級車フェラーリ・エンツォ。「endzone」はアメリカンフットボールでタッチダウンを決めるエリアであり、セックスの絶頂や目的達成のメタファー。

Know I love to smoke, you love the liq' more
俺がハッパを吸うのが好きだって知ってるだろ、君は酒(リカー)の方が好きみたいだがな

Wanna hit the Jack, then what you call for?
ジャック(俺)とヤりたいなら、何のために電話してきたんだ?
※「hit the Jack」はジャックダニエル(酒)を飲むことと、トラヴィスのレーベル「Cactus Jack」=トラヴィス自身に連絡を取る(関係を持つ)ことのダブルミーニング。

All that out-your-name shit, that ain't called for, mm
身の程知らずな戯言なんて、誰も求めちゃいねえよ、ンー
※「out-your-name」は身の程をわきまえない、または失礼な言動を指すスラング。

[Verse 1]

Who that creepin'? Know the tint is dark (Five percent)
忍び寄ってくるのは誰だ? フィルム(ティント)は真っ黒にしてあるぜ(透過率5パーセントだ)
※タイトルの回収。「5% tint」は法規制ギリギリ、または違法レベルの最も暗いカーフィルム。外からの視線(パパラッチや敵)を完全に遮断するための防衛策。

All that fall-in-love shit, gotta Kevin Hart (Yeah, yeah)
「恋に落ちた」なんて戯言は、ケヴィン・ハートみたいに誤魔化さなきゃな(イェー、イェー)
※人気コメディアンのケヴィン・ハートが2017年に不倫スキャンダル(恐喝事件)を起こした際、妻に対して公に謝罪した騒動への言及。遊びの女に本気になられても困るという冷笑的なスタンス。

All that speed and fly shit, we might teleport, yeah (Skrrt, skrrt)
猛スピードでブッ飛ばす、俺たちはテレポートしちまうかもな、イェー(スキール音)

All that cop harass shit, I might clip a sarge', yeah (12)
サツの嫌がらせにはウンザリだ、巡査部長(サージ)を撃ち抜いて(クリップ)やるかもな、イェー(サツめ)
※「sarge」はSergeant(巡査部長)。「12」は警察を指すストリート・スラング。

Keep bouncin' that ass, you just might get award, yeah
そのままケツを振ってな、そのうち賞(アワード)がもらえるかもぜ、イェー

If she bad, she get a pass into the tour (Passes, yeah)
もし彼女がイケてる(バッド)なら、ツアーのパスをくれてやるよ(パスをな、イェー)

I pick through the family, grab the bad sister like Janet
ファミリーの中から選りすぐって、ジャネットみたいなイケてる(バッドな)妹をモノにする
※ジャクソン・ファミリーの末っ子であり、名盤『Bad』を残したマイケル・ジャクソンの妹でもあるジャネット・ジャクソン(Janet Jackson)の引用。

Opps outside, don't panic, gotta switch, gotta change up transit
外には敵(オップス)がいる、パニックになるな、車(トランジット)を乗り換えるんだ

Still jump around, move antsy, and I still don't like shit fancy
今でも飛び回り、落ち着きなく(アンシーに)動き回る、それに俺は今でも気取った(ファンシーな)モノは好きじゃねえ

Up late feelin' real chancy, they outside really tryna end me, yeah
深夜まで起きて、かなり危険(チャンシー)な気分だ、外の奴らはマジで俺を終わらせようとしてやがる、イェー
※「chancy」は危険やリスクが伴う状態。成功しても消えない命を狙われる恐怖(パラノイア)。

[Chorus]

Who's that creeping through my window? (My window)
俺の窓から忍び込もうとしてる奴は誰だ?(俺の窓から)

'Fore you come outside, I got the M4 (M4)
お前が外に出てくる前に、俺はM4を構えてるぜ(M4をな)

Took her to the endzone from the Enzo (Yah)
エンツォから連れ出して、彼女をエンドゾーンまで連れて行く(イェー)

Know I love to smoke, you love to lick more (Yah-yah)
俺がハッパを吸うのが好きだって知ってるだろ、君は舐める(リック)方が好きみたいだがな(イェー・イェー)
※1回目のコーラスの「liq'(酒)」から「lick(舐める=オーラルセックス)」へと意図的に言葉を変えたトラヴィスらしい性的なダブルミーニング。

Wanna hit the Jack, then what you call for? (Yah-ah)
ジャック(俺)とヤりたいなら、何のために電話してきたんだ?(イェー・アァ)

All that out-your-name shit, that ain't called for (Yah)
身の程知らずな戯言なんて、誰も求めちゃいねえよ(イェー)

[Verse 2]

Who the fuck is this?
一体誰なんだ?

Met somebody, baby mama inside of the VIP while I'm tryna tip
VIPルームで誰かのベイビーママ(子持ちの女)に会ったんだ、俺がチップを弾もうとしてる時にな

Shawty said she holding, got a razor in her lip
あの子は「持ってる(隠し持ってる)」って言った、唇にカミソリを忍ばせてるんだ
※「holding」はドラッグや武器を所持していること。「razor in her lip」は文字通りの凶器、あるいは言葉がカミソリのように鋭い、もしくはコカインを歯茎や唇に擦り付ける行為の暗喩。

Mix my cup and twist one up, I love that ratchet shit
カップ(リーン)を混ぜて、ハッパを一本巻く、俺はそういうラチェット(下品でストリートな)なノリが大好きなんだ

She like-like iced out wrists, iced out-iced out wrists (Iced out wrists)
彼女はアイス(ダイヤ)で埋め尽くされた手首が大好きなのさ(アイスだらけの手首)

Fuck, don't kiss, fuck, she fuck, don't kiss (Mwah)
ヤるだけさ、キスはしない、ヤるんだ、彼女はヤるだけでキスはしない(チュッ)
※売春婦や遊びの女との「キスはしない(愛情を持たない)」というストリートの暗黙のルールの強調。

Look like friends, but she say they twins (Twins)
友達同士に見えたが、彼女は双子だって言うんだ(双子)

Jump right in, there's legroom in this Benz (Legroom in this Benz)
すぐに飛び乗ってきな、このベンツには足元に余裕(レッグルーム)があるからな

Ten miles to the crib, you know that's deep (Deep, yeah)
家(クリブ)まで10マイルだ、かなり奥深い(ディープな)場所にあるんだ(ディープだぜ、イェー)
※トラヴィスの豪邸が人里離れた深い場所(ゲーテッドコミュニティの奥)にあること。

I think it's someone out there watching me, yeah
外で誰かが俺を監視してる気がするんだ、イェー
※曲全体を貫く被害妄想(パラノイア)のピーク。ここで「Who's that creeping...」のコーラスへ再び戻る完璧な構成。

[Chorus]

Who's that creeping through my window? (My window, who?)
俺の窓から忍び込もうとしてる奴は誰だ?(俺の窓から、誰だ?)

'Fore you come outside, I got the M4 (M4)
お前が外に出てくる前に、俺はM4を構えてるぜ(M4をな)

Took her to the endzone from the Enzo (Yah, yeah!)
エンツォから連れ出して、彼女をエンドゾーンまで連れて行く(イェー、イェー!)

Know I love to smoke, you love to lick more (Lick! Yah-yah)
俺がハッパを吸うのが好きだって知ってるだろ、君は舐める方が好きみたいだがな(舐めろ! イェー・イェー)

Wanna hit the Jack, then what you call for? (Yah-ah, Jack!)
ジャック(俺)とヤりたいなら、何のために電話してきたんだ?(イェー・アァ、ジャック!)

All that out-your-name shit, that ain't called for (Ya-ah)
身の程知らずな戯言なんて、誰も求めちゃいねえよ(イェー・アァ)

[Outro]

Who's that creeping through my window? (The window)
俺の窓から忍び込もうとしてる奴は誰だ?(窓から)

'Fore you come outside, I got the M4 (M4)
お前が外に出てくる前に、俺はM4を構えてるぜ(M4をな)

Took her to the endzone from the Enzo (Yeah)
エンツォから連れ出して、彼女をエンドゾーンまで連れて行く(イェー)

Know I love to smoke, you love to lick more (Yeah)
俺がハッパを吸うのが好きだって知ってるだろ、君は舐める方が好きみたいだがな(イェー)