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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

STARGAZING - Travis Scott 【和訳・解説】

Artist: Travis Scott

Album: ASTROWORLD

Song Title: STARGAZING

概要

トラヴィス・スコットのキャリアを決定づけた歴史的傑作『ASTROWORLD』(2018年)のオープニングを飾る、2部構成のプログレッシブな楽曲。前半(Part I)は、サイケデリックスやシロップに溺れる狂乱の日々と、パートナーであるカイリー・ジェンナーとの出会いによる救済をメランコリックに歌い上げる。そしてジェットコースターが急降下するかのようなビートスイッチを経て、後半(Part II)では一転してアグレッシブなラップを展開。2005年に閉園した地元ヒューストンの遊園地「シックス・フラッグス・アストロワールド」の復活という自身の野望、ライブでの過激なモッシュピット、そして圧倒的な成功に伴うパラノイアを吐露する。トラヴィスの美学が全て凝縮された、究極のテーマパークへの入場ゲートである。

和訳

[Part I]

[Intro]

Ah
アァ

[Chorus]

Rollin', rollin', rollin', got me stargazin' (Yeah)
ローリン、ローリン、ローリン、星空を眺める(スターゲイジング)気分さ(イェー)
※「Rollin'」はMDMAやエクスタシーなどのドラッグでハイになっている状態。「Stargazin'」はドラッグの幻覚で星空を見上げているような状態と、恋人であるカイリー・ジェンナー(世界的なスター)を見つめていることのダブルミーニング。

Sippin' on purp, feelin' like the Barre Baby (It's lit)
パープ(紫のシロップ)をすすり、「バー・ベイビー」になった気分だぜ(最高だぜ)
※「purp」はコデイン・シロップ(リーン)。「Barre Baby」はヒューストンの伝説的ラッパー、故Big Moeのデビューアルバムのタイトルであり彼の異名。地元の先人へのシャウトアウト。

Whatever I downed, it got me goin' crazy (Yeah)
何を飲み込んだにせよ、こいつは俺を狂わせる(イェー)

Psychedelics got me goin' crazy (Alright)
サイケデリックス(幻覚剤)が俺を狂わせるんだ(オーライ)

[Post-Chorus]

I was hot as hell out in the heat (Yeah, yeah)
俺は灼熱の中で、死ぬほど熱くなってた(イェー、イェー)
※精神的にも物理的にも過酷な状況(ドラッグ依存やプレッシャー)にあったこと。

Then a storm came in and saved my life
そこへ嵐(ストーム)がやって来て、俺の命を救ってくれたんだ
※「storm」は娘の「Stormi(ストーミ)」のこと。カイリーとの間に娘が生まれたことが、破滅的だった彼の人生を救う転機(恵みの雨)となったという感動的なライン。

Head up to the sky, down on my knees (Straight up)
空を見上げ、膝をついて祈る(間違いないぜ)

Out of nowhere, you came here to save the night
どこからともなく、君がこの夜を救いに来てくれた

In the nighttime (Woo, yeah)
この夜の闇の中にな(ウー、イェー)

[Verse]

Rollin', rollin', rollin', got me stargazin' (Roll)
ローリン、ローリン、ローリン、星空を眺める気分さ(ロール)

Psychedelics got me goin' crazy (Oh, no)
サイケデリックスが俺を狂わせる(オー、ノー)

Niggas femalin', they excellin' (Yeah)
女みたいに陰口を叩く野郎共、あいつらはそれに長けてる(イェー)
※「femalin'」は女性(female)のように噂話や嫉妬ばかりしているヘイターたちのこと。

Are they intellin'? (What you tellin'?)
あいつらチクってる(インテリン)のか?(何を言ってやがる?)

We propellin', up top with Ellen, uh (With the choppers)
俺たちは上へ向かって推進(プロペリン)してる、頂点でエレンと一緒にな、アー(チョッパーと共に)
※エレン・デジェネレスの人気トーク番組「The Ellen DeGeneres Show」に出演したほどの世界的成功。「プロペラ(推進)」とヘリコプター(チョッパー=銃の隠語でもある)を掛けている。

Kill the jealous with propane repellent
プロパンガスの虫除け(防虫スプレー)で、嫉妬する奴らを殺してやる
※自分に群がるヘイターたちを害虫に見立て、自らの別名である「La Flame(炎)」とプロパンガスで焼き払うというフレックス。

Got me goin' crazy (It's lit)
俺を狂わせるぜ(最高だぜ)

On tour, we'll tell 'em, we brought the section (Gang)
ツアーじゃ、奴らに教えてやるよ、俺たちがVIPセクション(仲間たち)ごと持ってきたってな(ギャング)

They keep on callin' up, it's getting hectic (Brrt)
奴らは電話をかけ続ける、忙しく(ヘクティックに)なってきたぜ(ブルルルッ)

Like we projected
俺たちが計画(プロジェクト)した通りにな

So we cut the plug, he's interjected (Got me goin' crazy)
だから俺たちはプラグ(売人/電源)を切った、あいつは口を挟んできたがな(俺を狂わせる)

[Chorus]

Rollin', rollin', rollin', got me stargazin' (Yeah)
ローリン、ローリン、ローリン、星空を眺める気分さ(イェー)

Sippin' on purp, feelin' like the Barre Baby (It's lit)
パープをすすり、「バー・ベイビー」になった気分だぜ(最高だぜ)

Whatever I downed, it got me goin' crazy (Yah)
何を飲み込んだにせよ、こいつは俺を狂わせる(イェー)

Psychedelics got me goin' crazy (Alright)
サイケデリックスが俺を狂わせるんだ(オーライ)

[Post-Chorus]

I was hot as hell out in the heat (Yeah, yeah)
俺は灼熱の中で、死ぬほど熱くなってた(イェー、イェー)

Then the storm came in and saved my life
そこへ嵐がやって来て、俺の命を救ってくれたんだ

Head up to the sky, down on my knees (Straight up)
空を見上げ、膝をついて祈る(間違いないぜ)

Out of nowhere, you came here to save the night
どこからともなく、君がこの夜を救いに来てくれた

In the nighttime (Woo, yeah)
この夜の闇の中にな(ウー、イェー)

[Segue]

Got me goin' crazy
俺を狂わせる

[Part II]

[Verse: Travis Scott & MC E]

Okay, I been up for some days, I ain't got time to lay
オーケー、俺はここ何日かずっと起きてる、横になる時間なんてねえんだ
※ここからビートが不穏にスイッチし、アグレッシブな後半戦へ。過密なスケジュールとドラッグによる不眠状態。

Just to drown out all these thoughts, I tried all kind of things
頭の中の思考をかき消すためだけに、ありとあらゆるモノ(ドラッグ)を試した

If I take you to my past, you will be traumatized
もし君を俺の過去(地元)に連れて行ったら、トラウマになるだろうな
※テキサス州ヒューストンの郊外、ミズーリ・シティでのタフなストリートの生い立ち。

Got a thousand kids outside that's tryna come alive
外には1000人のキッズたちがいて、生き返ろう(暴れ回ろう)としてる
※トラヴィスのライブに集まり、モッシュピットで熱狂するファン(レイジャー)たちの描写。

'99, took AstroWorld, it had to relocate
99年、「アストロワールド」が奪われた、移転しなきゃならなかったんだ
※ヒューストンに実在した遊園地「シックス・フラッグス・アストロワールド」。実際には2005年に閉園したが、再開発のために土地が売却され、ヒューストンの子供たちから遊び場が奪われた。このアルバム全体を貫く最大のテーマ。

Told the dawgs I'd bring it back, it was a seal of faith
ダチには「俺が(アストロワールドを)取り戻す」って言ったんだ、それが信仰の証(約束)だったのさ
※遊園地は無くなったが、自分の音楽とライブ(そしてこのアルバム)で、あの狂騒と興奮を地元に取り戻すというトラヴィスの固い決意。

Before no car notes, baby girl, she played the tourist guide
車のローンを払うようになる前、ベイビーガール、彼女が観光ガイドをしてくれた

Got the keys into my city, now she know the rides
俺の街の鍵を手に入れたんだ、今じゃ彼女もこの街の乗り物(アトラクション)を知ってるぜ
※2018年、トラヴィスはヒューストン市長から正式に「市の鍵」を授与された。カイリーに自分の地元(彼自身が作り上げたアストロワールドというテーマパーク)を案内している。

Got new money, got new problems, got new enemies
新しい金を手に入れ、新しい問題が起き、新しい敵ができた

When you make it to the top, that's the amenities
トップに上り詰めたら、それがアメニティ(備え付けの設備)ってやつさ
※The Notorious B.I.G.の「Mo Money Mo Problems」のオマージュ。成功には必ず嫉妬やトラブルがオマケとしてついてくるという皮肉。

Packin' out Toyota like I'm in the league
トヨタを満員にするぜ、まるで俺がリーグ(NBA)にいるみたいにな
※「Toyota」はヒューストン・ロケッツの本拠地「トヨタセンター」のこと。アリーナツアーをソールドアウトさせる圧倒的な集客力。

And it ain't a mosh pit if ain't no injuries
ケガ人が出ないようなら、それはモッシュピットじゃねえよ
※トラヴィスのライブの過激さを象徴するパンチライン。

I got 'em stage divin' out the nosebleeds (Alright, alright, alright)
俺は奴らをノーズブリード(最上階の安い席)からステージダイブさせてやるのさ(オーライ、オーライ、オーライ)
※「nosebleeds」はスタジアムの最上階席(高すぎて鼻血が出るほどの高さという意味のスラング)。2017年のNYでのライブで、ファンが2階席からバルコニーへダイブした実際の事件への言及。

And she hit that booger sugar 'til her nose bleed (Alright, alright, alright)
そして彼女は鼻血が出るまで、ブーガーシュガーをキメるんだ(オーライ、オーライ、オーライ)
※直前の「nosebleeds(鼻血/最上階席)」に掛け、「booger sugar(コカインの隠語)」を吸いすぎて本当に鼻血を出しているグルーピーの描写。

Bounce that shit forever, she on both knees
永遠にそのケツをバウンドさせろ、彼女は両膝をついてる
※女性が両膝をついてフェラチオやトワークをしている性的な描写。

She was talkin' 'bout forever, got a whole week (Alright, alright, alright)
彼女は「永遠」について語ってたが、もったのは丸1週間だったな(オーライ、オーライ、オーライ)
※「永遠の愛」を語る女性たちの薄っぺらさを冷笑している。

Plus, she know my baby mama is a trophy
それに、あいつも俺のベイビーママがトロフィー(最高峰)だって分かってるからな
※「ベイビーママ」は娘ストーミの母親であるカイリー・ジェンナー。世界トップクラスのセレブを妻に持つトラヴィスの究極のフレックス。

She be throwin' up them B's, feel like we both bleed
彼女は「B」のハンドサインを掲げる、まるで俺たち二人とも血を流してる(ブラッズ)みたいにな
※カイリーが過去にSNSで「Bloods(ストリートギャング)」のハンドサイン「B」を掲げたことへの言及。「bleed(血を流す)」と「Bloods」を掛けている。

She keep my dick jumpin' up, feel like I'm Moby
彼女は俺のイチモツを跳ね上がらせ続ける、まるでモービーになった気分だぜ
※「Moby Dick(白鯨)」と自身の「dick(男性器)」を掛けたユーモラスなワードプレイ。

I'm way too gold for this beef, feel like I'm Kobe, yeah
俺はこのビーフ(揉め事)に関わるにはゴールド(偉大)すぎる、まるでコービー(・ブライアント)になった気分だぜ、イェー
※レイカーズの象徴カラーである「ゴールド(金)」と伝説のNBA選手コービー・ブライアント。底辺のラッパーたちの小競り合い(ビーフ)を相手にする次元にはもういないという王者のスタンス。

This right here is astronomical
ここにあるのは、天文学的(アストロノミカル)な成功さ
※アルバムタイトル「ASTROWORLD」に掛けた表現。

I see you picked up all my ways, I feel responsible
お前が俺のやり方を全部パクってる(吸収してる)のを見てるぜ、責任を感じるよ
※トラヴィスのスタイル(オートチューンやトラップのバイブス)を模倣する次世代のラッパーたち、あるいは彼のライフスタイルに染まってしまった女性に対するライン。

They tryna say that all my problems is improbable
奴らは俺の問題なんて「あり得ない(インプロバブル)」って言おうとする

They keep itchin' at my spirit, I'm diabolical, you feel me?
奴らは俺の精神をかきむしり続ける、俺は悪魔的(ダイアボリカル)なんだ、分かるか?
※莫大な富と成功を得ても内面の問題(パラノイアや苦悩)は消えないが、世間はそれを理解しようとしない。そのフラストレーションが彼をより攻撃的で「悪魔的」なモードへと駆り立てるという強烈なアウトロ。