Artist: Travis Scott
Album: Days Before Rodeo (Full Vault Deluxe)
Song Title: Quintana Pt. 2 (Dean Outro)
概要
トラヴィス・スコットのミックステープ『Days Before Rodeo』の10周年を記念したデラックス版(Vault)に収録された、幻のオルタナティヴ・バージョン。オリジナル版に存在したT.I.の客演バースがカットされている代わりに、ヒップホップ界の生ける伝説であり、トラヴィスのサウンドの核を担うプロデューサー、マイク・ディーン(Mike Dean)による壮大なシンセサイザーとギターのインストゥルメンタル・アウトロが追加されている。「Finessin'(巧みに立ち回る)」というストリートの過酷なハッスルを描いた前半から一転、アウトロでは女性や名声に利用される虚無感が歌われ、マイク・ディーンの神々しくもサイケデリックな演奏が、この楽曲が持つダークでメランコリックな本質を極限まで引き出している。
和訳
[Intro]
I'm finessin’, finessin' (Straight up)
俺は上手く立ち回ってる、巧みにやり遂げるぜ(間違いないぜ)
※「Finesse」はヒップホップ・スラングで「巧みに騙して奪い取る」「上手く交渉して利益を得る」の意味。ストリートや業界のルールを出し抜き、急速に富を築いているトラヴィスのスタンス。
I came up a hundred bands a week, straight up finessin'
1週間に10万ドル(ハンドレッド・バンズ)を稼ぎ出した、マジで上手くやったのさ
La Flame
ラ・フレイム
[Verse]
Walked in this bitch, I just got through finessin’ designer (Straight up)
この場所に足を踏み入れる、俺はデザイナーズブランドを上手くせしめてきたばかりだ(間違いないぜ)
※高級ブランド店でVIP待遇を受け無料で服をゲットしたり、有利な契約をもぎ取ったというフレックス。
Oh my God, it's no rental, gold plated, no need to remind you
オー・マイ・ゴッド、こいつはレンタルじゃねえ、金メッキ仕様だ、わざわざお前に教える必要もねえだろ
※フェイクなラッパーたちのように高級車やジュエリーを借りているわけではなく、全て自分の所有物であるというアピール。
Robbed my plug, that nigga wasn't getting me high (That dope)
俺のプラグ(密売人)から奪い取ってやった、あの野郎のブツじゃハイになれなかったからな(あのドープで)
※「plug」はドラッグの供給源。質の悪いドラッグ(あるいは自分を満足させない業界のシステム)を押し付けてくる相手から、強引に奪い取る(rob)という極端なまでの「Finesse」。
Oh no-no, oh no-no-no-no-no-no-no
オーノーノー、オーノーノーノーノーノーノーノー
Stack on black as True Religion (Straight up)
黒の上に黒を重ねる、トゥルー・レリジョンみたいにな(間違いないぜ)
※「True Religion」は当時流行していた高級デニムブランド。黒のデニムで全身を固めるストリートファッションと、黒人(black)として金を積み上げる(stack)ことを掛けている。
This that shit that keep you geekin' (That dope)
こいつがお前らを興奮(ギーキン)させ続ける代物さ(あのドープ)
※「geekin'」はドラッグで極度にハイになること。トラヴィスの音楽自体が、聴く者をトランス状態にさせる最強のドラッグ(dope)であるという自負。
I done fucked me 'round five bad bitches this morning (La Flame)
今朝だけで、俺は5人の極上のビッチとヤりまくったぜ(ラ・フレイム)
And I ain't goin' back unless they horny (Oh no)
あいつらが発情(ホーニー)してなきゃ、俺は戻る気はねえよ(オーノー)
Oh no-no, oh no-no-no-no-no-no-no
オーノーノー、オーノーノーノーノーノーノーノー
[Chorus]
Finessin', finessin’ (Straight up)
上手く立ち回る、巧みにやり遂げるぜ(間違いないぜ)
I can’t go one day without finessin' (La Flame)
1日たりとも、上手く立ち回らずにはいられねえ(ラ・フレイム)
Finessin’, finessin' (That dope)
上手く立ち回る、巧みにやり遂げるぜ(あのドープ)
I came up a hundred bands a week, straight up finessin' (Straight up, straight up)
1週間に10万ドルを稼ぎ出した、マジで上手くやったのさ(間違いないぜ、間違いないぜ)
I came up a hundred bands a week, straight up finessin'
1週間に10万ドルを稼ぎ出した、マジで上手くやったのさ
Been on that weed, been with my tеam
あのウィードをキメて、俺のチームと一緒にいる
Rolling with my team, yeah, they all finеssin’
俺のチームとつるんでる、あぁ、あいつらもみんな上手く(フィネス)やってるぜ
[Spoken Word]
How high?
どれくらいハイになればいい?
Tell me why she wanna leave me
教えてくれ、なんであの子は俺の元を去りたがるんだ?
She used me to get high
あの子はハイになるために俺を利用しただけだった
※「Finesse(人を上手く利用する)」していたはずのトラヴィス自身が、実は女性(あるいはファンや業界)に「ハイになるための道具」として利用され、捨てられていたという強烈な反転。ストリートの強者の論理から一転、孤独な語りが虚無感を際立たせる。
Oh, she used me to get higher, higher, higher
あぁ、あの子はもっと、もっと高く飛ぶために俺を利用したんだ
So tell me why she wanna leave me
だから教えてくれ、なんであの子は俺を置いていくんだ?
Ooh, ooh, ooh, ooh-ooh
ウー、ウー、ウー、ウー・ウー
Ooh-ooh, ooh
ウー・ウー、ウー
As the days go on, the southern region of our national anthem
日々が過ぎていく、我らの国歌の南部地域において
※テキサスという南部(サウス)のアイデンティティと、アメリカの厳しい現実への言及。
The quest for La Flame, this journey, it's the last days
ラ・フレイムの探求、この旅路、これは最後の数日間だ
※ミックステープのコンセプトである「Days Before Rodeo(ロデオの前の数日間)」を提示し、メジャーデビューに向けた嵐の前の静けさを告げるナレーション。この後、マイク・ディーン(Mike Dean)による長尺のシンセサイザーとギターのソロが続き、サイケデリックな宇宙空間へとリスナーを誘う。
[Instrumental Outro]
