Artist: Lil Wayne (feat. Juelz Santana & Fabolous)
Album: Tha Carter III
Song Title: You Ain’t Got Nuthin
概要
歴史的なメガヒットアルバム『Tha Carter III』(2008年)に収録された、ニューヨークの精鋭たちとの強烈なマイクリレーが堪能できるポッセ・カットである。プロデューサーのThe Alchemistが手掛けた、不気味で重厚なサンプリング・ビートに乗せ、パンチラインの魔術師ことFabolous、当時Lil Wayneとのコラボアルバム『I Can't Feel My Face』が熱望されていた盟友Juelz Santana、そして絶頂期のLil Wayneが三者三様の圧倒的なワードプレイを展開する。Fabolousによる「ウェイアンズ兄弟(コメディアン一家)」のタイトルを繋げた天才的な連想ゲームから始まり、Juelzの冷酷なストリート描写、そしてWayneの意図的な言い間違い(セルフ・コレクション)を活かした狂気的なフロウに至るまで、当時のヒップホップにおける「リリシズムの競技」として最高峰のエンターテインメントを提供している。
和訳
[Intro: Fabolous]
Yes
イエス
What it look like, Alc'?
調子はどうだ、アルク(The Alchemist)?
※プロデューサーのThe Alchemistへのシャウトアウト。
I'm tryna show these niggas, man
こいつらに見せつけてやろうとしてるんだよ、マジで
It's that Street Fam, man, we rep that (Hahahaha)
俺たちは「ストリート・ファム」だ、それをレペゼンしてるぜ(ハハハ)
※Fabolousが率いるクルー、Street Familyへの言及。
Loso, street fi-di-di-di-dam (Yes)
ロソ(Fabolousの愛称)、ストリート・ファミダミダム(イエス)
[Verse 1: Fabolous]
Yo, I'm with a hundred-and-one niggas, we Dalmatian-doggy-deep (Yes)
ヨォ、俺は101人の仲間と一緒にいるぜ、ダルメシアンみたいに大群(ディープ)でな(イエス)
※ディズニー映画『101匹わんちゃん(101 Dalmatians)』を引き合いに出し、自分のクルーが101人規模の大所帯であることを「ダルメシアン・ドギー・ディープ」と表現している。
And fly with the tongue, so if you feelin' froggy, leap (Come on)
舌使い(ラップ)も最高(フライ)だぜ、だからカエルみたいな気分なら、飛び跳ねて(かかって)きな
※「Fly」には「最高」と「ハエ」のダブルミーニングがある。「ハエと舌」という言葉から「カエル(Frog)」を連想し、「Feelin' froggy, leap(喧嘩を売りたいならかかってこい)」というストリートのスラングへと繋げる見事な言葉遊び。
Kermit, you better think before you ribbit
カーミットよ、ゲコゲコ鳴く前に頭を使え
※前行の「カエル」から、マペットのキャラクター「カーミット」を引用。自分の曲で適当なこと(Ribbit=カエルの鳴き声)をほざく前に気をつけろという警告。
Don't get murdered over your song before you ad-lib it
アドリブを入れる前に、自分の曲のせいで殺されちまうぞ
I pop up like Xzibit, but given I'm at your crib, it's (Yeah, yeah)
俺はイグジビットみたいに突然現れるぜ、だが俺がお前の家にいるってことは(イェー、イェー)
※ラッパーのXzibit(イグジビット)が司会を務めていたMTVの人気番組『Pimp My Ride(車改造番組)』への言及。番組内で彼が突然ターゲットの家に現れる演出を引用。
Not to put no fucking fish tanks in your Civic (Nah)
お前のシビックにクソみたいな水槽を取り付けるためじゃねぇ(違うな)
※『Pimp My Ride』で車内に水槽を仕込むなどの過剰な改造がよく行われていたことをネタにしている。「俺が突然現れたのは、お前を喜ばせるためじゃない」というフリ。
Fuck gettin' your ride pimped, you'll get hog-tied, wimp
お前の車を改造(ピンプ)するどころか、お前を後ろ手で縛り上げ(ホグタイ)てやるよ、弱虫野郎
Have you in the trunk curled up like fried shrimp (Hahahaha)
エビフライみたいに丸まった状態で、トランクにブチ込んでやる(ハハハハ)
※「Pimp My Ride」の流れから、車を改造するのではなく、トランクに縛り上げた敵を詰め込む(マフィア的な拉致)というオチ。丸まった姿勢をエビフライに例えるユーモア。
It's been a good year, maybe I should ride blimp (What you think?)
今年はいい年(グッド・イヤー)だったな、いっそ飛行船(ブリンプ)にでも乗ろうか(どう思う?)
※タイヤメーカーの「Goodyear(グッドイヤー)」と、同社が宣伝用に飛ばしている有名な「グッドイヤー飛行船(Blimp)」を掛けたワードプレイ。
'Cause your boy just stay above the game
だって俺はずっと、このゲーム(ラップシーン)の遥か上空にいるからな
They tryna tag him, spray a brother frame
奴らは俺にタグ付け(弾丸を当てる)しようと、俺の体にスプレー(銃を乱射)しやがる
※「Tag」と「Spray」から、グラフィティ(壁の落書き)の用語と、銃弾を乱射するストリートの用語を掛けている。
But your shots can't reach me, I'm way above your aim, huh
だがお前らの弾は俺には届かねぇ、俺はお前らの照準の遥か上にいるんだ、ハッ
Go 'head, nigga, say another name (Go ahead)
やれるもんならやってみな、他の奴の名前でも言ってみろ(やれよ)
Take this family for a joke, play them Wayan-brother games (Go ahead)
俺たちファミリーを冗談だと思って、「ウェイアンズ兄弟」みたいなゲーム(おふざけ)をしてみな(やれよ)
※ここからFabolousの真骨頂である、有名なコメディアン一家「ウェイアンズ兄弟」の映画タイトルや出演作を連続で織り交ぜる神業的なワードプレイがスタートする。
And I'ma Git You Sucka, I be scheming with this Keenan (That's right)
そしたら俺は『I'm Gonna Git You Sucka』(お前を仕留めてやる)、このキーネンみたいに計画を練ってるぜ(その通りだ)
※キーネン・アイヴォリー・ウェイアンズ監督・主演の1988年の映画『I'm Gonna Git You Sucka』。
Aimin' with this Damon, I'm puttin' that Major Payne in (Oh)
このデイモンのように狙いを定め、お前に強烈な痛み(メジャー・ペイン)を与えてやる(オー)
※デイモン・ウェイアンズ主演の1995年の映画『Major Payne』。「Payne」と「Pain(痛み)」を掛けている。
My Little Man is on you, Marlon and Shawn you (Yeah)
俺の『Little Man(小さな男/銃)』がお前を狙ってるぜ、マーロンとショーンのように(イェー)
※マーロン&ショーン・ウェイアンズ兄弟主演の2006年の映画『Little Man』。「Little Man」は自分が隠し持っている銃(または手下)のメタファー。
Lay the beef on his noodle, make some Luger lasagna (Woo)
奴の頭(ヌードル)にビーフ(銃弾/肉)を乗せて、「ルガー・ラザニア」を作ってやるよ(ウー)
※「Noodle」はスラングで「頭・脳みそ」。「Beef」は「揉め事」と「牛肉」のダブルミーニング。「Luger」はドイツ製の拳銃。頭を撃ち抜いて脳みそと血が混ざった状態を、肉が乗ったラザニアに例える過激で秀逸なパンチライン。
Forty-cal fettuccine, trey-pound pasta
40口径のフェットチーネ、38口径(トレイ・パウンド)のパスタだ
※前行のラザニアから、銃の口径とイタリアのパスタを掛け合わせたマフィア的なジョークの連発。
You reach for this medallion, you must like Italian, nigga
俺のこのメダリオン(ネックレス)に手を伸ばすなら、お前はイタリアン(マフィアの処刑方法)が好きに違いないな
You only see me pushin' if the driver's tired (Yes)
俺が車を運転(プッシュ)するのを見るのは、お抱えの運転手が疲れてる時だけだ(イエス)
I work the S6 ever since the 5 retired (Yes)
5(BMW 5シリーズ、または古い銃)が引退してからは、S6(アウディS6、または新しい武器)を扱ってるぜ(イエス)
The drop-top, they say it's Ocean Drive-inspired
オープンカーのドロップトップ、オーシャンドライブ(マイアミの海岸通り)にインスパイアされたって言われてるぜ
So you can call a cab once your bitch fall for Fab'
だから、お前のビッチがファボラス(俺)に惚れて車に乗っちまったら、お前はタクシーでも呼ぶんだな
[Chorus: Lil Wayne & Juelz Santana]
Uh, I get money like a motherfucker
アー、俺はクソみたいに金を稼いでる
Shades darker than a bitch, but I can see
サングラスはクソ暗いが、俺にはすべて見えてるぜ
I got everything, you got nothing
俺はすべてを持ってるが、お前らは何も持ってねぇ(You ain't got nothing)
But you ain't got nothing on me
だからお前らは俺の足元にも及ばねぇのさ
Oh, I'm gettin' money like a motherfucker (Mr. HD)
オー、俺はクソみたいに金を稼いでる(ミスターHD)
Yeah, money you ain't never see (High definition)
ああ、お前らが一生見ることのない金だ(ハイ・デフィニション)
Yeah, I got everything, you got nothing (That's how I'm coming at you niggas, you dig? Santana, ayy)
ああ、俺はすべてを持ってるが、お前らは何も持ってねぇ(そういうやり方でお前らに向かってくぜ、わかるか? サンタナだ、エイ)
But you ain't got nothing on me (Hahaha)
だからお前らは俺の足元にも及ばねぇのさ(ハハハ)
[Verse 2: Juelz Santana]
I'm on the grind 'til the police come (Yeah)
サツが来るまで、俺はずっとグラインド(ハッスル)してるぜ(イェー)
With that pistol on my side, boy, don't be dumb (Huh), or
腰にはピストルがある、坊や、バカな真似はするなよ(ハッ)、さもなきゃ
I let that semi twirl you (Get 'em), now you can follow the drip
このセミオートマチックでお前を回転(吹き飛ば)させてやる。さあ、滴る血(ドリップ)をたどってみな
'Cause one shot out of the clip'll Jheri-curl you (Oh)
だって、クリップ(弾倉)からの1発の銃弾が、お前を「ジェリー・カール」にしちまうからな(オー)
※「Jheri curl」は80年代に流行した濡れたようなパーマヘア(マイケル・ジャクソンなどで有名)。頭を撃ち抜かれて血で髪が濡れそぼる状態を、ジェリー・カールに例えた残酷なジョーク。
Leave you sloppy like seconds, obey me like peasants
お前を「お代わり(セカンズ)」みたいにグチャグチャ(スロッピー)にしてやる、農民(ペザント)のように俺に従え
※「Sloppy seconds」は「他の男がヤッた後の女(お下がり)」という下品なスラング。敵をみすぼらしい状態にするという比喩。
Or get opened up like presents please
それか、プレゼントみたいに切り開(オープン・アップ)かれたいのか?
My young boys wildin' for respect
俺の若い衆(ヤング・ボーイズ)はリスペクトを得るために暴れ回ってる
Slit your throat, have you smilin' with your neck, say cheese (Huh)
お前の喉を切り裂いて、首元で「スマイル」させてやるよ、ハイチーズ(ハッ)
※喉を横一文字に切り裂かれた傷口が、笑っている口のように見えることから「Glasgow smile(グラスゴースマイル)」と呼ばれる残虐なストリートの処刑法。「写真撮影(ハイチーズ)」のジョークで包んでいる。
My dough's a bit longer (Yup), my flow is just slaughter (Yup)
俺の金(ドウ)は少し長く(多く)なり、俺のフロウはまさに大虐殺(スローター)だ(ヤップ)
My wrist look like frozen Poland Spring water (Damn)
俺の手首は、凍った「ポーランド・スプリング(ミネラルウォーター)」みたいに見えるぜ(クソ)
※手首の大量のダイヤモンド(Ice)が、透き通った高級ミネラルウォーターの氷のように輝いていることの誇示。
So tell me, boys, tell me, boys, who you think you messin' with? (Who?)
だから教えてくれ、坊やたちよ、自分たちが誰に喧嘩を売ってるか分かってんのか?(誰に?)
I get money out the ass, that's some expensive shit (Ew)
俺のケツからは金が湧いて出てくる、こいつはとびきり「高価なクソ」だぜ(オエッ)
※「Out the ass(大量に、腐るほど)」というイディオムを文字通りの「ケツから出るクソ」と掛けた下品な言葉遊び。
Haven't you all heard? (What?) Y'all all herbs (Yup)
まだ聞いてないのか?(何を?) お前らは全員ハーブ(マヌケ)だってことさ(ヤップ)
※「Herb」はスラングで「弱虫、ダサい奴」。
I stick toothpicks (Where?) in y'all hors d'oeuvres (Listen)
お前ら「オードブル(前菜)」に、爪楊枝を突き刺してやるよ(聞け)
※敵を一口サイズのオードブル(弱者)に例え、それを爪楊枝(銃やナイフ)で刺して食べるという表現。
I'm a shark, y'all just koi fish (What else?)
俺はサメだ、お前らはただの「鯉(コイ・フィッシュ)」だぜ(他には?)
Octopus (What else?) Oysters (Huh)
タコ(他には?) 牡蠣(オイスター)さ(ハッ)
※海の食物連鎖の頂点(サメ)である自分と、無力なエサ(鯉、タコ、牡蠣)たち。
Chump, I got my eye on your wifey now (Yeah)
マヌケ野郎、今度は俺がお前の嫁さんに目をつけてるぜ(イェー)
I have her lick me up (Up) and then wipe me down (Down)
俺を上まで舐め上げさせて(アップ)、それから下まで拭き取らせる(ダウン)
※Boosie Badazzの大ヒット曲「Wipe Me Down」へのオマージュ。
She told me you's a nag, you's a bug (Damn)
彼女が言ってたぜ、お前は口うるさくて、ウザい虫だってな(クソ)
She told me I'm a blast, I'm a stud (Damn)
俺のことは「最高に楽しいし、絶倫の種馬(スタッド)だ」って言ってたぜ(クソ)
She told me you'd be beastin', you'd be checkin' for the burns
彼女が言うには、お前は怒り狂って、カーペットの摩擦傷(ヤッた証拠)を探し回るらしいな
So I gave her knee pads for the rug (Haha)
だから俺は彼女に、ラグ(カーペット)用の膝当て(ニーパッド)をプレゼントしてやったのさ(ハハ)
※カーペットの上で四つん這いにさせて激しくセックス(ドギースタイルやオーラル)をするため、膝に傷(証拠)が残らないように膝当てを渡したという、夫を完全にコケにするジョーク。
It's Skull Gang from the chain to the lifestyle
チェーンからライフスタイルまで、これが「スカル・ギャング」さ
※Juelz Santanaが率いるクルー、Skull Gangへのシャウトアウト。
You surfboard dudes get wiped out totally
お前らサーフボード野郎どもは、完全にワイプアウト(波に飲まれて全滅)するんだよ
[Chorus: Lil Wayne]
Uh, oh, I'm gettin' money like a motherfucker
アー、オー、俺はクソみたいに金を稼いでる
Shades darker than a bitch, but I can see
サングラスはクソ暗いが、俺にはすべて見えてるぜ
I got everything, you got nothing
俺はすべてを持ってるが、お前らは何も持ってねぇ
But you ain't got nothing on me
だからお前らは俺の足元にも及ばねぇのさ
Oh, I'm gettin' money like a motherfucker
オー、俺はクソみたいに金を稼いでる
Yeah, money you will never see
ああ、お前らが一生見ることのない金だ
Yeah, I got everything, you got nothing (Uh-huh, uh-huh)
ああ、俺はすべてを持ってるが、お前らは何も持ってねぇ(アハ、アハ)
But you ain't got nothing on me (Uh-huh, check me out)
だからお前らは俺の足元にも及ばねぇのさ(アハ、俺を見な)
[Verse 3: Lil Wayne]
Get you three, four, get you
お前を3つ、4つ、捕まえて
Like the number after one, I'ma get me too
1の次の数字(2)みたいに、俺自身(Me, too)も手に入れるぜ
※「1, 2, 3, 4」という数字の流れと、「Me, too(俺も)」の「too」と「Two(2)」を掛けた言葉遊び。
It's Weezy F-U, now, you gotta have a baby
ウィージー・「F-U(お前をファックする)」だ、さあ、お前は妊娠(ハブ・ア・ベイビー)しちまうぜ
※Wayneの定番のシグネチャーフレーズ「Weezy F. Baby」の「F」を「Fuck You」に置き換え、「俺にファックされたから赤ん坊(Baby)ができる」というジョークへと着地させている。
My money don't folds nor bends, Mercedes
俺の金は折り曲がったり(フォールド)しない、メルセデスのように
※大量の札束が分厚すぎて財布で二つ折りにできないことと、「Mercedes-Benz(ベンツ)」の「Benz」と「Bends(曲がる)」を掛けている。
Maybach, grey-black
マイバッハ、グレーとブラックのツートンカラーだ
And I got a four-four and a 'K, like eight stacks
俺は44口径(Four-four)とAK('K)を持ってる、まるで8スタック(8万ドル)みたいにな
※「4(Four)」+「4(Four)」=「8(Eight)」という足し算の言葉遊び。「Stacks」は1000ドルの札束。
Fuck your city and your town, I state facts, take that
お前の都市(City)も町(Town)もクソ食らえだ、俺は事実(State facts)を述べてる、これでも食らいな(Take that)
※City、Town、State(州・述べる)という地理的な単語を織り交ぜている。
No, better yet, like Diddy, "Take that"
いや、むしろディディみたいに「テイク・ザット(食らいな)」だ
※P. Diddyの有名なアドリブ・フレーズ「Take that, take that」へのオマージュ。
Wait, rats, I hate rats, I clean 'em out like Ajax
待てよ、ネズミ(密告者)だ、俺はネズミが大嫌いだ、エイジャックス(洗剤)みたいに綺麗に掃除してやる
※ストリートの掟である「Snitch(密告者=Rat)」への憎悪と、有名な家庭用洗剤「Ajax」を掛けている。
Got paper like a fax machine, asi-neen
ファックス機みたいに紙(札束)を持ってるぜ、アサニーン
Damn, I mean asinine, I'm dapper don, and after mine
クソ、つまり「アサナイン(愚か・バカバカしいほど)」だ、俺は粋なドン(マフィアのボス)で、俺の次には
There will be nine, damn, I mean, there will be none
9(ナイン)が来る、クソ、いや、誰も来ない(ナン)ってことだ
※ここがWayneのバースの最大のハイライト。わざと単語の発音を間違え(Asi-neen)、次行で「Asinine(正しい発音)」に訂正し、その「nine」の音に引っ張られて「There will be nine(俺の次には9番が来る)」と言い間違え、すぐに「there will be none(俺の後に続く者は誰もいない)」と正解を言い直す。即興ラップ(フリースタイル)で思考が先走って言い間違えるリアルな感覚を、高度なリリックの構成として「意図的に」演出している、恐るべき技巧である。
I will be one, of the greatest things you've ever felt
俺は1(ナンバーワン)になる、お前がこれまでに感じた中で最も偉大な存在のな
You've ever seen, or heard, Carter, Harvard, y'all scared
これまでに見た中で、あるいは聞いた中でな。カーター、ハーバード、お前らはビビってる
Not me, not I, call me Young Popeye
俺はビビってねぇ、俺じゃない。俺をヤング・ポパイと呼びな
※ホウレン草(ウィードや金のメタファー)で無敵になるキャラクター、ポパイ。
Tell Bluto I'm a Nuno, I bring RAL to your funeral
ブルートに伝えな、俺は「ヌーノ」だ。お前の葬式に「RAL」を持って行ってやるよ
※ポパイの宿敵ブルート(Bluto)。「Nuno」と「RAL」は、ストリートの仲間や武器の隠語と考察されるが、音の響き(Funeralとの韻)を重視したナンセンスな連想の可能性も高い。
Damn, I mean "funer-al," "funer-uhl"
クソ、つまり「フューネ・ラル」「フューネ・ル(正しい発音)」だ
You say "tomato," I say "to-mah-to"
お前が「トメィト」と言うなら、俺は「トマート」と言う
※イギリス英語とアメリカ英語の発音の違いから生まれた有名なジャズの楽曲「Let's Call the Whole Thing Off」のフレーズ。再び「発音の間違いや違い」というテーマで遊んでいる。
You say "get 'em," I say "got 'em," yeah, I got 'em
お前が「奴らを捕まえろ(ゲット・エム)」と言うなら、俺は「もう捕まえた(ゴット・エム)」と言う。ああ、俺は奴らを仕留めたぜ
Man, you better keep payin' me 'cause you don't want my problems
なあ、俺に金を払い続けた方がいいぜ、お前は俺とトラブル(問題)を起こしたくないはずだからな
I be wildin' like Capital One, what is in your wallet?
俺はキャピタル・ワンみたいに暴れ回る(ワイリン)、「あなたの財布には何が入っていますか?」ってな
※アメリカの大手クレジットカード会社「Capital One」の有名なCMのキャッチコピー「What's in your wallet?」を引用。お前の金を巻き上げてやるという比喩。
You fly, but what is it to pilot?
お前は飛んでる(フライ=イケてる)が、パイロット(俺)の前に出たらどうなる?
※自分が飛行機を操縦するパイロット(上位存在)であり、単に飛んでいるだけの奴らとは格が違うという誇示。
Weezy, I'm at the top, foot up in your bottom
ウィージー、俺はトップ(頂点)にいる、お前の「ボトム(底辺)」に足を突っ込んでるぜ
※「Top(上)」と「Bottom(下)」の対比。
Huh, damn, I mean, "Foot up in your ass"
ハッ、クソ、つまり、「お前のケツ(Ass)に足を蹴り込んでる」って意味だよ
※「Bottom(底)」という表現が上品すぎたため、ストリートらしく「Ass(ケツ)」と言い直す、三度目のセルフ・コレクション(自己訂正)のジョーク。
I kick that shit, now go and put it in the trash
俺はそのクソを蹴り飛ばしてやった、さあ、こいつをゴミ箱に捨ててきな
※自分のラップ(Shit)を蹴り飛ばした(Kick=ラップした)。あまりに凄すぎて他の奴らの曲はすべてゴミ箱行きだという、強烈なバースの締めくくり。
[Chorus: Lil Wayne]
Deezle, uh, I'm gettin' money like a motherfucker
ディーズル、アー、俺はクソみたいに金を稼いでる
※共同プロデューサーであるDeezleへのシャウトアウト。
Shades darker than a bitch, but I can see
サングラスはクソ暗いが、俺にはすべて見えてるぜ
I got everything, you got nothing
俺はすべてを持ってるが、お前らは何も持ってねぇ
But you ain't got nothing on me
だからお前らは俺の足元にも及ばねぇのさ
Yeah, I'm getting money like a motherfucker
ああ、俺はクソみたいに金を稼いでる
Yeah, money you will never see
ああ、お前らが一生見ることのない金だ
Yeah, uh, uh
ああ、アー、アー
And you ain't got nothing on me
だからお前らは俺の足元にも及ばねぇのさ
Yeah, I'm gettin' money like a motherfucker
ああ、俺はクソみたいに金を稼いでる
Shades darker than a bitch, but I can see
サングラスはクソ暗いが、俺にはすべて見えてるぜ
I got everything, you got nothing
俺はすべてを持ってるが、お前らは何も持ってねぇ
But you ain't got nothing on me
だからお前らは俺の足元にも及ばねぇのさ
Yeah, I'm gettin' money like a motherfucker
ああ、俺はクソみたいに金を稼いでる
Yeah, big money, nigga
ああ、大金だぜ
Big money, nigga, big money, nigga
大金だ、野郎ども、大金だ
Yeah, and you ain't got nothing on me
ああ、お前らは俺の足元にも及ばねぇのさ
![Tha Carter III [Explicit] Tha Carter III [Explicit]](https://m.media-amazon.com/images/I/51E7A-blFzL._SL500_.jpg)