Artist: Lil Wayne (feat. T-Pain)
Album: Tha Carter III
Song Title: Got Money
概要
2008年のメガヒットアルバム『Tha Carter III』から放たれた、2000年代後半のクラブシーンを象徴する究極のバンガーである。プロデュースはテキサス出身のデュオPlay-N-Skillzが担当。当時、圧倒的なオートチューン・ボーカルで全米のチャートを席巻していたT-Painを客演に迎え、シンセサイザーが鳴り響くアップテンポなトラック上で「有り余る富の誇示(Make it rain)」をストレートに表現している。金融危機(リーマン・ショック)の直前という時代背景において、スーパーマーケットの紙袋に現金を詰め込んでクラブへ向かうという常軌を逸した浪費ぶりは、資本主義の頂点に立ったラッパーのハイパー・インフレーション的な自意識を反映している。Fat Joeの「Make It Rain」への参加で「雨を降らせる男」の称号を得たWayneが、ストリートの暴力性とスーパースターの享楽を完璧なバランスで融合させた、歴史的なパーティー・アンセムだ。
和訳
[Intro: Lil Wayne & T-Pain]
(Pl-Pl-Play-N, Play-N, Play-N-Skillz)
(プレイ・ン・スキルズ)
※本楽曲をプロデュースしたテキサスの兄弟プロデューサー・デュオ、Play-N-Skillzのプロデューサー・タグ。
Yeah, yeah
イェー、イェー
I need a Winn-Dixie grocery bag full of money (Woo, uh-huh)
ウィン・ディキシーの買い物袋いっぱいの現金が必要だぜ(ウー、アハ)
※「Winn-Dixie」はアメリカ南部(フロリダ州やルイジアナ州など)に展開する庶民的なスーパーマーケットチェーン。高級なアタッシュケースではなく、日常的な茶色い紙袋に札束を無造作に詰め込むことで、金が腐るほどあるという異常なスケール感を強調している。
Right now to the VIP section (Woo, yeah)
今すぐVIP席に向かうぜ(ウー、イェー)
You got Young Mula in the house tonight, baby (Yeah)
今夜はヤング・ムーラがお出ましだぜ、ベイビー(イェー)
※「Mula(ムーラ)」はスラングで「金(Money)」のこと。Young Moneyレーベルの別称。
Yeah
イェー
Haha, yeah (Uh-huh)
ハハ、イェー(アハ)
Young (Ayy-hey)
ヤング(エイヘイ)
Young, Young, Young, Young Mula, baby
ヤング、ヤング、ヤング・ムーラだ、ベイビー
[Chorus: T-Pain]
If you got money (Yeah) and you know it (Yeah)
もしお前が金を持ってて(イェー)、それを分かってるなら(イェー)
※有名な童謡「If You're Happy and You Know It(幸せなら手をたたこう)」のリズムとフレーズをサンプリング・改変したキャッチーなフック。
Take it out your pocket and show it, then, throw it, like (Fly)
ポケットから出して見せびらかせ、そしてバラ撒くんだ、こんな風にな(フライ)
※ストリップクラブ等で札束を宙に投げる「Make It Rain」の文化を体現している。
This-a-way (Fly), that-a-way (Fly)
こっちへ(フライ)、あっちへ(フライ)
This-a-way (Fly), that-a-way
こっちへ(フライ)、あっちへ
If you gettin' mugged from everybody you see
もしお前が周りの奴ら全員からガン飛ばされてる(マグされてる)なら
※「Mugged」は通常「強盗に遭う」を意味するが、ここでは「Mean muggin'(嫉妬や敵意を持って睨まれること)」のスラング。大金を持っていることでヘイターたちから敵視されている状況を指す。
Then hang over the wall of the VIP like (Fly)
VIP席の壁から身を乗り出して、こうやって見下ろしてやれ(フライ)
This-a-way (Fly), that-a-way (Fly)
こっちへ(フライ)、あっちへ(フライ)
This-a-way (Fly) that-a-way (Yeah, uh-huh, alright, alright)
こっちへ(フライ)、あっちへ(イェー、アハ、オーライ)
[Verse 1: Lil Wayne]
Now, I was bouncin' through the club
さて、俺はクラブでバウンスしながら歩いてた
She love the way I Diddy-bop
あの女、俺のディディ・バップ(歩き方)がたまらないらしいぜ
※「Diddy-bop」は、P. Diddy(ショーン・コムズ)特有の、肩を揺らしてリズムに乗りながら歩く・踊るスタイルのこと。自信とスワッグに満ちた振る舞いのメタファー。
I see her boyfriend hatin' like a city cop
女の彼氏が、市警(サツ)みたいに俺を睨みつけてヘイトしてるのが見えるぜ
※ストリートにおける警察官(黒人の若者を無差別に敵視・警戒する存在)の冷たい視線を、嫉妬する彼氏の視線に重ね合わせた秀逸な比喩。
Now, I ain't never been a chicken but my fifty cocked
俺はチキン(臆病者)だったことはねぇが、俺の50口径はコック(撃鉄が起きてる)されてるぜ
※「Chicken(鶏/臆病者)」と「Cock(雄鶏/銃の撃鉄を起こす)」の言葉遊び。自身の勇猛さと、常に50口径のデザートイーグル等の重火器を撃てる状態にしているというストリートの現実を語る。
Say, I ain't never been a chicken, but my semi cocked
もう一度言うぜ、俺はチキンじゃねぇが、俺のセミオートマチックは発射準備完了だ
Now, where your bar at? I'm tryna rent it out
で、バーカウンターはどこだ? 丸ごと貸し切ってやるよ
And we so 'bout it, 'bout it, now what are you about?
俺らはマジで「バウティット・バウティット」だぜ、お前らはどうなんだ?
※「'bout it, 'bout it」は、Wayneと同じニューオーリンズ出身の重鎮ラッパーMaster Pが広めたスラングで「(喧嘩やハッスルに対して)本気だ、行動で示す」という意味。地元文化への強烈なシャウトアウト。
DJ show me love, he say my name when the music stop
DJが俺に愛(リスペクト)を見せてくれる、音楽が止まる時に俺の名前を呼ぶのさ
"Young Money, Lil Wayne," then the music drop
「ヤング・マネー、リル・ウェイン!」そしてまたビートが落ちる
I make it snow, I make it flurry
俺は雪を降らせる、吹雪にしてやるぜ
※ストリップクラブで札束を雨のように降らせる「Make it rain」を超越し、白紙の札束やコカイン(スノウ)が吹雪のように舞うレベルの異常な散財を表現している。
I make it all back tomorrow, don't worry
心配すんな、明日には全部取り戻す(稼ぎ直す)からよ
Yeah, Young Wayne on them hoes
ああ、ビッチどもの上のヤング・ウェインだ
AKA Mr. Make-It-Rain-On-Them-Hoes, Young Money
またの名を「ビッチどもに雨を降らせる男(ミスター・メイク・イット・レイン)」、ヤング・マネーさ
※2006年にFat Joeの特大ヒット曲「Make It Rain (feat. Lil Wayne)」でフックを担当し、このフレーズを世界的に流行らせた自分自身の偉業を誇示している。
[Chorus: T-Pain, Lil Wayne, Both]
If you got money (Yeah) and you know it (Yeah)
もしお前が金を持ってて(イェー)、それを分かってるなら(イェー)
Then take it out your pocket and show it, then, throw it like (Fly)
ポケットから出して見せびらかせ、そしてバラ撒くんだ、こんな風にな(フライ)
This-a-way (Fly) that-a-way (Fly, yeah)
こっちへ(フライ)、あっちへ(フライ、イェー)
This-a-way (Fly), that-a-way
こっちへ(フライ)、あっちへ
If you gettin' mugged from everybody you see (Yeah)
もしお前が周りの奴ら全員からガン飛ばされてるなら(イェー)
Then hang over the wall of the VIP like (Fly, come on)
VIP席の壁から身を乗り出して、こうやって見下ろしてやれ(フライ、カモン)
This-a-way (Fly), that-a-way (Fly, come on)
こっちへ(フライ)、あっちへ(フライ、カモン)
This-a-way (Fly), that-a-way (Streets)
こっちへ(フライ)、あっちへ(ストリート)
[Verse 2: Lil Wayne]
It go one for the money (Yeah), two for the show (Yeah)
いくぜ、1に金のため(イェー)、2にショーのため(イェー)
※Carl Perkinsの「Blue Suede Shoes」から引用され、ヒップホップでもSlick Rickなどで定番となったフレーズの借用。
Now clap your hands if you got a bankroll (Chris)
札束(バンクロール)を持ってるなら手を叩け
※後ろでかすかに聞こえる「Chris」は、同曲のエンジニアを務めたChris Carmoucheへの呼びかけ、もしくは特定の仲間へのシャウトアウトとされる。
Like some clap-on lights in this bitch
このクラブにある「クラップ・オン」ライトみたいにな
※「Clapper(手を叩くと音に反応して点灯・消灯する照明器具)」のメタファー。札束を見せつけるために手を叩く行為と照明のスイッチを掛けている。
I'ma be clappin' all night in this bitch (Uh-huh)
俺は一晩中ここで手を叩き(銃を撃ち)続けるぜ(アハ)
※「Clap」には「手を叩く」だけでなく「銃を撃つ」というストリートスラングの意味があり、クラブでの豪遊から一転して暴力的なニュアンスを含ませている。
Lights off (Uh-huh), mask on (Uh-huh)
照明を消して(アハ)、マスクを被る(アハ)
※前行の照明(Lights)からの連想。煌びやかなクラブから、強盗や襲撃(Ski maskを被る暗闇のストリート)の情景へと一瞬で場面転換させる、Wayneの不気味でシネマティックなリリック構成。
Creep silent (Uh-huh), she smilin' (Uh)
足音を消して忍び寄る(アハ)、女は微笑んでる(ア)
He mugging, who cares?
男は睨んでるが、知ったこっちゃねぇ
Cause my goons are right here
俺のグーン(ギャングの仲間)たちがここにいるからな
Like it's nothin' to a big dog
ビッグ・ドッグ(大物)にとっちゃ何でもないことさ
And I'm a Great Dane, I wear eight chains
俺はグレート・デーン(超大型犬)、8本のチェーンを首に巻いてるぜ
※自身を犬種の中でも最大級のグレート・デーンに例え、「Dane」と「Eight chains」で見事に韻を踏みつつ、ラッパーとしての圧倒的な格(Big dog)と財力を示している。
I'm in so much ice, they yell, "Skate, Wayne"
俺は氷(アイス=ダイヤ)にまみれすぎて、みんなが「スケートしろよ、ウェイン」って叫ぶんだ
※「Ice(ダイヤモンドなどのジュエリー)」を大量に身につけているため、氷の上を滑る「スケート」ができるという言葉遊び。また、当時Wayneがスケートボードに深く傾倒し始めていた(後にスケートブランドTrukfitを立ち上げる)背景も掛かっている。
She wanna fuck Weezy, but she wanna rape Wayne
あの女、ウィージーとはヤリたがるが、ウェインのことはレイプ(強姦)したがってるぜ
※ポップスターとしてのペルソナ「Weezy」と、人間としての本質「Wayne」。グルーピーの女性たちが彼に抱く欲望が、単なるセックスを超えて、彼を力ずくで支配・蹂躙したいという狂気的なレベルに達していることを表現した異常なライン。
[Chorus: T-Pain, Lil Wayne, Both]
If you got money (Yeah, and I'ma let her) and you know it (Yeah)
もしお前が金を持ってて(イェー、女の好きにさせるぜ)、それを分かってるなら(イェー)
Then take it out your pocket and show it, then throw it like (Fly, uh-huh)
ポケットから出して見せびらかせ、そしてバラ撒くんだ、こんな風にな(フライ、アハ)
This-a-way (Fly, uh-huh), that-a-way (Fly, uh-huh)
こっちへ(フライ、アハ)、あっちへ(フライ、アハ)
This-a-way (Fly, uh-huh) that-a-way (Yeah)
こっちへ(フライ、アハ)、あっちへ(イェー)
If you gettin' mugged from everybody you see (Yeah, uh)
もしお前が周りの奴ら全員からガン飛ばされてるなら(イェー、ア)
Then hang over the wall of the VIP, like—
VIP席の壁から身を乗り出して、こうやって見下ろしてやれ—
[Verse 3: Lil Wayne]
Okay, it's Young Wayne on them hoes
オーケイ、ビッチどもの上のヤング・ウェインだ
AKA Mr. Make-it-Rain-On-Them-Hoes, like ayy
またの名を「ビッチどもに雨を降らせる男(ミスター・メイク・イット・レイン)」だ、エイ
And everybody say
みんなこう言うぜ
"Mr. Rainman can we have a rainy day?"
「ミスター・レインマン、雨の日(レイニー・デイ)を恵んでくれませんか?」ってな
Bring a umbrella, please bring a umbrella
傘を持て、頼むから傘を持ってこい
'Ella, 'ella, 'ella, ayy
エラ、エラ、エラ、エイ
※Rihannaの世界的大ヒット曲「Umbrella (feat. JAY-Z)」(2007年)の特徴的なフックをそのまま引用。札束の豪雨(Make it rain)から身を守るために傘が必要だというユーモア。
Bitch ain't shit but a ho and a trick
ビッチなんて、ただの売春婦とペテン師でしかねぇ
But you know it ain't trickin' if you got it
だが分かってるだろ、金が腐るほどあるなら女に貢ぐのも「トリッキン」じゃねぇのさ
※同じアルバムの収録曲「A Milli」でも使用されたアイコニックなパンチライン。「Trickin'(見栄を張って身の丈に合わない大金を女に貢ぐこと)」も、Wayneの底なしの財力の前ではただの日常的な出費に過ぎないという真理。
You know we ain't fuckin' if you not thick
お前が「シック(肉感的なグラマー)」じゃないなら、俺とはヤレないぜ
And I'll cool your ass down if you think you hot shit
お前が自分のことを「ホットな存在」だと思い上がってるなら、俺が冷まして(クールダウンさせて)やるよ
※「Hot shit(イケてる、あるいは調子に乗っている状態)」の人間を「Cool down(撃ち殺して死体にすることで物理的に体温を奪い冷ます)」という、ストリートの冷酷なワードプレイ。
So Rolex watch this, I do it, four-five-six
だからロレックス、これを見てな。俺は4・5・6で決めるぜ
※「Watch this(これを見ろ)」と「Rolex watch(ロレックスの時計)」の言葉遊び。「Four-five-six(4-5-6)」は、ストリートで人気のサイコロ賭博「Cee-lo(チンチロリンに似たゲーム)」において自動的に勝ちとなる最強の役。常に自分が勝者であることを意味する。
My click-clack goes the black four-fifth
俺の黒い45口径が「カチャッ(クリック・クラック)」と鳴る
※前行の「Four-five-six」の数字の流れ(4,5)を受けて、「Four-fifth(.45口径の銃)」を引き合いに出している。
And just like it, I'll blow that shit
そしてその銃みたいに、俺はブッ放す(金も女も吹き飛ばす)のさ
Cause, bitch, I'm the bomb, like "Tick, tick," biatch
だってよビッチ、俺は「チクタク」鳴る爆弾(最高な存在)だからな、ビアーッチ!
※「The bomb」はスラングで「最高に素晴らしい」という意味だが、文字通りの爆弾(Bomb)として「Tick, tick(時計の作動音)」を口で模倣し、爆発的な破壊力を持つ自身の才能を表現している。
[Chorus: T-Pain]
If you got money (Yeah) and you know it (Yeah)
もしお前が金を持ってて(イェー)、それを分かってるなら(イェー)
Then take it out your pocket and show it, then throw it like (Fly)
ポケットから出して見せびらかせ、そしてバラ撒くんだ、こんな風にな(フライ)
This-a-way (Fly), that-a-way (Fly)
こっちへ(フライ)、あっちへ(フライ)
This-a-way (Fly), that-a-way
こっちへ(フライ)、あっちへ
If you gettin' mugged from everybody you see
もしお前が周りの奴ら全員からガン飛ばされてるなら
Then hang over the wall of the VIP like
VIP席の壁から身を乗り出して、こうやって見下ろしてやれ
This-a-way (Fly), that-a-way (Fly)
こっちへ(フライ)、あっちへ(フライ)
This-a-way (Fly), that-a-way
こっちへ(フライ)、あっちへ
[Bridge: Lil Wayne]
Yeah, it's Young Wayne on them hoes
ああ、ビッチどもの上のヤング・ウェインだ
AKA Mr. Make-It-Rain-On-Them-Hoes
またの名を「ビッチどもに雨を降らせる男(ミスター・メイク・イット・レイン)」
Yeah, Young Wayne on them hoes
ああ、ビッチどもの上のヤング・ウェインだ
Make a stripper fall in love: T-Pain on them hoes, uh-huh
ストリッパーを恋に落とさせる男、ビッチどもの上のT-Painだ、アハ
※客演のT-Painの大ヒット曲「I'm 'n Luv (Wit a Stripper)」(ストリッパーに恋をした)を引き合いに出したシャウトアウト。
[Outro: Lil Wayne]
Um, Young Mula, baby, hahaha
ええと、ヤング・ムーラだ、ベイビー、ハハハ
![Tha Carter III [Explicit] Tha Carter III [Explicit]](https://m.media-amazon.com/images/I/51E7A-blFzL._SL500_.jpg)