Artist: Lil Wayne
Album: Tha Carter II
Song Title: On Tha Block #3 - Skit
概要
『Tha Carter II』の終盤に収録された本作は、アルバムを貫く地元ニューオーリンズのストリートの空気感をパッケージした連作スキットの完結編である。これまでの「On Tha Block」スキットで語られた凄惨な暴力やドラッグの蔓延といったダークな現実から一転し、ここではCash Moneyと、当時Wayneが立ち上げたばかりのYoung Moneyの合同ライブへと向かう若者たちの高揚感が描かれている。会話内で登場する「Birdman-ed down(Birdmanのように全身を派手に着飾る)」という独自の造語は、Cash MoneyのボスであるBirdmanの成金的なファッションスタイルが、当時の南部のゲットーにおいて絶対的なステータスシンボルとして機能していたことを生々しく証明している。死と隣り合わせの過酷な日常と、音楽を通じた成功(フレックス)というストリートカルチャーの光と影を見事に補完する、極めて重要なインタールードである。
和訳
What's up, shorty? Where you goin' all fuckin' shinin' like?
調子はどうだ? そんなピカピカに着飾って、どこ行くつもりだ?
※「shorty」は同年代の友人や若い男への親しみを込めた呼びかけ。「shinin'」はジュエリーや真新しい服で派手にドレスアップし、フレックス(自慢)している状態を指す。
Man, Young Money and Cash Money got a fire show
なぁ、Young MoneyとCash Moneyの最高にヤバいショーがあるんだよ。
※Lil Wayneが設立した自身のレーベル「Young Money Entertainment」と、彼が所属する親レーベル「Cash Money Records」への露骨なプロモーション。地元ニューオーリンズのストリートにおいて、彼らのライブがいかに熱狂的なイベント(fire show)であったかを示している。
Well, then that's why the whole neighborhood Birdman-ed down
なるほどな、だからこの辺りの連中がみんなBirdmanみたいにキメ込んでるわけだ。
※「Birdman-ed down」という非常にローカルで秀逸な造語。Cash Moneyの共同創設者Birdman(Baby)のように、全身を高級ブランドや過剰なほどのダイヤモンド(Bling-Bling)で重装備するスタイルのこと。地元の若者たちがライブに向けて、憧れのボスのスタイルをこぞって真似ているというストリートのリアルなファッション事情。
I'ma be in that bitch, I'ma go and get twisted first, I'ma holla
俺もそのパーティーに顔を出すぜ。まずはマリファナと酒でガンギマリになってからな。じゃあまた後で。
※「in that bitch」は「その場所(ライブ会場)に行く」の意。「get twisted」は、マリファナ(ウィード)とアルコール(主にシロップや酒)を同時に摂取して激しくハイになる、または泥酔するというヒップホップ特有のドラッグ・スラング。
Alright, shorty, holla back
おう、じゃあな。また会場で会おうぜ。
※「holla back」は「また後で話そう」「後で連絡してくれ」という一般的な別れのフレーズ。
