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Shooter - Lil Wayne (feat. Robin Thicke) 【和訳・解説】

Artist: Lil Wayne (feat. Robin Thicke)

Album: Tha Carter II

Song Title: Shooter

概要

2005年発表の『Tha Carter II』に収録された本作は、R&BシンガーのRobin Thickeが2003年にリリースした楽曲「Oh Shooter」を大胆に再構築(サンプリングし、新たなバースを追加)した異色のクロスオーバー・トラックである。原曲が持つ銀行強盗のシネマティックな物語をベースにしつつ、Lil Wayneはそれをヒップホップ・シーンにおける自身の闘争へとメタファー化している。当時、東海岸(NYなど)のヒップホップ至上主義が根強かった業界内で、南部(サウス)のラッパーに対する偏見や「地域差別(Region haters)」が横行していた。Wayneは自らを機関銃(Shooter)に見立て、その偏見を実力で打ち抜く決意を表明している。ロックとソウルが融合した生楽器のグルーヴ上で、メインストリームの偏見に反旗を翻した、彼のキャリアにおける重要なプロテスト・ソング的側面を持つ一曲である。

和訳

[Intro: Lil Wayne & Robin Thicke]

Yeah, yeah, yeah, haha
イェー、イェー、イェー、ハハ

Weezy Baby, y'all (Yeah)
Weezy Babyだ、お前ら

Don't get shot
撃たれないように気をつけな

Rapid fire, what you know 'bout it?
連射(ラピッドファイア)さ、お前ら何か知ってんのか?
※銃のフルオート連射と、Lil Wayneの息継ぎのない高速ラップ(フロウ)のダブルミーニング。

I brought my homie along for the ride
ドライブにダチを連れてきたぜ

He strapped, he came ready to come out the barrel
奴は武装してる。銃身から飛び出す準備は万端さ

Rob
ロブ(Robin Thicke)だ

[Verse 1: Robin Thicke & Lil Wayne]

I heard some shouts, like, "Down on the floor" (Baow)
「床に伏せろ」って叫び声が聞こえた(バァン)
※ここから原曲であるRobin Thickeのパート。銀行強盗の現場に居合わせた視点、あるいは強盗犯自身の視点からの生々しいストーリーテリングが展開される。

Then even louder, "We got shooters" (Yeah), shooters (Yeah-yeah, yeah)
さらにデカい声で「撃ち手がいるぞ!」ってな

I turned around, I was starin' at chrome (Hello)
振り向くと、クロームメッキの銃口を睨みつけてたんだ(ハロー)
※「Chrome」はピストル(クロームメッキ加工された銃)のストリートスラング。

Shotgun watches door, got security good (Check)
ショットガンを持った奴がドアを見張る。警備を完全に制圧した

Jumped right over counter, pointed gun at, wink
カウンターを飛び越え、銃を突きつけてウィンクする

He tell her, "I'm your shooter, shooter, shooter" (Let's go)
奴は女にこう言った。「俺がお前のシューター(撃ち手)だ」ってな

[Chorus: Robin Thicke & Lil Wayne]

My hands up (Yeah), my hands up (Yeah)
両手を挙げる、ホールドアップさ

They want me with my hands up (I think they), no (Think they want me)
奴らは俺に降伏して両手を挙げろと言う(そうさせたいみたいだが)、断るね

Shooter (Surrender to 'em, but no, no, no, I can't do it)
シューター(奴らに降伏しろって? いや、俺にはできねえよ)

My hands up, my hands up (Yeah)
両手を挙げる、ホールドアップさ

They want me with my hands up (Come on, they want me to), no (Surrender)
奴らは俺に降伏して両手を挙げろと言う(さあ、降伏しろってな)、断るね

Shooter (But no, I can't do it, get 'em, yeah)
シューター(だが無理だ、やっちまえ)

[Verse 2: Lil Wayne]

So many doubt 'cause I come from the South
俺がサウス(南部)の出身だからって、大勢が疑ってきやがる
※2000年代中盤のヒップホップ界における「東海岸(NY)至上主義」への言及。南部のラッパーはリリックが浅く、パーティー向けのキャッチーな曲しか作れないと見下されていた(地域差別)ことに対するWayneの怒りと反骨精神。

But when I open up my mouth, all bullets come out, bang
だが俺が口を開けば、弾丸が飛び出してくるんだよ、バン!

Die, bitch nigga, die, I hope you bleed a lake
死ね、ビッチ野郎、死にやがれ。湖ができるくらい血を流せばいい

I'ma play X-ray, helpin' y'all see the fake
俺がレントゲン(X線)になってやる。お前らがフェイク(偽物)を見透かせるようにな
※レントゲン撮影のように、口先だけのフェイク・ラッパーたちの中身のなさ(骨組みの脆さ)を透視し、世間に暴き出してやるという秀逸な比喩。

I'm just tryna be the great, tryna get a piece of cake
俺はただ偉大な存在になりたいだけだ。自分の取り分(ケーキの一切れ)を手に入れたいだけさ

Take it off of your plate, eat it right in your face (Hah)
お前の皿から奪い取って、お前の目の前で食ってやるよ
※パイ(利益やポジション)を分け合うのではなく、他人の分まで実力で奪い取り、見せつけるように平らげてやるという圧倒的なハングリー精神。

They got a whole lot to say, but I don't listen
奴らはいろいろと言いやがるが、俺は耳を貸さねえ

Call me Automatic Weezy, bitch, I keep spittin', pow
オートマティック・ウィージーと呼べ、ビッチ。俺はツバ(弾丸)を吐き続けるぜ、パウ!
※「Automatic」はフルオートの機関銃。「Spit」はラップをすることと、唾を吐くこと。言葉を途切れることなく連射し続けるフロウの凄まじさを表現。

[Bridge: Robin Thicke & Lil Wayne]

With all these riches and all these riches (Yeah)
これだけの莫大な富と金を手にして

But ain't no loaners around (What you say?)
だが周りには金を貸してくれる奴なんていねえ
※Robin Thickeの原曲の世界観。世の中に富は溢れているのに自分には回ってこない(誰も助けてくれない)からこそ、強盗(シューター)になるしかないというストリートの現実。

They thinkin' 'bout shooters, they, shooters, they (Okay)
奴らはシューターの事を考えてる

Guns, girls (Okay), ladies, get the guns (Okay), get the
銃、女たち、レディたちよ、銃を取れ

Shoot, shoot, shoot, shoot, shooters (Okay, come on)
撃て、撃て、撃て、撃つんだ、シューター

[Chorus: Robin Thicke & Lil Wayne]

My hands up
両手を挙げる

They want me with my hands up, no (I think they want me to surrender)
奴らは俺に降伏して両手を挙げろと言う、断るね(降伏させたいんだろうがな)

Shooter (Clap, y'all, no, no, but I'm not)
シューター(お前ら手を叩け、いや、俺は絶対に降伏しねえ)

I just cry, "Mama, I tink dat," hey
俺は叫ぶんだ、「ママ、俺はこう思う」ってな
※ジャマイカのパトワ語のアクセント「tink dat (think that)」を取り入れたデリバリー。

"Me tink they want me to surrender"
「奴らは俺に降伏してほしいみたいだ」

Shooter (No, no, bang)
シューター(いや、断るね。バン!)

[Verse 3: Lil Wayne]

And to the radio stations, I'm tired of bein' patient
それからラジオ局の連中よ、俺はもう我慢の限界だ

Stop being rapper racists, region haters
ラッパーへのレイシスト、地域へのヘイターになるのはやめろ
※南部(サウス)のラッパーというだけでラジオでのプレイリストから外すなど、正当に評価しないNYなどの音楽業界やDJたちへの直接的で痛烈な批判。「Rapper racists(ラッパーに対する人種差別主義者)」という強い言葉で業界の偏見を糾弾している。

Spectators, dictators, behind door dick takers, it's outrageous
見物人、独裁者、ドアの裏側でディックを咥えてる奴ら、マジでふざけてるぜ
※「behind door dick takers」は、密室で権力者に媚びへつらい(フェラチオをして)ラジオでの再生回数や恩恵を得ている業界の裏取引や忖度を強烈に揶揄した、ホモフォビックかつダーティな侮辱表現。

You don't know how sick you make us
お前らのせいで俺たちがどれだけウンザリしてるか、分かってねえだろ

I wanna throw it up like chips in Vegas
ラスベガスでカジノのチップを放り投げるみたいに、ぶち撒けて(吐き出して)やりてえよ
※「Throw up」には「カジノのテーブルにチップを賭ける(投げる)」という意味と、「ウンザリして嘔吐する」というダブルミーニングがある。偏見に満ちた業界の現状への吐き気を表現している。

But this is Southern, face it
だがこれが南部(サウス)のやり方だ、現実を見ろ

If we too simple, then y'all don't get the basics
もし俺たちのラップが「シンプルすぎる」って言うなら、お前らが基礎(ベーシック)を理解してねえってことだ
※「南部のラップはリリシズムがなくシンプルすぎる」という東海岸側からの批判へのアンサー。バウンスのノリやフロウといったヒップホップの「本質(basics)」を分かっていないのはお前らの方だ、と論破している。

[Bridge: Robin Thicke & Lil Wayne]

Lady walks into a shotgun surprise (Yeah)
一人の女がショットガンの脅威に出くわす

Dropped to her knees, saw her life 'fore her eyes (Okay)
膝から崩れ落ち、目の前に走馬灯を見たんだ

He said, "Bitch is gonna get it, everybody gon' regret it" (Okay, why?)
男は言った、「ビッチ、覚悟しろ。全員後悔することになるぜ」ってな

"I'm your shooter" (Brrt)
「俺がお前のシューターだ」(ダダダダッ)

[Chorus: Robin Thicke & Lil Wayne]

My hands up (Yeah), my hands up (Yeah)
両手を挙げる、ホールドアップさ

They want me with my hands up, no (Yeah, hah)
奴らは俺に降伏して両手を挙げろと言う、断るね

Shooter (I tried tell you what I am, baby)
シューター(俺が何者か教えてやろうとしたんだぜ、ベイビー)

My hands up (Yeah), my hands up (Yeah)
両手を挙げる、ホールドアップさ

They want me with my hands up, no (Sorry, but me can't surrender, me won't surrender)
奴らは俺に降伏して両手を挙げろと言う、断るね(悪いが、俺は降伏できねえし、絶対にしない)

Shooter (Me no pretender, no)
シューター(俺はフェイク(偽者)じゃねえ)

[Verse 4: Lil Wayne]

Socks soakin' wet, I been running, y'all, I reload
靴下はびしょ濡れだ。俺はずっと走り続け、リロード(弾込め)してる
※休むことなくストリートや業界を駆け抜け、自身のスキル(弾薬)を常に再装填して戦い続けている姿勢の描写。

Every hundred yards, I'm comin' forward
100ヤードごとに、俺は前へ前へと進んでいくぜ
※アメリカンフットボールのフィールド(全長100ヤード)の比喩。敵のタックル(ヘイターの攻撃)を受けながらも、確実にファーストダウンを更新してタッチダウン(頂点)へ向かって前進し続ける姿。

You better know me
俺の名前をよく覚えとけ

Lil Wayne, just call me Lord, hard
Lil Wayne、ただ「主(ロード)」と呼べ、ハードにな

Take pain like Tylenols, raw
タイレノールみたいに痛みを飲み込むのさ、生(ロウ)のままでな
※「Tylenol(タイレノール)」はアメリカで一般的な鎮痛剤。業界からのバッシングやストリートの過酷さといった「痛み(Pain)」を、水も飲まず生のまま鎮痛剤を飲み込むように耐え抜くというタフネスのフレックス。

Way past par, far
基準(パー)なんてとうの昔に超えてる、遥か彼方にな
※ゴルフの「パー(規定打数)」の比喩。平均的なラッパーのレベルや業界の基準など、今の自分にとっては過去のものだという圧倒的な自信。

I'm some shit you never saw
俺はお前らが今まで見たこともないようなヤバい存在だ

I take you to the shootout, baby, win, lose, or draw, yeah
銃撃戦に連れてってやるよ、ベイビー。勝とうが負けようが引き分けだろうがな

And then they ask who, when, where, how, and
奴らは聞いてくる。「誰が、いつ、どこで、どうやってやったんだ?」って

My reply was simply, "Pow," c'mon
俺の答えはシンプルさ。「パウ(ぶっ放した)」だけだ、カモン

[Outro: Lil Wayne]

Mama, I tink dat, hey
ママ、俺はこう思う

Me tink dey want me to surrender
奴らは俺に降伏してほしいんだ

No, no, I'm sayin'
いや、違う、俺が言ってるのは

Mama, I tink dat, hey
ママ、俺はこう思う

Me tink dey want me to surrender, no
奴らは俺に降伏してほしいんだ。いや

No, no, me won't surrender, no
俺は絶対に降伏なんかしない

No, I promise no surrender
あぁ、絶対に降伏しないって誓うよ

I got my burner
俺にはバーナー(銃)があるからな

And I'm the shooter
そして俺が、シューター(撃ち手)だからさ