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On My Own - Lil Wayne (feat. Reel) 【和訳・解説】

Artist: Lil Wayne (feat. Reel)

Album: Tha Carter

Song Title: On My Own

概要

2004年の傑作アルバム『Tha Carter』に収録された本作は、リル・ウェインがグループ「Hot Boys」の解散という危機を乗り越え、ソロアーティストとして、そしてCash Money Recordsの次期後継者としての自立を宣言した重要なマイルストーンである。長年の盟友Mannie Freshによる極限まで削ぎ落とされたスネア主体のストイックなビートに乗せ、ウェインは自らを「The Prince(王子)」と名乗り、ニューオーリンズの裏社会の冷酷さとハスラーとしての野心を語り尽くす。「Viking製のコンロでクラックを精製する」といった成金的なフレックスから、アイロンと銃を掛けた秀逸なワードプレイに至るまで、後の「Best Rapper Alive」へと覚醒していく彼の底知れぬリリシズムとストリートの美学が凝縮された一曲である。

和訳

[Intro: Lil Wayne]

Yeah, hit me with the snares, Fresh
イェア、フレッシュ、スネアだけ響かせてくれ
※「Fresh」は長年のプロデューサーであるMannie Freshのこと。ビートの装飾を剥がし、ドラムの核であるスネアだけを要求している。

Yeah, yeah, yeah, yeah, just the snares, Fresh
イェア、スネアだけでいいんだ、フレッシュ

Ch-ch-ch-ch, I like the snares, Fresh
チ・チ・チ・チ、このスネアの音がたまらねえな

Ch-ch-ch-ch, yeah, I'ma ride the snares all the way though this thing right here, man
チ・チ・チ・チ、イェア、この曲はずっとこのスネアに乗り続けてやるぜ

Drum section Weezy, baby
ドラムセクション・ウィージーだ、ベイビー

Tez, once again
テズ、またやったな
※「Tez」はウェインの幼馴染でありマネージャーのCortez Bryantのこと。

What up? Yeah
調子はどうだ?イェア

This is what they call me, Dutch, haha
奴らは俺をこう呼ぶんだ、「ダッチ」ってな、ハハ
※「Dutch」はマフィアのボスであるダッチ・シュルツ、あるいは愛用する葉巻(ブラント)の銘柄ダッチ・マスターズから取られたストリートネーム。

[Verse 1: Lil Wayne]

Eagle, Eagle Carter man (Yeah)
イーグル、イーグル・カーターだ(イェア)
※「Eagle」はウェインが育ったニューオーリンズ・ホリーグローブ地区の「Eagle St.」を指す。自分のルーツと名前(Carter)を強調している。

In a '96 Regal contraband (Okay)
96年式のビュイック・リーガルに密輸品(コントラバンド)を積んでな

On my way to the east to the laundromat (Okay)
イーストサイドのコインランドリーへ向かってる
※「Laundromat」は文字通りの洗濯場ではなく、麻薬で稼いだ汚れた金を資金洗浄(マネーロンダリング)することのメタファー。

Got to wash that money and get on my ass
この金を「洗って」、すぐに行動しなきゃならねえ

Gotta flip them bricks, it be gone so fast (Get 'em)
あのブリック(キロ単位のコカイン)を捌かなきゃな。あっという間に売り切れちまう

I got to do something I done blown my last (Yeah)
何かしなきゃな、最後の全財産を吹っ飛ばしちまったから

Dollar, holla at your boy on the ave (Uh)
最後の1ドルをな。通り(アベニュー)で俺を見かけたら声をかけな

And that cheap perico is what I'm known to have
俺が安い「ペリコ」を捌いてるのは有名だろ
※「Perico」はスペイン語でオウムを意味するが、ストリートではコカインを指すスラング。

Shit tend to be slow, I put on the mask
商売が遅れがちな時は、マスクを被るのさ

And make it Halloween and take all your bags
毎日を「ハロウィン」にして、お前らのバッグ(金とヤク)を根こそぎ奪ってやる
※強盗をハロウィンの「トリック・オア・トリート」に見立てた秀逸なブラックジョーク。

I say Holly, Hollygrove, won't you go on and stand (Hollygrove)
ホリー、ホリーグローブよ、立ち上がってくれ

Up and make these motherfuckers understand (Yeah)
立ち上がって、このクソ野郎どもに分からせてやれ

I say, "Look, coach, you're pitchin' at me underhand"
俺は言ってやる。「おいコーチ、あんたのピッチングはアンダーハンド(下投げ)だぜ」ってな
※敵からの攻撃や試練が、ソフトボールの下投げのように遅くて簡単(チョロい)だと嘲笑している。

But I'm a designated hitter, I adjust so fast (Derek Jeter)
だが俺は指名打者(DH)だ。すぐにアジャストしてやるよ(デレク・ジーターみたいにな)
※どんな球(状況)にも即座に対応する適応力を、ヤンキースの伝説的クラッチヒッター、デレク・ジーターに例えている。

Y'all men designin' women, I'm a woman's man (Yeah)
お前らは女を着飾らせてる(あるいは女々しい)が、俺は女たちの男(モテ男)だ

I'm the Cash Money prince, blow the trumpets, band, and
俺はCash Moneyの王子だ。バンドよ、トランペットを吹き鳴らせ
※Hot Boys解散後、バードマン(王)の下で一人残されたウェインが、レーベルの正当な後継者(Prince)であることを宣言している。

They say they want the drugs to stop
奴らは麻薬の蔓延を止めたいって言ってるが

But I'm a major setback when my album drop
俺のアルバムがドロップされりゃ、それが一番の「大後退」になるぜ
※自分の音楽がドラッグ(クラック)と同じくらい中毒性があり、シーンにばら撒かれることで浄化の取り組みが後退してしまうという皮肉。

I got that wet crack flow out your mami's pot
お前のママの鍋から飛び出したような、純度の高い「ウェットなクラック」のフロウだ
※コカインを鍋で煮詰めてクラックを精製する過程と、自分のフレッシュなラップを掛けている。

I got that jet black four at your mami's spot
お前のママの家には、漆黒の44口径(フォー)を突きつけてやる

I'm tryan get back door, I demand it now
裏口から侵入してやる、今すぐ開けろ

Yeah, panic now, you better pan it down
ああ、今すぐパニックになれ。カメラをパン・ダウン(下に向ける)した方がいいぜ
※死体が床に転がるため、カメラの視線を下へ向けろという映画的で残酷なメタファー。

Before the neighbors hear we over here tearin' it down
俺たちがここを破壊し尽くしてる音を、近所の奴らに聞かれる前にな

Yeah, it's Weezy F. Baby and his crown, the prince
イェア、ウィージー・F・ベイビーと彼の王冠だ。俺が王子さ

[Chorus: Reel & Lil Wayne]

This is my town, my home
ここは俺の街、俺の故郷(ホーム)だ

This is my crown, my throne (I am the prince)
これは俺の王冠、俺の玉座だ(俺が王子だ)

This is me on my own
俺は一人で(オン・マイ・オウン)ここに立ってる
※かつてのグループメンバーがいなくなり、ソロとして完全に自立して王権を主張するアルバムのコア・テーマ。

Let's get it on (I am the prince)
さあ、始めようぜ(俺が王子だ)

This is my town, my home
ここは俺の街、俺の故郷だ

This is my crown, my throne (I am the prince)
これは俺の王冠、俺の玉座だ(俺が王子だ)

This is me on my own
俺は一人でここに立ってる

Let's get it on (I am the prince)
さあ、始めようぜ(俺が王子だ)

[Verse 2: Lil Wayne]

And the handgun is so included (Yup)
当然、拳銃も標準装備(インクルード)されてるぜ

Don't get it confused, I want no confusion (Nope)
勘違いするなよ、俺は揉め事(コンフュージョン)なんて望んじゃいない

And keep your ho, I don't want your contusions (Nope)
お前の女は連れて帰れ、お前の「打撲傷(コントゥージョン)」なんか欲しくないからな
※女絡みのトラブルで殴り合いになり、怪我(打撲)を負うのは御免だというストリートの処世術。「Confusion」と「Contusion」のライム。

I make my ho stop and let the dough keep movin' (Let's go)
俺の女には足を止めさせ、金(ドウ)の方を動かし続けるのさ

A bitch over some money is a hungry nuisance (Yes, sir)
金に群がるビッチなんて、腹を空かせた厄介者でしかねえ

It's money over bitches, that I'm gon' keep provin' (Let's go)
「女より金(Money over bitches)」だ。俺はそれを証明し続けるぜ

Yes, it's Weezy F, I got your mama groovin' (Say what?)
そう、ウィージー・Fだ。お前のママまでノリノリ(グルーヴ)にさせちまうぜ

Out of all the Hot Boys, she say I'm the coolest
「Hot Boysの中であなたが一番クールだわ」って彼女は言うのさ

I bought my bag of oranges, it's time to juice it
オレンジの袋を買ってきたぜ。さあ、ジュースを絞る時間だ
※「Juice」はスラングで「尊敬・権力・金」を意味する。フルーツのオレンジを絞るように、このストリートゲームから甘い汁(金と権力)を吸い尽くすという比喩。

This game is a bitch and I'm tryin' to seduce it
このゲーム(ヒップホップ業界)はビッチだ。だから俺が誘惑して手なずけてやるのさ

I floss an awful lot and haters try and reduce it
俺は死ぬほど見せびらかす(フロスする)。ヘイターどもはそれを引き摺り下ろそうとするがな

But the laser on the 45 is eyein' you, stupid
だが45口径のレーザーサイトが、お前を睨みつけてるぜ、バカ野郎

Oh, one shot to remind you who is
一発撃ち込んで思い出させてやるよ

That fly lil' nigga that's behind the trigger, Wizzle
この引き金を引いてるイケてるチビのニガが誰なのかをな。ウィズィーだ

I'm off chronic combined with liquor
酒とクロニック(上質な大麻)を混ぜて完全にキマッてるぜ

But niggas'll never see me like Mama Tigger, oh
だが、奴らが俺の姿を捉える(見抜く)ことは絶対にねえ。ママ・ティガーみたいにな
※「See me」は「俺と対等に渡り合う」という意味。特定の盲目の人物、あるいはローカルな比喩表現と推測され、「誰も俺を見ることができない(手出しできない)」ことを強調している。

An '80s baby, a fightin' nigga
俺は80年代生まれ(82年生まれ)、戦うニガだ

I got it on my mind like a psychic, nigga
サイキック(超能力者)みたいに、すべて俺の頭の中(マインド)で見透かしてるぜ
※直前の「見えない(See)」という視覚のテーマを引き継ぎ、自分は心眼ですべてを予知できると豪語している。

I'm somethin' you call pepper like a Viking, slick
俺はバイキングみたいに「ペッパー(刺激的)」な存在だ、賢いだろ
※NFLのミネソタ・バイキングスに所属していた当時のスター選手、ダンテ・カルペッパー(Daunte Culpepper)と、香辛料のペッパーを掛けた高度なワードプレイ。

See me over the Viking stove, I'm whitenin' bricks
バイキング製のコンロ越しに俺を見てみな。俺はブリック(コカイン)を真っ白に精製してるぜ
※「Viking」は超高級なキッチン家電ブランド。安アパートではなく、高級住宅の豪奢なキッチンでクラックを調理しているという、成功したハスラーの究極のフレックス(見せつけ)である。

Or in the middle of the shoot out untightenin' clips
それか、銃撃戦のど真ん中で空になったクリップ(弾倉)を外してる姿かな

Pop another one, shoot back while lightin' a spliff
もう一つ弾倉を押し込んで、スプリフ(大麻タバコ)に火を点けながら撃ち返してやる

I do this, you catchin' my drift?
これが俺のやり方だ。俺の言ってることが分かるか?(Catch my drift)

Representin' with my section on my belly and shit
俺のセクション(第17区)を腹に刻んでレペゼンしてるんだ
※ウェインの腹部には地元ニューオーリンズの「17」や「Hollygrove」を示すタトゥーが大きく彫られている。

I am the prince
俺が王子だ

[Chorus: Reel & Lil Wayne]

This is my town, my home
ここは俺の街、俺の故郷だ

This is my crown, my throne (I am the prince)
これは俺の王冠、俺の玉座だ(俺が王子だ)

This is me on my own
俺は一人でここに立ってる

Let's get it on (I am the prince)
さあ、始めようぜ(俺が王子だ)

This is my town, my home
ここは俺の街、俺の故郷だ

This is my crown, my throne (I am the prince)
これは俺の王冠、俺の玉座だ(俺が王子だ)

This is me on my own
俺は一人でここに立ってる

Let's get it on (I am the prince)
さあ、始めようぜ(俺が王子だ)

[Verse 3: Lil Wayne]

So roll the carpet out (Come on)
レッドカーペットを敷きな

'Cause you fuckin' with a nigga from the royal South (Come on, come on)
気高き「王室の南部(ロイヤル・サウス)」から来たニガが相手なんだからな
※自分をCash MoneyのPrinceになぞらえ、南部ヒップホップ自体を一つの王権として誇示している。

See, you're either in or you're out
いいか、乗るか反る(アウト)かのどちらかだ

And if you're out, stay in 'cause them warriors out (Let's go)
もし「反る(アウト)」なら、家に引きこもってな。俺の戦士(ウォリアー)たちが外(アウト)に出てるからな

The vultures, them cops, and the lawyers out (Let's go)
ハゲタカども(ハイエナのような奴ら)、サツ、それに弁護士たちも外で嗅ぎ回ってる

I just open up the gate and let my hoyas out (Let's go)
俺はゲートを開けて、俺の「ホイヤーズ(番犬たち)」を放つだけだ
※「Hoyas」はジョージタウン大学のスポーツチーム名で、マスコットはブルドッグ。つまり、自分の凶暴な手下(犬=Dawgs)をストリートに解き放つというメタファー。

No, nigga, I never call your house
いや、俺がお前の家に電話することなんて絶対になえ

I'm probably somewhere takin' Toya out
俺はどこかでトーヤを連れ出してるだろうからな
※「Toya」はウェインの高校時代からの恋人で最初の妻、Antonia "Toya" Wrightのこと。私生活の余裕を見せつけている。

Not answerin' my phone, man, ignorin' your spouse
俺は電話に出ねえよ。お前の嫁からの着信を無視してるんだ

She leavin' messages about me enjoyin' her mouth (Stop)
あいつ、俺の口のテクニック(あるいは俺が彼女の口を楽しんだこと)についてのメッセージを残しやがるんだ(やめとけよ)

Ayy, I'm ready to knock a boy in the mouth
エイ、俺はいつでもガキの口を殴り飛ばす準備ができてるぜ

Give me the name, naw, better yet, point him out
名前を教えろ。いや、それよりヤツを指差してくれ

Ayy, me and the streets got a joint account
エイ、俺とストリートは「共同口座(ジョイント・アカウント)」を持ってるのさ
※ストリートとの強固な結びつきを銀行口座に例え、街全体が自分の資金源であり、運命共同体であることを示している。

I'm from the streets that you need to be warned about
俺はお前らが「警告」されるような危険なストリートの出身だ

New Orleans, whoadie, put the gat in your mouth
ニューオーリンズだ、ウォディ。お前の口に銃(ギャット)を突っ込んでやる
※「Whoadie」はニューオーリンズ特有の呼びかけ(ブラザー、仲間の意)。

And we tote a lot of iron to flatten you out
俺たちは大量の「鉄(アイロン/銃)」を持ち歩いてる。お前を平らに「アイロンがけ(圧殺)」してやるよ
※「Iron」が「銃」と「アイロン」のダブルミーニング。「Flatten out(殺して地面に倒す)」をシャツのシワを伸ばすアイロン掛けにかけている完璧な言葉遊び。

Few roaches, but never had no rats in this house
ゴキブリ(貧困の象徴)は少しいたが、この家(組織)に「ネズミ(密告者)」がいたことは一度もねえ
※「Rat」は警察へのタレコミ屋(Snitch)のこと。Cash Moneyや自分のクルーには裏切り者が一切いないという誇り。

Never tell on one another, leave that in the house
絶対に仲間を売ったりしねえ。すべては家の中で解決するんだ

Always been a small hustler, move my packagin' out
昔はずっと小物のハスラーだった。自分のパッケージ(麻薬)を売りさばいてた

I ever run into some trouble, send them savages out
もしトラブルに巻き込まれたら、あの野蛮人たち(サベージ)を送り込むのさ

These niggas talkin' sweet, I get them cavities out
甘い言葉(Talkin' sweet)を吐く奴らがいるなら、その「虫歯(キャビティ)」を引っこ抜いてやるよ
※「Sweet(弱々しい、または舐めた態度)」と「Cavity(虫歯)」を掛け合わせ、歯をへし折るという暴力的なパンチライン。

I got graveyard fliers, man, I'm passing 'em out
俺は墓場のチラシ(葬儀の案内状)を持ってる。そいつを配って回ってるんだ
※お前らを死体にして葬儀を出してやる、という死神のような比喩。

Ayy, bitch nigga, get your ass on the ground
エイ、ビッチ野郎、地面にひれ伏せ

And bow down to your majesty, now I am the prince
お前の「殿下」に頭を下げな。今や俺が王子なんだからな
※Majesty(陛下/殿下)への忠誠を要求し、バースを荘厳に締めくくる。

[Chorus: Reel & Lil Wayne]

This is my town, my home (Yeah)
ここは俺の街、俺の故郷だ(イェア)

This is my crown, my throne (The prince)
これは俺の王冠、俺の玉座だ(王子だ)

This is me on my own (The prince)
俺は一人でここに立ってる(王子だ)

Let's get it on (I am the prince)
さあ、始めようぜ(俺が王子だ)

This is my town, my home (The prince)
ここは俺の街、俺の故郷だ(王子だ)

This is my crown, my throne (Weezy)
これは俺の王冠、俺の玉座だ(ウィージー)

This is me on my own (By myself, so, niggas, guess what?)
俺は一人でここに立ってる(俺一人さ、だからお前ら、どうなるか分かるか?)

Let's get it on
さあ、始めようぜ