Artist: Lil Wayne (feat. Reel)
Album: Tha Carter
Song Title: I Miss My Dawgs
概要
2004年にリリースされた本作は、リル・ウェインのキャリアにおいて最もエモーショナルでパーソナルな楽曲の一つである。かつてCash Money Recordsを牽引した伝説的グループ「Hot Boys」のメンバー(B.G.、Juvenile、Turk)が金銭不満等で次々とレーベルを去り、解散状態となった中、一人残されたウェインが彼らへの複雑な思いを赤裸々に綴っている。第1ヴァースはB.G.、第2ヴァースはJuvenile、第3ヴァースはTurkへの私信という構成をとっており、当時のビーフや不和を越えた「兄弟」としての深い愛情と哀愁が込められている。R&BシンガーのReelをフィーチャーした哀愁漂うトラック上で、ストリートの冷酷さと失われた絆へのノスタルジーが交錯する、ヒップホップ史に残る感動的なトリビュートである。
和訳
[Intro: Lil Wayne]
Yeah, yeah, yeah, yeah
イェア、イェア、イェア、イェア
This is the Carter, motherfucker, yeah
これが「ザ・カーター」だぜ、マザーファッカー、イェア
And in my building, I must keep it real
俺のビル(城)の中じゃ、リアルを貫かなきゃならねえ
[Verse 1: Lil Wayne]
And, man, I miss the times
なあ、あの頃が恋しいぜ
We would shine, you would keep me on your side
俺たちは輝いてたし、お前はいつも俺をそばに置いてくれた
※この第1ヴァースは、Hot Boysのオリジナルメンバーであり、ウェインの兄貴分だったB.G.(Christopher Dorsey)に向けられている。ウェインが11歳でCash Moneyに入った当初、B.G.は既に看板スターであり、ウェインを弟分として可愛がっていた。
You would teach me how to ride
ストリートの走り方を教えてくれたよな
And you would teach me how to pride
男としてのプライドの持ち方も教えてくれた
Then we'd get on the line and go over our lines
それから電話(ライン)を繋いで、お互いのリリック(ライン)を練り直したものさ
※「Line(電話線)」と「Line(歌詞の行)」をかけたダブルミーニング。Geniusの考察では、当時重度のヘロイン依存症だったB.G.の背景から、「Line(コカインなどの列)」を暗喩しているという見方もある。
We were in the same position
俺たちは同じポジション(境遇)にいたんだ
And that's when you changed position, shit
それなのにお前はポジションを変えちまった、クソ
※レーベルの待遇に不満を持ち、B.G.がCash Moneyを離脱したことを指している。
I never changed and I miss ya, and it's strange
俺は何も変わっちゃいない。お前が恋しいよ、妙な気分だがな
But I never forget you
でも、お前のことは絶対に忘れねえ
Though that ain't you with them pictures, homie
最近の写真に写ってるお前は、俺の知ってるお前じゃないけどな、ホーミー
And I know that ain't you wit that dissin on me, that's why I
俺をディスってるのも、本当のお前じゃないって分かってる。だからこそ俺は……
※B.G.はレーベル離脱後、残ったウェインやバードマンに対して激しいディストラックを発表していた。しかしウェインは、それはB.G.の本心ではなく、周囲に唆されたか、ドラッグの影響だと信じようとしている。
Never replied and never will, just let 'em live phony
一切アンサーしなかったし、これからもするつもりはない。偽物どもには好きに言わせておけ
If ya ever died, I swear to God, I got your kids, homie
もしお前が死ぬようなことがあっても、神に誓って俺がお前の子供たちの面倒を見るぜ
※ストリートでの死と隣り合わせの生活を生きる上での、兄弟に対する最大の愛情表現。
What's mine is theirs, I gotta give homie, and yeah
俺のものは彼らのものだ。俺が与えてやらなきゃな
We still an army in this bitch homie
俺たちは今でも、このクソみたいな世界じゃ一つの軍隊だ
Yeah, Cash Money still the shit homie, shit, homie
イェア、Cash Moneyは今でも最強だぜ、兄弟
What's really real, is you feelin' me, nigga?
何が本当にリアルかって、俺の気持ちが伝わってるか?
That Hot Boy shit still in me nigga, word to Giggity, nigga
あの「Hot Boys」の魂は今でも俺の中にあるんだ。ギギティ(B.G.)に誓ってな
※「Giggity」はB.G.の愛称「B. Gizzle」のもじり。
And I ain't got time to speak the history
歴史を語り直してる暇なんてねえ
I miss you and I know you missin me, Gizzle, but
お前が恋しいよ。お前だって俺が恋しいはずだ、ギズル。だけど……
[Chorus: Reel]
Man, I miss my dogs, many nights club poppin'
ああ、仲間たちが恋しい。幾夜もクラブでハジけたな
Many nights we were blowin' trees, many nights we were hustlin'
幾夜もウィードを吸って、幾夜もハッスル(金稼ぎ)した
Man, I miss my dogs, me and you through thick and thin
なあ、ダチが恋しいよ。良い時も悪い時も一緒だった
Me and you through the very end, for only you I'll sin again
最後までお前と一緒だ。お前のためなら、俺はまた罪だって犯すぜ
Man, I miss my dogs, many nights club poppin'
ああ、仲間たちが恋しい。幾夜もクラブでハジけたな
Many nights we were blowin' trees, many nights we were hustlin'
幾夜もウィードを吸って、幾夜もハッスルした
Man, I miss my dogs, me and you through thick and thin
なあ、ダチが恋しいよ。良い時も悪い時も一緒だった
Me and you through the very end, for only you I'll sin again
最後までお前と一緒だ。お前のためなら、俺はまた罪だって犯すぜ
[Verse 2: Lil Wayne]
And I remember when you came to the clique
お前がチームにやってきた時のことを覚えてるぜ
※第2ヴァースは、Hot Boys最大のスターであったJuvenile(ジュヴィナイル)に向けられている。
I had already made my name in the clique
俺はすでにチームの中で名前を売ってた
But you got famous and shit
でも、あっという間にお前の方が有名になっちまったな
※Juvenileが1998年にリリースしたメガヒット曲「Ha」やアルバム『400 Degreez』によって、一躍全米のスターダムにのし上がった歴史的事実を冷静に回顧している。
I got my soulja rag and dangled my shit
俺はソルジャー・ラグを手に入れて、ダラリと垂らしてた
※「Soulja Rag」はJuvenileが流行させたカモフラージュ柄のバンダナ。ウェインが彼に憧れ、スタイルを真似ていたことを認める率直なライン。
I was honored just to hang wit you, shit
お前とつるめるだけで光栄だったんだよ、マジで
And I banged to the boogie-bang-bang with ya clique
お前の仲間たちと一緒に、ブギ・バン・バンと大暴れしたな
And I ain't even from the 3, my hood was angry at me, shit
俺は第3区(第3ウォード)の出身じゃないから、地元の奴らは俺に腹を立ててたよ
※Juvenileはニューオーリンズの悪名高いマグノリア・プロジェクト(第3区)の出身。一方ウェインは第17区のホリーグローブ出身。ストリートの縄張り意識が強い中、ウェインが他所の地域の人間(Juvenile)と深くつるんでいたことで地元から反感を買っていたというディープな背景。
But I rose to my feet, played the post with the heat
それでも俺は立ち上がり、銃(ヒート)を持ってポスト(見張り)についた
At them shows while you performed and posed
ショーの最中、お前がステージでパフォーマンスしてポーズを決めてる間
I was waitin for a nigga to jump, see I was patient
俺は誰かが突っかかってこないか見張ってたんだ。忍耐強かったろ
But was ready to dump, 'cause you my brother, chump
でもいつでもぶっ放す準備はできてた。お前は俺の兄弟だからな、バカ野郎
Real Gs never buckle up
本物のG(ギャングスタ)は絶対に折れたりしねえ
※「Buckle up」はシートベルトを締めるという意味から転じて、「恐怖で膝が折れる/屈服する」というスラング。
But every family ain't filled wit' gangstas that's real
だが、どの家族も本物のギャングスタばかりで構成されてるわけじゃない
And that's real and I would never turn my back
それは紛れもない事実だ。俺は絶対に背中を向けたりしない
Or turn ya down, even if you turned around, muthafucka
お前を見捨てることもない。たとえお前が踵を返して去っていったとしてもな、マザーファッカー
※Juvenileも金銭トラブルでCash Moneyを離脱し、一時的にバードマンやウェインと対立していた。それでもウェイン側の敬意は変わらないという宣言。
But history is history
だが、過去は過去だ
I miss you and I know you missin' me, Juvie, but
お前が恋しいよ。お前だって俺が恋しいはずだ、ジュヴィ。だけど……
[Chorus: Reel]
Man, I miss my dogs, many nights club poppin'
ああ、仲間たちが恋しい。幾夜もクラブでハジけたな
Many nights we were blowin' trees, many nights we were hustlin'
幾夜もウィードを吸って、幾夜もハッスルした
Man, I miss my dogs, me and you through thick and thin
なあ、ダチが恋しいよ。良い時も悪い時も一緒だった
Me and you through the very end, for only you I'll sin again
最後までお前と一緒だ。お前のためなら、俺はまた罪だって犯すぜ
Man, I miss my dogs, many nights club poppin'
ああ、仲間たちが恋しい。幾夜もクラブでハジけたな
Many nights we were blowin' trees, many nights we were hustlin'
幾夜もウィードを吸って、幾夜もハッスルした
Man, I miss my dogs, me and you through thick and thin
なあ、ダチが恋しいよ。良い時も悪い時も一緒だった
Me and you through the very end, for only you I'll sin again
最後までお前と一緒だ。お前のためなら、俺はまた罪だって犯すぜ
[Verse 3: Lil Wayne]
You was my nigga, my nerve, my joy, my hurt
お前は俺のダチであり、俺の度胸、俺の喜び、俺の痛みだった
※第3ヴァースは、Hot Boysのメンバーであり、当時殺人未遂や麻薬所持の罪で長期間の投獄生活を送ることになったTurk(ターク)に向けられている。
My main muthafuckin' man Turk (Oh)
俺の最高の相棒、ターク
My other, my partner, I was teacher, he was father
俺のもう一人の自分、パートナー。俺が教師役で、あいつが父親役だった
I skilled, he schooled, we chilled, we moved
俺がスキルを磨き、あいつが色々と教え込んだ。一緒にチルして、一緒に行動した
We thug, we hung, we ate, we slept
一緒に悪さをして、つるんで、食って、眠った
We lived, we died, I stayed, you left
共に生き、共に死線を越えた。俺は残り、お前は去った(服役した)
Remember how we played to the left?
俺たちがどうやってルールを外れて(レフトに)遊んでたか覚えてるか?
And we stayed out of trouble 'cause we stayed to ourself
自分たちの世界に引きこもることで、トラブルを避けてたよな
'Member Slim and B would leave and hand the keys over?
スリムとB(バードマン)が出かける時に、俺たちに車の鍵を預けていったのを覚えてるか?
※Slim(Ronald Williams)とB(Bryan "Birdman" Williams)はCash Moneyの創設者兄弟。保護者のような存在だった彼らの目を盗んでいた十代のヤンチャなエピソード。
Tell us not to go Uptown and we went straight to the Nolia
「アップタウンには行くな」って言われたのに、俺たちは迷わずノーリアへ向かったよな
※「Nolia」はアップタウン(第3区)にある悪名高きマグノリア・プロジェクト。危険地帯でありながら、当時のニューオーリンズ・ヒップホップの中心地だった。
While I watched you reunite wit your soldiers
お前が地元の兵隊(仲間)たちと再会して喜んでるのを、俺は横で見てた
And your mom and brothers, while I lied to the Stunna
お前の母親や兄弟たちと会ってる間、俺はスタンナ(バードマン)に嘘をついてごまかしてたんだ
Yeah, those were the times, my brother
ああ、あれは最高の時代だったよ、兄弟
Now I recognize real and I eye my brother
今になって何がリアルか分かった。だから俺は兄弟を見つめる
Yeah, nigga, Semaj my brother, the Sqad's my brother
ああ、サマージも俺の兄弟だ。スクワッドの奴らも俺の兄弟だ
※「Semaj」はウェインの異父弟。そして「Sqad」はHot Boys解散後にウェインが結成したラップグループSqad Upのこと。血の繋がりや新たな仲間への愛情を示している。
The niggas you left behind is my brothers
お前らが残していったあいつらも、俺の兄弟なんだ
[Chorus: Reel]
Man, I miss my dogs, many nights club poppin'
ああ、仲間たちが恋しい。幾夜もクラブでハジけたな
Many nights we were blowin' trees, many nights we were hustlin'
幾夜もウィードを吸って、幾夜もハッスルした
Man, I miss my dogs, me and you through thick and thin
なあ、ダチが恋しいよ。良い時も悪い時も一緒だった
Me and you through the very end, for only you I'll sin again
最後までお前と一緒だ。お前のためなら、俺はまた罪だって犯すぜ
Man, I miss my dogs, many nights club poppin'
ああ、仲間たちが恋しい。幾夜もクラブでハジけたな
Many nights we were blowin' trees, many nights we were hustlin'
幾夜もウィードを吸って、幾夜もハッスルした
Man, I miss my dogs, me and you through thick and thin
なあ、ダチが恋しいよ。良い時も悪い時も一緒だった
Me and you through the very end, for only you I'll sin again
最後までお前と一緒だ。お前のためなら、俺はまた罪だって犯すぜ
