Artist: Post Malone, Swae Lee, Nicky Jam & Prince Royce
Album: Spider-Man: Into the Spider-Verse (Soundtrack From & Inspired by the Motion Picture) [Deluxe Edition]
Song Title: Sunflower (Remix)
概要
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の歴史的特大アンセム「Sunflower」に、ラテン界のスーパースターであるNicky JamとPrince Royceを迎えたデラックス版収録の公式リミックス。アフリカ系アメリカ人の父とプエルトリコ系の母を持つ主人公マイルス・モラレスの「アフロ・ラティーノ」としての文化的ルーツを色濃く反映しており、スパングリッシュ(英語とスペイン語のミックス)で歌われる本楽曲は、彼の家庭環境やアイデンティティの二面性を音楽的に体現している。原曲が持つ共依存的でトキシックな恋愛模様というテーマはそのままに、ラテントラップとバチャータのエッセンスを注入することで、ストリートのメランコリーにカリブ海特有の情熱と哀愁を付与した、極めて意義深いカルチュラル・クロスオーバーである。
和訳
[Intro: Swae Lee]
Ayy, ayy, ayy, ayy (Ooh)
エイ、エイ、エイ、エイ(ウー)
Ooh, ooh, ooh, ooh (Ooh)
ウー、ウー、ウー、ウー(ウー)
Ayy, ayy
エイ、エイ
Ooh-ooh, some things you just can't refuse
ウー、世の中にはどうしても拒みきれないものがあるんだ
※有害な関係だと頭では理解していても、肉体的な欲求や共依存的な愛情によって引き戻されてしまう人間の弱さと、ストリートの誘惑の抗えない引力を示唆している。
She wanna ride me like a cruise and I’m not tryna lose
彼女はクルーズ船みたいに俺に乗りたがる、俺だって負けるつもりはねえよ
※「ride」という単語を用いた性的なメタファー。同時に、彼女が主人公の名声や富(Cruiseのような豪華な生活)に便乗(ride)しようとしているという打算的な側面も暗示している。
[Chorus: Swae Lee]
Then you're left in the dust, unless I stuck by ya
もし俺がそばにいなきゃ、君は置き去りにされて埃まみれになっちまう
※「left in the dust」は競争などで置き去りにされること。ヒップホップ・スターとしての華々しい生活とスピード感において、彼という後ろ盾(太陽)がなければ彼女は生き残れないという、優位性に立った冷酷な現実を突きつけている。
You're a sunflower, I think your love would be too much
君はひまわりみたいだ、君の愛は少し重すぎるんだと思う
※ひまわりは太陽(ここでは主人公)の方向を常に追いかけて咲き、太陽なしでは生きられない。一見ロマンチックな比喩だが、ここでは「常に自分に依存し、つきまとう重圧(too much)」としてのネガティブなメタファーとして機能している。
Or you’ll be left in the dust, unless I stuck by ya
俺がそばにいてやらなきゃ、君は暗闇に取り残されちまう
You're the sunflower, you're the sunflower
君はひまわり、俺の熱を求めるひまわりなんだ
[Verse 1: Nicky Jam]
Yo no sé lo que tú tienes
君が何を持ってるのか(どうしてそんな魅力があるのか)俺には分からないよ
Como hace' lo que quiera' con mi vida, tú te vas y luego vienes
俺の人生を好き勝手にして、君は去ってはまた戻ってくる
※スペイン語でのラップセクション。原曲のSwae Leeが歌った「come and go(来たり去ったり)」というテーマを、プエルトリコ系をルーツに持つラテントラップの帝王Nicky Jamが引き継いでいる。相手に振り回されるトキシックな関係性を、カリブ海特有の情熱的な表現で描写している。
Yo no sé que tiene' tú, pero a la ve' yo pienso que no me convienes
君の何がそうさせるのか分からないが、同時に君は俺にふさわしくないとも思ってるんだ
※「no me convienes(俺の利益にならない、相性が悪い)」という表現で、頭では有害(Toxic)だと理解しつつも離れられない理性の葛藤を歌う。原曲の「bad-bad」のニュアンスをスペイン語で巧みに意訳している。
A veces trato de buscar una salida, rápido tú me detienes
時々抜け道を探そうとするんだけど、君はすぐに俺を引き留めるんだ
Así de loco tú me quieres
それくらい狂おしく、君は俺を求めてる
Pero soy un loco por ti
だけど俺だって、君のことでイカれてるんだよ
Tú no sabe' lo que por dentro yo siento por ti
俺が心の中で君をどう想ってるか、君は分かっちゃいない
Y por má’ que no quiero verte, vuelvo a repetir
君に会いたくないと思えば思うほど、結局また同じことを繰り返しちまう
※依存症(Addiction)のような恋愛のサイクル。ヒップホップにおけるドラッグやストリートライフからの抜け出せなさというメタファーにも通じる、無限にループする苦悩を描いている。
Y sentir cada parte de tu cuerpo cuando estas aquí
君がここにいる時、その体の隅々まで感じたいんだ
No te puedo mentir
君に嘘はつけないよ
[Bridge: Nicky Jam]
Siempre estoy buscándote, yeah-yey
いつだって君を探し求めてる、イェー
Trato de alejarme y tú acercándote, yeah-yey
俺が遠ざかろうとすると、君は近づいてくるんだ、イェー
De lo que nos pasa siempre culpándote, yeah-yey
俺たちに起こることは、いつも君のせいにしてる、イェー
Pero se me olvida cuando te veo desnudándote
でも、君が服を脱ぐ姿を見たら、そんなこと全部忘れちまうんだ
※ラテンアーバン・ミュージック特有の露骨かつロマンチックな官能表現。肉体的な繋がりによって、根本的な精神的・関係性の問題から目を背けてしまう共依存の極致。
Y no sé por qué, eh (Yeh)
なんでなのかは分からないけどさ(イェー)
[Chorus: Post Malone]
And you’ll be left in the dust, unless I stuck by ya
もし俺がそばにいなきゃ、君は置き去りにされて埃まみれになっちまう
You're the sunflower, I think your love would be too much
君はひまわりみたいだ、君の愛は少し重すぎるんだと思う
※Post Maloneの哀愁帯びたメランコリックなボーカルが、Nicky Jamの情熱的なラテン・バースの直後に来ることで、冷めた視点と熱情の美しいコントラストを生み出している。
Or you’ll be left in the dust, unless I stuck by ya
俺がそばにいてやらなきゃ、君は暗闇に取り残されちまう
You're the sunflower, you're the sunflower
君はひまわり、俺の熱を求めるひまわりなんだ
[Verse 2: Prince Royce]
Ese día que te conocí
君と出会ったあの日
No sabia que iba a ser así
こんなことになるなんて思いもしなかったよ
El girasol más lindo del jardín
庭で一番美しいひまわり(ジラソル)
※「Girasol」はスペイン語でひまわり。ドミニカ系アメリカ人であり、バチャータの貴公子と呼ばれるPrince Royceによる、より詩的でメロディアスなアプローチ。原曲のアーバンなストリート感を保ちつつ、ラテンポップスの甘いロマンティシズムを注入している。
Y verte en el amanecer
そして夜明けに君を見つめる
Con un beso volví a caer
一つのキスで、俺はまた堕ちていったんだ
Dime a dónde se fue, a dónde se fue
教えてくれ、どこへ行っちまったんだよ、どこへ
Y ahora me quedo con la confusión
今、俺の手元に残ったのは混乱だけだ
Con sentimientos de amor y dolor
愛と痛みの感情に苛まれてる
※「Amor y dolor(愛と痛み)」はラテン音楽の永遠のテーマ。マイルスが直面する、ヒーローとしての愛(世界や家族を守ること)と、それに伴う痛み(喪失やプレッシャー)という映画の根源的なテーマと完璧に共鳴している。
Te juro que esa no fue mi intención
誓って言う、こんなつもりじゃなかったんだ
La flor de antes cambió de color
あの頃の花は、色を変えてしまった
※ひまわり(パートナーの愛)が、枯れたり変色したりして二人の関係性が致命的に変質したことのメタファー。状況の変化に対する悲痛な無力感を表している。
Uh-uh-uh-uuh
ウー・ウー・ウー
En mi vida sólo existes tú
俺の人生には、君しか存在しないんだ
Baby, tell what we try to proof
ベイビー、俺たちはいったい何を証明しようとしてるんだ?
Si tú sabes que yo soy tu luz
俺が君の光(太陽)だってこと、君も分かってるはずだろ
※ひまわり(Girasol)にとって不可欠な「光(Luz=太陽)」が自分であるという強烈な宣言。自分がいなければ生きていけない相手の絶対的な依存関係を、スパングリッシュで冷酷に突きつけている。
[Chorus: Prince Royce, Prince Royce & Swae Lee]
And you'll be left in the dust, unless I stuck by ya
もし俺がそばにいなきゃ、君は置き去りにされて埃まみれになっちまう
You’re the sunflower, es que tu amor es just too much
君はひまわりみたいだ、君の愛は少し重すぎるんだと思う
※英語の「I think your love would be」をスペイン語の「es que tu amor es」に置き換えた、バイリンガルなマイルス・モラレスの頭の中(家庭環境)をそのまま体現するような、見事なスパングリッシュのコーラスアレンジ。
Or you'll be left in the dust, unless I stuck by ya
俺がそばにいてやらなきゃ、君は暗闇に取り残されちまう
You're the sunflower, you're the sunflower
君はひまわり、俺の熱を求めるひまわりなんだ
