UGMKM

Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Just Might Be - Young Thug 【和訳・解説】

Artist: Young Thug

Album: Barter 6

Song Title: Just Might Be

概要

本楽曲は、Young Thugのキャリアにおける金字塔的ミックステープ『Barter 6』(2015年)のクロージングを飾るエモーショナルなトラックである。Wheezyによる物憂げでアトモスフェリックなビートに乗せ、Thugは自身がラップシーンにおける「本物(Realest)」であり、純度を保つ「塩素(Chlorine)」であると高らかに宣言する。ストリートの過酷な現実や女性への不信感を語る一方で、家族(母親や祖母)への深い愛情と経済的支援を誓うリリックは、彼の成功の裏にある人間味を浮き彫りにしている。Cash Money RecordsのBirdmanとの結びつきや、アトランタのローカルな地理的メタファーも織り込まれ、アルバムの終幕にふさわしい深い余韻を残す一曲だ。

和訳

[Intro]

Yeah, ever gon' see, yeah
イェー、絶対にお目にかかれないぜ、イェー

(Wheezy Beats)
(ウィージー・ビーツ)

Ever gon' see, yeah, I promise!
絶対にお目にかかれない、イェー、約束するぜ!

Ever gon' see, yeah, I promise! I
絶対にお目にかかれない、イェー、約束する!

Ayy man, get your mutherfuckin' hands away from my syrup, man
エイ、俺のシロップからそのクソみたいな手をどけな
※シロップ(プロメタジン・コデイン・シロップ)はThugにとっての神聖な精神安定剤(リーン)であり、他人に触れられることを極端に嫌うストリートのパラノイアを示している。

Livin' life, bro, I'm happy
最高の人生を生きてるぜ、兄弟、俺はハッピーだ

Nothin' more, nothin' less
それ以上でも、それ以下でもない

[Chorus]

Baby, you know that I might be the realest lil' nigga you ever gon' see (You know it)
ベイビー、俺はお前がこれまで出会った中で一番リアルな男かもしれないぜ(分かってるだろ)

Baby, you know that I might be the trillest lil' nigga that you wanna be (Woah)
ベイビー、俺はお前がなりたくてたまらない、一番トリルな男かもしれないぜ(ウォウ)
※「Trill」は「True」と「Real」を掛け合わせた南部ヒップホップ特有のスラング。UGKらが広めたストリートでの究極の褒め言葉である。

Baby, you know that I might be the richest lil' nigga you ever could treat (Rich)
ベイビー、俺はお前が今までもてなしてきた中で一番リッチな男かもしれないぜ(リッチ)

And you know that I might just scoop that lil' bitch up off of her feet (Really rich)
そして俺なら、あのビッチの足をすくって(心奪って)かっさらうことだってできるんだ(マジでリッチだ)

All of these niggas they know that they fallin' and everyone wanna be me (Yeah)
野郎どもはみんな自分が落ちぶれてるって分かってるし、誰もが俺になりたがってる(イェー)

All of these bitches don't wanna be cheated on but all these bitches wan' cheat (Yeah)
ビッチどもはみんな浮気されたくないくせに、自分は浮気したがるんだよな(イェー)

All of these bitches wan' be the new wifey but all of these bitches be cheatin' (Bitch)
ビッチどもはみんな俺の新しい妻(ワイフィー)になりたがるが、どいつもこいつも浮気してるんだ(ビッチ)

All of these rappers I swear they watering down and I'm the chlorine, ah
他のラッパーどもはみんな水で薄められた偽物さ、だから俺が塩素になってやるよ、アー
※「Watered down(水で薄められた=質が落ちた)」というヒップホップシーンの現状に対し、自分が「Chlorine(塩素=プールの消毒剤)」となって不純物を取り除き、純度を保つ(シーンを浄化する)という秀逸で鮮烈なメタファー。

[Verse 1]

Feed me, feed me (Yeah)
俺に飯を食わせろ、もっと食わせろ(イェー)

These pussy niggas tighter than a wedgie, weegee (Woo)
この弱虫野郎どもはウェッジーよりもきつく食い込んでやがる(ウー)
※「Wedgie」は下着が尻に深く食い込むこと。敵対する連中が極度に緊張している(Tight)、あるいはケチである様子を揶揄している。「Weegee」はWedgieと韻を踏むための特有の音声的遊び。

I live life like a sniper, they can't see me, see me (Pew)
俺はスナイパーみたいな人生を送ってる、奴らには俺の姿すら見えないのさ(ピュン)

Her heart like an old diaper, I can't leave it, leave it (Ew)
あの女の心は古いおむつみたいだ、とても放っておく(残しておく)わけにはいかねえ(オゥ)
※「古いおむつ」のように中身がクソまみれで腐っている(性格が悪い/嘘つき)ため、関わりを持ちたくないという痛烈なディス。

I'm drinkin' on this motherfuckin' mud (Yeah)
俺はこのクソヤバい泥(マッド)を飲んでるんだ(イェー)
※「Mud」は咳止めシロップ(コデイン)とソーダを混ぜて濁った「リーン」の隠語。

Okay, my fuckin' back pocket fat like a butt (Yeah)
オーケー、俺のバックポケットはケツみたいにパンパンに膨れ上がってるぜ(イェー)
※ポケットに大量の札束が詰め込まれていることの比喩。

I swear I'm a blood, I can never be your cuz (No)
誓って俺はブラッズだ、絶対にお前らのカズにはなれねえよ(ノー)
※自分が「Bloods(赤色)」のメンバーであることを宣言し、対立するギャング「Crips(青色)」のメンバー同士の呼び名である「Cuz(Cousinの略)」としてお前らとは付き合えないというストリートの明確な線引き。

You can roger that like my motherfuckin' buzz (Losie!)
俺のバズ(高揚感)みたいに、しっかりと了解(ロジャー)しとけよ(ロージー!)
※「Roger that」は無線の「了解」の意。「Buzz」はトランシーバーのノイズやドラッグによるハイな状態を指し、ストリートで俺の勢い(バズ)を認識しておけという警告。

Mmm, bubbler, hey, hey (What?)
ンー、バブラー(水パイプ)だ、ヘイ、ヘイ(何だと?)

I'll bippoty-bop, then stick it and fade (Pew, pew pew)
ビッピティ・ボップと踊るように近づいて、ブッ刺して(撃って)から消え失せるぜ(ピュン、ピュン・ピュン)
※「Bippity-bop」はジャズのスキャットのように軽快な動き。リズミカルに接近して銃(Stick)を撃ち、素早くフェードアウトするというヒットマンの不気味な暗殺描写。

I keep some coke and the rocks on me everyday (Everyday)
俺はコカインとロック(クラック)を毎日持ち歩いてるぜ(毎日な)

I got a bitch with a yacht that's sittin' in the bay (Yeah)
俺には港にヨットを停めてるビッチがいるんだ(イェー)

Come here, tempt me if you wan' go on a date (Yeah)
こっちに来いよ、デートに行きたいなら俺を誘惑してみな(イェー)

I'll make bail within' the first 48 (Yeah)
最初の48時間以内で、保釈金(ベイル)を積んで出てきてやるよ(イェー)
※殺人事件の初動捜査を描く有名ドキュメンタリー番組『The First 48』への言及。逮捕されても、圧倒的な財力で即座に保釈されるという自信。

I'll give her the stick
彼女にこのスティック(銃/モノ)を与えてやる

She gon' get a clip, bigger than a porn star dick
彼女はポルノスターのイチモツよりデカいクリップ(弾倉)を受け取るんだ
※「Stick(銃/ペニス)」と「Clip(弾倉/ポルノの映像クリップ)」を掛け合わせた、エロティックかつ暴力的なダブルミーニング。

And I need new castin' for a porn star clip
そして俺はポルノスターの映像(クリップ)のために、新しいキャストが必要なんだ

[Chorus]

Baby, you know that I might be the realest lil' nigga you ever gon' see (You Know It)
ベイビー、俺はお前がこれまで出会った中で一番リアルな男かもしれないぜ(分かってるだろ)

Baby, you know that I might be the trillest lil' nigga that you wanna be (Woah)
ベイビー、俺はお前がなりたくてたまらない、一番トリルな男かもしれないぜ(ウォウ)

Baby, you know that I might be the richest lil' nigga you ever could treat (Rich)
ベイビー、俺はお前が今までもてなしてきた中で一番リッチな男かもしれないぜ(リッチ)

And you know that I might just scoop that lil' bitch up off of her feet (Really rich)
そして俺なら、あのビッチの足をすくって(心奪って)かっさらうことだってできるんだ(マジでリッチだ)

All of these niggas they know that they fallin' and everyone wanna be me (Yeah)
野郎どもはみんな自分が落ちぶれてるって分かってるし、誰もが俺になりたがってる(イェー)

All of these bitches don't wanna be cheated on but all these bitches wan' cheat (Yeah)
ビッチどもはみんな浮気されたくないくせに、自分は浮気したがるんだよな(イェー)

All of these bitches wan' be the new wifey but all of these bitches be cheatin' (Bitch)
ビッチどもはみんな俺の新しい妻になりたがるが、どいつもこいつも浮気してるんだ(ビッチ)

All of these rappers I swear they watering down and I'm the chlorine, ah
他のラッパーどもはみんな水で薄められた偽物さ、だから俺が塩素になってやるよ、アー

Chlorine, I'm the...
塩素さ、俺は…

[Interlude]

That's called breathin', that's how you let that bitch breathe, fool
これが呼吸(ブリージン)ってやつさ、こうやって曲(ビッチ)に息をさせるんだよ、バカ野郎
※曲の間に意図的な空白(ブレイク)を作り、ビートやリスナーに息継ぎの余韻を与えるという、自身のフローの芸術的コントロールに関する独白。

Uh, uh
アー、アー

Uhh
アー

Ha, ha, ha
ハッ、ハッ、ハッ

[Verse 2]

Okay, you know all my diamonds got no flaws (What?)
オーケー、俺のダイヤモンドには傷(フロー)が一つもないって分かってるだろ(何だと?)

Momma move to 85 north, not 85 south (Diamonds)
ママは85号線の南じゃなく、北(ノース)に引っ越したんだ(ダイヤモンド)
※アトランタを縦断する州間高速道路85号線(I-85)。「85 South」は犯罪率が高く貧しいサウスサイド・アトランタを指し、「85 North」はグイネット郡などの裕福で安全な郊外エリアを指す。成功したことで、母親をゲットーから高級住宅街へ逃がすことができたという感動的でローカルなフレックス。

I think these hoes piranhas excluding my baby momma (I swear)
俺のベイビーママ以外、このビッチどもは全員ピラニアだと思ってるぜ(マジでな)
※金目当てで群がってくる女たちを、肉食魚のピラニアに例えている。自分の子供の母親にだけは敬意を払うストリートの倫理観。

I take care my daddy momma by pullin' up with them bundles (Skr)
俺は親父の母親(おばあちゃん)の世話もしてる、札束の束(バンドル)を持って乗りつけてな(スカート)

(rrrt) If I ain't treat you good, lil' baby, just know it's karma (Ha)
もし俺がお前をぞんざいに扱ったら、ベイビー、それは自業自得(カルマ)だと思ってくれ(ハッ)

You did my nigga wrong, I know it, it was last summer (Yeah)
お前が去年の夏、俺のダチを裏切った(浮気した)のを知ってるんだ(イェー)

Lyin' to me, tellin' me I'm the bomb like Osama (Boom)
俺に「あなたはオサマみたいに最高(ザ・ボム)よ」なんて嘘をつきやがって(ブーン)
※「The bomb(最高/爆弾)」と「Osama(ビンラディン)」を掛けた、ヒップホップにおける非常に不謹慎だが定番のワードプレイ。

I wish I could spend 50 bands on tour for grandmama (I swear)
ツアーで稼いだ5万ドル(50バンズ)を、ばあちゃんのために使えたらいいのにな(マジでな)
※「Bands」は千ドルの札束。家族への経済的支援を何よりも重視するThugの人間性が垣間見える。

I'll crack that nigga head with a bottle
俺はボトルであのクソ野郎の頭をカチ割ってやるよ

I could never call, not a fed, not a cop (Brr)
俺は絶対に電話なんてしねえ、連邦捜査局(フェド)にも、サツ(警察)にもな(ブルル)
※「No Snitching(密告禁止)」の精神。どんなトラブルもストリートのやり方(自己解決)で片付け、警察には頼らないという誓い。

Niggas said I'm the best and I said, "Do y'all"
連中が俺を「ベストだ」って言うから、俺は「お前らも(自分自身を)やれよ」って返してやった

YSL scream "fuck the rest" 'cause we got it right now
YSLは「他の奴らなんてクソくらえだ」って叫んでる、今や俺らが全てを手にしたからな

Niggas asked me "Am I sure?", and the Bentley said "Yeah"
連中に「本気か?」って聞かれて、俺のベントレーが「イェー」って答えたぜ
※成功の証拠として、自分の口ではなく、自分が乗る超高級車(ベントレー)に代弁させている。

That little bitch ask for a purse and you know I said "Yeah"
あのビッチがバッグ(パース)をねだってきたから、当然「イェー」って言ってやったよ

She gon' act just like a clerk when them feds in there
サツ(フェド)が踏み込んできた時、彼女はただの店員(クラーク)のフリをするのさ

She might act like she know Bird when them players in there, Yeah
大物(プレイヤー)たちがいる時は、彼女はバード(Birdman)と知り合いのフリをするかもしれないな、イェー
※「Bird」はCash Money RecordsのボスであるBirdmanのこと。権力者や大物がいる時はその威光にすり寄るという、ストリートに群がる女性たちのしたたかさを皮肉っている。

[Chorus]

Baby, you know that I might be the realest lil' nigga you ever gon' see (You know it)
ベイビー、俺はお前がこれまで出会った中で一番リアルな男かもしれないぜ(分かってるだろ)

Baby, you know that I might be the trillest lil' nigga that you wanna be (Woah)
ベイビー、俺はお前がなりたくてたまらない、一番トリルな男かもしれないぜ(ウォウ)

Baby, you know that I might be the richest lil' nigga you ever could treat (Rich)
ベイビー、俺はお前が今までもてなしてきた中で一番リッチな男かもしれないぜ(リッチ)

And you know that I might just scoop that lil' bitch up off of her feet (Really rich)
そして俺なら、あのビッチの足をすくって(心奪って)かっさらうことだってできるんだ(マジでリッチだ)

All of these niggas they know that they fallin' and everyone wanna be me (Yeah)
野郎どもはみんな自分が落ちぶれてるって分かってるし、誰もが俺になりたがってる(イェー)

All of these bitches don't wanna be cheated on but all these bitches wan' cheat (Yeah)
ビッチどもはみんな浮気されたくないくせに、自分は浮気したがるんだよな(イェー)

All of these bitches wan' be the new wifey but all of these bitches be cheatin' (Bitch)
ビッチどもはみんな俺の新しい妻になりたがるが、どいつもこいつも浮気してるんだ(ビッチ)

All of these rappers I swear they watering down and I'm the chlorine, ah
他のラッパーどもはみんな水で薄められた偽物さ、だから俺が塩素になってやるよ、アー

[Outro]

I'm the chlorine, bitch
俺が塩素(浄化剤)なんだよ、ビッチ

Yeah, I'm 'bout to clean some motherfuckers, fool
イェー、俺は今からクソ野郎どもを綺麗に洗浄してやるところさ、バカ野郎
※ラップシーンに溢れる「Watered down(水で薄められた)」なフェイク・ラッパーたちを、自分がプールを殺菌するように一掃(Clean)するという究極のフレックス宣言。

You know what I'm sayin
俺の言ってることが分かるか

I got on flue but you know I'm still drippin'
俺はインフルエンザ(フリュー)にかかってるが、それでもドリップ(イケてる)してるぜ
※「Flu(インフルエンザ)」のような最悪な体調でも、「Drip(鼻水/高級なファッションやスタイル)」は誰よりも垂れ流しているというダブルミーニング。また、対立するCripsの青色(Blue)ではなく、Bloods特有の「Flue」という言い換えを使っているとの考察もある。

You know what I'm sayin' oh
俺の言ってることが分かるだろ、オー

Oh, ah, oh, ah
オー、アー、オー、アー