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Amazing - Young Thug (feat. Jacquees) 【和訳・解説】

Artist: Young Thug (feat. Jacquees)

Album: Barter 6

Song Title: Amazing

概要

本楽曲は、Young Thugの2015年の名盤ミックステープ『Barter 6』の終盤を飾る、Wheezyプロデュースによるメロウで浮遊感漂う1曲だ。客演には、当時Birdman率いるRich Gangの傘下で活動を共にしていたR&BシンガーのJacqueesを迎えている。楽曲全体を通して、スラムの「泥(Dirt)」から抜け出し、途方もない富と権力を手にした現在の状況がいかに「Amazing(素晴らしい)」であるかを、ドラッグ、ハイエンドなファッション、そしてストリートの冷酷な掟を交えながら独白している。特に、Maison Margielaなどのパリの高級メゾンを連呼するバースは、トラップ・ミュージックの美学にハイファッションの概念を完全に定着させたThugの先駆者としてのスタンスを象徴する歴史的な名演である。

和訳

[Intro]

Yeah
イェー

Sticky kush, sticky kush
極上のクッシュ、ベタベタのクッシュだ
※「Sticky Kush」は樹脂をたっぷり含んだ上質な大麻の隠語。指にくっつくほどベタベタしている(Sticky)大麻は純度が高く強力であるとされる。

Tell me your name
お前の名前を教えてくれ

Wheezy Beats
ウィージー・ビーツ

[Verse 1: Young Thug, Jacquees, Both]

Nigga, have you ever dreamed? (I dreamed)
なぁ、お前は夢を見たことがあるか?(俺は見たぜ)

I was the man and you a thing (What?)
俺が「ボス」で、お前はただの「モノ」だった夢さ(何だと?)
※自分がシーンの頂点(The man)に立ち、自分を見下していたヘイターたちが取るに足らない無機質な「モノ(A thing)」になるという、権力逆転の夢。

One and two
1、2

Anytime I get mad, I can goodbye to you
俺がキレれば、いつでもお前に「サヨナラ」できるんだぜ
※絶対的な権力を持った今、気に入らない相手はいつでもシーンから消す(関係を断つ、あるいは物理的に消去する)ことができるというボスとしての宣告。

God damn, who the hell let rats in the house?
クソッたれ、一体誰がこの家にネズミどもを入れやがった?
※「Rats(ネズミ)」は警察の密告者(スニッチ)のこと。自分たちのトラップハウス(アジト)や組織内に裏切り者が入り込んだことへの強い警戒。

King of lions, who let these cats run out of the house?
俺は百獣の王(ライオン)だ、誰がこの猫どもを家から逃がしたんだ?
※自身を頂点に君臨するライオンになぞらえ、恐れをなして逃げ出す臆病者たちを「Cats(猫=Pussies/弱虫)」と見下している。

Houston, Texas when I'm on land, I lean back like a couch (Uh)
テキサス州ヒューストンにいる時みたいに、ソファに深く寄りかかる(リーンする)ぜ(アー)
※ヒューストンはプロメタジン・コデイン・シロップ(リーン)発祥の聖地。「Lean back(ソファにもたれかかる)」とドラッグの「Lean(体を傾ける)」を掛けた、南部ヒップホップ文化へのオマージュ。

I'm not playin', I want it bad, call shots like a spouse (Pew-pew-pew-pew)
遊びじゃねえ、マジで欲しいんだ、俺は妻みたいに指示を出すぜ(ピュン・ピュン・ピュン・ピュン)
※「Call shots」は命令を下すこと、あるいは銃弾を放つこと。家庭を完全に牛耳る「Spouse(妻/配偶者)」のように、ストリートでの絶対的な決定権と支配権を持っているという比喩。

We roll that kushy up, we eat that pussy though
俺らは極上のクッシュを巻く、あのプッシーも食ってやるけどな

Suck it til you're throwin' up, my Phantom grey, no hound (Yeah, yeah, yeah)
吐くまでしゃぶれよ、俺のファントムはグレーだ、ハウンド(猟犬)じゃねえ(イェー、イェー、イェー)
※自身が乗るロールス・ロイス・ファントムの車体色がグレーであることと、アメリカの貧困層が利用する長距離バス「グレイハウンド(Greyhound)」を掛けている。俺はバスに乗るような貧乏人ではなく、最高級のファントムに乗っているというフレックス。

I lost a Lear, no bucks, still waitin' on that Bentley truck (Yeah)
リアジェットを失った、金がねえってわけじゃない、まだあのベントレーのトラックを待ってるんだ(イェー)
※「Lear」はプライベートジェットのリアジェット機。大金を失ったとしても、当時はまだ発売前であったBentleyの超高級SUV(後のBentayga)の納車を待つ余裕があるという、常軌を逸した金銭感覚。

Stop playin', lil' bitty boy, you a dub (Hey, dub)
ふざけるな、ちっぽけな坊や、お前は「ダブ」さ(ヘイ、ダブ)
※「Dub」は20ドル札のこと。転じて、20ドル程度の価値しかない「取るに足らない負け犬」という意味のストリートの侮蔑語。

He ain't YSL, nigga, he ain't in the hut (Yeah, yeah, yeah)
あいつはYSLじゃねえ、俺らの小屋(アジト)には入れねえよ(イェー、イェー、イェー)

I might stop by and let that lil' bitch lush (Yeah)
ちょっと立ち寄って、あのビッチに贅沢(ラッシュ)させてやるかもな(イェー)

I pull up and chop at your cousin, your bus (Yeah, yeah, yeah)
車で乗りつけて、お前の従兄弟やお前のバスにチョッパーをブッ放してやる(イェー、イェー、イェー)
※「Chop」はAK-47などの連射式ライフル(チョッパー)を乱射すること。ターゲットの身内や乗っている車ごとハチの巣にするという脅迫。

Lil' nigga, you know what it was (Yeah, yeah, yeah)
若えの、どういうことだったか分かってるだろ(イェー、イェー、イェー)

You know what it is, you know what it does (What, what?)
今がどういう状況か、これがどういう結果になるか分かってるはずだ(何だ、何だ?)

I'm makin' your old lady shake it (Ooh)
俺はお前の古女房にケツを振らせてるぜ(ウー)
※「Old lady」は長年付き合っている本命の彼女や妻のこと。敵の女を寝取り、自分のためにストリッパーのように踊らせているという最大限の屈辱。

She suckin' too slow, I'm impatient (Ooh)
彼女のしゃぶるスピードが遅すぎる、俺は気が短いんだ(ウー)

My diamonds so wet like your baby (Ooh)
俺のダイヤモンドは、お前の赤ん坊みたいに濡れてるぜ(ウー)

Don't know where to go, I'm amazin' (Ooh)
どこへ行けばいいか分からないくらいさ、俺はアメイジングだからな(ウー)

[Chorus: Jacquees]

What's amazin'? I don't know
アメイジングって何だ? 俺には分からないね

What's amazin'? I don't know
何がアメイジングなんだ? 分からないね

What's amazin'? I don't know
何が素晴らしいって? 分からないな

What's amazin'? (Amazing is a grateful thing)
アメイジングとは何だ?(アメイジングとは感謝すべきことさ)

I might accept your apology
お前の謝罪を受け入れてやるかもしれない

I mean you throw L's up if you ain't followin'
俺についてこれないなら、お前は「L」のサインでも掲げてな
※「L's up」は両手でLの字を作る「Loser(負け犬)」のサイン。俺たちのレベルについてこれない奴は全員負け犬だというJacqueesの宣言。

I am a beast, your life I'll be swallowin'
俺は野獣だ、お前の命を丸飲みにしてやるよ

And I've been drinkin', I need to bottle this
酒を飲み続けてる、この感覚をボトルに詰めておきたいくらいだ

[Verse 2: Young Thug]

Man, I'm so tired of these niggas, man
なぁ、俺はこのクソ野郎どもにマジでウンザリしてるんだ

I am so tired of these bitches (Yeah)
このビッチどもにも心底ウンザリだ(イェー)

I'm so magnificent, studio workin'
俺は最高に輝いてる、スタジオで曲を作ってるんだ

I'm wearin' a top like I'm pimpin'
ポン引き(ピンプ)みたいな派手なトップスを着こなしてな

Your bitch want my milk
お前のビッチは俺のミルク(精液)を欲しがってるぜ

I'm sittin' at the top lookin' down at these wimps
俺は頂点に座って、この弱虫どもを見下ろしてる

These hoes just roll me a blunt
このビッチどもが俺にブラントを巻いてくれる

And you know that they stuff it, it cannot be imps
パンパンに詰めるんだ、小人(インプ)みたいに小さいわけがないだろ
※「Imps」は小悪魔や小人のこと。中身をケチった細いブラント(Skimp)ではなく、大麻が大量に詰まった極太のブラントであることを小人に例えて否定している。

I never had cutlass and donks
俺はカトラスやドンクに乗ったことは一度もねえ
※「Cutlass」はOldsmobile社のクラシックカー。「Donks」は巨大なホイールを履かせたサウス特有のカスタムカー。Thugはそうした伝統的なフッドの車ではなく、ヨーロッパの高級車を好むというハイエンド志向の表れ。

I based up my bankroll then based out my trunk
俺は持ち金(バンクロール)を高く積み上げて、それからトランクから重低音を響かせたんだ
※「Based up(積み上げる)」と、トランクに積んだ巨大なウーファーから重低音(Bass)を響かせる「Bass out」を掛けた、同音異義語の精巧なワードプレイ。

I might fuck that lil' bitch in the mornin'
朝イチであのビッチとヤるかもな

I might put her out and call Tyrone
それから彼女を追い出して、「タイロン」に電話してやる
※ネオソウルの女王Erykah Baduの1997年の名曲『Tyrone』からの引用。ダメな男に対して「Tyroneに電話して荷物を取りに来させな」と言い放つ原曲の文脈を借り、ヤッた後の女を冷たく追い出す様子を描いている。

Snoop Dogg, I might go ahead and bone
スヌープ・ドッグさ、俺はそのままヤる(ボーン)かもな
※Snoop Doggのアイコニックな犬のキャラクターが好む「Bone(骨)」と、「Bone(性行為をする)」というスラングを見事に掛け合わせたユーモラスな一節。

I'm big ballin', bitch put me inside the dome (What, what?)
俺は大成功してるんだ、ビッチ、俺をドームの中に入れてくれよ(何だ、何だ?)
※「Dome」はオーラルセックスのスラングであると同時に、アトランタの象徴であった「ジョージア・ドーム」を指し、そこで大金を稼ぐ(Ballin')ほどのスーパースターになったという意味が含まれる。

I'm wearin' Maison Margiela (The tight way)
俺はメゾン・マルジェラを着てる(タイトな着こなしで)

I'm wearin' Maison Margiela (The right way)
俺はメゾン・マルジェラを着てる(正しい着こなしで)

I'm wearin' Maison Margiela (The scary sight way)
俺はメゾン・マルジェラを着てる(恐ろしいほどイケてる着こなしで)

I'm wearin' Maison Margiela (The goodnight way)
俺はメゾン・マルジェラを着てる(そのまま寝れるくらいの着こなしで)
※パリの高級メゾン「Maison Margiela」を連呼し、トラップ・ミュージックの美学にハイファッションの概念を完全に持ち込んだThugの先駆的なファッション・アイコンとしてのスタンスを強調している。

Take some sand to the beach (Ayy)
ビーチに砂を持っていくようなもんさ(エイ)
※「ビーチに砂を持っていく」=すでに女が大量にいるクラブやマイアミビーチに、わざわざ自分の女を連れて行く行為、あるいはマイアミに大量のコカイン(砂)を持ち込むというダブルミーニング。

Party with a couple foreign freaks (Ayy)
数人の外国人の変態ビッチどもとパーティーするぜ(エイ)

Kim K lookin' ho, Yeezy (Ayy)
キム・カーダシアン似の女だ、イージーの気分さ(エイ)
※Kanye West(Yeezy)の当時の妻であり、豊満なボディで知られるKim Kardashian(Kim K)に似た女をはべらせ、自分がカニエになったかのようにフレックスしている。

Florida livin' nigga, Pork N Beans
フロリダに住んでる黒人さ、ポーク・アンド・ビーンズだ
※「Pork N Beans」はフロリダ州マイアミのLiberty Cityにある悪名高い公営住宅群の通称。フロリダのリアルなストリートの住人たちとの強固な繋がりをアピールしている。

[Interlude: Jacquees]

Yeah, and I'ma ride this bitch tonight
イェー、今夜はこの車を乗り回してやる

And I just might ride this bitch tonight
今夜はこの車で流すかもしれない

Pork N Beans where you at baby?
ポーク・アンド・ビーンズ、お前らはどこにいるんだ、ベイビー?

Oh, Pork N Beans where you at baby?
あぁ、ポーク・アンド・ビーンズの連中、どこにいるんだ?

[Verse 3: Young Thug]

Brown sugar on that bitch
あのビッチにはブラウン・シュガーが乗ってる
※「Brown sugar」は上質なヘロインの隠語、またはD'Angeloの名盤タイトルであり、魅力的な黒人女性そのものを指す多重ミーニング。

Pull up with a ho and she know I'm ready to
ビッチを連れて車を停める、彼女は俺の準備ができてるって分かってる

Bust her, pay her, leave her, fuck her
ヤッて、金を払って、置き去りにして、犯してやる

I don't wait up, hold up, let me check my mail
俺は待ったりしない、ちょっと待て、メールを確認させてくれ

He broke, he servin' his squad with a scale
あいつは貧乏人だ、自分の仲間に麻薬を売る時でさえハカリを使ってる
※貧乏なハスラーは、自分の身内(Squad)にドラッグを売る時でさえ、少しでも損をしないようにハカリ(Scale)を使って厳密に計量しているという、ストリートレベルの貧困に対する冷笑。

I make it rain, I hope all is well
俺は札束の雨を降らせる、全てが上手くいくことを願ってるぜ

I pull off deep like what in the hell?
一体何事だ? ってくらい大所帯で車を走らせる

Ho, give all my niggas some bails
ビッチ、俺のダチら全員にベイルを与えてくれ
※「Bails」は刑務所からの保釈金(Bail)、または大麻の巨大な塊(Bale)の掛詞。

Wait, I'ma lay down 'fore I'll tell, huh
待てよ、俺は密告(テル)するくらいなら横たわる(死ぬ)ぜ、ハッ
※「Tell」は警察に密告(スニッチ)すること。「Lay down」は刑務所のベッドで寝る、あるいは墓の中に入る(死ぬ)こと。仲間を売るスニッチになるくらいなら死んだ方がマシだという、ストリートの絶対的な掟の宣言。

Pull up in old school Chevelles
オールドスクールのシボレー・シェベルで乗りつける

I don't save pictures, they might get revealed
俺は写真を保存しない、暴露されるかもしれないからな
※携帯電話に写真を保存しないのは、警察に押収された際に違法行為の証拠として暴かれたり、ハッキングで流出したりするのを防ぐための、パラノイア的な防衛策。

How many times have I asked are you well?
俺は何度「調子はどうだ?」って尋ねてきたと思う?

How many times have I popped a perc pill?
俺は何度パーコセット(鎮痛剤)の錠剤を飲んできたと思う?

How many homies at home on the bail?
保釈金を払って家にいる仲間が何人いると思う?

How many times have I told you you shall?
俺は何度お前に「やるべきだ」って言ってきたと思う?

How many meals have I ate 'til I burp?
ゲップが出るまで、俺はどれだけの飯を食ってきたと思う?

Dropping the top on the Mulsanne, ain't no hot top on Hertz
ミュルザンヌの屋根をオープンにする、ハーツのレンタカーにこんなオープンカーはねえよ
※「Mulsanne」は数千万円するベントレーの超高級車。レンタカー会社(Hertz)では絶対に借りられないような車を所有しているという、真の富の証明。

Hey, I worked so hard to get out that dirt
ヘイ、俺はあの泥沼から抜け出すために必死で働いてきたんだ
※「Dirt」は文字通りの泥であり、貧困と犯罪にまみれたスラム街のこと。現在の豪奢な生活は、そこから抜け出すために血の滲むようなハスリングを続けた結果であるという真摯な独白。

Hey, I was thinking this is not that work
ヘイ、これはただの仕事じゃないって考えてたんだ