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Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Dream - Young Thug (feat. Yak Gotti) 【和訳・解説】

Artist: Young Thug (feat. Yak Gotti)

Album: Barter 6

Song Title: Dream

概要

本楽曲は、2015年の名盤ミックステープ『Barter 6』に収録され、ストリートの過酷な現実から抜け出し、途方もない富を手にしたYSLクルーの「夢」の体現を描いた1曲だ。しかし、ヒップホップ史において本作が持つ意味合いはリリース当時と現在とで大きく異なっている。客演のYak Gottiが放った「殺人を重ねた(bodies on bodies)」「Ricoのダチよ」といったリリックは、2022年にアトランタ検察当局がYSLをRICO法(連続非合法活動組織対策法)違反で一斉摘発した際、彼らが凶悪なストリートギャングであるという決定的な「証拠」として法廷で引用されたのだ。南部ヒップホップの伝統的ルーツへの敬意と、あまりにも生々しいストリートの掟が混在する、YSLの栄光と悲劇を象徴する予言的なドキュメントである。

和訳

[Chorus: Young Thug]

A young nigga's life is a dream, yeah
若き黒人の人生、今じゃまるで夢の中さ、イェー

We ain't lettin' no hoes get in between us
俺らの間にビッチどもを割り込ませたりしねえ
※YSLという組織・兄弟分としての強固な絆(Bros before hoes)が、女遊びよりも優先されるという掟の確認。

When my diamonds speak, they say "bling," yeah
俺のダイヤモンドが喋る時、そいつらは「ブリング」って鳴るんだ、イェー
※1999年にB.G.(Cash Money Records)が広めた歴史的スラング「Bling Bling」への回帰。本作がCash MoneyとBirdmanへのオマージュに満ちていることを示している。

Yellow diamonds, no crime scene, yeah (Woo, woo, woo, woo, woo)
イエロー・ダイヤモンドだ、殺人現場じゃねえぞ、イェー(ウー、ウー、ウー、ウー、ウー)
※警察が殺人事件の現場(Crime scene)を封鎖するために張る「黄色い規制線(Yellow tape)」と、自身の纏う「イエロー・ダイヤモンド」の色を掛けた極めて秀逸なワードプレイ。

This that rich shit, I eat fish and grits (Yeah)
これぞ金持ちのやり方さ、俺はフィッシュ&グリッツを食うんだ(イェー)
※「Fish and grits(白身魚のフライと粗挽きトウモロコシの粥)」は、アメリカ南部(特にアトランタ周辺)の伝統的なソウルフード。OutKastなどの南部ヒップホップのレジェンドたちが頻繁にレペゼンしてきた食事であり、大富豪になっても南部のルーツと精神性を忘れない姿勢を示している。

Catch me boolin' with my dogs just like Michael Vick (Yeah)
マイケル・ヴィックみたいに、俺の犬(ダチら)とたむろしてるぜ(イェー)
※アトランタ・ファルコンズの元スターQBであるマイケル・ヴィックへの言及。彼は違法な闘犬(Dog fighting)の元締めとして逮捕・服役した過去がある。ストリートの仲間を指す「Dogs」と、ヴィックの「闘犬」をブラックジョークとして掛けている。「Boolin'」はBloodsのメンバーが「Coolin'(たむろする)」のCをBに置き換えたスラング。

I don't give no damn if they throw it off
奴らが俺の邪魔をしようが知ったこっちゃねえ

I won't fuckin' miss (What?)
俺は絶対に外しはしねえよ(ワット?)
※銃撃の精度(確実に敵を仕留める)と、音楽業界でのヒット(絶対に失敗しない)のダブルミーニング。

Bitch, I'm so up, no Sleepy Brown
ビッチ、俺は完全に目覚めてる(稼いでる)、スリーピー・ブラウンじゃねえんだ
※「Up」は「起きている」と「大金を稼いでいる・ハイになっている」の意味。アトランタの伝説的クルー、Dungeon Familyのメンバーである「Sleepy Brown(スリーピー=眠い)」の名前を引き合いに出し、俺は常に覚醒しているというネームドロップ型のパンチライン。

Wouldn't talk to him 'bout shit (No!)
あいつと話すことなんて何一つねえよ(ノー!)

You dig?
わかるか?

[Verse 1: Young Thug]

I want you to talk to the hand while I talk to bands (Brr)
俺が札束(バンズ)と話してる間、お前は俺の手(掌)とでも話してな(ブルル)
※「Talk to the hand(手に向かって話せ=お前の話は聞かない)」という古典的な拒絶のフレーズ。俺の相手は人間ではなく大金(Bands)だというフレックス。

I might go and stop playing, take over the land (Yeah)
遊びは終わりにして、この土地(シーン)を乗っ取るかもしれねえ(イェー)

My money long as school buses, ain't talkin' no Xans (Yeah)
俺の金はスクールバスくらい長いぜ、ザナックスの話をしてるんじゃねえぞ(イェー)
※抗不安薬ザナックス(Xanax)の黄色い2mgの長方形の錠剤は、ストリートで「School bus」と呼ばれる。俺が言うスクールバスはドラッグのことではなく、文字通り「バスのように果てしなく長い札束の列」のことだという釘刺し。

Sit still, I'm cool comin', pull up and then spray it (Pfft)
じっとしてろよ、俺は冷静に近づいて、車を停めてブッ放すからな(プフッ)

50 dub, know I'm sayin'? (Woo)
50ダブだ、俺の言ってること分かるか?(ウー)
※「Dub」は20ドル、または20のこと。50×20で1000ドル、あるいは特定のギャングのセットや薬物の量を指すストリートの符丁。

Hundred bloods, them my fam (Blatt)
100人のブラッズ、あいつらは俺の家族さ(ブラット)
※「Blatt」はBloodsのメンバーが使う掛け声(Blood Love All The Timeの頭文字とされる)。

Hundred bloods, them not fans (Blatt)
100人のブラッズ、ただのファンなんかじゃねえ(ブラット)

Fuck the beach, I got sand (Fuck it)
ビーチなんてクソくらえだ、俺には砂(サンド)がある(クソくらえ)
※「Sand」は粉末状のドラッグ(コカインなど)の隠語。わざわざビーチに行かなくても、俺の手元には大量の「砂」があるというトラッパーのユーモア。

PS3, I'm not playin' (Yeah)
PS3だ、俺は遊んでる(プレイしてる)わけじゃねえ(イェー)
※ゲーム機であるPlayStation 3を引き合いに出しつつ、ストリートのビジネスは「ゲーム(遊び)」ではないという宣言。

Go gentle on my lil' man (Yeah)
俺の小さな相棒(リル・マン)には優しくしてやってくれ(イェー)
※「Lil' man」は自分の息子、あるいは自身の股間(性器)、もしくは隠し持った銃器の擬人化表現。

She understand what I'm stayin' (Yeah)
俺の居場所を彼女は理解してるんだ(イェー)

I'm booted up, I couldn't land (Woo)
完全にキマッちまってる、着陸できねえよ(ウー)
※「Booted up」はMDMA(エクスタシー)などのドラッグで強烈にハイになっている状態。空高く飛んでいて降りられないという比喩。

My car is fast, that shit drag (Skrrt)
俺の車は超速え、ドラッグレース並みだぜ(スカート)

Versace white, Ku Klux Klan (Yeah)
全身白のヴェルサーチェだ、まるでクー・クラックス・クラン(KKK)みたいにな(イェー)
※白の高級ブランド(Versace)で全身を着飾った姿を、白人至上主義の秘密結社KKKの白装束に例える、Thug特有の極めて不謹慎でショッキングなメタファー。

Don't care if he's Crip, he still fam (No)
あいつがクリップスだろうと関係ねえ、それでも家族さ(ノー)
※Thug自身はブラッズ(Bloods)に属しているが、YSLという組織内には敵対組織とされるクリップス(Crips)のメンバー(Gunnaなど)も混在しており、ギャングのカラー(赤と青)の垣根を越えたマフィア的な結束を誇示している。

No AM, bitch, I am (I am)
AM(午前)じゃねえよビッチ、「I am(俺は俺)」だ(俺だ)
※午前(AM)と、自己の存在証明である「I am」を掛けた独特な言葉遊び。

But when I do I might need help up (And what?)
だがもし俺が倒れたら、引き起こしてもらう必要があるかもな(それで?)
※ドラッグの過剰摂取で意識を失った際の様子。

And I wanna be like Mike and I ain't talkin' Phelps, bruh (Skrrt-skrrt-skrrt-skrrt)
俺はマイクみたいになりたいんだ、フェルプス(水泳選手)の話じゃねえぞ、兄弟(スカート・スカート)
※1991年のゲータレードの有名なCMソング「Be Like Mike(マイケル・ジョーダンのようになりたい)」の引用。オリンピック金メダリストのマイケル・フェルプスではなく、バスケットボールの神様であり世界的なビジネスマンであるジョーダンを指している。

[Chorus: Young Thug & Yak Gotti]

A young nigga's life is a dream, yeah
若き黒人の人生、今じゃまるで夢の中さ、イェー

We ain't lettin' no hoes get in between us (Nah)
俺らの間にビッチどもを割り込ませたりしねえ(あぁ)

When my diamonds speak, they say "bling," yeah
俺のダイヤモンドが喋る時、そいつらは「ブリング」って鳴るんだ、イェー

Yellow diamonds, no crime scene (Yak)
イエロー・ダイヤモンドだ、殺人現場じゃねえぞ(ヤック)

Yeah (Woo, woo, woo)
イェー(ウー、ウー、ウー)

This that rich shit, I eat fish and grits (Yeah)
これぞ金持ちのやり方さ、俺はフィッシュ&グリッツを食うんだ(イェー)

Catch me boolin' with my dogs
俺の犬(ダチら)とたむろしてるぜ

Just like Michael Vick (Yeah, woo)
マイケル・ヴィックみたいにな(イェー、ウー)

I don't give no damn if they throw it off
奴らが俺の邪魔をしようが知ったこっちゃねえ

I won't fuckin' miss (What? Yak, Yak, Yak)
俺は絶対に外しはしねえよ(ワット? ヤック、ヤック、ヤック)

Bitch, I'm so up, no Sleepy Brown
ビッチ、俺は完全に目覚めてる、スリーピー・ブラウンじゃねえんだ

Wouldn't talk to him 'bout shit (No)
あいつと話すことなんて何一つねえよ(ノー)

You dig?
わかるか?

[Verse 2: Yak Gotti, Young Thug & Both]

Hey, how you doin'? I'm Yak Gotti (Woo)
ヘイ、調子はどうだ? 俺がヤック・ゴッティさ(ウー)
※ここからYSLの初期メンバー、Yak Gottiのヴァース。

I got bodies on bodies
俺は死体の上に死体を築いてきた(何人も殺ってきた)
※ヒップホップ史上最も問題となったラインの一つ。2022年、検察はYSLが単なるレーベルではなく犯罪シンジケートであるとしてRICO法で起訴。その際、検察官はこの「bodies on bodies」という歌詞を、Yak Gottiが実際に犯した殺人の「自白」として大陪審で読み上げた。アート表現か犯罪の証拠かという全米を巻き込む大論争のトリガーとなった一節。

I'm with Thugger, that's my woadie
サガーと一緒にいるぜ、あいつは俺のウォディ(兄弟)だ
※「Woadie」はニューオーリンズの第9区(9th Ward)発祥のスラングで、Cash Money Recordsが全米に広めた言葉。ここでも南部ヒップホップの血脈へのリスペクトが表れている。

Yeah, my round, that's my compadre (Yeah)
あぁ、俺のラウンド(仲間)、俺のコンパドレ(親友)さ(イェー)
※「Round」もニューオーリンズ周辺のストリート・スラングで仲間を意味する。

And we solid, oh, so solid (Ah)
俺らの絆はソリッドだ、あぁ、最高に強固(ソリッド)だぜ(アー)

If I get caught I won't say nothin' (Shh)
もし俺が捕まっても、絶対に何も喋らねえよ(シッ)
※「No Snitching(密告禁止)」というストリートの絶対的な掟の宣言。皮肉にも、数年後にYSLメンバー全員が一斉逮捕された際、Gunnaらを筆頭に司法取引(アルフォード・プレア)に応じるメンバーが続出する中で、Yak Gottiはこの歌詞の通り最後まで無罪を主張し裁判闘争を続けることとなる。

YSL, bitch, we mobbin', I'm for real
YSLだ、ビッチ、俺らはマフィアみたいにつるんでる、マジな話さ

This beat knockin' (Yeah, yeah)
このビートは最高にノリがいい(イェー、イェー)

Trigger, boy, I got you (Got you)
トリガー、兄弟、俺がついてるぜ(ついてるぜ)
※収監中、あるいは亡くなったストリートの仲間へのシャウトアウト。

Rico, boy, I got you (Got you)
リコ、兄弟、俺がついてるぜ(ついてるぜ)
※仲間の「Rico」へのシャウトアウトだが、後年YSLが「RICO法(Racketeer Influenced and Corrupt Organizations Act)」で壊滅させられることを考えると、あまりにも不気味な偶然と響く呪われたライン。

I'm livin' out my dreams (What?)
俺は夢を生きてるんだ(ワット?)

Broke is not an option (Uh-uh)
一文無しに戻るなんて選択肢はねえ(アーア)

Yeah, I'm livin' out my dreams
あぁ、俺は夢の人生を生きてる

Broke is not an option (Uh-uh)
金欠になるなんてあり得ねえよ(アーア)

Who the fuck wanna stop it? (Hey)
一体どこのクソ野郎が、これを止めたいって言うんだ?(ヘイ)

[Chorus: Young Thug]

A young nigga's life is a dream, yeah
若き黒人の人生、今じゃまるで夢の中さ、イェー

We ain't lettin' no hoes get in between us
俺らの間にビッチどもを割り込ませたりしねえ

When my diamonds speak, they say "bling," yeah
俺のダイヤモンドが喋る時、そいつらは「ブリング」って鳴るんだ、イェー

Yellow diamonds, no crime scene, yeah (Woo, woo, woo)
イエロー・ダイヤモンドだ、殺人現場じゃねえぞ、イェー(ウー、ウー、ウー)

This that rich shit, I eat fish and grits (Yeah)
これぞ金持ちのやり方さ、俺はフィッシュ&グリッツを食うんだ(イェー)

Catch me boolin' with my dogs just like Michael Vick (Yeah)
マイケル・ヴィックみたいに、俺の犬(ダチら)とたむろしてるぜ(イェー)

I don't give no damn if they throw it off
奴らが俺の邪魔をしようが知ったこっちゃねえ

I won't fuckin' miss (What?)
俺は絶対に外しはしねえよ(ワット?)

Bitch, I'm so up, no Sleepy Brown
ビッチ、俺は完全に目覚めてる、スリーピー・ブラウンじゃねえんだ

Wouldn't talk to him 'bout shit (No)
あいつと話すことなんて何一つねえよ(ノー)

You dig?
わかるか?