Artist: Swae Lee
Album: SAME DIFFERENCE
Song Title: EVERYONE WANTS
概要
Swae Leeのソロプロジェクト『SAME DIFFERENCE』に収録された「EVERYONE WANTS」は、名声、富、そしてストリートのリアルが交錯する彼の退廃的ながらも優雅なライフスタイルを描いたメロディアスなトラップチューンである。タイトル「誰もが欲しがるもの」が示す通り、彼が手に入れた成功(高級車、大金、女)を周囲が羨望の眼差しで見つめる構図をベースにしつつ、フェイクなハスラーたちに対する痛烈な皮肉が込められている。特にフックにおける「お前はボスなのか、それともただの客なのか(Are you a boss or a customer?)」というラインは、ストリートのルールに逆行して消費するだけの「バックワーズ・ハスラー」を冷笑し、真の勝者としての立ち位置を明確にしている。コデイン・シロップをソーダで割る「ダブルカップ」の描写やベースボールのメタファーなどを巧みに織り交ぜ、Swae Lee特有の浮遊感漂うボーカルで残酷な現実と勝者の余裕を歌い上げている。
和訳
[Intro]
You've got what everyone wants
誰もが欲しがるものを、お前は持ってる
Buy the car, let someone else watch (Ah)
車を買いな、他の奴らにはただ指をくわえて見させておけ
Call the squad, can we even out the odds? (Odds)
クルーを呼べ、この状況(オッズ)を五分五分にできるか?
Call the squad, can we even out the odds? (Yeah)
クルーを呼べ、不利な状況をひっくり返せるか?
[Chorus]
You’ve got what everyone wants (Hey)
誰もが欲しがるものを、お前は持ってる
Buy the car, watch everyone home (Beep)
車を買いな、みんなが帰るのを見届けてやれ
Dropped the call 'cause you so high up (Oh)
電話が切れちまったのは、お前が高すぎる所にいるからさ
※「High up」には、ペントハウスやプライベートジェットなどの「物理的な高さ(電波が届かず通話が切れる)」、地位や名声における「圧倒的なトップダウンの視点」、そしてドラッグによる「極度のハイ状態」というトリプルミーニングが込められている。
I'm pulling up, nigga, have that shit on
今から車で乗り込むぜ、そのヤバい服を着て待ってな
※「Have that shit on」は、最高のデザイナーズファッションやジュエリーで完璧にキメている状態(Drip)を指すストリートスラング。
We need it, so retrieve it (Woo, woo)
それが必要なんだ、だから取ってこい
We ain’t waiting more than fifteen for it
15分以上は待たねえぞ
※ドラッグのデリバリーやストリートでの取引における暗黙のタイムリミット。モタモタする「使えない売人」に対する苛立ちと、待つ必要のないVIPとしての権威を示している。
Yeah, we need it (Yeah), and we mean it
ああ、必要なんだ、マジで言ってるぜ
We ain't waiting more than fifteen for it
15分以上なんて待ってられねえ
I scrub the deuce in the double cup (Let's go)
ダブルカップに2オンスのシロップを注ぎ込む
※「Deuce」は2オンス(約60ml)のコデイン・プロメタジン入りの咳止めシロップ(リーン)。それをスプライト等のソーダと混ぜるために、氷を入れたカップを2つ重ねた「Double cup」を使用するUSヒップホップ特有のドラッグカルチャーの描写。「Scrub」はカップの中でかき混ぜる動作を指す。
Then I had to watch it bubble up (Tch)
そして、それが泡立つ(バブル・アップする)のを見つめるんだ
※濃厚なシロップが炭酸飲料と混ざり合う際に発生する気泡(Bubble up)のこと。同時に、富やステータスが一気に「跳ね上がる(Bubble up)」こととも掛けている。
I would hate to burst your bubble, but (Bust it)
お前の幻想(バブル)をぶち壊したくはねえが
※「Burst someone's bubble(幻想を打ち砕く、夢から覚めさせる)」という英語の慣用句を、前行のリーンの「Bubble(泡)」と掛けている秀逸なワードプレイ。フェイクなラッパーたちの見栄を暴くという警告。
If you're gonna be another one ('Nother)
もしお前が、そこらへんのありふれた奴になるつもりなら
Are you a boss or a customer? (A customer)
お前はボス(売る側)なのか、それともただの客(買う側)なのか?
※ストリートにおける究極の問い。ハッスルして富を築く「Boss」ではなく、ドラッグや見栄のために散財するだけの「Customer(消費者/依存者)」に成り下がっていないかという痛烈な皮肉。
Get it off on consumer (Consumer)
消費者に売り捌くんだよ
You're a backwards hustler (Hustler)
お前は逆行してるハスラー(金を使うだけのバカ)だぜ
※「Hustler」は本来、知恵を使って金を稼ぐ者のこと。「Backwards hustler(逆行するハスラー)」とは、稼いだ端からドラッグや女、無駄な装飾品に金を吸い取られていくフェイクなストリートの住人たちを嘲笑するスラング表現である。
And you better stop cuffing her (Cuffing)
あんなビッチを囲う(彼女ヅラさせる)のはやめとけ
※「Cuffing」は手錠(Handcuffs)をかけるように、特定の相手と真剣に交際し独占すること。ストリートやクラブにいる誰とでも寝るような女性に本気になっている「客」を冷笑している。
[Verse]
I promise I been livin' like a loner (Yeah)
誓って言うぜ、俺は一匹狼みたいに生きてきた
I smoke a lot, I'm always in crash coma (Coma)
ハッパを吸いまくって、いつも気絶(コマ)する直前さ
※「Crash coma」は、強力なマリファナ(インディカ種など)やリーンを摂取しすぎて、昏睡状態(Coma)のように泥酔・爆睡してしまう状態(カウチロック)を指す。
I promise I’ll end up putting it on ya (Let’s go)
間違いなく、お前にブチ込んでやるよ
I'm ’bout to knock it out the park, homer (Ye-ye-yeah)
スタジアムの場外までかっ飛ばすぜ、特大のホームラン(ホーマー)をな
※野球でボールを球場外へ打つ(Knock it out the park=大成功を収める)という比喩。ここではベッドの上での圧倒的なパフォーマンス(性行為)や、音楽シーンで連続して特大ヒット(Homer)を放つことのダブルミーニング。
I'm the one she call when she's a loner (Let's go)
彼女が寂しい時に呼び出すのはこの俺さ
I toss a hundred bands, that’s not a loaner (That's straight)
10万ドルを投げ飛ばす、貸しじゃねえぞ(くれてやる)
※「Hundred bands」は10万ドル(約1500万円)の札束。それをストリップクラブ等でバラ撒く(Toss)が、決して返済を求める「Loan(貸付)」ではなく、すべて返金不要のチップであるという圧倒的な資金力の誇示。
I get high, yeah, baby, I get so lit (Ayy, drip)
俺はハイになる、ああベイビー、最高にキマってるぜ
I'm searching for that baby with a stroller (Pull over)
ベビーカー(ストローラー)を引いてるようなベイビー(本命の女)を探してるんだ
※「Baby(魅力的な女性)」を探しているが、「Stroller(ベビーカー)」を伴うことで、遊びの女(前述のstop cuffing her)ではなく、自分の子供を産んでくれる本命(Baby mama)を探しているという彼の孤独感と家族への憧れを皮肉交じりに表現している。
[Chorus]
You've got what everyone wants (Got it)
誰もが欲しがるものを、お前は持ってる
Buy the car, watch everyone home (Beep)
車を買いな、みんなが帰るのを見届けてやれ
Dropped the call 'cause you so high up (Yeah)
電話が切れちまったのは、お前が高すぎる所にいるからさ
I'm pulling up, nigga, have that shit on
今から車で乗り込むぜ、そのヤバい服を着て待ってな
We need it, so retrieve it
それが必要なんだ、だから取ってこい
We ain't waiting more than fifteen for it (Uh)
15分以上は待たねえぞ
Yeah, we need it (Yeah), and we mean it
ああ、必要なんだ、マジで言ってるぜ
We ain't waiting more than fifteen for it
15分以上なんて待ってられねえ
I scrub the deuce in the double cup (Let's go)
ダブルカップに2オンスのシロップを注ぎ込む
Then I had to watch it bubble up (Tch)
そして、それが泡立つ(バブル・アップする)のを見つめるんだ
I would hate to burst your bubble, but (Bust it)
お前の幻想(バブル)をぶち壊したくはねえが
If you're gonna be another one (Go)
もしお前が、そこらへんのありふれた奴になるつもりなら
Are you a boss or a customer? (A customer)
お前はボス(売る側)なのか、それともただの客(買う側)なのか?
Get it off on consumer (Consumer)
消費者に売り捌くんだよ
You're a backwards hustler (Hustle)
お前は逆行してるハスラー(金を使うだけのバカ)だぜ
And you better stop cuffing her (Cuffing)
あんなビッチを囲う(彼女ヅラさせる)のはやめとけ
