Artist: Doechii
Album: Alligator Bites Never Heal
Song Title: SLIDE
概要
Doechiiのミックステープ『Alligator Bites Never Heal』に収録された本作「SLIDE」は、彼女の攻撃的でハードコアなペルソナ(Black Bitch)から一転、官能的でメロウなR&Bバイブスを前面に押し出したトラックである。性的な主導権を巡る恋人との駆け引きをテーマにしており、相手を「スーパースター」と立てて自分の身体を「ステージ」として提供する一方で、最終的には彼を「ペイロール(給与名簿)」に組み込むというボスとしてのドミナンス(支配力)を垣間見せる。Boosie Badazzへの言及や、銃(Toolie)のメタファーを用いたストリート特有のワードプレイを交えつつ、男女のパワーバランスを自在にコントロールするDoechiiの多面的な魅力と卓越したソングライティング能力が光る一曲だ。
和訳
[Intro]
Ha-ha, yeah, yeah, yeah, ha-ha
ハハ、イェー、イェー、イェー、ハハ
Yeah, yeah, yeah, ha-ha
イェー、イェー、イェー、ハハ
Yeah, yeah, yeah
イェー、イェー、イェー
[Chorus]
He like the way I move
アイツはアタシの動きが好きなの
He like the way I groove
アタシのグルーヴがたまらないのよ
Droppin' it down, no Boosie
低く腰を落とすの、ブージーじゃなくてもね
※サウス・ヒップホップの重鎮Boosie Badazz(Lil Boosie)は、クラブで女性に腰を低く落とさせる(Drop it down)露骨なバウンス・アンセムで知られる。ここでは「Boosieの曲が流れるクラブで躍らされているわけではなく、アンタのためだけにプライベートで腰を落としている」というエクスクルーシブな誘惑を示している。
He love the way I'm choosy
アタシがえり好みする(誰にでも股を開くわけじゃない)ところもアイツのツボなの
Don't wanna go, I'll stay
帰りたくないわ、ここに残る
Keepin' me on all day
一日中、アタシを夢中にさせてよ
Fixin' me up, no tooley
アタシを満足(修理)させてくれる、ハジキ(ツール)なんて無しでね
※「tooley (toolie)」は拳銃(Tool)を指すストリート・スラング。ストリートの厄介事を「解決(Fix)」するには銃が必要だが、ベッドルームで彼女を「満たす(Fix up)」のに武器は不要であり、彼の肉体的なツール(男根)だけで十分だというダブルミーニング。
Keepin' me on, no groupie
アタシを繋ぎ止めてる、グルーピー(ただの追っかけ)なんかじゃないわよ
[Verse 1]
You the superstar, I'm the stage
アンタがスーパースターで、アタシがステージよ
※普段は圧倒的なカリスマでシーンの主役(スーパースター)を張るDoechiiだが、ベッドルームでは恋人にその座を譲り、自身の身体を彼がパフォーマンスするための「ステージ」に見立てている。主導権を意図的に委ねる官能的なメタファーだ。
Slide when you want, it's a wave
好きな時にスライドして(滑り込んで)きて、まるで波みたいにね
Call when you want, that's the way it go
好きな時に電話してきて、そういう風に進めていくの
Got me, bouta put you on the payroll
アタシを夢中にさせたわね、そろそろアンタをペイロール(給与名簿)に入れてあげる
※直前まで相手を「スーパースター」と立てていたが、ここでは彼を雇って給料を払う「ボス(シュガーママ)」としての本性を覗かせる。服従と支配のパワーバランスを自在に操る、彼女特有のドミナントな一面。
You the superstar, I'm the stage
アンタがスーパースターで、アタシがステージよ
Slide when you want, it's a wave
好きな時にスライドしてきて、まるで波みたいにね
Call when you want, that's the way it go
好きな時に電話してきて、そういう風に進めていくの
Got me, bouta put you on the payroll
アタシを夢中にさせたわね、そろそろアンタをペイロールに入れてあげる
[Pre-Chorus]
You gon' be type to hit it low-low-low-low
アンタは低く、低く突いてくるタイプでしょ
Drop it down to the floor now
床につくくらい、深く落とし込んで
Try to hit it right but hit it slow-low-low-low
正確に突こうとして、でもゆっくりとね
Talkin' fast, bring it lower
早口で囁きながら、もっと低く持っていくの
He gon' bring the top down, bring the top down
アイツはトップ(車の屋根/自分の頭)を下ろしてくる
When I hit him, it's a knockout, it's a knockout
アタシがアイツを突き上げれば、完全にノックアウトよ
Bring it lower, you hit it, I hit it slower
もっと低くして、アンタが突いて、アタシはゆっくり突き返すの
[Chorus]
He like the way I move
アイツはアタシの動きが好きなの
He like the way I groove
アタシのグルーヴがたまらないのよ
Droppin' it down, no Boosie
低く腰を落とすの、ブージーじゃなくてもね
He love the way I'm choosy
アタシがえり好みするところもアイツのツボなの
Don't wanna go, I'll stay
帰りたくないわ、ここに残る
Keepin' me on all day
一日中、アタシを夢中にさせてよ
Fixin' me up, no tooley
アタシを満足させてくれる、ハジキなんて無しでね
Keepin' me on, no groupie
アタシを繋ぎ止めてる、グルーピーなんかじゃないわよ
[Verse 2]
I slip, you slide, I whip, you drive
アタシが滑って、アンタがスライドする。アタシが車(ウィップ)を出して、アンタが運転する
You lie, I trip, we fight
アンタが嘘をついて、アタシが取り乱して(トリップして)、ウチらは喧嘩する
I seal, you sell, I buy, drip, life
アタシがパケを閉じて(シールして)、アンタが売り捌く。アタシが買って、着飾って(ドリップ)、これが人生よ
※ドラッグディールのパッキング(Seal)と密売(Sell)というストリート・ハッスルのメタファーを用いて、二人の危険で共依存的なパートナーシップを表現している。まさにヒップホップ版「ボニー&クライド」のダイナミクス。
Taking me out for the ride
アタシをドライブ(快楽)に連れ出してくれる
Lime and Patrón, yeah, yeah
ライムとパトロン(高級テキーラ)、イェー、イェー
You got me gone, yeah, yeah
アンタのせいで完全にイッちゃったわ、イェー、イェー
Face so pretty, need a facelift
顔が可愛すぎて、フェイスリフト(整形)が必要なくらいよ
Slide 'round on me on the late shift
深夜のシフト(夜中)に、アタシのところに滑り込んで(スライドして)きて
Ass so big, you could bake it
ケツ(ケーキ)がデカすぎて、アンタなら焼ける(ベイクできる)でしょ
※女性の魅力的なお尻を指すスラング「Cake(ケーキ)」と、オーブンで焼く「Bake」を掛けた言葉遊び。
Got a nigga so deep, hope he make it
アイツを深くまで沈み込ませたわ、無事に生還(イクこと)できるといいけどね
[Pre-Chorus]
He gon' bring the top down, bring the top down
アイツはトップを下ろしてくる
When I hit him, it's a knockout, it's a knockout
アタシがアイツを突き上げれば、完全にノックアウトよ
Bring it lower, you hit it, I hit it slower
もっと低くして、アンタが突いて、アタシはゆっくり突き返すの
[Chorus]
He like the way I move
アイツはアタシの動きが好きなの
He like the way I groove
アタシのグルーヴがたまらないのよ
Droppin' it down, no Boosie
低く腰を落とすの、ブージーじゃなくてもね
He love the way I'm choosy
アタシがえり好みするところもアイツのツボなの
Don't wanna go, I'll stay
帰りたくないわ、ここに残る
Keepin' me on all day
一日中、アタシを夢中にさせてよ
Fixin' me up, no tooley
アタシを満足させてくれる、ハジキなんて無しでね
Keepin' me on, no groupie
アタシを繋ぎ止めてる、グルーピーなんかじゃないわよ
[Post-Chorus]
Yeah, yeah, yeah, groupie
イェー、イェー、イェー、グルーピー
Yeah, yeah, yeah, toolie
イェー、イェー、イェー、ハジキ
Yeah, yeah, yeah, groupie
イェー、イェー、イェー、グルーピー
Yeah, yeah, yeah, D-O, D-O, D-O
イェー、イェー、イェー、D-O、D-O、D-O
※D-OはDoechiiの愛称。
[Verse 3]
And I do the most when I hop on the dick
ディックに跨る時、アタシは限界までやり切る(ドゥー・ザ・モースト)の
※「do the most」はやり過ぎる、全力で期待以上のことをするというスラング。
Talk that shit when I drop in a split
股割り(スプリット)で落とし込む時、強気な戯言を囁いてやるのさ
And he don't need lotion when I fall in the mix
アタシが絡めば、アイツにローションなんて必要ないわ
※Cardi BやMegan Thee Stallionの「WAP」にも通じる、女性側の極上のセクシャルな自信(生まれつきの濡れ具合)の誇示。
Get that motion and fall in the bliss
激しい動き(モーション)に乗って、至福の中に落ちていく
And he sip that potion all in the whip
アイツは車(ウィップ)の中で、魔法の薬(ポーション)を飲み干すの
※「potion」はパープル・ドランク(リーン)や高級酒などのドラッグ・カクテルのこと。
Got that wet, keep 'em all on my hip
しっぽり濡らして、アイツらをアタシの腰(ヒップ)の虜にしておくのさ
And I'm doing the most for ya, yeah
アンタのために全力でやり切って(ドゥー・ザ・モースト)あげる、イェー
Doing the most for ya, most for ya
限界までやってあげる、最高にね
[Chorus]
He like the way I move
アイツはアタシの動きが好きなの
He like the way I groove
アタシのグルーヴがたまらないのよ
Droppin' it down, no Boosie
低く腰を落とすの、ブージーじゃなくてもね
He love the way I'm choosy
アタシがえり好みするところもアイツのツボなの
Don't wanna go, I'll stay
帰りたくないわ、ここに残る
Keepin' me on all day
一日中、アタシを夢中にさせてよ
Fixin' me up, no tooley
アタシを満足させてくれる、ハジキなんて無しでね
Keepin' me on, no groupie
アタシを繋ぎ止めてる、グルーピーなんかじゃないわよ
