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Bitch I’m Nice - Doechii 【和訳・解説】

Artist: Doechii

Album: she / her / black bitch

Song Title: Bitch I’m Nice

概要

2022年に名門TDE(Top Dawg Entertainment)からリリースされたデビューEP『she / her / black bitch』に収録された本作は、Doechiiの底知れぬ自信とストリートのタフネスが爆発するバンガーだ。Go GrizzlyやBankroll Got Itらが手掛けるバウンシーで攻撃的なビートに乗せ、富の誇示(フレックス)、男たちを翻弄する魅力、そしてゲットー育ちのルーツを高速フロウでスピットする。キャッチーなフックの中にも、銃器やストリートの掟、ハイブランドのメタファーが緻密に織り込まれており、メインストリームを席巻しつつも決して「フッドの魂」を忘れない彼女の絶対的な覇気とヴィラン(悪役)的なカリスマ性が凝縮された一曲である。

和訳

[Intro]

Go Grizz
ゴー・グリズ

D-Diego
D・ディエゴ

B-B-Bankroll got it
バンクロール・ガット・イット
※本楽曲を手掛けたプロデューサー陣(Go Grizzly、Diego Ave、Bankroll Got It)のシグネチャータグ。

[Verse 1]

Niggas sellin' dreams to buy me a new jet
野郎どもはアタシに新しいジェット機を買うために、夢(ドラッグ)を売り捌いてる
※「sellin' dreams」は「甘い言葉で騙す(夢を見させる)」ことと、ストリートで「ドラッグ(夢のようにハイになるもの)を密売する」ことのダブルミーニング。男たちがDoechiiに貢ぐために必死で違法なハッスルをしている様子をあざ笑っている。

Cartier drippin', I'm flexin' that new wet
カルティエが滴ってる、最新の「ウェット(宝石)」を見せびらかして(フレックスして)やる
※「wet」は水のように澄んで光り輝く最高品質のダイヤモンド(Ice/Drip)を指すスラング。また女性器の濡れ具合(WAP)とも掛かっている。

I be rollin' through the hood to buy me a new set
アタシは新しいセット(仲間・縄張り)を買うためにフッドを流してるのさ

And we sit in foreign cars, you sittin' on new debt
ウチらは高級外車(フォーリン)に座ってるけど、アンタらは新たな借金の上に座ってるのね
※「foreign cars(輸入車=大金持ちの象徴)」と「debt(借金まみれのフェイクなラッパー)」の対比。

No sweat, I'm the heavyweight champ, whaddup?
余裕よ、アタシはヘビー級チャンピオンなんだから。調子はどう?

When I bring the coke out, white girls cut up
アタシがコカインを出せば、白人の女の子たちはラインを引く(騒ぎ立てる)わ
※「coke(コカイン)」を「cut up(カード等で細かく刻んでラインを作る)」することと、クラブで「テンションが上がって馬鹿騒ぎする(cut up)」ことのダブルミーニング。ストリートのドラッグカルチャーを背景にした強烈なジョーク。

When I walk up in the room, every boy shut up
アタシが部屋に入れば、男はみんな黙り込む

'Cause they know my niggas zoom in the cut, they run up
だって、アタシの仲間が暗がり(ザ・カット)から狙いをつけて、襲いかかってくる(ラン・アップする)って分かってるからね
※「in the cut」は目立たない場所や物陰のこと。「zoom」は銃のスコープで狙うこと。「run up」は襲撃を意味する。Doechiiの背後には常に危険なストリートのクルー(ヒットマン)が控えているという威嚇。

[Chorus]

Bitch, I'm nice, got a bitch cleaned up right
ビッチ、アタシは最高よ。他の女どもをきっちり掃除(片付け)してやったわ
※「nice」はここでは「親切」ではなく「(スキルやルックスが)ヤバい、イケてる」のスラング。「cleaned up」は着飾っているという意味と、邪魔なライバルたちを一掃した(殺した)という意味のダブルミーニング。

That nigga might got racks but he ain't my type
あの男は札束(ラックス)を持ってるかもしれないけど、アタシのタイプじゃない

I'm the best thing in your lifе
アタシはアンタの人生で最高の存在でしょ

Know this pussy good and it purr but it still got bite
このプッシーが最高で、猫みたいに喉を鳴らす(パー)のは知ってるだろうけど、それでもちゃんと噛みつくからね
※プッシー(Pussycat)を猫に例え、従順で心地よい(purr)だけでなく、危険で凶暴な一面(bite)も持ち合わせているというファム・ファタール的な魅力を表現している。

Come through, dubbin' on sight
やって来て、見つけた瞬間にダブ(無視)してやるわ
※「dubbin'」はAAVEで相手を無視する、振る、相手にしないこと。どれだけ男が寄ってきても一瞥で切り捨てる冷酷さ。

Yeah, thеse bitches hood and they good but they ain't got stripes
イェー、あいつらもフッド出身でイケてるんだろうけど、ストライプ(勲章)は持ってないのよ
※「stripes」は軍隊の階級章(ストライプ)から転じて、ストリートにおける「確かな実績、リスペクト、ハク」を意味する。単なるゲットー育ちの女たちと、ストリートで確固たる地位を築いた自分との格の違いを見せつけている。

I'm the biggest threat to your wife
アタシはアンタの奥さんにとって最大の脅威よ

Go back to the hood, hit a jugg and bring a knife to a fight
フッドに戻って、強盗(ジャグ)をカマして、喧嘩にナイフを持ち込むのさ
※「hit a jugg」はストリートスラングで「強盗や詐欺で手っ取り早く金を稼ぐ(ハッスルする)」こと。銃社会であるアメリカで「喧嘩にナイフを持ち込む(Bring a knife to a gunfightという慣用句の応用)」という原始的でバイオレントなアティチュード。

[Verse 2]

Woo, breathe, need a new set, new scene
フゥ、深呼吸して。新しいセット、新しいシーンが必要ね

Feelin' like a brand new bitch, need a brand new team
完全に生まれ変わった気分よ、新しいチームが必要だわ

You talkin' to the rep or to the queen?
アンタが話しかけてるのは代理人? それとも「女王」本人?
※「rep(担当者や下っ端)」ではなく、意思決定権を持つボス(Queen)に直接話を通せという、業界における絶対的な権力の誇示。

Bet your nigga steppin', he Pateked, got him kissin' on the rings
アンタの男はアタシに尽くす(ステップする)、パテック・フィリップを貢いできて、アタシの指輪にキスさせてるわ
※「steppin'」は命令に従って動くこと。「Pateked」は最高級時計ブランドPatek Philippe(パテック・フィリップ)を名詞から動詞化(時計を装備させる/貢がせる)したもの。マフィアのドン(指輪にキスをさせる)のような振る舞いで、他人の男を服従させている。

Bet he make my line bling
アイツがアタシの電話(ライン)を鳴らしまくる(ブリング)に決まってる
※Drakeの大ヒット曲「Hotline Bling」を連想させるフレーズ。

Put him in the corner, get a boner when he find me on the ping
アイツを隅っこに追いやって、アタシがPING(通知)を送っただけでアイツは勃起するのさ
※デジタル上のわずかな接触(ping=メッセージや通知)だけで男を性的に興奮させ、完全にコントロール下に置いているというサディスティックな描写。

Now he havin' wet dreams
今じゃアイツは夢精(ウェット・ドリーム)しちゃってる

Wake up to your baby daddy sexting
目を覚ますと、アンタの子供の父親(ベイビー・ダディ)からセクスト(卑猥なメッセージ)が来てるのよ

I'ma pull up in a rocket, then take it to go out shoppin'
ロケット(超高級車)に乗って現れて、そのままショッピングに連れて行くわ

And my drip so cold, they dip it and I'ma mop it
アタシのドリップ(ファッション/才能)は冷たくて最高だから、連中は身を浸すし、アタシはそれをモップで拭き取るの
※「drip(水滴=ファッションセンス)」が溢れすぎて床がビショビショになるため、モップがけが必要になるというヒップホップ特有のユーモラスなフレックス。

Got this shit so tight, they treat me like I'm a target
このプッシー(あるいはラップスキル)がタイト(キツい/完璧)すぎるから、連中はアタシをターゲットみたいに狙ってくるの

When a bitch send shots, I whip it and I'ma dodge it
ビッチ共がショット(銃弾/ディス)を撃ってきても、アタシは車を飛ばして(ウィップ)、華麗に避けて(ダッジ)やるわ
※「shots(ディスや銃撃)」を「dodge(避ける)」し、アメ車ブランドの「Dodge(ダッジ)」と「whip(車を運転する)」を掛け合わせたテクニカルなワードプレイ。

[Chorus]

Bitch, I'm nice, got a bitch cleaned up right
ビッチ、アタシは最高よ。他の女どもをきっちり掃除(片付け)してやったわ

That nigga might got racks but he ain't my type
あの男は札束を持ってるかもしれないけど、アタシのタイプじゃない

I'm the best thing in your life
アタシはアンタの人生で最高の存在でしょ

Know this pussy good and it purr but it still got bite
このプッシーが最高で、猫みたいに喉を鳴らすのは知ってるだろうけど、それでもちゃんと噛みつくからね

Come through, dubbin' on sight
やって来て、見つけた瞬間にダブ(無視)してやるわ

Yeah, these bitches hood and they good but they ain't got stripes
イェー、あいつらもフッド出身でイケてるんだろうけど、ストライプ(勲章)は持ってないのよ

I'm the biggest threat to your wife
アタシはアンタの奥さんにとって最大の脅威よ

Go back to the hood, hit a jugg and bring a knife to a fight
フッドに戻って、強盗をカマして、喧嘩にナイフを持ち込むのさ