Artist: Doechii
Album: Oh The Places You’ll Go
Song Title: Drop Out
概要
『Oh The Places You’ll Go』に収録された本作「Drop Out」は、Doechiiが底辺の労働環境(最低賃金)から抜け出し、自らの力で音楽的な成功を掴み取るまでの軌跡を描いたハングリーなセルフ・エンパワーメント・アンセムだ。タイトルの「Drop Out」は単なる中退や脱落ではなく、社会が強要する搾取的なシステム(タイムカードを押す生活)からの「脱却」を意味している。かつては救世主を待つ「悲劇のヒロイン(damsel)」だった彼女が、自身のペン(作詞)で運命を切り拓き、周囲のヘイターたちの冷笑を歓声へと変えていく様を、軽快なフロウと力強いR&Bのバイブスに乗せて歌い上げる。インディペンデント期からスターダムへ駆け上がる彼女の覚悟が刻まれた重要作である。
和訳
[Verse 1]
I been in my zone
アタシはずっと自分のゾーン(集中状態)に入ってる
Slidin', glidin', ridin'
滑らかに、軽やかに、乗りこなしてるのさ
Solo on my own
誰にも頼らず、ソロでね
Grindin', stylin', climbin'
ハッスルして、スタイルを見せつけて、上へ登っていく
I'm workin' minimum wage and losin' oxygen
最低賃金で働かされて、息も詰まりそうになってる
※「losin' oxygen(酸素を失う)」は、搾取的な労働環境(minimum wage)によって肉体的・精神的に追い詰められ、窒息しそうになっている底辺の生活をリアルに表現している。
And by the end of today, I'm dozin' off again
そして今日が終わる頃には、また居眠りしちまうの
I made a couple of plays, a couple offerings
いくつかプレイ(仕掛け)をして、いくつか供え物(犠牲)も払ってきた
※「plays」はストリートやビジネスにおける戦略的な動きや取引のこと。「offerings」は神や目標に対して捧げるもの(時間、労力、あるいは犠牲)。音楽で成功するための水面下での地道な努力とハッスルを示している。
So by the end of today, I'm never clockin' in, clockin' in, yeah
だから今日が終われば、もう二度とタイムカードなんて押さない、絶対にね
※「clockin' in」は出勤時にタイムカードを押すこと。最低賃金で働く労働者階級の生活(9 to 5のラットレース)から完全に「Drop Out(脱却)」し、アーティストとしてインディペンデントに生きていく決定的な瞬間を宣言している。
[Chorus]
People frowned, and everybody doubted
みんなが眉をひそめて、アタシのことを疑ってた
Tell me that I'm selfish, but I just keep on stylin', yeah
ワガママだって言われても、アタシは自分のスタイルを貫き続けるのさ
People notice, now they see I'm chosen
みんな気づき始めた、今じゃアタシが選ばれし者(チョーズン)だって分かってる
Used to tell me "no," now they rockin' out my show
昔は「お前には無理だ」って言ってた連中が、今じゃアタシのショーで熱狂してるのよ
※無名時代に自分を見下していたヘイターたちが、成功した途端に手のひらを返してファンになるという、ヒップホップにおける成功(フレックス)の典型的なカタルシスを描いている。
Like, oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh
オー、オーオー、オーオー…
Ridin' and glidin' for like my whole life
これまでの人生ずっと、乗り越えて、軽やかに滑空してきた
Oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh
オー、オーオー、オーオー…
Ridin' and grindin' but now it's my time
乗り越えて、ハッスルし続けてきた、ついにアタシの時代が来たのよ
[Post-Chorus]
'Nother round, pull it up (pull it up, pull it up)
もう一杯(もう一曲)、プルアップしな
※「pull it up」は、ダンスホール・レゲエやヒップホップのDJが、曲が盛り上がった時に一旦曲を止めて最初からかけ直す(巻き戻す)ことを意味する「Pull up (Wheel up)」のこと。クラブでの熱気やショーの盛り上がりを表現している。
All around, put your hands up baby
フロアのみんな、両手を上げなよ、ベイビー
'Nother round, pull it up (pull it up, pull it up)
もう一杯(もう一曲)、プルアップしな
All around, put your hands up, oh, oh-oh
フロアのみんな、両手を上げて
[Verse 2]
I used to be the damsel
昔のアタシは悲劇のヒロインだった
※「damsel」は「Damsel in distress(囚われの姫君、男の助けを待つ無力な女性)」という古典的な文学・映画のトロピックを指す。
But now I push the pencil on my own
でも今じゃ、自分の力でペンを走らせてるのよ
※誰かに助けられるのを待つのではなく、自らのペン(作詞能力・リリシズム)を使って自分の運命とキャリアを切り拓いているという、自立した女性アーティストとしての力強いエンパワーメント。
I used to want a hero (I used to want a hero)
昔はヒーローを求めてた(助けてくれる人を待ってた)
But now I got the zeros on my own
でも今じゃ、自分の力でゼロの数(大金)を稼いでるの
※「zeros」は銀行口座の残高に並ぶ「0」の数、つまり莫大な富(大金)のこと。白馬の王子様や男性プロデューサーといった「ヒーロー」に頼らずとも、経済的にも完全に自立したことをフレックスしている。
'Nother round, pour it up, it's plenty in my cup
もう一杯注ぎな、アタシのカップはもうたっぷり満たされてるけど
I put in too much work, for you to call it luck
これを「運が良かっただけ」なんて言わせない、それだけのハードワークをこなしてきたんだから
Was down for the bluff, but now I had enough
昔はハッタリに付き合ってたけど、もうウンザリなのよ
Surrounded with love, until I'm in the dirt
土に還る(死ぬ)その時まで、愛に包まれて生きるの
Been in designer, make em hit my line up
デザイナーズブランドに身を包んで、連中から電話をかけさせる
Whippin' thru the city with my driver
お抱えの運転手付きの車で、街を疾走してる
※「Whippin'」は高級車などで運転(クルージング)すること。最低賃金でタイムカードを押していたVerse 1の状況から完全に成り上がり、運転手付きのラグジュアリーな生活を送っているという鮮やかな対比。
Oh, oh-oh
オー、オーオー
By my lonely, now the blessing's on me
ひとりで孤独だったけど、今じゃ祝福がアタシに降り注いでる
I'ma celebrate it 'til I'm moldy
カビが生える(死んで朽ちる)まで、この成功を祝い続けるわ
※「moldy」はカビが生える、朽ち果てるという意味。「until I'm in the dirt(土に還るまで)」と同様に、死ぬまでこの音楽の道で成功を謳歌し続けるという強い決意。
Oh, oh-oh
オー、オーオー
[Chorus]
People frowned, and everybody doubted
みんなが眉をひそめて、アタシのことを疑ってた
Tell me that I'm selfish, but I just keep on stylin'
ワガママだって言われても、アタシは自分のスタイルを貫き続けるのさ
People notice, now they see I'm chosen
みんな気づき始めた、今じゃアタシが選ばれし者(チョーズン)だって分かってる
Used to tell me "no," now they rockin' out my show
昔は「お前には無理だ」って言ってた連中が、今じゃアタシのショーで熱狂してるのよ
Like, oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh
オー、オーオー、オーオー…
Ridin' and glidin' for like my whole life
これまでの人生ずっと、乗り越えて、軽やかに滑空してきた
Oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh
オー、オーオー、オーオー…
Ridin' and grindin' but now it's my time
乗り越えて、ハッスルし続けてきた、ついにアタシの時代が来たのよ
[Post-Chorus]
'Nother round, pull it up (pull it up, pull it up)
もう一杯(もう一曲)、プルアップしな
All around, put your hands up baby
フロアのみんな、両手を上げなよ、ベイビー
'Nother round, pull it up (pull it up, pull it up)
もう一杯(もう一曲)、プルアップしな
All around, put your hands up, oh, oh-oh
フロアのみんな、両手を上げて
[Chorus]
People frowned, and everybody doubted
みんなが眉をひそめて、アタシのことを疑ってた
Tell me that I'm selfish, but I just keep on stylin'
ワガママだって言われても、アタシは自分のスタイルを貫き続けるのさ
People notice, now they see I'm chosen
みんな気づき始めた、今じゃアタシが選ばれし者(チョーズン)だって分かってる
Used to tell me "no," now they rockin' out my show
昔は「お前には無理だ」って言ってた連中が、今じゃアタシのショーで熱狂してるのよ
Like, oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh
オー、オーオー、オーオー…
Ridin' and glidin' for like my whole life
これまでの人生ずっと、乗り越えて、軽やかに滑空してきた
Oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh
オー、オーオー、オーオー…
Ridin' and grindin' but now it's my time
乗り越えて、ハッスルし続けてきた、ついにアタシの時代が来たのよ
[Outro]
'N-n-n-nother round, pull it up, now, now-now
もう一杯(もう一曲)、プルアップしな、今すぐ
All around, put your hands up baby
フロアのみんな、両手を上げなよ、ベイビー
'N-n-nother round, pull it up, up up up up-up
もう一杯(もう一曲)、プルアップしな
All around, put your hands up, up, oh-oh
フロアのみんな、両手を上げて、オーオー
